infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
ゼロワン『網島ケイタはどうした?』
サード『それが、こんな手紙を残して』
ケイタ「探さないでください。自分と向き合う時間を下さい。」
ゼロワン『まあ、そうなるだろうな。』
サード『わたくし達と違い人間のボディは安易に改造できる物ではないですからね。』
セブン『モザイカ因子がどの様な物かもまだ分からないからな。』
ゼロワン『それでは、今回のエピソードだ。』
1
京都府内のとある病院にて。
ニュースを聞きつけた千冬班は集中治療室の前まで来ていた。
「鈴ちゃん!達郎君!み、三春は!三春はどうなんだ!?
一夏達は無事か!?」
「三春は、まだわかんない。」
「一夏達は、てか五班全員音信不通。
まあ、あんなこと知った後なら当然っちゃ当然だけど。」
「あんな、こと?まさか!」
「知っちまったんだよ。モザイカ因子のこと。」
顔から一瞬で血の気が引いた千冬が膝をついて倒れた。
比喩でもなんでもなく崩れ落ちた。
「な!?きょ、教官!しっかりしてください!」
無理だろう。達郎と鈴音は思った。
今までなんとか妹と弟から隠し通して来た特大の秘密がバレてしまったのだ。
結果論だが、千冬のして来たことが全て無駄になった訳だ。
「鈴、モザイカ因子って?」
状況を飲み込めてないシャルロットが尋ねる。
後ろのコメット姉妹も同様らしい。
「ま、知らなくて当然よね。アタシ達も今だに信じれてないし。」
「けど、納得できちまうんだよな。」
話すかどうか。最初は迷った2人だが、全員に教えるべきと思い、千冬をラウラに任せて5人は食堂に向かった。
ケータイでグループ通話を行う。
『もしもし。こちら楯無班。セシリアちゃん達と合流出来たわ。あなた達は大丈夫?』
「達郎班と千冬班です。幸いこっちは怪我人ゼロ。石橋班は?」
『五班の援護に行ったお嬢とローランディフィルネィが怪我しましたけど大事には至ってない、でいいんだよな?』
「ああ。で、現在ケイタ班が全員音信不通。」
それぞれ班の現状を確認する。まだ死人こそ出ていないが、この旅行もそろそろ打ち切りだろう。この3日で色んなことがあり過ぎた。
「まず、皆に話とかなきゃいけないことがあるわ。」
「俺たちも、あのゼイビアックスとかいう奴が言ってた事だし信じたわけじゃないけど」
2人は千冬と一夏が強い理由、そしてケイタ達3人がISを使えた理由を説明した。
『にわかには信じ難い話だけど、ラウラちゃんにクロエちゃんと前例を、いえ順番的には織斑姉弟妹の方が先なのかしら?兎に角あながち否定できないわね。』
『それに、
「マシュさんほんと?」
『はい。今から10年ほど前、ザイカの戦士を迎撃するために作られた人造人間に、この場合はアンドロイドに助けて貰った事が有るんです。』
「一夏達みたいに滅ぼそうとする者に対して、守ろうとする物もあったってこと?」
「シャルロット。次一夏達を殺人マシーンみたいに言ったら友達でも容赦しないわ。」
「ご、ごめんなさい。」
『それでモザイカ因子をもった子達と心愛ちゃんにクロエちゃんが行方不明と。』
「無事だろうけど、心配だな。」
2
ベンタラという空間は広い。
まさに鏡の向こうのもう一つの現実と言うかのように果てしなく広い空間が広がっている。
ケイタは、ドラゴンナイトはサバイブモードを解除しないまま海を見つめていた。
どうやら魚は普通にいるらしい。
(少し前なら興味を持ったかもだけど、今はそんな気分じゃねーや。)
もしかしたらこの体はもう人の理解を越えた化け物に近いのかもしれない。
更に悪い妄想は膨らんでいき、もしこの体が人造物だったらと思えてくる。
「いっそ聞いてみるか。」
スマートフォンを出すと長らくかけていなかった連絡先にかけてみた。
『はい、網島です。』
「もしもし可憐か?ケイタだけど。」
『お兄!こんな昼間にどうしたの?』
「お前こそ学校行って無いのかよ。」
『今日は創立記念日だからね。』
「そっか。可憐は立派になれよ?」
『!?……お兄どうしたの?一夏お姉の美味し料理食べすぎて舌と頭馬鹿になったの?なんか言ってることきもいよ?』
「別に…お前は今度定期試験と俺と一夏から小遣い要求する算段でも考えとけ。母さんか父さんいるか?」
『それはお小遣いくれるってことかな!?期待しちゃうよ!
お父さーん!お兄から電話!そ、珍しくお兄から!』
しばらく間があって
『もしもし?』
今日は在宅だったらしい父が出た。
知ってるとしたら父だろう。あの機械音痴でいまだにケータイ一つ使いこなせていない母が知ってるとは思えない。
「もしもし父さん?」
『どうしたんだいケイタ君?こんな昼間に』
「聞きたいことがあってさ、モザイカ因子ってなに?」
『!!?…………漫画の話か?』
「とぼけなくていいから。」
しばらく沈黙が続くとあきらめたようなため息が聞こえた。
ローレンシア海溝より深いため息だ。
『どこで、知った?』
「おもちゃ屋の二回でも政府の秘密組織でもいいでしょ?
もう一夏も三春も、なんなら達郎も鈴も知ってる。」
またまた深いため息が聞こえる。
一体どういう意味の溜息なんだろうか?ため息つきたいのはこっちだ。
『ケイタ君、本当に知りたいか?』
「身の振り方も考えなきゃだからね。」
『わかった。話そう。』
ケイタの父はぽつりぽつりと語りだした。
本当に話すのをためらう様な遠慮がちな話し方で、
ようやく絞り出すように
3
モザイカ因子はもともと人造物ではない。
ある特定の血族が持った特別な才能を引き出せる要素である。
『本来なら何でも、古くからこの国に使えてきた更識っていう家しか持ってないはずなんだが、網島家はその抜け忍、みたいなのの子孫らしい。』
つまりケイタと簪たちは超遠縁だが親戚と言うことになる。
いい加減名前で呼べと楯無は言っていたし、こんど楯無姉さんとでも呼んでやろうか?
「で、そのモザイカ因子を欲しがってる奴らに俺らの血かなんか渡しちゃったわけ?」
『ああ、実はお前が産まれたばかりの頃、騙されて借金まみれで、それをどうにかしてくれる条件である学者たちに依頼されて僕の父さんの遺髪とか、僕や生まれたばかりの君の血液とかを提供したんだ。』
知りたかったのはモザイカ因子の事だけだったが、何故網島家に育ち盛りの子供を五人も面倒見れるだけの財力があったかが分かった。
その時の協力礼金が破格だったんだろう。
その代わりに提供したモザイカ因子と網島のDNAを基に造られたのが一夏たちの世代のモザイカの子ということになる。
多分モザイカ因子だけで造ったわけじゃないだろうから従姉妹ぐらいの血のつながりってだけで、見方を変えればケイタは織斑兄弟の父親ともとることが出来るかもしれない。
「だから俺の誕生日が八月の頭で一夏と三春の誕生日が九月の終わりなのか。」
だとしたら
「モザイカ因子はあらゆる環境に適応できる因子だって聞いた。
それだと父さんにISが使えないのはおかしくない?」
『モザイカ因子は本来そんなに便利なもんじゃない。
世代交代を重ねるごとに薄れて来てる。けどケイタ、お前は特別だ。
学者連中が言うには、お前はモザイカ因子を使いこなした先祖から見て三代先程度にモザイカ因子を持っている。』
つまり先祖返りという訳か。だとするとケイタは
「たまたま強く生まれただけの子供ってわけ?」
『そうだ、お前は一夏ちゃん達と違って何の手も加えられていない。』
「そっか、教えてくれてありがと。
次帰る時は友達連れてって良い?」
『ああ、一夏ちゃんや千冬ちゃん、あと三春君も連れてきてあげなさい。』
「わかった。」
通話をきりため息をつく。
「蓮、いるんだろ?」
「ばれたか。」
背後の木の陰から変身を解除し、
普段通りの青のジーパンに黒いシャツ、白いジャケット姿だ。
「立ち聞きとは趣味が悪いな。」
「そういうつもりは無かったんだが、お前も何か掴んだみたいじゃないか。
「そう言う蓮は何調べてた何を掴んだんだ?」
「お前がモザイカ因子について調べるなら、俺はそれを使ったproject ZERO=DIVERの方を調べようと思ってな。かなりの情報を入手できたよ。」
「教えてくれるか?」
「もちろん。だが覚悟しろよ?ざっくり言えばお前が赤ん坊の頃に抜き取られた血は、人類滅亡の片棒を担ぐところだったんだからな。」
セブン『いかがだっただろうか?』
サード『ケイタ様とレン様は意外と大丈夫そうですが……』
ゼロワン『問題は一夏達だ。それにクロエ・クロニクルと篠ノ之束がこのことを知らなかったとは思えん。』
セブン『我々がまだ知らない事実は数多く有る様だ。』
サード『ならばバディのためにやる事は一つですね。』
ゼロワン『Killer of human species その2。』
セブン『これが、明日のリアル!』