僕のヒーロー&ライダーアカデミア   作:鎌足大

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こちらでは今まで読み専でしたが、この作品を機に投稿します。

設定などを許可してくれたみなさん、本当にありがとうございます!


原作前~雄英入試試験
NO.1 緑谷出久:1st Origin


出久Side

 皆さん初めまして。僕の名前は『緑谷出久』。ヒーローに憧れる中学生です。

 

 僕は子供の頃からヒーローに憧れてきました。ヒーローは格好良くて、強くて、僕でなくても他のみんなも憧れていました。

 

 その中でも僕が一番好きなヒーローは―――――誰もが認めるNo.1ヒーロー《オールマイト》です。どんな凶悪な敵にも笑って立ち向かってほぼワンパンで撃退。災害が起これば大勢の怪我人を抱えて救出。そして最後には笑ってこのセリフ。

 

 

『私が来たっ!!』

 

 

 この言葉だけでみんなが希望にあふれた顔になる。まさに最高のヒーロー、平和の象徴だ。

 

 僕も成長して個性が発現すれば彼のようなすごいヒーローになれる!―――――そう思っていた。

 

『無理だね、諦めた方がいい』

 

 四歳になって病院で検査を受けた結果―――――僕は個性を持たない『無個性』と診断された。事実上の死刑宣告だ。

 

 周りのみんなは個性が発現して喜んで騒いでいるのに対して、僕は個性がなくて愕然とした。そのせいでお母さんにも何度も謝られた。

 

 これで僕は夢を諦める―――――ことはなかった。無個性と診断されてからすぐの頃に見たある特集番組に影響されたからだ。

 

 超人社会となる前時代。その時代には悪の組織が作った怪人や別の世界や宇宙からやってきた異形が人々を襲って絶望の淵にたっていた。

 

 そんな世界を守るために現れた存在がいた。その名は『仮面ライダー』と呼ばれていた。バイクに乗って颯爽と登場して怪人達を次々に退治していく。この時点でも都市伝説扱いではあったけれど、それでも陰ながらに世界を守っていく姿はまさに超常が起こる前に人々を守ったヒーローのご先祖様だった。

 

 そんな彼らも超常以降目撃情報が激減。いつしかその存在は忘れ去られ、ヒーローの登場によって過去の遺物となった。それでも僕の中にはすごく印象的だった。何の見返りも求めず、人々の笑顔のために戦いに身を投じる。まさにヒーローのあり方を具現化した存在。その中には僕のように何の力もない人が自らを鍛えることでライダーになった人もいると聞いて僕は驚いた。

 

 無個性でも努力すれば彼らのようになれるのではないか?無個性でも他人のために力になれるのではないだろうか?気がつけば僕は幼くして自分を鍛え始めた。

 

 とりあえずランニングや簡単な筋トレを始めた。最初こそキツかったけど続けていくうちに体も馴れていって腕立てや腹筋、走る距離もだんだんと増えていった。

 

 幼なじみのかっちゃん―――――爆豪君にも『無個性の木偶の坊のデク』なんてあだ名をつけられた。周りの子供達も無個性が無駄なことをしているなんて言うけど、僕が何しようと勝手だった。

 

 そんなことを一年ほど続けていた頃だった。僕たちの幼稚園に転入してきた女の子がいた。長い銀色の髪で前髪で顔はよく見えなかったけど手にはいつも人形を抱えていた子だった。その子が転入してすぐの頃、幼稚園の庭で人形を動かして遊んでいた。それがあの子の個性なのだろうと思っていたら、かっちゃんとその取り巻き達が女の子を囲んで人形を取り上げていた。

 

「か、返して!私のお人形返して!」

 

「へっ、人形動かすだけの気味悪い個性のくせに!こんなモンこうしてやる!」

 

 マズイ!かっちゃんの個性は爆破だ。あの子の人形を爆破して壊す気なんだ。元々ガキ大将染みたかっちゃんは個性が発現してから悪い方向に伸びていってる。

 

 僕はかっちゃんに向かって走って行き、そして突き飛ばした。その瞬間に人形が手から離れたのを見て女の子が取り戻した。

 

「何しやがるデク!」

 

「かっちゃんダメだよ!女の子をいじめちゃ!」

 

「そんな気味悪い個性使ってるやつはいつかヴィランになるんだ!だからそうなる前にやっつけるんだ!」

 

「それでもダメだよ!」

 

 周りの子供に比べれば僕だって鍛えているんだ。僕はかっちゃんとその取り巻き達に向かって突っ込んでいった。そして―――――。

 

「へっ!デクの癖に生意気なんだよ!みんな行こうぜ」

 

 あっさり返り討ちにあってズタボロにされた。正直自分でも情けないと思った。

 

 立とうとしたら目の前に手を出された。さっきの女の子だ。

 

「大丈夫?」

 

 半分泣きそうな顔で僕の手をつかんで立たせてくれた。髪の隙間から顔がちょっと見えたけど結構可愛い子だった。

 

「ごめんなさい、私のせいで…」

 

「いいよ。かっちゃんにお人形壊されなかったんだし。僕緑谷出久、君はえっと―――」

 

「レイ子…柳レイ子だよ」

 

 それが柳レイ子ちゃん――――レイちゃんとの出会いだった。

 

 元々なかのよかった他の友達も僕が無個性だと判ってからは馬鹿にする側に回って友達らしい友達がいなかったけど、この事がきっかけになって僕はレイちゃんと仲良くなってまず独りぼっちと言うことはなくなった。レイちゃんだけは僕のことを『デク』ではなく『出久君』が縮まって『イズ君』と呼んでくれた。

 

 レイちゃんの個性は『ポルターガイスト』と言って見たモノを動かせる個性だそうだ。これの要領で人形を動かして遊んでいたそうだ。周りからは幽霊みたいな個性だって言われているみたいだけど、それでも僕にとってはすごい個性だと思った。

 

 僕が無個性だと言ってもレイちゃんは差別とかしないで普通に接してくれた。家も比較的近所だったからよく公園で一緒に遊んだりおやつを食べたりした。。

 

 かっちゃん達は相変わらずレイちゃんをいじめてきたけど僕が庇って守るようになった。おかげで幼稚園児なのにやたらと防御やかわすことが上手くなった。

 

 けれどその時間も終わりが来てしまった。小学校に上がる少し前に、レイちゃんの家がお仕事の都合で海外に引っ越すことになったのだ。寂しいけれどさすがにこればっかりはどうにもできなかった。

 

 引っ越しの日になって、レイちゃんは最後に僕に会いに来てくれた。

 

「私絶対に日本に戻ってくるから!日本に帰ってきてヒーローになってイズ君のお嫁さんになるの!」

 

「うん、僕も約束するよ!」

 

 今になって思えば子供の約束だ。時間の流れと共にその約束も記憶の中の微笑ましい一ページになった。

 

 

 

 あれから僕も中学二年生となったが、トレーニングは相変わらず続けていた。朝起きれば早朝ランニングと簡単な筋トレメニュー。学校が終われば夕方のランニングに数セットのトレーニングは当たり前となり、普通の中学生にしては筋肉もついた方だ。家では勉強の他に趣味で書いているノートがあった。僕なりにプロヒーローのことを分析した研究ノートだ。そのヒーローの個性や特徴、必殺技など事細かく書いて僕なりの意見も書いてある。ヒーローオタクだなんて言われるけど好きなことは止められない。それは仮面ライダーのことに関しても同じで関連書籍やネットの噂もたくさん集めた。

 

 かっちゃんとは相変わらずいじめられ続けているけど、言いがかりとかは今は軽く流している。たまに個性抜きで殴られたりするけど受け止めるか避けるにつとめている。余計な問題にしたくないしね。

 

 でも今世間では一般人とヒーローはヴィラン以外にも大きな問題を抱えていた。数年前、空に大きな亀裂が現れる現象が起き、その亀裂から人を襲う正体不明の怪物が現れ始めたのだ。最初の頃は頻度も数も少なく2~3人のヒーローでもどうにかなったが、今では頻度は初期の数倍、数も今では多いときで十五体以上も出てくる。

 

 そしてあの日、僕は運命と出会った。

 

 

 その日はヒーロー関係の雑誌を買いに行くために出かけていた。近場の本屋さんでは売っていないので都心の大型書店に向かった。

 

 お目当ての本はすぐに購入できたので後はご飯を食べてちょっと遊んでから帰るつもりだったが、そのとき事件は起こった。

 

 空に亀裂が現れ、そこから怪物が次々現れた。その数は十体や二十体じゃきかない、少なくとも五十体以上はいる。地上に降りるとすぐさま人を襲いはじめ、都心と言うこともあって周りはパニック状態になった。

 

「怪物だ!」

 

「逃げるんだ!」

 

 慌てて逃げ始める人たち。他人を押しのけ、助かろうと必死に走り出す。

 

 ふと僕の目に泣いている子供の姿が映った。すぐに逃げたい気持ちはあった。でもここであの子を助けないと後悔するような気がした。全力疾走で子供のところまで走って行き、抱き上げて逃げる。すぐ後ろから怪物達が追いかけてきた。

 

「待たせたな!」

 

「後は我々に任せろ!」

 

 近場にいたヒーローが折良く早く到着して僕らの避難を手助けしてくれた。

 

 少し離れたところまで逃げると抱えていた子供が「ママ!」と叫んだ。たぶん辺りを見渡しているあの女の人がお母さんだと思いすぐに連れて行ってあげる。女の人は子供を受け取るとお礼を言ってすぐさま避難を開始した。その光景を見て僕はどこかホッとした。鍛えてなければ途中で捕まっていたかもしれない。僕の今日までの努力は無駄じゃなかったと思った。

 

 僕もすぐ避難しよとしたら上から何かが降ってきた。そこには先ほど僕たちを逃がしてくれたヒーローがボロボロの状態になっていた。

 

「大丈夫ですか!?」

「に、逃げるんだ…。今回は今までのような雑魚…だけじゃない。あれは…………化け物だ……」

 

 ヒーローが気絶すると後ろに気配を感じた。そこにはもう一人のヒーローの頭を掴んで引きずってきた怪物がいたけど、その姿はこれまで確認されてきた怪物より明らかに格が違った。

 

 赤くまるで炎か溶岩でも彷彿させるような容姿だ。掴んでいたヒーローをまるでゴミように投げ捨てて僕に近づいてくる。さらに後ろにはまるで兵隊のように他の怪人達がついてくる。

 

 急いで逃げたい気持ちはあった。でも腰が抜けて、恐怖で体が震えて力が入らない。赤い怪人が掌を僕に向けると火の玉を作り出して僕に向かって撃ち出した。完全に終わった。思わず目をつぶって顔を背けた。

 

 

 ………………いっこうに痛みがやってこないので目を開いてみると、そこは何もない白い空間だった。もしかして痛みも感じることなく死んじゃったのかな?

 

「ようやく来たか。ここに来るやつをずっと待っていた」

 

 振り返るとそこには男の人が立っていた。首には紐をつけたピンクと黒のカメラを提げていた。

 

「まずおまえは死んではいない。しかし今元の場所に戻れば確実に殺される。今お前にある選択肢は二つ、このまま諦めて連中に殺されるか、もしくは俺の力を受け継いで最後まで抗うかだ」

 

 それもう実質答え一つじゃないかな!?殺されるのは嫌だし………でも力を受け継ぐって………?

 

「……だいたい判った。お前ヒーローに憧れてるだろ?でもなるために必要な個性がない、でも夢を諦めきれない」

 

 えっ!?なんで判ったの?ひょっとして心読む個性の人なの!?

 

「俺の力はかつて《破壊者》とまで言われてこれまで何度も命を狙われるような目にも遭った。そんな力をお前は受け継ぐことになる。でも力は使うやつの心次第だ。悪意もって使えばヴィランになるし、使い方間違えなきゃヒーローにもなれるだろう。お前はそんな力があれば何をしたい?」

 

 力があれば………僕は個性がない。だからこそ自分を鍛えて自分の救える範囲の人を救いたいと思った。でももっと大きな力があればもっと多くの人を救える。僕が今でも憧れ続けているオールマイトのように。

 

「僕は………僕はヒーローになりたい。みんなを守れる力がほしい!」

 

「そうか。なら、この力で守ってやれ。ただこの力は俺が使っていたときよりかなり強くなってる。でも、お前ならたぶん大丈夫だな」

 

 そう言って僕に二つのモノを差し出してくれた。ピンクの外装のカメラのような物とファイルのような物だ。手に取ると何かが頭の中を駆け巡った。渡された物の使い方が頭に流れ込んできた。

 

「渡したから後は任せた。お前がこの先をどう繋ぐかを楽しみにしてる」

 

「あっ!待って下さい。あなたのお名前はなんですか?」

 

「………門矢士。かつていくつもの世界を旅し全てを破壊し全てを繋いだ通りすがりの仮面ライダー……仮面ライダーディケイドだ、覚えておけ!」

 

 

 ふと気づけばさっきまでいた場所に立っていた。目の前には撃ち出された火の玉が目前まで迫ってきたけど、なんの躊躇もなくそれを避けた。

 

 受け取ったそれを―――――ネオディケイドライバーを腰に当てるとベルトとして装着され、持っていたライドブッカーから一枚のカードを取り出して叫んだ。

 

「変身!」

 

《カメンライド ディケイド!》

 

 その音声と共に二十枚の陰が現れて僕の集まった。僕の姿はピンクと黒、白の三色のアーマーで覆われた。かつてオールマイトと同じく憧れた存在、僕は仮面ライダーの力を手に入れた。

 

 それと同時に敵の情報が頭に流れ込んできた。周りにいる怪人達は初級インベスにマスカレードドーパント、魔兵グールに星屑忍者ダスタード。そして赤いのはマグマドーパントだ。

 

 マグマドーパント以外の怪人が一斉に襲ってきたけど、すぐさまライドブッカーをソードモードにして向かってきた怪人達を次々と切り捨てていく。ある程度数を減らしたところでライドブッカーからカードを一枚取り出してガンモードにする。

 

《アタックライド ブラスト!》

 

 頭上にはなった光弾は敵めがけて降り注いで一掃する。

 

 残りはマグマドーパントだけになるが、近づけさせないように連続で火の玉を飛ばしてくる。相手がドーパントなら僕はこれを使うことにした。

 

《カメンライド ダブル》《サイクロン ジョーカー》

 

 右側が緑で左側が黒のボディ、かつて風都と言う町でドーパント達と戦った二人で一人の仮面ライダー――――仮面ライダーWの姿に変身した。

 

 飛んできた火の玉は巻き起こった風で全て吹き飛ばされ、何にも邪魔されず接近できた。ワンツーのパンチからハイキック、そこから更にジャンプして回し蹴り。マグマドーパントが押し戻されてチャンスができた。これでとどめを刺せる。

 

《ファイナルアタックライド ダ・ダ・ダ・ダブル!!》《マキシマムドライブ!!》

 

 足下から吹いてきた風が僕を浮かべてマグマドーパントに突っ込んでいき境目の部分がスライドしてキックの体制を取る。仮面ライダーWの必殺技『ジョーカーエクストリーム』が炸裂した。マグマドーパントは爆散して倒された。

 

 倒されると同時に空にあった裂け目も収縮していく。これでこの騒ぎも収束するな。

 

「そこのお前!どこのヒーローだ!?」

 

 ふと振り向けば大勢のヒーローがそこに立っていた。他の怪人達を殲滅してここに駆けつけてきたのだろう。

 

「見たことのないヒーローだな。新人か?どこの事務所のサイドキックだ?」

 

 マズイ、僕ヒーロー免許なんて持ってないし、下手をすれば公共の場での個性の不正使用ってことで捕まるかもしれない。

 

 頭をフル回転させて導き出した答えは―――逃げるが吉!

 

《アタックライド ディメンションゲート!》

 

 灰色のオーロラが現れてそこへ逃げ込んだ。

 

「待て!」

 

 すぐさまヒーロー達が追いかけてきたけどオーロラはすぐ消えたからそれ以上追跡できないはずだ。

 

 

 

 家に着いたときに僕は大泣きした母さんに抱きしめられた。テレビでさっきまでのことは大々的に報道されていた。ふと画面が切り替われば監視カメラで見られていた僕の戦闘が映し出された。幸いにも変身したところは映ってなかったので事なきを得た。

 

 ヒーローになれる力は手に入った。でもこの力は怪人はともかく並のヴィラン相手に使うにはあまりに過剰すぎる。もっと制御することが必要だ。

 

 だからこの仮面ライダーの力は来たるときが来るまで母さんにも秘密にすることにした。

 

 言い忘れていたけど。この日が、僕が仮面ライダーとして世界の平和を守るための物語の始まりだった。




投稿自体はPixivで一回止まって数年ぶりですが、なんとか書けました。


重ね重ね御協力してくれたみなさま、ありがとうございます。

爆豪が変身するとすればどのライダー?

  • 負ける気がしない 仮面ライダークローズ
  • プライドの騎士 仮面ライダーバロン
  • 狙いは外さない 仮面ライダースナイプ
  • 圧倒的大火力 仮面ライダーゾルダ
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