infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
一夏「私だよ!誰が蒼井翔太擬きの傀儡よダ、レ、が!というか前回に引き続きこっちのケイタの度し難いノリはなんなの?」
ケイタ「毎回なんか作者からカンペ渡されて。」
一夏「ちょっと作者!仮面ライダー興味ない人が見たってポカンとするだけだとかそっちに頭は回らなかったわけ?」
伊勢村「グハッ!」
ケイタ「血反吐吐いて倒れちゃったけど?」
一夏「もういい放っておく!さっさと済ませるよ?」
ケイタ「、、それじゃあ。辛くも一夏達を救出した俺。
安心したのも束の間、蓮から語られる仮面ライダーのおそるべき真実とは?」
一夏「さてさてどうなる第3話!」
(OP Ture Blue Traveler)
1
キュイン。元来た鏡を通り4人はラビットハウスに帰還した。
「、、、その、お帰りなさい。」
『お疲れ様でした皆様。危なかったですね。』
残っていた1人と1台が労ってくれたが全員とても返事ができるほど平気じゃない。
「あぁ。サード、2人にどこまで話した?」
レンを除いては。
『緊急事態だったので殆ど何も。』
「だろうな。香風俺の部屋は左の奥側で良かったか?」
「え、はい、、荷物もそこに。」
「ありがとう。全員明日は空けておいてくれ。
連れて行かなきゃいけない所がある。
あと夕飯まで絶対に呼ばないでくれ。」
そう言うとレンは智乃からサードを受け取り足早に上の会に上がっていく。
「ちょっと待ってよ。えっと、、ロン?」
「蓮だ。」
「レンは全部知ってるんだよね?
もう死にかけない為にも教えてくれない?」
「物事には順番って物がある。
興奮しきったその頭でどこまで理解できるって言うんだ。
明日道すがら教えてやるからそれまでに頭を冷やしておけ。」
「それは、わかったけど何処に行くかだけ教えてよ。」
「東京のアンカージャパン本社地下。」
「!?」
「もういいか?ゼロワンのことやお前らのことやらで報告ごとや処理しなきゃいけない問題が山積みなんだ。」
そう言うと今度こそ二階に上がっていった。
「一夏ちゃん大丈夫?」
「顔真っ青ですよ?」
取り敢えず4人で席に着き、ゼロワン、セブン、そしてドラゴンのデッキをテーブルに置く。
『久しぶりだなゼロワン。元気そうじゃないか。』
『おかげさまでボディ以外はな。』
「なんでケータイが軽口叩きあってるの?AI?」
『そんなありふれたもんじゃあない。私たちは仮想生命体だ。』
ここで読者諸君の為に仮想生命体とは何かを説明しなければならない。
仮想生命とはISコアやフォンブレイバー達の核ラムダチップなどの電子頭脳がもたらした複雑な感情のことで、
それは最早人間と遜色ないと言っても過言ではなくそれを持つロボットは仮想生命体と呼ばれる。
「でも仮想生命体って今の所ISだけって話じゃ」
『あんな使われるだけのロボットスーツと一緒にして貰っては困る。
我々フォンブレイバーは人間に協力する対価としてアンカー社からの保護を受けてる。立派な共生だ。
所詮道具の域を出ていない奴らとは違う。』
誇らしげに語るセブンの姿はそこらの気弱な人間よりも元気に見える。
なるほど。仮想生命体なんてISが世に出てからここ10年の技術進歩の中でも眉唾ものだったがこうして目の当たりにした以上信じるしかない。
「何でみんなはこの子達と一緒にいるの?」
次に出てくる疑問はやはりそれだ。
見方によってはISさえ超えた存在と関われるなどそうそう有るはずがない。
「どっちから話す?」
『まずは俺から話そう。
一夏、お前にとって辛いかもしれないが』
「ゼロワンとの初ミッションのことでしょ?全然平気。」
『そうか。なら僭越ながら。
あれは第2回モンド・グロッソの時のことだ。』
2
この頃ゼロワンは紆余曲折あってドイツに来ていた。
理由は幾つかあるが一番の理由はアンカー社の影響がヨーロッパで一番強いためだ。
そこなら持ってきたデモリッションやアナライザー以外のブーストフォンも手に入るだろうと睨んで訪れたのだ。
それに第2回モンド・グロッソの最中ならそれを狙ったサイバー犯罪にも便乗しやすい。
人間と機械の本性、自分の求める「解」を得るのにこれ以上御誂え向きの環境はそうない。
五つのサイバー犯罪を平行させて進めながら充電器を入手する為にある貨物倉庫に立ち寄った時のこと。
1人の少女が、一夏が縄で縛られ放置されていた。
手にはパーカーの袖にでも隠していたのだろう、
折り畳み式のナイフで後ろ手に縛られた縄を切ろうとしている。
それでもなかなか紐解きるには時間がかかるだろう。
そしてそれよりやや手前では3人の男がカードに興じている。
「よし一抜け!二番目は俺な。」
「ちくしょう、お前ホント勝負運だけはいいよなぁ。」
「二番手になってる時点で俺たちに勝負運ないだろ。
それよりさっさと決めるぞ。
あの娘がの怖ーいお姉ちゃんが来る前にヤることヤっとかないと。」
男たちの下衆い笑みから察するに彼らはカードで一夏を犯す順番を決めようとしているらしい。
本来なら無視する所だが、この時ゼロワンは興味を覚えた。
もしこの事をあの少女に伝えたら彼女は人間に絶望するだろうか?と。
聞いた限りだと彼女の姉は人質を条件に何かを要求されるぐらいには豊からしい。
そういった人間程狂う時にはとことん狂う事を彼は知っていたのだ。
早速彼は行動を開始した。
デモリッションを呼びつけ縛られている彼女の頭をちょうど真下に見下ろせる位置に立つ。
『デモリッション。着身。』
コードを送りデモリッションが背中に張り付くとバラバラに分離する。
両脚のパーツをつけながら両手とバイザーのパーツを蹴り落とし落下しながらバイザー、右手パーツ、左手パーツの順に着しながら着地。
『着身完了、、、。』
一夏の目の前に降り立ち猿轡を切ってやる。
「、、、これ外してくれたお礼はするけど、レディに挨拶するにはまずは直接顔を見せるところからじゃないかしら?」
どうやら此方を遠隔操作型のロボットだと思っているらしい。
そしてこの状況でもまだ自力で手の縄を切ろうとしている。
しかし動作のとぼけ方が上手い。
始めからナイフを持っている事を知らなければ身じろぎをしているようにしか見えない。
(そしてそれを実行する度胸。中々肝が座っている。)
この後サイバー犯罪に協力させることを考えると大いにプラスだ。
『俺はお前を助けに来た。』
「私を?」
『あぁ。自分でも分かってるだろうがこのままではお前はお前の姉が助けに来る前にあの男達の慰み者にされる訳だ。』
「それが嫌ならあなたを頼れって?」
『理解が早くて助かる。』
「、、見返りは?」
『ほんの少し俺を手伝うだけでいい。』
「そう。じゃあ好意はありがたいけど遠慮させてもらうわ。」
『なに?』
予想外の答えだった。
自分のできることなどたかが知れてることは彼女自身が分かってるはずなのに。
『命あっての物種って言葉を知らない程馬鹿じゃないと思ったんだがな。』
「だってあなた、なんだか空っぽなんだもん。」
『ッ!?』
まさかこの短いやり取りで自分の本質を見抜いたというのか?
あり得ない。人間や仮想生命体がそう単純な筈がない。
でなければ自分は「解」を求めた巡礼など始めるほど悩むわけが無い。
『なぜだ、、一体なぜそう思った!』
「幾つかあるけど、まずはあなたがとても助けて、守ってって言うより前から助けてくれるような道楽でやってるヒーローみたいにはには見えないから。」
人相ならぬ画面想が悪いのは涙の跡が消えなくなる前からだ。
100歩譲ってそこから後々利用しようとしてる事を悟ったとしても自分が空っぽだと気づく理由にならない。
「二つ目に明らかに助けた後利用しようとしてるから。
でもって次が、私もあなたと同じでまともに助けてって言われてないのに勝手に助けたり守ったりするような道楽的なヒーローじゃ無いし、自分を取り繕って悪ぶってる弱虫の手を借りなきゃいけないほど弱くないから。」
この時ゼロワンは生まれて初めての感情を発露した。
激昂する一方で並列思考するもう片方は参照用の語彙からあらん限りの罵倒を検索している。
彼は後にこれが頭に血がのぼる感覚だと理解した。
『質問の答えになっていない!なぜだ!
なぜ俺が「解」を得ていないと分かった!
ただ特別な姉に対する人質以上の意味を持たないお前に!なにが分かった!」
「あんたがなんも信じてないってことだけ!」
『信じてない?』
「えぇ。あなた、口では達観したみたいなこと言いながらどっかで悩み続けてるんでしょ?それが解るまで良くならないって。」
『、、、違うのか?』
「違わないけど、私の恩人が言ってたの。
この街は良いものも悪いものも風が運んでくるから、
きっと悪いものの次は良いものを運んでくるよ。って。
だから悪いのが来た後は良いものが来るって気分だけでも前を向かなきゃ始まんないよ。」
受け売りの癖にカッコつけすぎかな?
そう言って今までの険しい表情を崩して面映ゆそうに笑ったその顔がゼロワンのラムダチップに焼き付いた。
その笑顔はまるで清流のようにさっきまで脳裏に焼き付いていた燃え盛る倉庫も腐臭のする首吊り死体も使われたての拳銃も何もかもを流し去っていった。
『、、、中途半端な。しかもあまりに青臭い。
だが、試すだけ試すか。』
一夏を飛び越え腕と脚の縄をきる。
「なんのつもり?」
『取引だ。お前の言うこの街に俺を案内しろ。
その代わり俺はお前をここから逃す』
「それって依頼?」
『?、、そうだ依頼だ。
この街に着くまで、俺のバディになれ。』
バディ?と一瞬訝しをだが
「いいわ。引き受ける。」
二つ返事だった。流石にゼロワンも驚いた。
『ここまでやっておいてなんだがこっちの事情も聴かずによくそんな安請け合いしたな。』
「なーに。依頼人はみんな訳ありだよ。
いちいち聴くのは野暮ってもんだよ。」
こいつもこいつでどんな格好つけだよ。
そう思ったが、だから惹かれあったのかも知れないとも思った。
千草とセカンドやアキヤマとサードなんかもそうだったがもしかしたら今亡き俺のかつてのバディたちも俺とどこか似ていたのかも知れない。
『、、バディ。お前の誇りは受信した。往くぞ!』
3
『それで人間の傭兵崩れ4人に量産機とはいえISを相手取ったわけだからボディに相当負担をかけてな。』
「それでさっきの蜘蛛お化けに襲われた時のショックがトドメになっちゃったわけですか。」
『面目無い、、、。』
「いや、仕方なくね?」
「そーだよ!ゼロワン君頑張ってたじゃん!」
「それで次はケイタの番だけど。」
「そっか。まぁあんま良い話じゃないけど」
4
網島ケイタは耳鳴りに悩まされていた。
今はセブンがデッキを解析した結果、アドベントビーストの出現を知らせる為の音だと分かったが当時はいつ起こるかも分からないそれにかなり苛ついていた。
それのせいで寝付けなかったり集中できなくてテストが散々だったりとろくなことがなかった。
そんななかケイタが唯一耳鳴りを忘れられるのがバイクに乗ってる時だった。
14になると同時に免許を取り母の親戚から借金のカタで譲り受けたスズキカタナ750のスロットルを夜の道で全開にした。
スピードを上げるに従って視野が狭くなる時自分の中から余計なものが削り落ちていくような感覚に病みつきになった。
喧嘩もよくした。少なくとも目の前の相手がいるうちはその事しか考えられなくなるし仮に耳鳴りが来ても目の前の相手に苛立ちを全部ぶつけられるからだ。
元々筋が良かったのとよく遊んでもらった兄貴分の探偵の教えもあってケイタは走り屋のなかではまあまあ有名になった。
そんな夏のある日、その日はケイタの15回目の誕生日だった。
いつもの様に丁字路ばかりの夕凪町を通り過ぎて誰もいない広い道路を走っていた時のこと。
喉が渇いて近くのコンビニでオロナミンCを買って飲もうとした時。
「そこの少年!ちょっと良いかな?」
人の良さそうな男が話しかけてきた。名前は滝本壮介といい職業は記者。
年齢は29歳(自称)でこの付近で怪しい建物がないか探していると言っていた。
「ここら辺に幽霊倉庫って呼ばれてる廃倉庫があるけど、後ろ乗ってく?」
ここで誤解しないで頂きたいのがケイタは確かに走り屋行為や喧嘩の常習犯だがけして悪人ではないということだ。
無精者だがやるときはやるし、兄貴分の探偵の教えから風都を泣かすカツアゲ犯やスリとかにしか喧嘩を売ったことはない。
つまり何だかんだ言いつつも網島ケイタは善人という事だ。
途中路上ブースで宝くじを買ってからまっすぐその倉庫に向かった。
「ここで良いよ。道案内だけのつもりがすまないね。
あんまり夜遊びするんじゃないぞ?」
そう言って滝本と別れたケイタはそのまま街をぐるりと一周すると近くのコインパーキングにバイクを停めて滝本が入っていた倉庫に向かった。
ケイタは探偵の知り合い、一種の情報源として期待される時もある為街や学校の噂にはいつもアンテナを立てており、しかもまあまあの確率で操作に貢献出来ていた。
そんな彼の感が滝本が首を突っ込んでる事がなかなかヤバイ事だと告げていた。
もしかしたら余りやりたくないが警察を呼んだ方がいい類の話かもしれない。
連日の非行のお陰で慣れきった忍び足で廃倉庫の中を物陰に隠れながら進んで行く。
「あれだけのガードドローンを切り抜けるとは、流石はアンカーのエースですね。」
「なんて事もないように言ってくれてるがいい加減驚き飽きて疲れてもしょうがないと思い始めてるだけだよ。
なにせ、まだ実用段階じゃないはずのセキュリティに、
死んだはずのお前が目の前にいるんだからな?間明。」
一番奥に着くとそこでは滝本とマギラと呼ばれた若いボサボサ髪の男が対峙していた。
「さて、お客様も来た所だしそろそろ終わりにしましょうか。」
「お客様に終わり?どういう意味だ間明!」
「あなたのフォンブレイバー、セブンって言いましたね。は新たなステージに立つんですよ。大きな試練を乗り越えてね。」
そう言った間明の右腕にはS&W M3913、日本警察の制式拳銃が握られている。その銃口の先にはケイタが!
「危ない!」
パーン!銃声がなるより早く間明とケイタの間に入った滝本の胸を銃弾が撃ち抜いた。
「滝本さん!」
「来るな!」
血を吐きながら咳き込む滝本。
忠告を無視して駆け寄りながらケータイを操作して救急車を呼ぶ。
「君、何で来たんだい?」
「気になっちゃって!そんでそのせいであんたに怪我までさせちゃったら何が何でも助かって貰うしかないから!この街で誰にも泣いて欲しくないから!」
「そうか、、君は凄いね。」
「凄かったらこんなになってない!」
その様子を間明はただ見ているだけだった。
「さて、ここともお別れか。まだ食べてないラーメンもあったのに。
ま、その代わり準備も済んだし差し引きでプラスかな。」
間明は誰にも気付かれず鏡の中に消えていった。
5
「そ、それで滝本さんどうなっちゃったの!?」
『結論から言えば死んだ。間明も行方知れずだ。』
「そんな、滝本さんが、間明さんに、、?」
「嘘、、、。」
智乃も一夏も直ぐには信じられなかった。
無愛想な自分にあんなに良くしてくれた滝本が死んだなど、姉弟同然のケイタのせいで人1人死んだなど。しかしケイタとセブンの悲痛な表情がなによりもそれが真実だと告げていた。
「だから俺は、俺が流させちゃった涙を拭う為にアンカーに入ったんだ。」
『涙を拭う、か。』
他人事ではないなと独りごちるゼロワン。
「甘いな。一応聞いてはいたが聞けば聞くほど甘ったるくて吐き気を催す。」
何故か作務衣に湯足袋姿のレンが二階から降りてきた。
「蓮、、。」
「何だかんだ理由をつけてお前は滝本さんに認めてもらえたってだけでアンカーにぶら下がってるだけだ。
そんだけ甘ったるい内は犬死以外何もできんさ。」
『申し訳ありませんケイタ様。
レン様はただケイタ様に戦い終わった後のことを考えずに戦って欲しくないだけで「サード。」申し訳ありません口が過ぎました。』
何のかんの言いつつ2人の中は良さそうだ。
「兎に角、任務に参加して欲しくないのは本当だ。
むしろ辞退しろと言いたいぐらいだが、こっちも頭数が足りないからな。 明日はキツめの任務になる。」
「任務って?」
「畜生どころか便所虫にも劣るサイバー犯罪者の粛清だ。」
一夏「はい!今回はここまで!お楽しみ頂けたでしょうか?」
ケイタ「だいぶ端折って原作知らない人には結構不親切だよね。
今回に限らずこのss。作者もうっかり初めからゼロワンを味方にしちゃうから。いきなり間明を出すなんて暴挙に。」
一夏「そりゃ確かに二話より酷い出来だけど作者がケータイ捜査官7見たのもう10年以上昔だし、近くの中古屋やレンタル屋にケータイ捜査官7無いし。」
ケイタ「それは確かに仕方ないけど、俺が事件に鉢合わせるところ、もっとなんかなかった?俺、確かに親に黙って富士山行こうとしてたけど走り屋まではやってないし、やらないよ。」
一夏「どっちかと言えばレンの方がやってそうだよね。」
ケイタ「せっかくopインフィニットストラトスなのにIS要素大した事ないし。」
一夏「こ、こんな中途半端なssでも、感想を書いてくれたりお気に入りにしてくれる人がいる限りやるしかない!腹くくって!」
ケイタ「そりゃあ勿論。あ、後タグにオリ兄アンチと原作キャラ死亡を加えさせていただきました。字数制限で載せられませんでしたが、箒アンチや千冬アンチもそのうち入るので、苦手な方はご注意を、、、。」
一夏「ケイタ、そろそろ時間だし、これ以上読者を減らすような報告は止めたげて、作者血の吐き過ぎで貧血起こしてる。」
(ED 果てなき希望 仮面ライダー龍騎)
ケイタ「まじ?じゃあそろそろ。次回how to use taboo Card その2」
一夏「これで決まりだ!」