infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来   作:伊勢村誠三

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心愛「前回までのinfinite DRAGON KNIGHTは…」

ケイタ(遺影)「」

束(遺影)「」

一夏「私が、私がケイタを・・・。」

蓮「どうする?」

心愛「どうするも何も何とか元気ずけようよ!」

蓮「だな、それではどうぞ!」



Lonely night その1

時刻は昼の11時を5分ほど回った所。

羽田空港国際線ターミナル。

異様に軽い荷物を携えたレン・アキヤマの姿はそこにあった。

 

『しかし急でしたね。

京都旅行が打ち切りになってすぐに高跳びとは。

お陰で一泊しかできませんでした。』

 

「別にゆっくりするのが目的の一時帰国じゃないしな。

一目アイツの顔を見れただけでも収穫だ。」

 

基本蓮が会いに行った彼女は普段寝たきりだ。

別に会いに行くだけならベンタラ経由でもいいのだが、

彼女には分からなくても仮面ライダーの自分を見せたくはなかった。

そんなふうに思っていると飛行機内でオフにしていた携帯電話に早速着信だ。

画面には『秋山柊洋』とある。

 

「もしもしじいちゃん?」

 

『おお、蓮君。やっと出たか。

今までどこに行ってたんだ?』

 

「三日前に京都。それから友達に会いについ数時間前までアメリカ。今は羽田空港。」

 

『はぁー……蓮君も大変だな。まだ話せるか?』

 

「ああ。いいよ?ばあちゃんと?」

 

『ああ。華澄は今学校でな。

稲子!蓮君がやっと電話に出たぞ!』

 

そのあとしばらく祖母ととりとめのない会話をする。

 

(たまには、本当にたまにでいいからこういう話をするだけでも、家族っていい物だな。)

 

『とにかく元気そうでよかったよ。

今度は近くに寄ったら帰ってきてくれるかい?』

 

「仕事落ち着いたらクリスマスには一回帰るよ。

年末年始は、ちょっとわかんない。」

 

『そうかい、楽しみにしておくよ。』

 

電話を切りふう、と一息つく。

本当はゼイビアックスの脅威とか諸々片付かない限り暇なんて作りようがないのだが、彼ら彼女らに事情を説明する訳にもいかない。

 

「何とか今年中に終わらんもんだろうか。」

 

あの後、ケイタがベントされ、篠ノ之束が殺された後。

ゼイビアックスはドラゴンナイトのデッキを奪取するとキャモを、クロエを伴い去って行った。

 

(クロニクルを強化するつもりなのか、単に戦利品として持って行ったのか謎だが、まあいいだろう。それより問題は自分が人造人間だったことよりもケイタをベントしちまって落ち込んでる一夏だ。)

 

二日ぶりのカワサキ・ニンジャに跨りながらため息をつく。

簪が怪我で戦えない今、動けるのは蓮しかいない。

実質ウイングナイトVSゼイビアックス&キャモの対決だ。

覚悟を確かめるためにデッキに握りしめようとした時

 

「ん?また電話?今度は心愛か。もしもしアキヤマだ。」

 

『もしもし蓮君!?大変だよ!一夏ちゃんが荷物まとめてラビットハウスを出て行っちゃった!』

 

「はぁ!?」

 

 

蓮はバイクを風都に飛ばした。

サードに経路案内をしてもらい、役所の個人情報にハッキングして調べた住所に向かう。

バイクを止めてその家の表札を確かめる。

 

『織斑』

 

網島家に世話になった後、織斑千冬の自立をきっかけに引っ越した先がここだという。

因みに網島家とは方向が真反対らしい。

 

「あ、蓮君!」

 

「心愛、天々座。お前らも来てたか。」

 

「お前が行くと聞いていたからな。しかし、酷いな。」

 

「ひどいって何がっ!」

 

言われて家を見ると壁という壁に

 

『人殺しの家です』『近づかないでください』

『男を殺しました』『私は消えるべき人間です。』

 

みたいな事が所狭しと書かれている。

 

「……ここ本当に一夏ちゃんのお家?」

 

『一夏様の家です。』

 

「刃牙の家じゃなくてか?」

 

『一夏様はあの手の漫画に出てくるキャラクターみたいな筋肉はしてません。』

 

「わかってるよ。けど聞かずにはいられないだろ。

花壇は長らく手入れしてないのか荒れてるし塀には有刺鉄線ついてるし、門の取手に鎖巻いてあるし。」

 

入って来ないでくれと家そのものが主張してる様な外観だ。

逆にたかだか3日でこの有り様に出来るとは、努力の方向性がやの明後日の方向にぶっ飛んでやいないだろうか?

 

「どうする?」

 

「どうするもこうするも、あって真意を確かめるしかないだろ。」

 

一走り近くのホームセンターから鋏を買って来た蓮は早速有刺鉄線や鎖を除去し、門を開けようとするが

 

「? 蓮君どうしたの?」

 

「いや、建て付けが悪いのか、中々!開かない!ん〜〜!」

 

「そんなにか? ふ!……? ふんんん!本当に硬いな!どうなってる?」

 

気になった蓮はサードをアクティブモードにして反対側に送る。

 

『!? こ、これは!一夏様あなたはそこまでしてわたくし達に会いたくないのですか!?』

 

「どうしたサード?」

 

『この門、こちら側から溶接されています!』

 

「「「はぁ(えぇ)!?」」」

 

仕方なくISを部分展開した蓮が強引にこじ開け庭に入る。

不法侵入もいい所だが、こんな所に人間を住まわせておく方が問題だ。

 

「どうした心愛?ドアを開けろよ。」

 

「いや蓮君。私も一夏ちゃんと会って話したいけど…このドアには仕掛けとか無いよね?」

 

「………心愛、ちょっと俺の上着預かっといてくれ。」

 

意を決した蓮が先陣を切ってドアノブを掴む。

瞬間、蓮は身体中の筋肉が硬直した様に動かなくなった。

 

「!? 秋山大丈夫k」

 

「え、な、何?2人ともどうs」

 

蓮に触った2人もそうなった。電流だ。

ドアノブに流れる電流が3人を連結させてしまったのだ。

そしてしばらくした後にバチンバチン!と派手に吹き飛ぶ3人。

 

「〜〜〜〜〜ッッッッ!どんな防犯設備だ!」

 

「刃牙の家じゃない…ジャパニーズ忍者屋敷だった…。」

 

「一夏ちゃんの、家だよ!行こ!裏口からなら入れるかも!」

 

しかし甘い考えだった。

裏口は裏口でドアノブが湯気を上げるほど熱されていた。

触ったら大火傷だろう。

 

「もう窓ぐらいしか入る所ないぞ?」

 

「ロープ持ってる?」

 

「秋山、買いに行ってくれるか?」

 

「了解。くれぐれも動くなよ?」

 

そしてまた再びホームセンターに向かうと頑丈な紐とフックを購入し、織斑忍者屋敷にもどる。

 

「はあ、まさか日本でレンジャー部隊の真似事をするとは思わなかったな!」

 

窓を破りながらフックが引っかかったのを確認してまず蓮が壁を登る。

 

「! お前ら気を付けろ。床中レゴブロッ○のマキビシだらけだ。」

 

仕方ないので土足で上がり込む

入った場所は二回のエントランスの真上だ。

元々は二世帯住宅だったらしく、右側のドアの先は家具が何も置かれていない一人分の生活スペースがあった。特に罠は仕掛けられていない。

 

「どうする?一階から入るか?」

 

「いやでも………」

 

「俺は嫌だぞ?下手に退路を塞がれてこの罠屋敷に孤立無援とか勘弁だからな。」

 

行くんなら二階から行こうということで侵入して来た窓のある廊下まで引き返した。

 

「一夏ちゃーん?いるんでしょー?

出てきてー!心愛だよー!」

 

「一夏ー!大丈夫か?いったいこの罠は何なんだ!?」

 

「出てこい一夏!こんなところでくすぶってケイタや更識たちに申し訳が立たないとか思わないのか!」

 

慎重に、呼びかけながら進んでいく。

一夏も罠も何処に居るか分からないからだ。

 

「一夏ちゃーん!ん?」

 

「どうした心愛?」

 

「まさか新しい罠か!?」

 

「さぁ?でもなんかシューって音しない?」

 

そう言われて耳を澄ますと確かに風船から空気を抜くような音がする。

すると突然右横の扉が開き、そこから二酸化炭素で吹っ飛ぶロケットパンチが飛来した。

 

「うぉおお!あ、う、後ろに階段!ああああーー!」

 

のけぞるように避けた蓮はバランスを崩して階段を真っ逆さまに落ちていった。

 

「蓮君!」

 

「秋山!」

 

助けようとした二人も階段に張られた透明な糸で転ばされ蓮とほとんど一塊になって落ちていく。

 

「「うわー!」」

 

「ヴェアアアアアアアア!」

 

一階の一番下まで転がり落ちた先でも罠があった。

転がり込んだ先で何かスイッチを押してしまったらしい。

天井から何かが雨の様に落ちてくる。

 

「虫!虫だぁああ!」

 

「いやあああああああ!!!!取って取って取ってぇええええ!!!!」

 

「お、お前ら落ち着け!暴れたらまた何か罠を!」

 

プツン!と何か糸が切れるような音がする。

すると突然キッチンの方で爆発が起こった。

 

「ヴェアアアアアアアア!なんか爆発した爆発したよ!」

 

それは始まりに過ぎなかった。

キッチンを皮切りにあちこちから火が出始める。

 

「逃げろ!もうだめだ!これはもう特殊部隊の介入が必要だ!撤退するぞ!」

 

爆発を避けながらなんとか玄関までたどり着くと部分展開したISでドアをぶち破る!

飛び出た瞬間最大の火の手が上がった。

 

 

「なんだアレ!特に最後のアレは何だったんだ!

ホームア〇ーンでもあそこまでやらないぞ!」

 

撤退した3人は作戦会議と昼食を兼ねて五反田食堂に向かった。

弾や、来てるんなら虚にも協力してもらおうと言う訳だ。

 

「にしても、一時の私とは別ベクトルで荒れてますね。」

 

つい最近から五反田食堂でバイトを始めた虚が言う。

彼女も妹がガイアメモリに狂わされた時はかなり荒れたものだ。

 

「ケータイかけても繋がらないし、

ゼロワンやセブンにかけても無言だし話にならないどころか話さえ出来ん。」

 

お手上げ、のジェスチャーをしながら溜息をつく蓮。

 

「でもだからと言って何もしない訳にはいかないだろ?」

 

「ああ。それに狙われないとも限らん。

前回の戦闘で本気を出せば単一世界(ワンワールド)両極双心(ツーハート)でも仮面ライダーを撃破可能とわかった以上、ゼイビアックス陣営も一夏を倒しておきたいはずだ。」

 

ふーむと四人が考え込む。

はっきり言ってあまりに戦力が足りない。

ISは国家の所有物である以上そう簡単に使えないし、

フォンブレイバーも戦闘向きとは言い難い。

 

「まあまあ、考えても仕方ないじゃん。

まずは喰って力尽けろよ。業火野菜炒めお待ち!」

 

「五反田、悪いな。」

 

「いーって。飯屋は飯作って腹の虫退治すんのが仕事だ。

仮面ライダーは人を苦しめる怪物を倒すのが仕事、だろ?

あ、虚さん。これまかないです。」

 

「いいんですか休憩しちゃって。」

 

「俺も休憩ですし、今日、てか最近お客さん少ないですし。」

 

「何か理由とかあるのか?」

 

「ほら、最近ISの暴走だなんだで皆不安がっててさ。

それで自分の身を守る為とか言ってガイアメモリに手を出すやつとかも居て、それで仮面ライダー、てか鳴海探偵事務所に風都署超常犯罪捜査課はてんてこ舞い。

仮面ライダーも出ずっぱり。おかげで黒影もすっかり風都の人々に認知されたよ。」

 

「確かにISメーカーの株価暴落とか、

この機に乗じた詐欺とか、過激派団体の抗議とか色々あったからな。」

 

世も末である。ISの暴走が多発し始めたあたりから各地での超常犯罪の発生率は増加傾向にある。ユグドラシルや青空の会など自前で戦力がある企業なんかも進んで協力し、対処しているが、それでも被害は出てしまっている。

 

「俺たちはこの街を離れる訳にいかなくなっちまったから木組みの街はケイタの分も任せるよ。」

 

「ああ。だが正直な話。俺一人じゃ、キツイ。」

 

「だろうな。私も協力してやりたいが……。」

 

「一回ガイアメモリ使って集団昏倒事件起こした奴が何言ってるんだ。」

 

それを言われると何も言えない理世。

最終的に彼女のナイトメアメモリに助けられたとはいえ、問題を起こしたのは事実だ。

 

「はぁ……ゼイビアックスみたいにデッキのロックを外せる技術があれば、ライダーの数を増やせずともセイレーンやラスのカードを使う事も出来るんだが…。」

 

今のところデッキはまだまだ分からないことだらけだ。

フォンブレイバーでも解析するのは不可能に近い。

 

「今デッキって誰が持ってるの?」

 

「ラスのデッキを織斑千冬が。

スティングのデッキは宇治松が。

アックス、トラスト、インサイザーのデッキを更識楯無が。

ドラゴンナイトのデッキはゼイビアックスが。

キャモのデッキはクロニクルが。

ストライクとトルクのデッキは藤丸に、

スピアーとアビスのデッキはキリエライトに預かってもらってる。

残りのウイングナイト、セイレーン、ブレードのデッキは俺が。」

 

「確かお前らのライダーって俺の戦極ドライバーや達郎のイクサナックルと違って変身出来る奴固定なんだよな?」

 

「そうだが?」

 

「じゃあなんでゼイビアックスはケイタのデッキパクったんだ?」

 

「サバイブカードを持たせたかったのか、それともクロニクルのデッキのリミッターをカットしてドラゴンナイトのカードを使わせたかったのか。

それとも何か、隠し玉があるのか。

分からないが、なんにせよ次の戦いで確実に倒す。」

 

ケイタの弔い合戦だ。

そう言って蓮は定食をかき込むとお代を置いて一足先に木組みの街に帰って行った。

 

 

ベンタラのワシントン。

ゼイビアックスの要塞にて、黒に黄緑色のラインが入ったライダースジャケット姿のクロエが居た。

 

「さて、クロエ君。

これからすべき事は何かわかるかな?」

 

「そうですね…ISの完全なる失墜により人類をより混乱させることでしょうか?」

 

「その通りだ。今回は質も量も妥協せず大量のビースト軍団をIS学園をはじめとした施設に送り込み地球に最大の混乱を与える!」

 

「レン・アキヤマに更識楯無はいかがいたしましょう?」

 

「放っておけ。今更泳がせたところでなにも出来まい。」

 

「承知しました。」

 

クロエが深々と頭を下げるとゼイビアックスはアドベントビーストの調整のため、指令室を後にした。

 

「………束様、もうしばしお待ちを。」

 

 

夜。

一夏は水を張ってないバスタブの中にうずくまっていた。

 

『おい一夏!この檻から出してくれ!一夏!』

 

『織斑一夏!出してくれーー!!織斑一夏!』

 

(………ごめんねゼロワン、セブン。もう私が戦わない為に諸共になってもらうよ。)

 

一夏は誰かを傷付けるぐらいならどこにもいかないと思っていた。

もちろん誰かが来るだろうから威嚇や警告の意味で罠を張り巡らせた。

 

(だから誰も来ないはず。

もう、誰も危険な私に近づけないはず)

 

「もしも〜し。シャワー使ってる?

使ってないなら入るぞー。」

 

・・・・・まさか誰か入って来たのか?

思わず頭を上げると、黄色い複眼に赤い仮面の男と目が合った。

 

「アカライダー…。」

 

「久しぶりだな一夏。酷え面だぞ?」

 

「別に気にしないし…それより何の用?」

 

「……このままでいいって本気で思ってるのか?」

 

やっぱり私を説得しに来たらしい。

このままで良いに決まってるじゃないか。

誰かを傷付ける危険な人造人間なんて一生引き篭もっていた方が

 

「お前がじゃないぞ?お前の仲間がだ。」

 

「え?」

 

「お前が引き続き引き篭るのは勝手だ。

だけどそうなるとお前の親愛なる隣人達はケイタに続いて2人目にだぞ?ロクにサヨナラも言えないまま居ない者として諦めなきゃいけない友達ってやつを作るのがどれだけ辛いか、お前ならわかんじゃないか?」

 

「………」

 

「ま、こんなの通りすがりの第三者の意見だ。

間に受けなくても良いけど、参考までに。

あ、あとアンカーから預かって来た新造版のシーカーとメディックとアナライザー、ここに置いとくぞ。」

 

そう言ってアカライダーは仮面ライダー電王の力、

ライダーパスを使って時を超える電車デンライナーに乗り込むと去って行った。




心愛「一夏ちゃん…」

蓮「アカライダーには助けられてばっかだな。いつか恩返しをしないとな。」

アカライダー「そんなんそれこそ明日未来でしてもらうからいいのに。
次回、Lonely night その2!」

心愛「い、いつの間に!?」

蓮「え、えっと、次回も見てね!」
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