infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
一夏「ガルド三兄弟と戦ったとこまでだね。」
弾「やーっと俺もかっこいい所見せられたかな?」
ケイタ「まだまだ色々ありそうだから張り切りすぎないでくれよ?」
一夏「そんなわけで修学旅行はまだまだ続きます!」
弾「さてさてどうなる?」
1
戦闘を終えた一同は武装を解除すると一番初めにケイタ達が襲われた場所に集合した。
「みんな大丈夫か?」
「あ、ケイタお兄ちゃんたち。こっちは大丈夫だよ。」
「織斑三春は尻尾を巻いて逃げたよ。」
「それで、レンさんは?」
「蓮?大丈夫だとは思うけど」
「相手はあのストライク。一筋縄じゃ行かない。」
心配そうにするメンバーにクーリェが大丈夫だよ。という。
「もうあの子たちの苦しそうな声聞こえないよ。」
「え?じゃあアキヤマがあのおっかねぇ合体ビースト倒しちまったってことか!?」
「なら心配な無いな。ところで鈴たちは?」
「さっき連絡したからそろそろ来ると思うけど?」
「束さん謹製のゴーレムⅣを倒せたらね!」
「そのふざけた口調は!」
「何処だ出てこい篠ノ之束!」
ケイタが叫ぶ。見ると何処からともなく白いスモークが流れて来ていた。
(これは……セブン、吸ったらマズイ感じか?)
《いや、だがISのも私のもスキャナーは当てにならないと思ってくれ。》
デッキを起動し、Vバックルを出現させ、
耳に神経を集中させる。
何か重い物が上空から落ちてきた。数は大体10機!
「宇治松さんとクーリェちゃんを守れ!敵は大体10人だ!」
ケイタがそう叫ぶと、その声を当てにしてか
ケイタ、簪、弾、達郎にとんでもないプレッシャーがかかり動けなくなる。
「な、なんだこれ!?」
「重力!?」
「キラキラ★ポーン♪束さんお手製の空間圧作用兵器試作8号こと『
手に持ったステッキのダイヤルをカチカチと調節する束。
より4人にかかる過負荷が重くなる。
「てんめ……!この、堕うさぎぃいい!」
達郎が何とか腕を上げてイクサナックルを起動しようとするが
「あ、それが青空の会の玩具か、ついでに君たちのベルトも貰っちゃうねぇ~。」
そしてまずケイタの左手のデッキを盗ろうとする。
しかしそれを邪魔するように出席簿が、あの出席簿が束の頭めがけて投擲される。
「まさか!」
「あの出席簿は!」
「ちーちゃん!」
日本刀を構えて仁王立ちする千冬が居た。
「ずいぶん勝手をしてくれたな束!
私の生徒から私物を没収していいのは私だけだ!」
俺らIS学園に在学してねぇよとか、
そもそもアンタからなんも学んでねぇよとか弾と達郎は思ったが口にはしなかった。
「ちーちゃん!始めようよ!心躍る最高のゲームを!」
「生憎そんなものに興味はないな。」
そう言って千冬は鞘に日本刀を収めると、
今だ地面に這いつくばる達郎の腰からイクサベルトをはぎ取る。
「お、おいまさか!」
「変身!」
<レヂイ!>
イクサナックルの認証スイッチを狙って蹴り上げ、左手でキャッチ。
そのままスロットにセット!
<フィ・ス・ト・オ・ン!>
千冬はイクサに変身した。
「ちーちゃんはそんなの着なくても、てか着た方が動きずらくない?」
「お前にはいいハンデだ。」
「言うじゃない!」
イクサカリバーと王座の謁見で大立ち回りを始めた。
千冬イクサが駆ければそれだけで地面が抉りあがり、
束が壁を飛びながら戦えばそこらじゅうがヒビだらけになる。
「なんじゃこりゃ?」
思わず、というかそれしか逆に言葉が出てこない。
これが今代の人類最強と世界最高の人間の戦いか、と。
「おーい!ベルト盗られた俺と腕上がんなくて変身出来ない弾は生身でいるしかない絶体絶命だから千冬さんとあの兎が化け物同士仲良くやってる間にIS使える二人に俺たちを引きずってって欲しいんだけど?」
「達郎ナイスアイデア!」
「それ採用。」
ケイタと簪は赤龍改と弐式を展開し、2人を引きずっていく。
「あれどっちが勝つと思う?」
「俺が知るか。」
「てかあの調子で戦われるとイクサベルトの方がダメになるんだけど。」
「無理な駆動でってこと?」
一体弁償代幾らになるんだろ?と明後日の方向の心配をする達郎。
あんなアクション映画に見せかけたサイコホラーをリアルで見せつけられれば誰だって現実逃避もしたくなるが。
「ん?」
「どったの簪さん?」
「霧が晴れた。」
「ホントだ、センサーが復活してる。ん?」
見ると不自然な光景だった。
束が寄こしたであろう無人ISが全機固まっており、
千冬イクサと束と、ラウラによく似た少女の首元にダークブレードを突き付けるウイングナイトサバイブモードがいた。
「さっさと兵隊をどかせ。言っとくがこいつの黒鍵は俺の忠実なる相棒が制圧済みだ。」
「くっ!覚えてろこの似非アメリカ人!」
悔しそうに束は退却していった。
「生まれは日本だが国籍はれっきとしたアメリカ国籍だ。」
そう言って蓮はダークブレードだけ残したまま変身を解除する。
千冬もベルトを外して元の姿に戻った。
「アキヤマ、そいつは?」
「お久しぶりです織斑先生。
ケイタが来るかもとは言ってましたけどわざわざ引率に?
「そんな修学旅行が現実でそうそうあってたまるものか。」
「それは全面的に同意します。」
2
夜、特に観光もせず過ごした一同は、府内のとあるホテルの一室、
千冬の部屋に集合していた。
全員は無理だったので、ケイタ、蓮、鈴音、ラウラ、楯無、クーリェの6人だ。
「名前は?」
「クロエ・クロニクルと申します。
網島ケイタ様と手塚海之様にはもう既にご挨拶を済ませています。」
「網島、本当か?」
「ええ、公園で篠ノ之束に喧嘩売られた時に。」
「よく無事だったな。」
「あいつタフさも技もからっきしだったし。
千冬さんも俺らの事気にしながらじゃなきゃ勝てたんじゃないですか?」
「!?……ここでは織斑先生と」
「それだとこれがIS学園の集まりですって言わんばかりでしょ?
むしろ千冬さんがここでは俺をケイタ君って呼んでくださいよ。」
むぅと珍しくケイタからの反撃に驚く千冬。
「まあ、呼び方云々はあとにして、
改めて言うまでもないと思うが
お前のあの黒鍵とかいう能力全振りISは俺のサードが制圧した。
俺の半径7メートル圏内にいる限りお前は力を使えない。
もし首尾よくそこから抜け出せてもお前の血の匂いは
ダークウイングに覚えさせておいた。つまりお前は
ダークウイングの美味しいおやつって訳だ。
逃げようなんて考えるなよ?」
「……はい。」
クロエは表情一つ変えずにはきはきと答えた。
命を握られてるはずなのに怯えや恐れは見当たらない。
「束なら助けに来てくれるとでも思ってるのか?」
「はい。束様はあなた達衆愚ごときに負けません。」
「アンタは篠の束がその衆愚一人にタイマン、
ステゴロでギタギタにされてるのを見てたはずだけど?」
「そういうケイタ様が束様の王座の謁見の前に
手も足も出なかったのもばっちり見ていますが?」
意外とムキになるタイプらしく、ケイタの挑発に挑発で返してきた。
「質問は以上でしょうか?」
「待ってくれ!一つ!一つある!」
ラウラが前に出る。
珍しく緊張した面持ちで言う。
「あ、あなたは余りにもその、私と」
「似ている、でしょう?そのはずです。
私はあなたになれなかった存在、出来損ないの出来損ない。
紛い物の偽物の命。ドイツが造った醜悪な
目を開ける。クロエ。その右目は黒い眼球に金色の瞳をしていた。
ラウラの隠され為に非常に似ている。
「つまり私は」
「姉さん!」
ラウラは一切話を聞かずにクロエに飛びついた。
「会いたかったよ姉さん!名字違うけど姉さん!
想像よりいい匂いするよ姉さん!私より胸無いけど姉さん!」
「は、話を聞いていましたか!?私はあなたの姉なんかじゃないです!
それと胸は全く関係ありません!まだ発育途上です!」
「そう冷たくしないでくれ姉さん。私は一昔前まで、
教官に悪影響を及ぼすと思って一夏やケイタ達を蛇蝎のごとく嫌っていた時期があるのだ。」
ラウラが転校してきたばかりの頃の事だろう。
あの時のラウラは千冬のような攻撃性と近寄り難さがあった。
その時に比べればずいぶんと丸くなったものだ。
「それで、後々考えてみたのだ。
何故あんなにも一夏たちを目の敵にできたのかと。
そして一つの結論に達した!」
「どんなだ?」
「私もお姉ちゃんが欲しかった!これに尽きる!」
どうやらラウラもすっかりケイタ達に毒されたらしい。
何やら自信満々に語っている。
「そしてどんなに願っても待っても無理だと思った姉さんが目の前にいる!
もう私は、自分を抑えられん!姉さーん!!」
ラウラは元気よくクロエにダイブした。
姉さん姉さんと呼びながら抱き着きくすぐり離さない!
「うわあちょっと!ひゃあ!
ど、どこに!あは!あはははははは!
どこを触って!あははははははははは!!!!」
「あらあら。すっかり仲良くなっちゃって。」
姉妹愛、と書かれた扇子を広げる楯無。
「あたしも妹とかいたらあんなだったのかしら?」
「鈴は台湾に従姉妹いるじゃん。」
「アイツは別よあいつは!」
「俺は一人っ子だからよくわからんが、
兄弟のスキンシップってあんなに激しいものなのか?」
「いや、ラウラと簪さんのお姉さんが激しすぎるだけだな。」
「ちょっとなんで私もなのよ!
私は簪ちゃん成分が足りなくなると死ぬだけで普通よ!」
平常運転、と書かれた扇子と
いい加減名前で呼んで、と書かれた扇子を広げる。
「うわこいつ分かってたけど気持ち悪!」
ザク!思ったことを口にしてしまいがちな鈴音が一撃。
「こいつそこら辺のジャンキーよりタチ悪ぃな。」
ザクザク!意外と楯無の事嫌ってる蓮から一撃。
「そんなんだから簪さんに尊敬こそされるけど
信頼も信用もされずに邪険に扱われるんですよ。」
ザクザクザク!ケイタがトドメとばかりに連射する。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「ああクーリェちゃん!私に優しいのはあなただけよ!」
頬ずりしながらクーリェに抱き着くに楯無。
少し苦しそうだがクーリェも嬉しそうだ。
「簪さんにもあんぐらいの距離感ならいいのに。」
「無理だろ。」
「あの!皆さん!私を!忘れていませんか!?」
「おーっとそうだった。クロニクル。
なんにせよお前は人質なわけだから、俺たちと行動してもらうぞ?」
「そうなると六人班出来ちゃうから班を組みなおさないとダメねー。」
そんなこんなで今夜はお開き、クロエは蓮たちの部屋で過ごすことになった。
3
全員が居なくなった後、千冬はベットに身を投げると見慣れない天井を見つめながらため息をついた。
超ド級のそれはそれは深いため息だ。
(織斑マドカのことは、ばれただろうか?
仮面ライダーに変身して倒されたものは消滅する。
箒みたいに……なら直接戦ったアキヤマには顔が割れてない可能性も)
そこまで思ったところで電話が鳴る。携帯電話ではない。
部屋の固定電話だ。
「はい、もしもし?」
『アキヤマです。お聞きしたいことが。』
「ど、どうした?」
『アンタらの目的は?』
「……も、目的?一夏が、生徒が心配以外に何が」
『アンタ個人じゃない。織斑という存在の、
千冬は電話を切り、電源を引っこ抜き、携帯電話の電源を切った。
もう、アキヤマには知られている。
このままでは確信に迫られるのも時間の問題だ。
「一夏は、一夏だけは、私が守る!絶対、絶対に!」
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
一夏「お姉ちゃんが羨ましい、か。私もお姉ちゃんが居なかったらそう思ってたのかな?」
弾「俺は蘭が弟だったらどうだったか気になる時有るけどな。」
ケイタ「それ本人の前では絶対言うなよ?」
弾「分かってるよ。次回、Jorney an ancient city その10!」
一夏「これで決まりだ!」