infinite DRAGON KNIGHT in 明日未来 作:伊勢村誠三
アレク「真一様の過去を振り返った所までですね。」
ユーブロン「しかし、彼に女性がいたとは意外だな。」
ケイタ「知らなかったんですか?」
ユーブロン「プライベートだからな」
アレク「それでは本編です。」
1
「それでは任務を発表する!」
朝、ミーティングルームに集まった一同にマスターユーブロンは告げた。
「今朝、世界各地でこれが見つかった。」
持ってこられたのは白いポールのようなものだ。
「これはテレポートアンテナ。
遂にゼイビアックスは条件を満たし、
ベンタラ人に続いて地球人も奴隷にしようと
これを使って地球中の人々を拉致するつもりだ。」
そのためにアドベントビーストを使って人間のサンプルを集めていたのだ。
そういうマスターユーブロンは真剣そのもの。
どうやらそんなに悠長にしてられる事態ではない様だ。
「他のライダーは復活させられないのですか?
例えばラスやストライク。」
「いい質問だオルコット嬢。
現在一度盛大に大破してしまった関係上アドベントキーが不調だ。
もし無理をさせすぎて完全に壊れてしまえばベンタラのライダーは勿論ただ騙されていただけの地球のライダー達も復活できなくなってしまう。」
「俺とマスターユーブロンで上手く地球程度のマテリアルで補強して騙し騙し使って復活させていたけど、
これ以上はデッキに毒だ。」
ブライアンが説明を補う。
それでも何とかチームとして動かせるだけの人数を復活させられたが。
「そこで君にやってもらいたいのはこのテレポートアンテナを逆稼働させてベンタラ人をカーシュ星から呼び戻し、転送装置を破壊し、カーシュとの関係を断つ。
これが今地球とベンタラを救える唯一にして最後の作戦だ。」
失敗は許されない。と言うユーブロンにベンタラのライダー達は
「はっ!なんや旦那。要するに救う世界がベンタラ一個からベンタラとベンタラそっくりの星二つに変わっただけやろ?なら何時もの様に一言命令するだけでええで?」
「そうです将軍。ゼイビアックスという試練を乗り越えるために地球人と言う新たな仲間と相乗りするだけです。」
「地球だろうがベンタラだろうが救って決めたら救う!
二言を言わねえのが虎月家唯一の家訓だ!」
勇んで立ち上がる三人他のライダー達も静かにうなずくだけだったが、気持ちは同じようだ。
「諸君……ありがとう。
私は君らとともに戦えて幸栄だ。」
ユーブロンは一人一人に奇妙なUSBを手渡す。
「位置を特定し次第、昨日フォンブレイバー達に協力してもらい制作してもらったウイルスを転送装置の制御機にインストールし、制御を奪う。
全ては君たちの働きにかかっている!地球のために!」
「ベンタラのために!」
ベンタラの騎士たちが一斉に拳を掲げる。
ケイタ達やフォンブレイバーにブーストフォンたちも拳を掲げる。
「出動だ!各自同じ部屋になってるナビゲーターたちの指示に従って制御機に迎え!」
2
「おい、地球の俺!」
「どうした?」
「持っていけ。それはお前のだ。」
ブライアンはデッキを蓮に譲った。
「いいのか?」
「俺はこの基地の設計にも携わってる。
ユーブロンの補佐って仕事がある以上前い出て戦えない。
精々ベントされるなよ?」
「ああ。気を付けよう。サード。」
『はい。こちらに残ってサポートをさせて戴きます。
ソリッドドライバー着身!』
ソリッドを着身し、機能を増幅するとサードは蓮のデッキに接続した。
『準備完了です。』
「よし、行ってくる。KAMEN-RIDER!」
ウイングナイトに変身しながら鏡に飛び込んだ。
出た先は、何処かの駐車場だ。
「早速熱烈歓迎だな。」
どうやら当たりだったらしく制御機を守護するアドベントビーストが待ち構えていた。
『他の皆さんも同じなようです。』
「ならさっさと片づけよう。もっと重要な任務がある。」
<SWORD VENT>
ウイングランサーを装備し、ビーストの群れを蹴散らさんと走り出した。
しかい
<FINAL VENT>
黒い炎がビーストたちに降り注いだ。
個体になったそれはビーストたちを焼きながらも離さず、背後からのしかかるように現れたバイクモードのブラックドラグランザーにひき潰された。
「!? 黒いドラゴンナイト?て事はお前が!」
「ああ、真一だ。」
サバイブモードを解除するオニキス。
ゆっくりと近づいて来る。
「熱烈歓迎ならぬ熱烈大歓迎って訳か。」
ウイングランサーを構える蓮。
「まて!俺はゼイビアックスから逃げて来たんだ!」
「信じるとでも?
それより俺はお前が今使ってるデッキに用があるんだ。
確かロックを解除すれば俺でも使えるんだろ?
今ベンタラの俺の分のデッキが無くてな。お前から貰う!」
「く!」
<SWORD VENT>
黒いドラグセイバーがウイングランサーを受け止める。
その度にあの日、ブライアンをベントした時の事を思い出す。
「どんなもんかと思えば心、技、体すべてが成ってない。
サクラさんじゃ無いが、アーマーを脱げ!
お前はドラゴンのデッキに相応しくない!」
「そんなの、俺が一番分かってるんだよ!」
ウイングナイトを蹴り飛ばし、カードをベントイン!
<STRIKE VENT>
ドラグクローファイヤーがウイングナイトを襲う!
<GURAD VENT>
ウイングナイトはウイングウォールを装着すると同時に巻き起こした竜巻で炎を飛ばしきるとダークバイザーと二刀流で斬りかかる!
<GUARD VENT>
今度はオニキスが盾を装備して受け止めた。
一進一退の攻防が続く。
「お前みたいな言われて戦ってただけの奴らに何がわかる!」
「お前みたいな三流卑怯野郎のことなんてわかりたくもない。」
<<FINAL VENT>>
ゆっくりとドラグブラッカーがオニキスの周りを旋回する。
ドラゴンナイトと同じポーズを取り、
軽く地面を蹴ったオニキスはふわりと浮かび上がり構えをとった。
ウイングナイトも勢いをつけて飛び上がる!
「はぁあ!!!!!!」
「だぁああああああ!」
二つのファイナルベントがぶつかり合う。
競り勝ったのは、オニキスだった。
「がは!」
「はぁ、はぁ!こればっかりは年季の差だな!」
ドラグセイバーを拾いなおし、ウイングナイトの方を向く。
「ふっ、やれよ。それがお前の本性だ!」
「ッ!………くそ!」
オニキスは去って行った。
『レン様、このことは報告しますか?』
「俺に考えがある。ブライアンにだけ話そう。」
3
システムを管理しながら蓮は少し渋くなった紅茶を喉に流し込んだ。
すべて順調。ナビゲートを素人に任せてないならここにいる意味もないぐらい暇だ。
世界の危機だと言うのに。
「ん?早いな。ドラゴンナイトはもう終わったか。」
制御機一機の停止を確認し、一夏が担当していたナビシステムをロックする。
「織斑一夏、上がっていいぞ。
お前の男を迎えに行ってやれ。」
「はーい!」
何か再会してから良い事があったらしく彼女はご機嫌だ。
(ま、網島ケイタのモチベーションが上がるなら構わないが。
それより問題は、このケータイだ。)
レン・アキヤマのナビゲーションを担当するサード。
本来ならエリー・リバーに任せたいところだが、
彼女はリハビリがあって不参加だ。
(こいつだけは中でナビシステムに細工をしてても俺に気付かせないことぐらいできる。)
もし内通者にでも成られればこちらは大打撃を負う事になる。
それだけは避けたかった。
「どうにかしないとな、お!他の連中も終わったか。」
ベンタラのライダー達も続々と戻って来た。
無事制御機は停止している。
「おつかれー!」
「お疲れ様です。」
「やっぱビースト程度はどうにかなるな。」
「本官としては機械が不得意なトニーがちゃんと出来るかが不安でしたが。」
「あれやろ?赤いランプが消え取ったらええんやろ?」
軽口を叩きながら一同待機室に散らばっていく。
(モーラスにキースはナビゲーターたち誘ってジムで自主トレ。
サクラさんは楯無やアレク達と図書館。
マコトとトニーに他のナビゲーター達とコーヒーブレイク。
性格出るな。)
なんて思いながら紅茶をすすっているとようやく蓮の担当した制御機のシグナルロストを検知した。
「やっとか。モンスターが強かったか、それとも数が多かったか。
まあ、その程度の問題だろう。」
ふー、と椅子を倒しながら息を吐く。
後は残りの制御機を発見するまでただ待つだけだ。
「ようブライアン。ちょっと良いか?」
「何の用だ網島ケイタ。」
ブライアンは出来るだけ不快そうな顔をしながら振り返った。
そこには当たり前だが網島ケイタがいた。
どこにでも居そうな面だ。それでいて人が良さそうだ。
アイツと、裏切り者の親友と同じ顔だ。
「知りたいことが有ってさ。
ブライアンと真一ってどんな関係だったんだ?」
「前にも言っただろ?裏切り者とそれを許さない者の関係だと。」
「違う。それはブライアンがそう思ってれば戦いやすいからだ。」
「何?」
「そうじゃなきゃ本当に余裕ない時の蓮と同じ顔しないよ。
それに真一は始めから敵だった訳じゃないだろ?」
そう言うケイタの顔は冗談で一本取った時の真一と同じだ。
こうなると隠し事はただの負け惜しみだ。
「はぁー……。
ベンタラの騎士は基本2人以上のチームで動く。
例えばモーラス、キース、楯無。
マコト、アレク、トニー。まだ復活してない奴らだったら
ストライクのアキラとトルクのチャンスって感じでな。
俺と真一はコンビだった。
どんな敵も2人なら倒せた。
お互いに絆が有ると思ってた!けどアイツは裏切った。」
「そっか、だったら話せよ。
きっとまだ知らなかっただけなんだ。
お互いに。」
「俺は真一と世界、どちらかと言われたら世界を取る!」
「それで胸を張って相棒を殺して世界を救いましたって言えるか?」
「!?」
「天秤じゃない。結果は手段を正当化しない。
限界まで欲張れば自分に出来る事と出来ない事もきっと見える。」
だからもう一回だけ欲張って真一と話なよ。
そう言ってケイタは去って行った。
4
このままのペースで止めていけば4日も有れば全ての制御機を止めて、ゼイビアックスとの戦いに臨めるだろう。
文字通りの
「……欲張る、か。」
難しいが、確かに対話を捨ててはいたな。
とブライアンは思った。
「アイツの真意を確かめる…良いだろう。
網島ケイタ、レン・アキヤマ。やられっぱなしは性に合わん。」
ブライアンは準備を進める。
ゼイビアックスとの、真一との、過去との決着の為に。
ケイタ「いかがだったでしょうか?」
アレク「ブライアンもまた悩んで傷付いていたんですね。」
ユーブロン「彼は強いが、年相応でもある。」
ケイタ「後はアイツ次第か。次回、black Onyx その2!」
アレク「雷落として差し上げます!」