infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
セブン『なんとかジーンと間明を倒すことには成功した。だが…』
セカンド『結局あのアカライダーと名乗った彼は何者だったのかしら?』
ケイタ「さあ?それに仮面戦隊の力がなんでお前らを復活させたかも謎だ。」
セブン『まだ我々は直面した問題を一つ解決したに過ぎないという訳か。』
セカンド『つまりこれからもまだ戦いは続くわけね。』
ケイタ「それでは、どうぞ!」
1
『ケイタ、聞いてくれ。』
「なんだよセブン?」
『私は反省した。もう二度と自分を勘定に入れない作戦や独断専行はしない!』
「だから?」
『いい加減私をこの引き出しの中から出してくれ。』
セブンを封印した机に座りながらケータイゲームをいじり続けるケイタは
「あー」
とYesともNoともつかない曖昧な返事をしながらゲームを続行した。
『頼むから出してくれ!本当に頼む!』
「うるせー、俺は今この前ジーンに入られた時に壊されたゲームを取り戻すのに大忙しなんだ。ガムテで塞いだ引き出しをどうこうしてる余裕なんて無いんだよ。」
『ガムテープまで使ってるのか!?頼むから出してくれ!
もうすぐバッテリーが切れそうなんだ本当に頼む!』
「ケイタ、その辺にしてあげたら?
いくら壊したアクセルデバイスの費用給料から引かれたって。」
「一夏……わかった。一夏に免じて許してやる。」
「ゼロワン、デモリッション。」
『了解だ。』
デモリッションを着身したゼロワンがガムテープを綺麗に切断する。
『ぷっは!助かった!充電、充電!』
セブンは飛び上がると充電器までまっしぐら。
コードをつなぎスリープモードになる。
「しっかし、よかったね。いつも通りで。」
「……ああ。」
ゼロワンをしまった一夏と共に階段を下りる。
一階では蓮、心愛、理世が働いていた。
「交代か?」
「ああ、午前の部お疲れ様。」
制服に着替えたケイタ、一夏、智乃が入り、蓮、心愛は上に、理世は上がっていく。
「にしても、あんだけ騒ぎがあった後なのに、ビックリするほど早く収束しましたね。」
「ああ、よく知らないけどアンカーが上手くやってくれたみたい。」
ジーンが消滅してからはや一週間。
一時期アンカーやフラネットが警察の管理下に置かれたが、
すぐに疑いは晴れ、全ては間明蔵人が洗脳した人々を使って行ったテロ。
そういうことで決着したらしい。
ケイタ達アンカーエージェントには特別給与が出たのだが
「なーんでセブンの熱暴走でダメになったアクセルデバイス俺が弁償しなきゃなんねーんだよ?」
「それを言うなら私も心愛ちゃんと割り勘でブーストフォン弁償したけど?」
「二人は2、3万手元に残ったからいいじゃん!
俺なんかマイナスだよマイナス!しばらく給料活躍に関わらず60%減俸だし。」
思えばなんで月給19万3千円でISのモルモットから地球の平和まで守んないといけないんだよ?と、愚痴りだすケイタ。
「ケイタさん、愚痴んないでください。
陰気な喫茶だと思われてしまいます。」
「陰気な喫茶ね、それより酷い言われようされてるよ?」
そう言ってスマートフォンを智乃と一夏に見せる。
そこには某SNSのつぶやきで#ラビットハウスのもので
『この喫茶で網島ケイタ君に秋山蓮君が働いてるって言うから行ったのにいなかったんだけど』
『コーヒーばっかで他のメニュー変な名前のパンしかないし』
『なんかいつも客少ないような雰囲気だよな。』
『なんか時々変な叫び声聞こえるし。』
『でもこのいた青い髪の眼鏡っこは可愛かったな。』
『あれIS日本代表候補の更識簪だよな?』
『マ?』
『まじまじ。リアル簪ちゃん可愛かったな~』
『可愛いといえば、ラビットハウスより甘兎の黒髪ロングの子もいいよな。』
『それを言うならフルールも』
その後、フルールと甘兎どっちの看板娘が可愛いか?
という議論がヒートアップしていく。
「うわぁ……。」
「お、お店の良い所が一つも書かれていません!」
「ま、そりゃそうだろ?」
容赦のない一言が智乃とティッピーを硬直させる。
「そりゃ半分は世の珍しい物みたさに集まる方々に対応できないのが悪いけど別に俺ら好き好んで客寄せパンダやってるわけじゃねーし。」
「け、ケイタ?」
「別に俺らもお前ら当てにしてねーっての。
チップならバータイムで昼間の10倍がっつり稼げるし。
いや昼間はほぼゼロだし10倍してもゼロか。」
「うっ!」
「雑誌にもこのあたりの特集組まれた時にフルールや甘兎より記事小さかったし、なんならバータイムの方は一ページ貰ってたし、逆に喫茶の方が次いでみたいな書かれ方だったし。」
「ケイタケイタブレーキ!智乃ちゃんのライフはゼロ!
あとティッピーなんかめっちゃ悔しそうに泣いてる!」
「え? あ、やべ。」
「ケイタ、さん。」
「は、はい」
「出てってください。」
「へ?」
「出てって!出てって下さい!!!」
「え、あ、ちょっと!」
2
「はぁ……まさか追い出されたついでにお使いまでやらされるとは。」
今日の夕飯は肉じゃがかな?と思いながら帰路に立つ。
「おや網島じゃないか。」
「手塚さん、もう動けんの?」
「スティングの鎧は結構頑丈なんだ。
ずっとベットに沈んでるのも体に悪いから散歩にな。
君は買い出しか?」
「ま、そんなとこ。」
甘兎までにもラビットハウスまでにも結構距離があるので歩きながら話すことにした。
「そういえば、学園にも相応の混乱があったが、招待した人は大丈夫だったのか?」
「ん、妹たちや友達も怪我した奴はいたけど、
命に別状のある人は居なかったし、大事にはなってない。
けど…鈴が、」
「鈴音がどうかしたのか?」
「この前の騒動でマインドコントロールされて、
ずっと片思いだった奴を刺しちゃったんだよ。」
「何!?それは業が深いな。」
「だろ?それですっかり落ち込んじゃって」
この前見舞いに行ったとかの事を思い出す。
なんでも全員操られていた時の記憶があるようで、達郎を刺した事をガッツリ覚えていた鈴は罪の意識に苛まれ、誰とも会う事を拒んでいるのだ。
「ふむ、問題だな。学園はどうだったんだ?」
「ショックだった人は多いみたいだけど、奇跡的に死者はゼロ。
機動兵器犯罪対策課が大活躍したおかげでね。」
世間的にはIS学園の無能っぷりと彼らの有用性がアピールされた形だ。
暴走に事故にテロ。
ISの信用は徐々に失われつつ有ると言っていいだろう。
「ISの絶対数もかなり減ったと聞くが?」
「アンカーが調べた限りだけど約150機が暴走。
そのうち108機が撃墜されるなり自爆するなりして使用不可能。
俺や蓮のデュアルコア型なんかも有るから厳密な数は分かんないけど」
「ISの絶対数は約260にまで減少。
更に研究用のコアの数を引くと、ざっと200機?」
「て、とこだな。」
溜息をつき空を仰ぐ。程よい量の雲に、綺麗な青。
ケイタ的には理想の青空だ。
(このまま穏やかには、行かないみたいだな。)
少し歩調を速めてみる。
つけて来る。歩調的には背の高い女。
人数は一人。物腰は、軽いが油断ならない。
「手塚さん、ちょっと荷物持ってて。」
「? どうした?」
「いや、ちょっと俺に用がある人がいるみたいで!」
「!? おい網島!」
海之が止めるのも聞かず、ケイタは体制を低くすると一気に全速力で走った。
テロ騒ぎがあったとはいえ世間は平日。
道はすいていて追跡者はすぐ見つかった。
その女が紫髪の身にスカエプロンドレスに兎耳とかいうなめた格好だったのもあるが。
「シャッ!」
まず挨拶代わりに飛び掛かり首に両足を絡ませるとギロチン落としを食らわせ
「うっぐ!」
すぐに起き上がり、背後から抱き上げるとすぐさまバックドロップ!
「かっ!こ、この!」
「!」
しかし相手もただやられてる訳ではない。
クラッチを切って、逆にこちらの頭に足を絡ませてきたが
「だぁあああーー!!」
ベルトを掴み背中から地面にたたき落とし、
足の力が緩んだところで脱出し、そのまま足首を捕まえてジャイアントスイングを決めてやった。
「網島!大丈夫か!?」
「ふう、尾行慣れしてるけど喧嘩はからきし。
パワーはあるけど
打たれ強さはインサイザーやトルクどころかトラストよりない。
歯ごたえなさすぎだったよ。」
服の汚れを落としながら追跡者に対峙する。
「で、わざわざ何の用だよ?篠ノ之博士?」
「なに!」
吹っ飛ばされたごみ箱の中から頭に引っかかったカップ麺のごみを払いながら出て来たのは篠ノ之束だった。
「お前、お前何で…何でだ!お前今ISもあの仮面なんちゃらとかいう玩具も使ってないはずだろ!!!なのに何でちーちゃん並に動ける!?」
「はっ!喧嘩でものをいうのは数でも武器でもない。
ようは目の前の敵をぶっ潰せるっていう確信!
そうすりゃ
「そんな訳あるか!束さんは細胞レベルでオーバースペックなんだぞ!!?
それをお前みたいなちょっといっちゃんに気に入られた程度のモブなんかにモブなんかにぃいいいい!!!」
渾身の地団太を踏む束。足を振り下ろす先を中心に地面に亀裂が走っていく。
「ゆるさない!許さない許さない!!
束さんのISを人類唯一の神の翼をケータイや玩具の小細工なんかで!!」
地団太を踏みながら無茶苦茶に頭を掻きむしる。
髪が抜けるのも血が出るのも構わず何度も何度も何度も!
(ま、マズいぞ。よくわからんが網島は知らないうちに篠ノ之博士の地雷を踏み抜いてしまったらしい。
このままでは何か取り返しのつかないことに……)
「そんなんアンタが作ったISがその程度だったってはなしでしょ?」
(ぶち抜いたぁ!!篠ノ之束の地雷どころか地球の反対側までおそらく今一番言っちゃいけないセリフでぶち抜いた!)
「ああ、あああああああーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!」
叫びながら走り出す束。
ケイタは距離を計算すると思い切り顎をサマーソルトキックで蹴り上げ、
がら空きの腹部にオープンブローを叩き込む。
白目をむくと束はそのまま崩れ落ちた。
(な、なんて力!今、ケイタは本当に変身してないのか!?
前は、少なくとも臨海学園の時はここまででは無かった!)
何かケイタの前と変わったことは無かっただろうか?
強いて言えばサバイブモードを使ったぐらいか?
(だがアレは私が使ったとき
まさかケイタはデメリット無しどころか生身でも恩恵を受けれるとでもいうのか!?)
海之が一つの真実に達しようとした時、
「! なんだこれは!?靄?」
「いや霧だ。でも普段こんな風になる場所じゃ」
「そう。これが私のIS、黒鍵のBT能力。」
「誰だ!?」
声のした方を向くと目を閉じた銀髪の美少女がいた。
その容姿はまるで
「ラウラそっくり……」
「私はクロエ・クロニクル。
束様の従者をしております。本日は主人がお見苦し所を」
「あ、どうも網島ケイタです。
いや、こっちこそ喧嘩売られたとはいえボッコボコにしちゃってすいません。」
「本日はご挨拶までに参りました。では、またいつか。」
そう言うとより一層霧が濃くなり、二人の姿が見えなくなる。
霧が晴れると二人は消えていた。
「なんだったんだ。まるで狐に化かされてた気分だ。」
「ああ、なんだったんだろうな?」
すると今度はケイタのケータイが鳴る。
「今度は簪さんのおねーさん?
下んねー話だったら逆エビ固めにすんぞ?
もしもし網島です。」
『もしもし?楯無よ。今暇?明日暇?てかここ数日、数週間、数か月暇?』
「アンカーから招集来ない限り休校期間中ずっと暇ですけど?」
『じゃあ丁度良かったわ。今から学園の1年1組にきて。』
「生徒会室じゃなくて?」
『ええ、これから打ち合わせだからね。京都修学旅行の!』
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
セカンド『修学旅行やんないとか言ってなかった?』
セブン『いやそれがな、話を書いてるうちにこんだけISの暴走が続いたら修学旅行より先にIS関連の行事の方が中止になる。ということに気付いたらしい。』
セカンド『まあ言われてみればもっともだけど。』
ケイタ「次回、Jorney an ancient city その2!」
セカンド『これが、明日のリアル!』