infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
蓮「俺やお前がもう1人出て来た所までだな。
……一夏はケイタを離さないつもりか?」
一夏「またどっか行っちゃうもん…」
心愛「2人ともラッブラブだね!」
蓮「他にもユーブロンやベンタラの騎士と敵じゃないみたいだが、よくわからん奴らのオンパレードだな。
今回で説明しきれるのか?」
心愛「なんかユーブロンさんがしてくれるみたいだよ?」
ケイタ「それでは本編どうぞ!」
1
ユーブロンに連れられて一同はベンタラを通ってどこかにあるベンタラの騎士団地球基地に案内された。
「ひっろ!」
「すごーい!なんか如何にも正義の秘密結社って感じ。」
子どもみたいにキラキラと目を輝かせる心愛。
他の面々も心愛ほどではないが興味津々といった様子だ。
「一応私たちは世界公認の超特殊部隊ってことになるんですけどね。」
戦闘時とは打って変わって落ち着いた穏やかな口調で言うセイレーン。
「まあ、チキュウ?で、あってたか?では無名だからな。
この基地の詳細を知ってるのは唯一我らに協力的だったアメリカという国のトップぐらいだ。」
「アメリカ!?………なあ一つ聞いていいか?」
何か嫌な予感がしたらしい蓮が近くに居たトラストに尋ねる。
「どうした地球のブライアン。」
「蓮だ。レン・アキヤマ。その協力者の中に
ポリー・ナポリターノって馬鹿女がいなかったか?」
「ポリー?あのハイテンションか?」
「そのハイテンションだ。」
「あのモニカよりも頭おかしい色狂いか?」
「その色狂いだ。」
「知り合いか?」
「……上司だ。」
ライダー一同が仮面越しでもわかるような気の毒そうな表情になる。
「そうか。」
「お前も苦労しとるな。」
「憐れむな悲しくなる。」
「一同すっかり打ち解けたようだな。
そろそろ本題に入っていいだろうか?」
ユーブロンがアーマーを解除しながら、
近くにあった長椅子の一番奥に腰掛ける。
ケイタ達はライダーたちに促され座る。
「何か聞きたいことはあるかな?」
蓮が手をあげる。ずっと聞きたかったことがある。
「アンタらは全部知ってるのか?
ベンタラとかゼイビアックスの正体について。」
「ああ。全て知っている。」
「話してくれ。」
ユーブロンはゆっくりと語りだした。
2
ユーブロンは見た目は東洋系の壮年の男に見えるかもしれないが、それは擬態だ。
本当は人間が想像するところのグレイタイプと呼ばれる存在に酷似した異星人だ。
「私の生まれた星、
カーシュでは絶えず争いが起きていた。
もう、生まれてからずっともはや戦い以外覚えてないほど長く激しい戦いだ。
私は戦争を永遠に終わらせたい一心でゼイビアックス達
15人の将軍と共に戦い、勝利を収めた。」
しかし度重なる戦いでカーシュは再生のしようが無い程荒れてしまった。
労力も資源も何もかもが足りなくなった。
「そこで我々は奴隷を求めた。
カーシュ再生の手足となる奴隷を。」
「そしてベンタラ人が、アンタら地球人から見れば並行世界の同一人物がその奴隷に選ばれたわけ。」
アックスが言う。ユーブロンは沈痛な表情で頷いた。
「じゃあベンタラってのは」
「鏡合わせのもう一つの現実。
あり得たかもしれない君達だ。
だから彼らと同じDNAを持つ君たちは変身出来る。」
そこでユーブロンは先遣隊を兼ねた調査団と共にベンタラに向かった。
しかし極めて複雑な要因によって宇宙船が制御を失い、
ベンタラに激突、着地に失敗してしまったのだ。
「生き残ったのは私だけだった。
私は深いダメージを追いながらも活動を続けた。
だが、すぐに限界が来た。」
ユーブロンはどこともわからない場所で倒れた。
身体に全く力が入らない。過労で視界もかすんできた。
「!? お姉ちゃん!お姉ちゃん!
黒いかっこしたおじちゃんが倒れてる!」
「リサあんた何言って…うわホントだ!
べス姉!ケータイ持ってる?」
「持ってるがどうし!?人が倒れてるのか?
すぐに救急車を!」
ユーブロンはベンタラの心優しい人々により助けられた。
大げさでもなんでもなく命を救われた。
(私たちは、こんなにも優しい人々を奴隷にしようとしていたのか……。)
ユーブロンは回復してすぐにベンタラの人々に正体を明かした。
もちろん拒絶する人々もいた。
しかし、信じる人たちに支えられユーブロンはゼイビアックス率いるアドベントビーストの力を逆に利用する防衛戦力を開発することに成功した。
「それが仮面ライダー、並行世界の君たちだ。」
一斉に変身解除するライダーたち。
全員見覚えのある顔で、ケイタのと似たデザインの黒いライダースジャケットを羽織っている。
違うのは胸元のライダーズクレストぐらいだ。
「本官はモーラス。元国際特別警察機構戦力部隊、
通称警察戦隊の隊員で、仮面ライダーインサイザーであります。」
100万ドルのために一夏を人質にとったやつと同一人物とは思えない真面目そうな自己紹介で答えた。
「私はキース。元モトクロスレーサーで、取引の上で仮面ライダートラストになった。ともに試練に打ち勝とう!」
逆にこちらのトラストは余り違和感がない。
もしすれ違いさえなければ地球のトラストとも仲間になれたかもしれない。
「俺は楯無。ベンタラの騎士団の支持母体の一つ虎月家の19代目当主で、仮面ライダーアックスだ。
言っとくけど他に頼れるのが居ないってだけでお前らヒヨッコを信用した訳じゃないからな?」
簪と同じ顔でかなり挑発的なことを言うやつだ。
こいつだって一回ベントされてるくせにと、一同少しむっとした。
「こら簪ちゃん!彼らはともに戦う仲間なんですよ?
うちの教え子がすいません。私はサクラといいます。
元教師で仮面ライダーセイレーンです。
頼ってくださいね?なんたって先輩で先生ですから!」
「うっせ!頭撫でるな!
それとその名前は楯無を襲名したときに捨てた!
男として扱え!ベントされて記憶でも抜けたか!?」
戦闘とのギャップがすさまじいな。
と唯一交戦したことのある蓮は思った。
そしてうっかり山田先生と呼ばないようにしようと思った。
「はっはっは。復活そうそう仲のよろしいことで。
俺はトニー。仮面ライダースピアーや。
ま、気軽にやろうや。」
余り関りが無かったからわからないが、多分地球のスピアーより取っつき易いんだろうなとケイタは思った。
「私はマコトという。キースと同じく取引でライダーになったがこの仕事に誇りを持ってる。
変身するライダーはスティングだ。よろしく頼む。」
こっちも手塚と比べ違和感がない。
やっぱり根っこはおんなじという事だろう。
「私はアレクと申します。
ハウスキーパーと仮面ライダーの二足の草鞋を履いております。
仮面ライダーキャモに変身します。
戦闘以外も何なりとお申し付けください。………料理以外は」
最後にぼそっと言ったのを聞き逃した者はいなかった。
間違いなく並行世界のクロエだと確信する地球側の一同。
「最後は俺か。俺はブライアン。
サトシ・ブライアン・マース。
仮面ライダーウイングナイトだ。
ユイの治療費を稼ぐためにライダーになった。
お前ら地球人にも後でしっかり対価を要求するからそのつもりでいろ。」
「蓮だ。」
「ええ、レンさんですね。」
「レン以外の何者でもないね。」
「ねえブライアン君。本当は蓮君って名前じゃないの?」
「失礼だなお前ら。俺はもうちょっと愛想良いぞ?」
『いやレン様、アナタあれと大差ありません。』
『いつもあんな感じだぞ?』
『アキヤマはどこまで行ってもアキヤマだな。』
「お前ら俺でも傷つくことあるって知ってるか?」
少し落ち込んで見える蓮に対してブライアンは
「地球人って失礼だな。
俺の事アレとかこれって言いやがる。」
「いやブライアン。お前もあんな感じだぞ?」
「これは本官も擁護できないな。」
「お前はいつもあんな感じだぞ?」
むっとするブライアン。何か言おうと口を開きかけたとき
「マスターユーブロン!」
白衣を着た職員のが入ってきた。
「お取込み中でしたか?」
「いや構わん。どうした?」
「110号室の患者、エリー・リバーといいましたが?
の姿がどこにも見当たらず」
「なんだって!」
蓮が勢い良く立ち上がり医者に詰め寄る。
「いったいどうゆう事だ!?
つい一週間前にアメリカにいた筈のエリーがなんでここにいる?
姿がないってどうゆう事だ!?」
「彼女の治療が成功したという事だよ。」
行ってあげなさい。と穏やかに告げるユーブロン。
蓮はわき目も振らずに飛び出していった。
「マスターユーブロン。そのエリーって女はまさか」
「ああ、地球のユイだ。彼女の不治の傷を癒す手段をゼイビアックスから奪取するために彼はライダーになった。」
何か感じるところあったのかうつむき何か思案するブライアン。
「あの蓮ってやつ、間違いなくブライアンやな。」
「ああ。きっとミドルネームはブライアンに違いない。」
「しかしこんなにも似るものか、少し変な気分だ。」
「ええ。モニカみたいなのが二人もいると思うとゾッとします。」
「アレクお前それ言うか?」
「人が珍しく自分の考えを改めてる所だから黙っててくれるか?」
3
エリーと蓮の出会いはあまり良いとは言えない出会いだった。
確か2年前、俺が14歳の時。
その日蓮は絶不調だった。
寝起きみたいに頭がスッキリしないし、
足元がふわふわしていてなんだかそこに立ってるかどうかさえ怪しく思う。
それでもなんとかアンカーに行くために地下鉄に乗っているのは分かるが。
(不味いな、何時までに着けばいいんだっけ?)
左のポケットに入れているサードに確認してもらおうとするがポケットには何も入っていない。
一番近い窓を見ると茶色い髪の女がサードを持ってる。
(畜生スられた。)
女を観察する。
年は自分と同じぐらいで物腰は軽いが、喧嘩は素人。
凄く背が低くてくりくりした青い目と長い茶髪の女だ。
(どんだけ無防備だったんだ俺。)
とりあえずコイツと同じ駅で降りて尾行るか。
そう思って軽く頰を叩く。
十分な目覚めとは言い難いが素人一人を黙らせるだけのアクションなら何とかなるか。
幸か不幸か女は次の駅で降りた。
なんだか見覚えのある道をわざと遠回りする様に歩く女を追い続ける。
女が辿り着いた先は
(俺ん家のアパートじゃねえか!)
まさかの愛しい我が家だった。更に女を追いかける。
(しかも同じ階かよ!部屋も方向一緒だし空部屋除いたらお隣じゃねえか!そんな事にも気付かないくらいぐらいボーッとしてたか!?)
自分に呆れてはぁーーっ!と溜息をつく。
前を歩く女に声をかけようとした。しかし
(!? 足がもつれて!)
蓮は額を激しく打ち付けながら倒れた。
「きゃあ!え、ええ?」
その後の事は記憶が曖昧だ。
ただ置かれてる状況から考えるに女に運ばれたらしい。
「うぅ……」
「!? 起きた…」
「介抱してくれた礼はするがケータイ返せ。」
「え!?じゃあずっとつけてきたの?」
それで風邪ひいて倒れちゃ世話無いがな。
と嗤う蓮。女も複雑そうに笑う。
「私はエリー。エリー・リバー。あなたは?」
「レン・アキヤマ。三つ向こうの部屋に住んでる。」
ケータイを受け取りながらもう一度エリーを驚かせる。
くりくりした目が驚くたびにもっと丸くなるのが面白いなと思った。
その日はそのままエリーの部屋に泊まった。
と言うか泊まらされた。病人は大人しくしてろの一点張りでエリーは頑固だった。
そしてそんな献身的看病あってか蓮は翌日には全快した。
一日だけ様子を見て次の日からは学校にもアンカーにも行った。
そして丁度一週間の潜伏期間を経てエリーが風邪を引いた。
「病人は寝てろ。」
今度は蓮が言う番だった。
とりあえずお粥を作って食べさせてやる。
「うぅ……まさか君に看病されるなんて……。」
「俺が一番びっくりしてる。なにせあんだけ病人は動くなと言ってた奴が買い物に言った挙句目の前で倒れるんだからな。」
「返す言葉も有りません…。」
しゅーんとくりくりした青い目も元気がない。
綺麗な茶髪も項垂れてるように見える。
「人のケータイスッた天罰とでも思っとけ。」
「はい・・・。」
「なんでスリなんかしたんだ?」
エリーは躊躇いがちにこっちを見ていたが堪忍したようにぱたりと仰向けになり
「私ね、孤児なんだ。で、今育った孤児院がピンチなの。」
「そっか。大変だな。」
「あれ?意外だね。スリは良くないとか言うと思ったのに。」
「俺も片親だったから、少しわかる気がする。」
「! その聞いていい?どんな人だったのレンの親って。」
「親父はおふくろ捨てて居なくなった糞野郎だ。
お袋は俺をここまで育ててくれた立派な人だったよ。」
「へえ、いいなぁ。」
それからどちらともなく誘い合って会うようになった。
それが何回か続いた後に服を見に行こうと誘われた。
「エリー、お前はチビだけどツラは良いんだからもっと白とか着たら良いんじゃないか?」
エリーは逆に蓮こそ白い色が似あうと言った。
「ちょっと大きめだけど、これとか良いんじゃない?」
そう言ってエリーが取った上着こそ蓮が今も来てるあのジャケットだ。
「そう言うお前の方が白に合うだろ?」
そう言って蓮はエリーに白のワンピースと瞳と同じ色のカーディガンを進めた。
「二人ともお似合いですよ!
やっぱ美男美女は映えますね!しかもカップル!」
「「か、カップル!?」」
全くそのつもりがなかった2人は驚いた。
カップル、つまりこの行為がデートに見えたという事だ。
(サード!これはデートなんかじゃ無いよな!?
なんせただ一緒に服を見た後飯食って帰るだけなんだから)
《レン様、それ立派なデートです。》
店員にもサードにも言われてから2人はお互いを意識し合う用になった。
デート?を重ねる度に蓮はエリーに惹かれた。
小さい身体で一生懸命な所。ブラックコーヒーが飲めない所。
バターケーキを美味そうに食べる所。子供に好かれる所。
そして何よりこんな自分を心配してくれる事に魅力を感じた。
口には出さなかったがエリーも蓮に惚れていた。
不器用で無愛想で寂しがりな所。
家事のできない自分を本気で心配してくれる事。
子供に怖がられて落ち込んじゃう所。
意外と冗談好きな所。
そして誠実で真摯な姿勢に強く惹かれた。
そしてある夜。エリーは蓮に誘われてツーリングに行った。
月の綺麗な晩だった。
「レン、一つだけ、お願いがあるの。」
折を見てエリーは上目遣いに蓮の目を真っ直ぐ見つめながら尋ねた。
「今から一つだけ質問をするわ。
絶対に嘘をつかないで真実だけで答えて。」
蓮が答えようとしたその時だった。
車のカーブからビーストが飛び出してエリーを跳ね飛ばした。
「█▅▃▄▄▅▅▅!」
奇声をあげながら襲いかかるビースト。
蓮はエリーを背負って力の限り走った。そして逃げ込んだ教会でゼイビアックスからデッキを受け取り
「KAMEN-RIDER!」
自分の願いの為だけに戦い出した。
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
一夏「蓮も大変だったんだね。」
心愛「蓮君がんばった!偉い偉い!」
蓮「頭を撫でるな!お前は俺の母親か!」
心愛「そこはお姉ちゃんって呼んで欲しいな。」
一夏「次回、the Next world's old tale その2!」
ケイタ「次回もみんなで!」
蓮「KAMEN-RIDER!」