infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
三色のライダー「海東の奴がお前んとこの蝙蝠にちょっかい出したとこまでだな」
ケイタ「うわビックリした! アンタ一体」
三色のライダー「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ。」
紗路「信号機の仮面ライダーじゃなくて?」
通りすがり「確かに縦長の信号機と同じカラーリングだが関係ない。これは鷹、虎、飛蝗だ。」
紗路「へぇー……」
ケイタ「智乃ちゃんを襲った怪物は何者なのか?そして千冬さんは冤罪なのか、さてさてどうなる?」
1
ただただ見慣れない天井を見続けながら織斑千冬はあくびを噛み殺した。
ここに入れられてどのくらい経ったのかもう分からない。
拘置場に居るわけだから話し相手も娯楽の類ももちろん無い。
なんでここに居るかも分からないまま無為に時間だけが過ぎていく。
(私は、何をしてるんだろう?)
一夏とケイタの事に関してはもう納得した。
まだ時間がかかる事も有るだろうが、平気だ。
だがあの泊という刑事に三春が脱走したと聞かされた時に別の問題を思い出した。
(一夏には、随分と寂しい思いをさせてしまった。
じゃあ三春には何をしてしまったんだ?)
2人を守る事は義務というか、
私がやらなきゃいけない事だと思っていた。
だが結局は押さえつけて成長を見ていないだけだった。
そして三春は
(いつから、ああなってしまったんだ?)
考えても答えに辿り着かないと分かっていても考えずにはいられなかった。
(結局私は何も出来ないんだろうか?)
ラウラに力は物理的な強さでは無いと言っておきながら一夏や三春の心を見ていなかったとは恥ずかしい限りだ。
「ーー! おい!聞いてるのか?」
「え?」
「面会だ。出ろ!」
看守に連れられよく刑事ドラマで見るあの部屋に連れて行かれる。
ガラス越しに居たのは一夏やケイタ達、
草加や詩島達でも、ましてや泊や狩野でも無かった。
「筿原ミナ国家IS委員長!?」
「お久しぶりですね。織斑千冬さん。」
落ち着いた静かな微笑を浮かべながら改めて、と一拍おき
「私は筿原ミナ。日本の国家IS委員会の委員長にして、機動兵器犯罪捜査課の設立を要請した者です。」
「!? そんなあなたが何故ここに?」
「あなたに全て説明する為です。」
「全て?」
「何故私がこの地位まで登り詰めていながらISの欠陥を白日に晒す様な部署を設立したのか。
その全てをお話しします。」
曰くそれは2003年1月12日。
世界中の鏡から異形達が押し寄せた。
それは手当たり次第に人を襲い、食らい、屍と血溜まりを作り続けた。
「そんな時助けてくれたのが仮面ライダーでした。」
まだ小さかった自分を助けてくれた青いジャンパーの男は背中を怪物に傷つけられ、血を流す男。
彼が無事だったかは分からない。
けど最後に見たのは
「変身!」
赤と黒の鎧に銀の仮面を纏って果敢にも立ち向かう戦士の後ろ姿。
「あの時、ゼロワンを倒した戦士がその青い服の男だったと?」
「違います。彼は別人です。」
というか、と言いながらミナは悲しげな、やっぱりかと言う様な顔になり
「やはり忘れてしまったのですね。
仮面ライダーを、正義の使者達を。」
次に彼女は、自分が何故仮面ライダーの名前を知ったかを語った。
「2010年8月7日。
傭兵集団NEVERによる風都タワー占拠事件。
この記事を見て、私は決断しました。」
「決断?」
「私を助けてくれたあの仮面ライダーを探す為に権力を手に入れようと」
そしてIS適正はあまり無かったが巧みな弁舌と政治工作で現在の地位に上り詰めた。
「そして驚きました。
皆が、本人さえもが仮面ライダーを忘れている。」
はぁ…、と生返事する千冬に
「あなたもその1人です。」
と、断言する。
「一条薫に草加雅人、詩島剛。
仮面ライダークウガの唯一無二の親友に
仮面ライダーカイザ、仮面ライダーマッハ本人と近くにいながら何も感じていない。」
「なんだと!?」
想像もしなかった事だった。
あの3人が仮面ライダー?
「だから私は彼らや彼らの周囲にいた仮面ライダーを知る者を中心に機動兵器犯罪捜査課を設立させました。
仮面ライダーの戦いは、
間違いなくあったと証明する為に。」
その為だけに、私はここにいます。
そうとだけ言うとミナは去って行った。
2
コンビニでカップ麺を買い足し真っ直ぐに基地に戻る。
任務以外で間明蔵人が唯一地球側に戻る時、
背後から視線を感じだ。
(やれやれ、勘弁して欲しいね。)
ただのアンカーのエージェントとかなら適当なタイミングでベノスネーカーに喰わせよう。
買ったカップ麺を近くにいたビーストに預けて人気の無い場所に行く。
「わざわざこんなとこに来るなんて、
誘ってるつもりかな?」
暗い緑色のシャツの陰湿そうな男が立っていたその腰には
「ベルト? まさか…」
<9 1 3 enter standing by>
「変身!」
<complete>
「ほう…フォトンブラッドを使った兵器か」
くいっ!と襟を正す様な仕草をすると
草加が変身したライダー、
仮面ライダーカイザは専用武器の
カイザブレイガンを構えた
「死ね!」
連写されるフォトンストリームの光弾を避け、間明もデッキを構え
「仮面ライダー。」
ストライクに変身。ベノバイザーを逆手に構えて肉薄する。
振り下ろされるバイザーを
アーマーの1番硬い肩部分で受けるカイザ。
「君に狙われる謂れはない筈だけど?」
「お前は、一夏を悲しませようとしている。」
「勘違いして貰っちゃ困るな。
僕は織斑千冬が逮捕された件には全く関わってないよ。」
別件で忙しいんだ。と言うストライクに
結局一夏を悲しませるんだろう?とカイザ
「? それがなんだい?」
「一夏は、少なくともよく眠れる場所で幸せになるべき人間だ。
その方が俺にとっても都合がいい。」
「だったら何さ!」
顔面を殴り、
バイザーを引っ込めるとベノサーベルに持ち替え迫るストライク。
カイザはバックルからミッションメモリーを引き抜き、
カイザブレイガンにセット、
黄色い刀身を出現させ受ける。
「邪魔なんだよ…俺の思い通りにならない者は全て!」
<exceed charge>
至近距離で拘束用の特殊光弾を発射し、ストライクは網目状のエネルギーに貼り付けにされた様に動けなくなる。
「こ、これは…」
「俺の思い通りにならない者は皆罪人だ!
罪には…
カイザの体が閃光に変わり、
X字型にストライクを斬り裂く!
「デェヤァアァアア!!!」
「うわぁああああああ!!!!」
青い炎が上がる。
ストライクの身体が灰になって、
その上に紫のデッキがポトリと落ちた。
「ふん。呆気ないなぁ…」
そう言ってカイザがその場を去ろうとした時、ぐしゃり。
「まさか!」
振り返るカイザ。そこに居たのは
「全く、こちらに都合の悪い展開になって来たなぁ…」
草加雅人にとって最も因縁深いオルフェノク、
スパイダーオルフェノクの姿があった。
「どうやら、まだやれるみたいだね。」
「逃すか!」
ブレイガンを撃とうとするが、近くの窓から飛び出して来たメタルゲラスに妨害される。
次にガンを構えた時、奴は消えていた。
3
詩島剛と合流した3人はラビットハウスに戻って来た。
「ただいまー!」
「お、お帰り網島……!
い、いらっしゃいませこちらのお席に…」
「あー待って待って理世さん。
この人は千冬姉の友達で」
「詩島剛。よろしくね」
「え?…そ、そうでしたか……」
心底疲れた。と言う様に座り込む理世。
『どうしたんだ?
満身創痍じゃないか。』
変形しながらケイタの肩に乗るセブン。
「!? ケータイが喋った!」
「あ、詩島さんこれは!」
「知ってるよ。フォンブレイバーだろ?」
噂ぐらい聞いてるよ。と笑う剛。
「言いふらしたりしないから安心してくれ。」
「くれぐれも頼みます。」
ます。と頭を下げる3人。
「た、大変お待たせしました!
日替わりブレンドとチーズケーキです!」
厨房から飛び出して来た紗路が肩で息をしながら剛にトレーを渡す。
「紗路ちゃん、もう終わり。」
「え? あ、皆…うぅ……」
限界だと言う様に膝をつく紗路
「本当に何があったの?」
「何って…何故か今日に限ってとんでもない数の客が……」
「そ、それで理世先輩に呼ばれて…」
「俺らのいない間にそんな事が…あれ?
てかそれなら智乃ちゃんは?」
『そう言えば姿が見えんな。』
『シーカー達も見ていないと言っている。』
「……今度からこのケータイ共にも手伝わせるか。」
!? て感じでケイタ達の服から飛び出るブーストフォン達
「うわ!いっぱい出て来た!」
『こいつらにカップを運ばずのは無理だろ。』
「で、結局智乃ちゃんはどこに?」
「材料が足りなくなって何回か買い出しに…」
「そう言えばまだ帰んないですね?」
「……心配だな。」
「一夏ちゃんとケイタ君お店お願い。
私探してくる」
そう言って心愛が出て行こうとした時、
勢いよく智乃が飛び込んで来た。
「智乃ちゃん!?」
「はぁ…はぁ…! こ、心愛さん!」
ギュッ! と心愛の胸に飛び込み震える智乃
「!? よしよし大丈夫だよ。
何か怖い目にあったの?」
「ど、ドライブって赤い怪人にッ!」
「ドライブだって!?」
トレーをケイタに預けて智乃に詰め寄る剛。
「それって銀の仮面で黒いスーツに赤い鎧の?」
目に涙をいっぱいに溜めながら頷く智乃。
「ッ! んな馬鹿な…見間違いじゃないのか!?」
「見間違いませんよ身体にドライブって書いてあったんですから!!」
「身体に、書いてあった?」
訝しげに顔をしかめる剛。
「詩島さん、なんか知ってるんですか?」
「……ああ、仮面ライダードライブは俺の義兄さんだ。」
「!?」
智乃を守る様に抱き寄せる心愛。
その目には彼女には珍しく疑いの色がある。
「けど、ドライブが人を襲うはずが無い。
そんなゴルドドライブやロイミュードみたいな事をする訳が!」
「じゃあなんで私の事を本気で殺しに来たんですか!
一夏さんのお姉さんがどうのって言って!
ウィザードって仮面ライダーが助けてくれなかったら私は今頃死んでます!」
「仮面ライダーウィザード?」
「ベルトからそんな音が…」
「ウィザード…確か進兄さんが昔一緒に戦ったライダーにそんな奴がいた気が…」
「……ところでその進って人と連絡取れます?」
「? 取れるけど……」
「取れるけど?」
「進兄さんは、今機動兵器犯罪捜査課のリーダーだ。」
「!?」
一夏までもが剛に疑いの眼差しを向ける。
そりゃそうだろう。
なんたって姉を逮捕されてるのだから。
「けど、信じてくれ。ドライブは、
進兄さんはそんな事をする様な奴じゃ!」
断言する剛。
しかし女性陣からの視線は厳しい。
「………わかった。」
「ケイタ!?」
「詩島さん。
その似非ドライブ、俺たちで見つけましょう。」
「ケイタ君本気?」
「本気も本気さ。
偽者なんかをのさばらせちゃ、
仮面ライダードライブの名がなくぜ。」
先輩を敬うのもライダーの仕事さ。
と、笑いながら上着を直すケイタ。
「け、ケイタやめてよ!
なんでそんな奴信じるの?
そんな奴より千冬姉を信じてよ!」
「千冬さん
「も?」
「仮面ライダードライブも信じてる。」
「も?」
「仮面ライダーは大自然と正義の使者。
どんなに道を誤ろうとも、
我執で人を襲うなんてしない。」
「なんでその会ってもない人の事を…」
「せめて周りからどんなに疑われても、
俺ぐらいは信じなきゃ。
今一夏が千冬さんを信じてるみたいに。」
「!?」
目を見開き、瞬間放心してしまう一夏。
「それに、こんな美人に手を出したんだ。
万死どころか億死に値するぜ。」
ぽんぽん、と智乃の頭を撫でるケイタ。
「!!!? い、いつもは子供扱いするくせになんですか!? い、一夏さんが嫉妬しますよ?」
「え? う、うん!」
余程誰かが無条件に千冬を疑っていたのと同じ事をしていたのがショックだったのかようやく戻って来た。
「一夏。」
「な、何?」
「今度はそのドライブ擬きが直接こっちにくるかもしれない。
店のこと、頼んだぜ。」
ぽんぽん、と頭を撫で店を後にするケイタ。
背後からポンッ!と湯気が上がる様な音がしたのは完全に余談だ。
4
「筿原委員長。」
「なんでしょう?」
「機動兵器犯罪捜査課の方々がお見えです。」
「通して。」
知らせに来た秘書を下がらせると入れ替わる様に進ノ介、狩野、一条が入ってきた。
「皆さんお疲れ様です。
全て滞りなく進んでいますか?」
「はい。万が一に備え、
織斑千冬が告訴された際、
国選弁護人は飛電インテリジェンスが投資企業D&Pの投資の元開発した弁護士型ヒューマギア、弁護士ビンゴを派遣する様に手配しました。」
「弁護士ビンゴ…あの勝訴率76%を誇るあの?」
「あのビンゴです。」
ならば心配は要りませんね。と溜息をつくミナ。
「それで、捜査の進展は?」
「電脳救命センター、CRからかつて檀黎斗から押収したレジェンドライダーガシャットがなくなっていたとの連絡が。」
「何ですって!?」
ガタリと立ち上がるミナ。
ライダーの力が悪用される。
それは彼女にとって何よりも耐え難いことだった。
「いったい誰がそんな事を!?」
「わかりませんが、
重加速現象研究の第一人者の沢神りんな博士協力の元、
重加速粒子の捜索を行った結果、
木組みの街の七ヶ所で織斑千冬逮捕前後に発生したと結論付けられました。」
「……つまり奪われたガシャットは」
「フルスロットルドライブ。
仮面ライダードライブがロボルバグスターと交戦した際のデータを元に作られたガシャットです。」
「……アレがあれば不完全ながらアナザーライダーを作り出す事や、再生怪人を生産出来ます。
直ちに奪還しなければなりません。
刑事部特状課のメンバーを機動兵器犯罪捜査課に招集。
CRと機動兵器犯罪捜査課、
および
目には目、怪人には仮面ライダーです。
圧裂弾や神経断裂弾の使用も許可します!」
「了解!」
退出していく3人。
ミナは祈る想いで見送った。
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
通りすがり「あの全裸社長(30)死んでもロクな事の原因になるとはな」
紗路「確かにエグゼイド本編の流れだとレジェンドライダーのガシャットは衛生省に押収されてるだろうけど…」
ケイタ「でも国に預けたアイテムって大概盗まれてるし」
通りすがり「フルボトルのことか?」
ケイタ「そうそれ!」
紗路「あの気持ち悪いドルオタのライダーに結構な数盗まれたわよね…」
通りすがり「たしかプロトガシャットやハザードトリガーなんかも映画で盗まれて敵の変身に使われてたな。」
ケイタ「……最近のアイテムって、盗まれると取り返しがつかねぇ…。」
通りすがり「お前らは自分が使えなくなるだけだけどな。」
紗路「じ、次回infinite DRAGON KNIGHT どの様にアナザードライブは生まれたのか!?」
通りすがり「全てを破壊し、全てを繋げ!」