infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
セブン『次回こそIS学園が舞台になるから気長に待っていてくれ。』
蓮「さて、今回だが、ついにサイバー犯罪者と対峙する網島、織斑の2人!」
セブン『そしてついに始まってしまった物語り。
果たして網島研修生は生き残れるのか?』
ケイタ「大変長らくお待たせしました。さてさてどうなる?」
1
「そういえば前にケータイが廃盤になった合体するアレがあるって言ってだけどなんかあったの?」
心ゆくまでフランス料理を堪能した一行は再びアンカー本部へ向かっていた。
「2年前、俺の14歳の誕生日の時、俺が始めて日本に来て暫くしてからだなファイブゼロワン事件て呼ばれてる事件さ。」
2
熱々のタコがソース、青海苔、とろとろの実と口の中で絡み合う。
やはり夜食はいついかなる時でもたこ焼きに限る。
間明さんの毎食カップ麺なんかより一万倍いいと自負してる。
蓮は満足げに頷くと二個目のたこ焼きを口に運んだ。
「え?、、蓮さん給湯室を燃やさずにたこ焼き作れたんですか?」
「お前は俺を放火魔か何かだと思ってるのか?」
レンは智乃のことが嫌いだった。
どんな時でも興味ないみたいな無表情を貼り付けた面が兎に角気に入らなかった。
近所の孤児院の虐待されてたガキの方がまだ感情がわかる。
滝本さんや
幸いレンはたこ焼きはどんな時でも美味いと信じて疑わない人間だったので割とすぐに機嫌が良くなった。
「てっきり笹団子にべったりかと思ってたがそうでもないんだな。」
「はい。いま瞳子さんは会議で、フォースはメンテナンス中なので。」
そこでぷっつりと会話が途切れる。無理もない。
レンは智乃に(智乃に限らず基本的に)自分から話しかけようとしなかったし智乃も一応快く思われていない自覚はあったから会話しようと思ってもなにから切り出したらいいのかわからないのだ。
ただ黙々と蓮がたこ焼きを食べ続けてどれ程たっただろうか?
サードが唐突に口を開いた。
『レン様、智乃様、緊急事態です。』
「なにごとだ?」
『わかりませんが、一刻争う自体のようでセカンドから兎に角メディカルを着身して来い。と。』
「チッ!あのセカンドが、千草さんのフォンブレイバーが言うからには相当だな。千草さんと麻野は?」
「2人とも会議で、セカンドとフォースは定期メンテです!」
「このタイミングで、、敵は内部か!サード、メディック着身!」
『了解です。メディック着身。』
レンのポケットから出てきた卵型ケータイのブーストフォンメディックを着身させてセカンドからの連絡にあった場所に向かう。
「セカンド!どこだ!」
扉を開いた先にいたのは、いつ起動したのかアナライザーを着身したファイブとそれに対峙するセカンドとフォースの姿だった。
『!アキヤマ、、え?チノ!きちゃダメ!』
一瞬、ほんの一瞬フォースが気をそらした瞬間だった。
素早く懐に入り込んだファイブがフォースに直接ウイルスを打ち込んだ。
膝から崩れ落ちるフォース。
ファイブはそれをセカンドに投げつけると今度はサードにもウイルスを打ち込む。
すぐさまメディックで中和するがそれでも時間がかかる。
そうしてるうちに蓮達に飛びかかるファイブ。
『《不味い、セカンドはフォースへの処置で動けない!》お二人ともお逃げください!』
しかしレンは真っ直ぐに飛びかかってくるファイブを見据え智乃を庇うように前に一歩踏み込む。
『アキヤマ!チノ!』
『レン様!チノ様!』
そして黒いロングコートの下、左脇のホルスターから銀色の銃、スタームルガーセキリュティシックスを引き抜き六発全弾発砲。
うち4発がヒットしファイブの四肢と着身していたアナライザーが吹っ飛ばされ達磨状態になってファイブが地面に転がった。
「海兵隊入隊訓練主席卒業を舐めるな。」
『訓練プログラムにリボルバーの早打ちなんてあったの?』
「気にするな。」
弾を装填し直し予断なく構えるレン。
『ふぅ、、。レン様、ウイルスの中和が完了しました。
これからフォースの処置へ移ります。』
『無駄よ。』
「どういう、ことですか?」
『ウイルスが特別強い訳じゃないけど性質が厄介過ぎるわ。
もし今フォースがクラックシークエンスでこの基地に接続しようものなら5分とかからずこの基地はウイルスの温床になってしまうわ。』
「つまりフォースが拡散型ウイルスをばら撒く前に凍結させる。
ってわけか。」
『理解が早くて助かるわ。』
「待ってください!、、フォースは、本当にいいんですか?」
『チノ、長いお別れになっちゃうんだから最後ぐらい敬語やめてよ。
硬すぎる女の子はモテないよ?
アキヤマのたこ焼きじゃないんだから。』
「ッ!、、、バイバイフォース。また、今度。」
『うん。またね。セカンド、サード、お願い。』
『了解です。私がウイルスを抑えますので』
『わかったわ、これより凍結保存を行う。
アキヤマ、許可を。』
3
「そんなことが、、、。」
驚きだ。ゼロワンにサードにセブンが居るからにはその間の数字のフォンブレイバーも居るとは思っていたがまさかそんなことになって居るとは。
「ごめんね智乃ちゃん。辛いこと思い出させちゃって。」
「平気です。フォースとは、いつかは会えるとわかってますので。」
「それに、本題はここからだ。」
4
なんとかファイブを退けセカンド、サードを伴った2人はオペレーションルームに向かっていた。
もし敵がまだ残って籠城しているならアンダーアンカーの心臓たるそこしかありえない。
「中の様子は分かるか?」
『少なくともオペレーター以外はいないはずの時間帯ですが。』
「ならば、オペレーター以外の奴が居れば問答無用で撃ち殺せば済む話だな。」
『結論を急ぎすぎよ。』
「罪のない人を撃たないでくださいよ?」
サードにロックを解除させピストルを構えながら突入する。
「両手を上げて跪け!」
シン。と、静まりった室内には落とされたオペレーターが倒れているだけだ。
「サード、セカンド、周囲を警戒!」
シーカーを着身したセカンドとメディックを着身させたままのサードを先に行かせ智乃を後ろに庇いながら予断なく構える。
(敵は外部からハックしてるだけか?
だとしてらフォンブレイバーとバディが分断されてるこの機会に攻めれる説明がつかない。
それか、裏切り者が裏から手引きしてただけ?
何にせよ早く敵を見つけないと。)
そのまま奥に進もうとしたその時
「お探しかな?秋山くん。」
振り向くより先にレンの鳩尾に蹴りが入った。
吹っ飛んで壁に叩きつけられる。
「ま、間明さん!?」
智乃が驚愕の声を上げる。
そう。犯人は明日からファイブの稼働に合わせてバディになるはずだった
「き、貴様!裏切ったのか!?」
「初めから目的があって近づいて信用させて、不要になったら切り捨てることを裏切ると言うならそうなるね。」
悪びれる様子も一切なく蓮のポケットから落ちたファイブを回収する。
「あ、あなたがファイブを暴走させてフォースを!」
「違うよ。香風ちゃん。僕は彼に提案しただけさ。」
『彼?』
それがセカンドの最期の言葉だった。
チュン!セカンドの画面のちょうど真ん中にあるラムダチップが一寸の狂いもなく撃ち抜かれる。
ガシャ。糸の切れた人形のように硬直したセカンドのボディがうつ伏せに倒れた。
『セカンド!?ゼロワン!一体どういうつもりですか?』
下手人はデモリッションを着身したゼロワンだった。
「サード下がれ!」
レンが叫ぶ。反応したサードは素早くバックステップをとり繰り出されたゼロワンのチェーンソー攻撃を紙一重で避けた。
追撃しようとするゼロワン。
「ゼロワン!今日はその辺で。
サードを仕留め損ねたのは残念だけど、その代わり僕は秋山君がサードのことを香風ちゃんより先に考えるほどに大好きだって知ることが出来た。
充分すぎる収穫だよ。」
『ふん。愚かしい。サードお前の未来を予見してやろう。
破滅だ。お前のバディはあいつに、田中に似ている。
その妄執の果てに貴様のバディは貴様を巻き込んで破滅するだろうさ。』
ゼロワンを腕に乗せると廊下に飛び出す間明。
智乃は慌ててそのあとを追ったがまるで煙のように間明蔵人は消えてしまった。
5
「という訳ですケイタさん。
このことはくれぐれも一夏さんには黙っていてくださいね?」
「秘密を知ったからには一連托生だ。」
遂に車はアンカー社の駐車場に停まった。
そこからエントランスを通っていくつもエレベーターを降りて計3回目ぐらいになるアンダーアンカー本部へて足を踏み入れた。
6
薄暗いトレーニングルームに奇妙なものが置かれている。
右端には一夏が足をかけており、反対側にはゼロワンが立っている。
『アナライザー、着身。』
アナライザーが板に登り、パーツごとに分かれると右腕をあげる。
ダン!一夏が思い切り板を踏みつけシーソーの原理で飛び上がったゼロワンは空中で背中、画面、両足のパーツを装着し、着地してから落ちてきた両腕のパーツを装着。
ピストルの様にクルクルと回しながら正しい向きに変え、
『アナライザー、着身完了!』
「いい感じだね。」
『流石はアンカーの掛かり付け医だ、仕事が違う。』
感触を確かめる様に手を開いたり閉じたりしながら一夏の元に戻るゼロワン。
「絶好調でーす!」
一夏が手を振ったカメラの先、オペレーションルームの一角にケイタたちとフォンブレイバーセカンドのバディ千草と一夏がお別れが大の苦手ですぐ泣いちゃう事を知らずにゼロワンとのお別れドッキリを仕掛けてオペレーターたちから大顰蹙を買って一夏に蝶野も顔負けの制裁のビンタを食らって頰に季節外れの紅葉を貼り付けている元、フォンブレイバーフォースのバディ麻野瞳子が待機していた。
「なんの問題もなさそうですね。」
「バディは好調。気合いも充分。
生身の実力は、そこの笹団子、もとい紅葉面女を見ての通り。
優秀な人材です。今回の任務に同行して良いかと。」
「そう言うと思って彼女には2人より先に全て説明しています。」
あとはあなた達だけです。
そう言ってパソコンの画面を切り替える。
「まずはこの映像を見てください。」
パソコンに派手な音を立てて色取り取りの花火や炎を上げながら崩壊する橋の映像が再生される。
「テロかなんかですか?」
「でも凄く綺麗だね。」
「随分と自己顕示欲の強い奴だな。」
「この橋が爆破される二日前。
ある個人サイトにこの橋の部分部分を撮影した画像が公開されています。」
「それから二日間のカウントダウンもね。」
「予告爆破か。」
「立派なテロじゃないですか。」
「しかもその後警察や新聞社に『俺のメッセージを受け取ってくれたかな?次もヨロシク。』なんて太々しい絵葉書が送られてきたまた二日後にこの橋からそんな離れてない公園の遊具が粉々に爆破されたんだよ。
ヒント少なくて目撃者は少なかったけど動画サイトに上がった動画には派手な色の爆発で吹っ飛ばされる遊具が映ってた。」
そう言って画面を遊具爆破の動画に切り替える
「ちょっと待ってください。
こんなのを街のど真ん中で爆破させたんですか?」
「えぇ。このまま今はまだ死者や怪我人こそ出ていませんが、
このまま行けばカラフルボマーはさらにエスカレートしていき、
殺人に発展する恐れがあります。」
「カラフルボマー?」
「メッセージだなんだとカッコ付けやがって。
俺に言わせりゃただの爆弾魔だ。」
「その爆弾魔が、また予告を?」
「はい。明後日の夜10時までに場所を特定しなければ恐らくビル一つが消えます。」
そう言って表示したのがどこかのエレベーターの中だ。
「どんどんヒントが難しくなってますね。」
「そこでアキヤマエージェント、網島、織斑両研修生には画像の発信源を特定しそこから爆破された橋と公開の位置関係を調べて次のターゲットの目星をつけてもらいます。」
「よし、おい紅葉面女。
俺のカワサキは用意してあるな?」
「洗車しといたよ。」
投げられたキーを受け取ってサードをポケットに入れ出て行く蓮。
「私は?」
「お前は香風と留守番だ。
キリエライトにオペレートの仕方でも習ってろ。」
7
「ふーむ。やっぱ画面越しより実際に見た方が何倍もわかりやすいな。」
keep outの黄色いテープを越えた先は陥没して消し炭がたまっていた。
周囲の木にはプラスチックの、遊具の破片が刺さっている。
『本人はあくまで色取り取りの炎と花火に、奴の言い方を借りればメッセージに拘ってる。この破片なんかは意図したものじゃないだろうな。』
「人に当たったら無事じゃ済まないってこと?」
「当たり前だ。爆弾ってのはどちらかと言えば上に乗せてたものを吹っ飛ばして打つけることの方が相手に有効なんだ。
それに次のターゲットはエレベーターの中、つまりビルの中だ。
高さが高さならドミノ倒しみたいになることだってある。
だがこの犯人の言動から察するに分別のないガキがイタズラのつもりで花火で火傷させるのとなんも変わらん。」
心理的には、だからさっさと粛清する。
そう付け足すと入り口に停めていたカワサキ・ニンジャZX-14に跨ると第1の爆破現場の橋の方に向かっていった。
8
「ふふふ。次の選ばれし者はいったい誰かなぁ?」
「随分と楽しそうだね。
君にとってメッセージとは余程大事なことと見るよ。」
ずぞぞ。薄暗い倉庫の中で唯一蛍光灯で照らされた一角。
間明のカップ麺を啜る音だけが響いていた。
「当然さ。メッセージを受け取り、真に理解できる奴だけが行動を起こす。
俺はそんな行動した奴なのさ。」
「なるほど、なら僕もどちらかと言えば君側なのかな?」
バン!間明のかつて滝本を撃ち抜いたのと同じ拳銃がカラフルボマーの後頭部に鉛玉を食らわせた。
ほぼ即死だろう。
撒き散らされた脳漿でボマーがさっきまで見ていた画面が全く見えない。
「君は一足早く伊達さんたちと一緒に観戦席から見ていてくれ給え。」
踵を返すと間明は何でもないようにカップ麺を啜り続けた。
9
アンカーUSAのIS最終調整室にて
握りしめたハンカチはしわくちゃになり身体中から出る汗は止まる気配がない。
さらには先刻から謎の震えでコーヒーすらまともに飲めない始末だ。
(落ち着け!何緊張してるんだよ私!
今日の私の仕事は男性IS操縦者の専用機の最終調整の様子を視察しに来る城戸IS開発部長をご案内することだ!
今日の仕事振り次第では主任と私の進退だって決まるんだ!
だから落ち着け!落ち着け私!」
それから1秒が無限に感じられるような時間の果て。
来た。茶色い髪の毛の三十代になったばかりの若きリーダーが。
「本日はようこそおいで下さいました。
私は本日ご案内を務めさせていただきます副主任の能見と申します。」
掴みはバッチリだった。説明も恙無く進んでいき極めて好調。
能見は確かな手応えを感じた。
「網島ケイタくんの打鉄赤龍、秋山蓮くんの打鉄黒翔。
急な仕事でよくここまでの完成度で仕上げてくれたよ。
ただ、贅沢を言えば彼らが木組みの街に着くまでに完成させられなったかな?」
「申しひらきもありません。強いて理由を上げるなら、
エース整備員の須藤が結婚式で休まなければならかったぐらいで。」
「なるほど。なら仕方ないね。
それにISを姪の護衛に使うわけにもいかないしね。」
「えぇ。おっしゃる通り、、、え?」
それはおかしい。
IS学園は扱うものが扱うものなだけに最高レベルの警備体制が整えられている。
いくら世界屈指のIS企業開発部長の姪とはいえ学園の警備だけで充分なはずだが、、まさか寮に入れてないのか?
だとしたら男性操縦者に護衛をさせたいのも分かるが、
だとしてもそんなに危険は無いはず、、待てよ、扱うものがもの?
「いやちょっと待って下さい。
もしかして貴方、姪御さん、、心愛さんと言いましたか?アンダーアンカーに入れたんですか!?
アンカー内からも汚れ掃除屋とか揶揄されることもあるような場所に!?」
「君は聡いね能見くん。
そのレベルで察せるのは織斑のお嬢さんぐらいなものだよ。」
なんて事もないように告げる城戸開発部長。
「僕は水戸さんと僕が作ったフォンブレイバー達と彼らが選んだバディ達を信じてるよ。
きっと彼らなら心愛ちゃんに仲間がそばにいる有難さやこの世の汚い部分を知る上での支えになってくれるとね。」
10
「本当にこんな汚い倉庫にいるのカラフルボマー?」
半信半疑といった感じで中に入るケイタ、続く一夏、蓮。
『フォンブレイバー三機がかりでネットの痕跡を辿ったんだ。
アキヤマが推測したエリアの圏内だしほぼ間違いない。』
「兎に角、こんな狭い倉庫で火遊びをされちゃたまらない。
一気に制圧するぞ。」
セキリュティシックスを構える蓮。
『一夏、お前も網島ケイタの肩にしがみ付いてないで構えろ。』
「そんな事言ったって私これくらいの広さの所苦手なんだもん、、。」
『おや、意外ですね?一夏様に弱点がお有りとは。』
「そーゆう所はケータイも人間も変わんないよ。
例えば俺のケータイはよくなんもない所で転ぶし。」
『な!バレてないと思ってたのに!』
「おい静かにしろ!ピクニックなら他所でやれ!」
そろりそろりと縦列になって進んで行くと、いた。
寝落ちでもしてるのか机に突っ伏している。
「合図をしたら加勢しろ。」
ばっ!飛び出し銃口を後頭部に押し当てる。
しかしカラフルボマーと思しき男はピクリともしない。
ズル。テーブルから不自然に倒れる。
目は見開かれ額には穴が空いている。間違いなくほぼ即死だ。
背後から一夏がえずく声が聞こえてくる。
「マジで、死んでんのあれ?」
「あまり見るなよ?あれだ。
R-18Gってやつだ。」
ピストルをしまいUターンして戻る蓮。
「見ての通りあれはカラフルボマーの影武者か、
利用されるだけされて捨てられたカラフルボマーだった肉塊だ。
多分後者だな。急ぐぞ敵は思ったより手強い。」
「、、、蓮。あの人に触っちゃダメか?」
「駄目だ。サツにバレるとめんどくさい。
やりたきゃ向こう向いて十字でも切っとけ。」
今にも戻しそうな一夏を落ち着かせると死体の方を向いて両手を合わせるとナムタイシヘンジョウコンゴウと短く唱えた。
11
「嘘、、、ここ日本だよね?」
電話越しの心愛の声は震えていた。
「日本だよ。でも起きちゃったんだよ。」
「何にせよ厄介なヤマには違いない。
主犯の意図もまるで読めん。」
『幸い奴のパソコンにあった写真データから爆弾の場所は割り出せましたが、
邪魔者がいない中で爆弾を除去しようと思うと時間ギリギリです。』
「しかも敵は拳銃持って待ち伏せしてるかもしれないんでしょ?
それに下手に追い詰めたりしたらヤケクソで爆弾爆破させるんじゃない?」
『そこは安心して良さそうだぞ一夏。
カラフルボマーの残した図面を信じるなら遠隔爆破は不可能だ。』
「つまり時間ピッタリに絶対爆発するって事じゃん。」
『まあな。しかし爆発させないに越したことはないが別に絶対に爆発を阻止しなければないという訳ではないぞ?』
「というと?」
『この映像を見てくれ。』
セブンの画面にゴミ箱のようなものにダイナマイトをいれて爆破させる動画が再生される。
『あえて爆破させて処理するのも手だ。』
「臭いものには蓋をしろって?」
『ケイタ様。お言葉ですが使い方が間違ってます。』
「どちらにせよ工具やデモリッションは不可欠だ。一回戻るぞ。」
12
バイクを本部の駐車場に停め、レンの車に乗り換えた一行は予告されているビルに一番近いコインパーキングに急行した。
「警備以外はもう出払ってる感じ?」
「アンカーの手が回ってるテナントが多くて楽だ。」
一応黒いバッグで工具を隠しながらエントランスに入っていく3人。
そしてそれを鏡ごしに見つめる影が一つ。間明蔵人だ。
「ふん。網島くんは兎も角、秋山くんは余計だね。頼むよ。」
ぽん。暗がりでよく見えないが細身の男の肩を叩く。
その男は上着からガゼルの骸骨のようなライダーズクレストの入ったデッキを取り出し、カードを引き抜く。
キィーン。耳鳴りのような音が聞こえると背後の鏡からギガゼール、マガゼール、オメガゼールと三体の羚羊型ビーストが召喚された。
「お手並み拝見やで、ドラゴンナイトにウイングナイト!行ってらっしゃい!」
キュイン!ちょうど3人を挟む用に飛び出すマガゼールとオメガゼール。
「アドベントビースト!」
「ちっ!しかも群れるタイプか!サード!織斑を援護しろ!」
「よし、お前も一夏を頼んだ!」
『何を言う網島研修生!素人のお前に私抜きで何が!』
「素人の俺が一夏についてるよりサードとセブンがついてた方が安心できる!
それに、餅は餅屋の適材適所。
お前一人でビーストをどうこう出来るそれはないだろ?」
『、、、わかった。くれぐれも不覚をとるなよケイタ?』
「一夏、やれそう?」
「死なない程度にやるだけやるよ。
私とこの凸凹トリオに期待してくれてる人がいるし。」
「なら、やる事は一つだ。KAMEN-RIDER!」
ウイングナイトに変身し、マガゼールの剣とバイザーを鍔迫り合いながら鏡の向こうに飛び込んで行く。
「しゃっ!俺も行くぜ、カメンライダー!」
シュッと指先まで真っ直ぐ伸ばした右腕を左斜め上に向けて突き出す構えを取り、出現したVバックルにデッキをセット。
ドラゴンナイトに変身するとオメガゼールにタックルを仕掛けてながらもみ合う様にベンタラに突入していった。
飛び出た先は立体駐車場の一角だった。
体制を立て直したオメガゼールは螺旋状の角がついた二叉槍を構えてくる。
<SWORD VENT>
ドラゴンナイトもドラグセイバーを装備し一撃、二撃と斬り結ぶ。
(こいつ、パワーもスピードもリーチもある!)
一応は羚羊型のリーダー格とだけあってディスパイダーリボーンとは別ベクトルで強敵と言える。
なら工夫するだけだ。意表をついて思い切り右に飛ぶ。
流石に予想外だったのか一瞬動きが止まった。
その隙に着地した車の上で体制を整えて突き出される槍を弾く、跳んで避ける、弾く、弾く!
そして槍を上手く絡めてるとドラグセイバーごと遥か後方に弾き飛ばし、追いかけるフリをしながら車の後方に回り思い切り蹴る!
狙い通り車はオメガゼールを引きながら前方の駐車していた車に激突した。
「ワンパンで決めてやるぜ!」
<STRIKE VENT>
ドラグレッターの頭部を模した手甲、ドラグクローを召喚し構える。
(放て!)
頭に流れ込む声に急かされクローから炎を放つ!
車に直撃した炎球は燃料に引火しオメガゼールを巻き込んで大爆発を起こした。
「よし、って安心もしてらんないんだ!
予告爆破まで後何分だ!?」
13
飛び出たのはおしゃれな服屋が立ち並ぶ大通りだ。
隠れるものが少ない一対一の勝負。
先に仕掛けてきたのはマガゼールだった。
近くにあった植木鉢を投げつけ、避けた所を切り込んできた。
吹っ飛ぶウイングナイト更にマガゼールはガスランプを模した電灯をへし折り、投げてよこす。
ウイングナイトは避ける事さえしなかった。
柱に貫かれ土手っ腹に風穴を開けられ力無く跪く。
「ガス抜きしろってか?」
鈍い痛みがマガゼールの背中を襲った。
振り返るとそこにはさっき確かに倒したはずのウイングナイトの姿があった。
それも一人ではない。
正面に一人居るかと思った時には背後と真上、
そして右側の死角から一人づつウイングナイトが攻撃してくる。
トリックベントシャドーイリュージョン。
実態の持った分身を最大4体作り出せるウイングナイトの十八番。
しかもどうゆう理屈か初めにカードを使って分身を呼び出したのを攻撃しても攻撃判定を受けた瞬間に他の分身だったはずの物が本体になるという敵からしたら極めて厄介な特性を持っている。
つまり一体を残して全てを倒し尽くす頃には疲弊しきり、
<FINAL VENT>
座して仕留められるしかないのだ。
ウイングナイトを包んだ黒い繭がマガゼールを砕き散らす。
「相変わらずイージーな奴らだ。
さて、ドラゴンナイトと織斑は?」
14
「ハズレ!次!」
まあまあ広いビルのせいでエレベーターは計4つある。
うち三つが違った。残る一つに爆弾が設置されてるはずだ。
「あーもー!早くきてよ、エレベーター!」
『落ち着いてください一夏様』
『一夏、爆弾ってのはデリケートなものだ。
下手な所を触るとドカン!ってこともあるぞ。』
『ゼロワン、それ余計焦らせてないか?』
「ごちゃごちゃうるさい!
ゼロワンとセブンはデモリッションとグラインダー用意して!」
ほぼ同時に頷いた二機は一夏のパーカーのポケットで待機する二機のブーストフォンにコードを送信する。
『デモリッション、着身!』
『グラインダー、着身!』
かつて一夏と始めて出会った時の様にパーツを着身!
『デモリッション、着身完了。』
『早!えっと、こっちが足で、、、これは、、背中?
これが盾!カモンベイビー!』
残っていた一番大きいクローパーツを着身!
『グラインダー着身完了!』
「開いた、、あった!」
爆弾を発見した一夏。
パーカーを脱いで暗視ゴーグルを装着し爆弾に向かっていく。
「サード。タイマーは後どの位?」
『予告通りなら後約10分後です。』
割と余裕がないのか有るのか分からないけど急がなきゃいけないのか分からないが、急いだ方がいいに決まっている。
サードのナビ通りに丁寧にカバーを外して配線を切っていく。
「よく映画とかで間違った配線切るとボン!
とかあるけどリアルでもあるの?」
『それを今聞きますか?
まぁ、無くはないと言っておきましょうか、、、。』
「ふーん。そうなったら私たちの棺桶随分と縦に長いね。」
『縁起でもないこと言わないでください!、ってあ。』
プチ。一夏が黄色い線を切った瞬間。
タイマーがおよそ三倍の速さで進み始めたのだ、
「まずいまずい!サードこれどれ切ったら止まる?」
『止まるわけねーだろ!こうなっちまったら!
仮に線切ってどうにかなるとしても今お前の焦りまくってガクガクの腕で切れるわけねぇだろ!』
「確かにそうだけど!」
『おい一夏!大丈夫か!?』
『とりあえず戻って来い!』
エレベーターの中に戻る一人と三機。
『ふむ。なら我らは今爆破寸前の爆弾の上に座ってる訳か。』
『なら、いっそもう爆発させていいんじゃないか?』
『テメェまでなに訳ワカンねぇことほざいてんだよ家出携帯。』
「さ、サード?ちょっと落ち着きなよ?」
普段どんなストレスのもとで仕事してるんだ?
その言葉をなんとか飲み込み爆破させるって?と二機に聞き返す。
『「臭いものには蓋をしろ。」だ。』
そう言うと一夏に作戦を伝えたい。
「かなり無茶だけど、無理じゃないね。
やろう。やらなきゃ確実に0だ!」
エレベーターを上昇させる途中で天井を外し、
セブン、ゼロワンを上げ2本のワイヤーの前で待機させる。
「サード。二人は?」
『まだビーストと戦っている様です。
しかし、我々だけでやってやれないことはありません。』
「よし、ならやろう!」
一夏の声を聞いた二機はせーのでそれぞれのワイヤーを切りにかかる。
時間との勝負だ。そして一夏の瞬発力と二機の脚力にかかっている。
ワイヤーがほぼ同時に切れる。
その瞬間に二機は出口に向かって走り出した。
チャンスは一瞬一回。
エレベーターが、足場が落ちきるまでに飛び出す!
一夏は無事に二機をキャッチし、倒れそうになるが壁にもたれながらなんとか耐えた。
直後にドーンッ!と重苦しい音が聞こえてきた。
それから何秒たっても建物は崩れない。
「せ、セーフゥ。」
安堵と脱力感でその場に座り込んだ。
『よくやったぞ一夏。』
『初めてにしては上出来だぞ?』
『後は事後処理班と警察の仕事です。
速やかに撤退しましょう。』
そうだね。そう言って三機を抱っこしながら立ち上がった時だった。
ぱちぱちぱち。右側から乾いた拍手が聞こえてきた。
「初任務完遂おめでとう。
やり切ったかいは無いだろうけど、僕の拍手だけで勘弁してくれないかな?」
『間明!?』
あの人が?思わず一夏は目の前の若い男をまじまじと見る。
髪や目は普遍的な黒。
年の頃は二十代後半、、かな?で着てるものも一定以上だろうが決して高過ぎるようには見えない。
髪型も横に広がってるぐらいでそんなに奇抜という感じじゃ無い。
総じてケイタほどでは無いが爽やか?ぐらいしか特徴の無い男だった。
イメージが合わない。本当にこの男が滝本を殺したのか?
『貴方が絡んでいたということはカラフルボマーは貴方が、、。』
「ご明察だよサード。たっぷり褒めてあげたいところだけど、今日は織斑ちゃんに用事があって来たんだ。」
「私に?」
ゆっくりと頷いて笑顔のまま囁くような声色のまま間明は続けた。
「フォンブレイバーと仮面契約者は将来、人類を脅かす。
ビーストやISなんか目じゃないさ。きっとね。」
一人と三機が驚愕で動けなるのを見越していたのだろう。
素早く用意していたペットボトルの水をフローリングの床にぶちまけ即席の鏡を作るとその中に消えていった。
ケイタ「てな感じ作者が台湾に研修旅行に行っていたせいでブランクも文章もむちゃくちゃ長くなった第3話でした。」
蓮「ようやくか。にしてもブランクと言えばだいぶ昔に言っていたお前や織斑のキャラソン は決まったのか?」
セブン『ケイタのが仮面ライダー龍騎の果てなき希望で、一夏のがいきものがかりのGOLDEN GIRLだそうだ。』
蓮「網島は兎も角、織斑は最早ISもケータイ捜査官7も関係ないな、、。」
(ED 果てなき希望 仮面ライダー龍騎より)
ケイタ「そんなことより次回、infinite DRAGON KNIGHT!」
三春「織斑三春です。」
セシリア「わたくしを知らない!?」
箒「久しぶりだな一夏。」
ケイタ「クラス代表?」
セシリア「決闘ですわ!」
蓮「ノープロだ!」
セブン『ならば特訓だな。』
インサイザー「100万ドルは頂きだぁ!」
トラスト「私は試練に勝つ!」
トルク「俺は、仮面ライダートルク。」
(`0言0́*)「ヴェアアアアアアアア!」
セブン『次回、Dragon against Dark wing』
ケイタ「そんじゃ次回も!」
蓮「KAMEN-RIDER!」