infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
一夏「ゼロワンのバッテリーが上がっちゃったとこまでだね。」
智乃「確か今回フォースが出て来るとか言ってましたけど……」
ケイタ「まさか、あれか?」
一夏「だね。それでは、どうぞ!」
1
「ラウラを頼みます。
俺らはまだ人いないか探してきます!」
「あ!ちょ、ちょっと君達!」
救助隊の制止も聞かず、ケイタと一夏は校舎に駆け込んだ。
「一夏、心愛ちゃんや簪さんたちいるとしたらどこだと思う?」
「体育館かな?さっき心愛ちゃん電話で簪さんやシャルロットといるって言ってたし。」
「しゃ!行こう!」
ダッシュで体育館に滑り込むと、そこにはダメージの抜けきらない簪を介抱する心愛がいた。
「二人とも大丈夫!?」
「一夏ちゃん!ケイタ君!海之ちゃんに千夜ちゃんにロランちゃんも!」
「え?」
振り返るといつからついて来ていたのか三組の三人がいた。
「やっぱりあんだけ急いでいたのはこういうことか。」
デッキを構えながらケイタに並び立つ海之。
「大丈夫かい簪?ココア、肩を貸してくれ。」
2人がかりで簪を立たせるロランツィーネ。
「やっぱりこれも臨界学園の時のライダーが?」
不安そうに尋ねる千夜。
「まだ、わかんないけど、ほぼ確定でそうかも」
一夏がそう言った時、奥の鏡から生身のままのシャルが吹っ飛ばされてきた。
「!? シャル!」
「大丈夫!?」
駆け寄るケイタと一夏。
「ケイタに、一夏? な、なんでここに?」
「お前らを探しにだよ。何があったんだよ?」
「わかんない。ゲイツってライダーに襲われて、私はデッキが壊れちゃった。」
そう言って粉々になったオルタナティブのデッキを見せるシャルロット。
「マジかよ。」
「とにかくベンタラ経由でどっか安全なとこ行かない?」
「安全なとこなんてあんのかよ?」
『アンカー本部だ。私の予想が正しければ敵は強大だ。
間違いなくELIZAの、我らフォンブレイバーのメインサーバーが必要だ。』
一同が移動しようとすると
「た、助けてー!!」
体育館に誰かが駆け込んでくる。
「理世さんに紗路ちゃんに智乃ちゃん!?」
「オールスターだなおい!なにが!?」
彼女らに続いて暴走したISが、一年二組の副担任が乗ったラファールが突っ込んできた。
「マズイマズイ!さすがに二連戦はきついぞ!
みんなこっち!こっちだ!」
何とか転びかけながらも、ベンタラ越しにアンカー本部になだれ込む。
「ったあ!あっぶな!ここは…」
『アンカーの墓場に通じる道だ。』
「アンカーの墓場?」
『ついてこい。』
2
怪我をしてる心愛とダメージの抜けてない簪とシャルロットを千夜、海之、理世と、アンカーの面々とは顔なじみの智乃に任せて
ケイタ、一夏、ロランツィーネ、紗路はセブンの先導に従い、『アンカーの墓場』と呼ばれる場所を目指した。
「な、なんで私こっちなのよ!」
「動けるメンツの中で一番器用そうだったし。」
「そんな理由!?」
「ああ、ほんとにそんだけの理由だよ。
けして宇治松さんは優秀らしいけどいつものテンションで機械触ったら自爆するはず無い物まで自爆させそうとか、理世さんは火薬庫でも鉛弾ブッパしそうとか、手塚さんは宇治松さんみたいなブレーキ役がいないと死にかけのヒキガエルみたいになるまで戦うとか決してそんな理由じゃ」
「ケイタブレーキブレーキ。二人ともドン引きしてるから。」
「え? あ、、。」
「け、ケイタ。君は正直すぎるぞ?」
「私帰っていいですか?」
『駄目だ。』
セブンの一言に肩を落とす紗路の背中をさするロランツィーネ。
『それに、このドアがゴールだ。』
そこには一際重要そうなドアが立ちふさがっていた。
「ここはなんなんだ?」
『正式にはアンダーアンカー機密資料保管室。
ようはフォンブレイバー関連で外に見られたくないものが仕舞われている。』
コードを送信し、重苦しい扉がゆっくりと開く。
「なんだよ。ずいぶん埃っぽいな。」
『一年近く開いてないはずだからな。』
「ということは一年前にここに何かを入れるようなことがあったのか?」
ロランツィーネの疑問にケイタと一夏は心当たりがあった。
「もしかして、ファイブゼロワン事件?」
『ああ。ここにはその時廃盤になったブーストフォンのデータや、』
新たにコードを送り、壁の一部が開く。そこにあったのは
『その時凍結されたフォンブレイバーが保管されてる。』
ガラスケースに入ったピンク色のフォンブレイバー。
フォース、サードの妹として作られた四番目のフォンブレイバーだ。
「こいつを、起こすのか?」
『ああ。それからバッテリーが切れてるゼロワンもな。
この部屋はいざという時にフォンブレイバー計画を最低限続けるために
フォンブレイバーの予備パーツも幾らか置いてあったはずだ。
充電してる時間はないし、バッテリーごと取り換えれば動けるようになる。』
「分かった。ロランさん、アクセルデバイスたち連れて来てくれた?」
「ああ。あとこのパソコンも。」
そう言ってロランは心愛から預かってきたソリッドドライバーとアクセルデバイス達に、唯一残ったデモリッションを取り出す。
「で、これ結局何が出来るの?」
『やりたくはなかったが、フォースを解凍し、
ウイルスをジーンにぶつけて倒す。』
「!? セブンお前本気で言ってるのか!!?
それ、解凍したお前もタダじゃ済まないんじゃ!」
『だがこれ以外に手段が無い!これは時間との勝負だ!
ジーンが成長し、フォースのウイルスさえ弾くワクチンを瞬時に作れるだけの力を持たれればそれまでだ!』
『いや、もう遅い。』
口論する2人の前にゼロワンが割って入る。
『ゼロワン?』
「もう動けるのか?」
ボディは4月に替えたばかりだ。
と宙返りまでして見せるゼロワン。
物理的に動くぶんには問題なさそうだ。
『俺と保登心愛が戦ったジーン共は街に出回っているのよりも性能は低いらしいが、それでも俺や心愛の動きを学習し、効果的な戦術、格闘が出来ていた。』
「低性能でそれなら、高性能型、しかも普通にケータイとして使われてドンドン情報を蓄えてる奴らはもっと高いステージにいるってことか?」
『その通りだ網島ケイタ。だがさらにもう一つ理由がある。』
「理由って?」
『並列分散リンクだ。』
「なにそれ?」
『複数のフォンブレイバーがダイレクトにリンクすることだ。
その際にフォンブレイバーに急激な負荷がかかるが、
フォンブレイバーの処理能力を爆発的に上昇させることや、フォンブレイバー同士の情報の共有化、
意思の疎通などができる。』
「つまり、巨大な1つの装置になれるのか?」
ISのコアネットワークの様だな、と呟くロランツィーネ。
『ああ。フォンブレイバーが1つの意思に従う端末になってしまう、巨大化してしまう恐れがあるからアンカー内でも禁忌とされている。
それを、奴らはやろうと、いや奴らは恐らくそれを目的に作られている。』
「……つまりそのジーンっていう歩くケータイが、インターネットの中で神様みたいになるってこと?」
恐る恐る尋ねる紗路にその通りだと頷くゼロワン。
一同、見る見る青ざめていく。
「勝てんのかよ、そんなのに」
『ケイタ、不可能だ。』
「はあ!?」
「た、確かにブーストフォンは皆やられちゃったけどまだ手段は!」
『ない。どう楽観視してもジーンには勝利出来ない。
電脳的にも物理的にも。』
「どうゆう事だ?」
『俺たちフォンブレイバーの心臓にして脳、ラムダは微量だが、ISコアと同じ材質が使われている。
つまり万単位の数で並列分散リンクISコアネットワークに接続してISコアをイニシエイト・クラック・シークエンスで操る事も可能だ。』
「それが、世界中でISが暴走してる原因だとでもいうのか!?」
『それ以外考えられない。』
埃っぽい空気が重たくなる。
誰もが、無力さを痛感した。
『我々は正攻法ではジーンに勝てない。』
「ゼロワン分かった。
もう分かったから正攻法じゃない方法を考えよう。」
暗い雰囲気だが、なんとか打開策を見つけなければ全人類強制参加型地獄のISとの鬼ごっこがスタートだ。
『手段だけはある。』
「!? 本当かセブン?」
『ああ。だが半分、いや8割以上賭けだ。ゼロワン、耳を貸せ。』
『ああ……なるほど、確かに確実だが、下手すれば人類は5分の1にまでは減るぞ?』
『だが上手く行けば最小の犠牲で奴らを倒せる。』
『………いいだろう。一夏、フォースを解凍する。』
「分かった絶対、ジーンを倒そう。」
早速紗路と共に準備に取り掛かる一夏。
「セブン、俺たちは?」
『外に行くぞ。確かめなければならない事がある。』
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
智乃「ついにフォースが、復活戦するんですね?」
一夏「それだけじゃない。この作戦が、ジーンを倒せるかどうかの最初で最後の勝負!」
智乃「じ、次回 crisis In network その8!」
ケイタ「vsジーン編、完結!」