ちなみに今回のタイトルは平成ライダーMOVIE大戦シリーズの中でも好きな作品の一つをオマージュしました。
後小大ちゃんがちょっとキャラ崩れしてますが……そこは勘弁!
出久Side
マズイ!さっきまでは言わば個人戦。僕たちヒーロー科はペアで共通目的があったから共闘して予選突破を狙えてきた。でも今度の騎馬戦は違う。
騎馬同士でポイントの奪い合い、必然的にポイントの高い騎馬を集中的に狙ってくる。そしてわざわざ的になるような人と組むメリットはほとんどない。現に周りの皆は僕から目をそらしているし。
でも孤立したら失格。最低でも一人、なら僕と同じ状況下にある小大さんと―――
「ハッハー!!さぁ小大、B組の一員として一致団結してA組を見返そうじゃないか!」
「いや、離して」
瀬呂君の個性をコピーした物間君に連れて行かれた!!マズイぞ、これじゃ僕だけ孤立して本当に失格になってしまう。せめて……せめて誰か一人と―――――
「「イズ(デク)君、私たちと組んで」」
声をかけられて振り向けばレイちゃんと麗日さんがいる。てか今僕とチーム組んでって……。
「良いの二人とも?僕500万Pだよ?皆狙ってくるよ?」
「むしろ上等。それに上手く逃げ切れば最終種目にも出れるよ」
「それにデク君なら私たちに上手く指示出してくれると思うし」
確かに麗日さんの個性なら上空に逃げることも可能。レイちゃんの個性に至っては牽制は勿論、上手く操れば鉢巻きも奪える。
まずはこれで三人、最低人数はそろえたけど出来ればもう一人………。
「そこの一位の人、私と組みましょう!!」
顔近いっ!?って確かこの人ヒーロー科以外で予選突破したサポート科の人。
「私はサポート科の発目明!貴方のことはよく知りませんが立場利用させて下さい!!」
あけすけだ。何でも発目さんは会場に来ているサポートアイテム会社へのアピールに注目を浴びる僕にアイテムを使って自己アピールしたいそうだ。それにサポート科は自作アイテムの持ち込みが可。むしろこれを利用しない手はない。
発目さんを加えて僕らのチームは完成した。
side out
唯Side
不覚だった。緑谷君と騎馬を組もうと近づいたら物間に掴まって離された。
「小大、僕は君の個性は高く評価しているんだ。その力で今調子に乗っているA組を懲らしめて僕らB組がいかに優秀であるかを示そうじゃないか」
A組とB組の優劣に興味はない。むしろ仲良くしたいと思っている。この考えはどっちの組でも大多数………いや、物間以外全員だ。多少の対抗心はあっても優劣を付けたいほどじゃない。
なんとしても緑谷君と組みたい。だから物間を少し困らせることにした。
物間のジャージにこっそり触れて、個性でジャージのサイズを縮めてやった。
「ギャアアアァァ!!!し、絞まるぅぅぅ!!!」
可哀想だけど無理矢理連れてきた罰だ。急いで緑谷君の所へ戻ってきたら、緑谷君の所は既にチームが出来上がっていた。しかも内二人はレイ子とお茶子。もう一人はゴーグルを付けたピンク髪のサポート科の女子。
上限は4人まで。今更行ったところで定員オーバー。かといって物間の方に付く気も更々なかった。さてどうしようか。ふと向けばある生徒が目に映った。
爆豪勝己。緑谷君を無個性という理由で虐めていた幼馴染み。粗暴さは目立つけど少なくとも実力はある。可能性は低いけど彼を利用しよう。そして彼の人間関係を利用して仕返しもしよう。
「ん、私もチームに入れて」
「あん?テメェ、デクとペアだった大小女」
「小大が入ってくれるのか?確かに500万P入れば予選突破もほぼ確実だけどよ、こっちにも集中砲火こねーか?」
「大丈夫。この騎馬戦でも変身は禁止されていないから私も変身する。それと入れて貰うのとお願いがある。真っ先に物間達の騎馬を潰したいから手伝ってほしい」
「………あのモノマネ野郎か。ペア組んでるときからやたらウルセぇわ、B組が優秀だとか、ヘドロだとかで散々なじってやがったからな。良いぜ、ソッコーでぶっ潰してデクと半分野郎の騎馬もぶっ潰して完全勝利狙うぞ!」
取り合えず算段はとれた。でも緑谷君のチームは潰させない。一緒に最終競技に出たいし。それまでは手を貸そう。
side out
No side
チームを作るための時間が経過し、全ての騎馬が揃った。
合計P順
爆豪・瀬呂・切島・唯チーム 500万451P
出久・レイ子・お茶子・発目チーム 500万309P
轟・八百万・飯田・上鳴チーム 678P
鉄哲・拳藤・小森・塩崎チーム 503P
峰田・蛙吹・障子・取陰チーム 453P
葉隠・青山・角取・砂籐チーム 428P
心躁・常闇・尾白・庄田チーム 351P
鎌切・泡瀬・吹出・骨抜チーム 333P
物間・円場・回原・黒色チーム 333P
耳郎・凡戸・芦戸チーム 146P
鱗・口田・宍田チーム 96P
『よぉーし組み終わったな!!?準備良いかなんて聞かねぇぞ!!いくぜ、残虐バトルロイヤルカウントダウン!!3!!!2!!1!………スターーーーートォ!!!』
マイクの合図と同時にいくつかの騎馬が出久達の騎馬に殺到した。
「実質それの争奪戦だぜ!」
「緑谷君覚悟!」
鉄哲チームと葉隠チーム、そして鎌切チームが一斉に襲いかかってくる。
回避しようとするが、出久達の騎馬が地面に沈んできた。骨抜の個性『柔化』によるものだ。しかし出久はこの程度ではひるまない。手に持ったスイッチを押せば背負っている発目謹製ジェットパックで急浮上、高く飛ぶためにお茶子も個性で自分以外の重量を0にしているのでかなりの高さを飛べる。着陸には同じく発目謹製のフロートシューズとレイ子の個性で衝撃を大幅軽減。
このまま逃げ切ろうとするがハプニングが発生した。周辺を紫色のボールに囲まれていた。峰田のモギモギボールだ。
「奪い合い……?違うぜこれは…一方的な略奪よお!!」
振り向けば障子が突っ込んできたが、複製腕を駆使して背中を覆っている。そしてその隙間から峰田が顔を出す。
「そんなの有り!?」
「それだけじゃねぇぞ!いけー!!あの忌々しい女神輿に乗ったクソ野郎の鉢巻きを奪え!!」
隙間からまた何か飛び出してきた。長い舌と切り離された両手。蛙吹の蛙の舌と取陰のトカゲの尻尾切りだ。
《アタックライド メロンディフェンダー》
咄嗟にメロンディフェンダーを出して手を払いのけて舌を防御する。
すぐさま噴射でトラップ地帯を脱出するが、
「調子に乗ってんじゃねぇぞ!!」
爆破で飛んできた爆豪が襲いかかってきた。
「ちょっと騎馬から離れても良いわけ!?」
『テクニカルだからOK。でも地面に付いたらアウトね』
すぐさまメロンディフェンダーでガードするが反動で飛ばされる。
「戻れ爆豪、緑谷もターゲットだけど第一目標は別だろう!」
瀬呂のテープで爆豪を回収。そして爆豪チームが対峙するのは物間チームの騎馬だ。
「さあ始めようか、B組こそがどれだけ優秀なのかを証明するための―――って小大なんで君がそっちにいるわけ!?」
騎馬の右にいる唯を見て物間は驚いた。
「物間潰す物間潰す物間潰す物間潰す―――物間潰す!!」
「いつもと雰囲気違うから怖いよ!!」
唯も物間を発見して即座にジクウドライバーをセットする。
《ジオウ!》
《ライダータイム! 仮面ライダージオウ!》
「そしてもう一つ……」
《ゴースト》
《アーマータイム! 開眼! ゴースト!》
ジオウに変身して即座にゴーストアーマーにフォームチェンジした。
「ええぃ、負けても悪く思うなよ!こっちも使える個性コピーしてきているんだ、仮面ライダーだとしても負けないよ!!」
物間の手が爆破を放ってくる。爆豪の個性を再度コピーしていたのだろう。
「無駄。出てきて、パーカーゴースト!」
ゴーストライドウォッチから何体かのパーカーゴーストが現れて爆破を防御する。そして爆豪、切島、瀬呂にそれぞれ装着された。
「なんじゃこりゃああ!?」
「何これ幽霊!?」
「ん、そのパーカーゴーストには英雄と呼ばれていた人たちの魂が宿っている。それ着ていれば限定的だけど能力発動できる」
「まじか!?なら遠慮なく……力借りるぜ!!」
騎馬の先頭を務める切島が勢いよく突っ込んでいく。騎馬同士が激突するが、物間チームの騎馬が押し飛ばされて崩れかける。
「なんなんだこのパワーは!?」
「ん、切島のパーカーゴーストの英雄は『武蔵坊弁慶』。パワーだけなら英雄達の中でもピカイチ。切島の硬化と一番相性が良い」
「なら動きを封じ込めるまでだ!」
爆豪チームの騎馬を物間チームの騎馬が旋回し始める。
「何するかわかんねぇけど一度距離取るぞ」
爆豪チームが離れようとするが突然何かにぶつかる。見えない壁のようなものが行く手を遮っていた。
「しまった円場の『空気凝固』!」
物間達はただ旋回していたのではなかった。空気凝固の壁を作って逃げ道をふさいでいたのだ。
「どうだいA組の諸君。これで逃げ場は塞いだ。爆豪君が飛んで逃げても無駄だよ、上の方もちゃんと蓋をしてるからね。後は、じっくり刈り取るのみ!!」
物間の膝からテープは発射された。瀬呂のテープも再コピーされていたようだ。
「ヤバい逃げられねぇ!」
「大丈夫。瀬呂のゴーストは奇跡の脱出王だから」
爆豪チームの騎馬が鎖に巻き付かれると、ポンッと音を立ててその場で消えてしまった。
「オイオイどこ行ったのかな!?」
「ここだアアアァァ!!!」
後方から現れた爆豪チームの騎馬が一気に突っ込んでくる。しかも爆豪の手には鎌モードのガンガンハンドが握られている。
「脱出王フーディーニ、彼に脱出できない密室はない。そして爆豪のパーカーゴーストはエジプトの王の一人ツタンカーメン」
すれ違い様に鎌の先で物間の鉢巻きを奪う。
「やられた………奪い返す―――――!」
爆豪チームを追いかけようとした瞬間地面が凍り付いた。物間チームを始めいくつかのチームが足下を凍らせて動けなくなった。
「この個性は……半分野郎か!!」
それだけではなく、フィールドを分断するように巨大な氷壁が出現する。それを契機に動ける騎馬は爆豪チームに攻撃を仕掛けに行く。
「クソが!返り討ちにしてやらぁ!!」
side out
出久side
相手を迎撃しつつ僕たちのチームはポイントを取りに行こうとはせずポイントを守る勝ち逃げを続けていたけどそれも長くは続かなかった。突然巨大な氷壁がフィールドを分断、僕たちの騎馬の前に現れたのは、
「緑谷、お前らの500万Pは俺達が貰う」
轟君達の騎馬が正面に立っている。
僕たち以外の騎馬は轟君達の騎馬にいた上鳴君の放電攻撃で全滅。それを可能にしたのは同じ騎馬の八百万さんが絶縁シートで巻き添えを食らわないようにしたからだ。他チームの鉢巻きは全て轟君達が回収した。
さっきの放電で発目さんが持参したアイテムはショートして使い物にならなくなった。
「改善の余地有りですね」
残り時間はあと1~2分。ここで逃げ切れば僕たちは予選通過は確実。なんとしても………僕なんかに力を貸してくれた皆のためにもこのポイントは守り切る!!
《カメンライド ディケイド!》
《アタックライド ストライクベント・ドラゴンクロー ガードベント・ドラグシールド》
変身してメロンディフェンダーは後方の麗日さんに、僕は迎撃するために火炎放射を出すドラゴンクローと防御用のドラグシールドで身構える。
火炎放射でで牽制しつつ距離を………。
「(ここで使うしかない。緑谷君……否A組の皆でさえ知らない秘密兵器を)皆、残り一分弱……この後俺は使えなくなる。頼んだぞ、しっかり掴まっていろ」
飯田君が何か言っている。まさか僕も知らない隠し球か!
「取れよ轟君。トルクオーバー………レシプロバーストッ!!」
何か来ると思った瞬間に身体を反らしたのが幸いした。鉢巻きこそ取られてはいないけどその衝撃波でドラゴンクローとドラグシールドを落としてしまった。
「済まん取り損ねた。でも飯田これは……」
「トルクと回転数を無理矢理上げて爆発力を生んだんだ。反動でしばらくエンストするがな。クラスメイトの研究を常にしている緑谷君でさえ知らない裏技だったが……流石に勘が良い。まだ動ける内にもう一度仕掛ける!!」
もう一度突撃してくる。今度もあの超スピードか。アイテムを呼び出す暇はない、それなら迎え撃つまで!変身した状態でワン・フォー・オールフルカウル25%。これが今できる最大出力!!
轟君の左腕が伸びてきた。大怪我させないように両腕を振って風圧を生む!
二回目の接近戦は………守り切った!!
『タイムアップ!!全員その場で停止しろ。ここで騎馬戦の順位を発表するぜ!!』
モニターに順位とポイントが表示されてマイク先生が読み上げていく。
『一位爆豪チーム500万と1263P!!』
「雑魚共に時間を取られすぎた!!」
『二位ポイントを必至で守り抜いた緑谷チーム500万と309P』
流石はかっちゃんだ。この辺は想定通りだな。
『三位轟チーム1252P!!500万こそ取れなかったが頑張ったぜ!』
「済まない、500万取ると言って置いて取れなかった」
「それでも彼らをあそこまで追い詰めたんだ。十分敢闘賞だぞ轟君!」
(あの時………一瞬だが炎を使いそうになっちまった。緑谷の威圧に押されて……使いたくもないアイツの個性を……!!)
『最後は鉄哲チー……ムじゃな無くて心躁チーム950P!?いつの間に逆転してたんだ』
「知らない間に私たちの鉢巻き取られていたノコ………」
「塩崎のおかげで峰田達のチームの鉢巻き奪ったと思ったら時間切れかよ……」
まさか鉄哲君や拳藤さんのチームが脱落するなんて………普通科の心躁人使君。コイツはかなりの強敵だぞ!
午前中の競技が全て終了してそのままお昼タイムに突入した。皆食堂に向かっているけど、僕は轟君に呼び出されて通路で対面している。
「えっと轟君………話って何かな?早く食堂行かないと混み合っちゃうよ」
冷たい視線と威圧感。かっちゃんとは別の凄味を感じ取れた。
「気圧された。俺は自分で決めた制約を破っちまった。攻撃には絶対に使わないと決めていた左側を」
轟君の個性は『半冷半燃』右で氷を、左で炎を放つ個性。普段の訓練を見ていて気づいたけど、轟君は訓練に置いては氷の方しか使っていない。左は出した氷を溶かすときにしか使っていない。
「あの気迫、俺はその気迫に思わずオールマイトを重ねちまった。お前……もしかしてオールマイトとかの隠し子とかじゃないよな?」
………へ?ええええええぇぇぇ!!!確かに個性こそ元はオールマイトから譲ったものだから似てるかもしれないけど隠し子って………。
「……逆に聞くけど、なんでそんなことを聞くの?似てるのはオールマイトの指導を受けたからってことだって考えられるし」
「…確か前にそんな事言ってたな。お前ヒーローには詳しいだろ、俺の親父がエンデヴァーだってことも知っているはずだ」
フレイムヒーロー・エンデヴァー。雄英の卒業生の一人でオールマイトに続くNo.2ヒーロー。事件の検挙率で言えばオールマイトを追い越す程だ。
「そう、万年No.2だ。だからこそお前には勝たないといけない、No.1の弟子であるお前にはな」
side out
轟side
入学当初からコイツにはオールマイトに近い何かがあると思っていた。そしてUSJでコイツが巷で噂になっていた仮面ライダーであったことよりもオールマイトの弟子であったことが一番驚いた。
だからこそ俺はコイツに勝ちたかった。オールマイトが育てた弟子に勝つことで、アイツを……親父を否定するために。
親父は元々向上心の強い人間だった。その実力でNo.2にまで登り詰めたがオールマイトという目上のたんこぶにはいつまでも届かなかった。だから親父は自分の目的を次に託すことにした。
『個性婚』第2~3世代の間で問題になった出来事。自身の個性をより強化して受け継がせたり、複合的な個性を持つ者を誕生させるためだけに婚姻をする倫理観を無視した前時代的な風潮。金と実績だけはあった親父はその力で母の個性を手に入れた。
オールマイト以上のヒーローに育てようと幼い頃から過酷なトレーニングを課してきた。遊ぶことさえろくに許さず先に生まれてきた兄姉たちともろくに接触させない。時には母にさえ暴力を振るってきた。
母はいつも泣いていた。そしてついには俺の左側が醜いと言って煮え湯を浴びせてきた。それを知った親父は母を無理矢理病院に閉じ込めた。
「俺がお前に突っかかるのは見返すためだ。親父の炎を使わなくても母さんの氷だけを使ってオールマイトの弟子であるお前に勝ち一番になる。そして親父を完全否定する」
言いたいことは言った。時間取らせたと謝って立ち去ろうとした。
「僕は……僕は元々は無個性だった。個性が出てもまだ制御しきれないし仮面ライダーの力だってよっぽどのことでも無い限り使いたくない使いたくない。だからこそ助けて貰うんだ。自分で出来ることなんかたかが知れている。さっきの騎馬戦だって、皆が僕に力を貸してくれたから乗り越えられた」
……何を言っていいるんだ?
「オールマイト、確かにあの人は僕の原点だよ。でも僕は彼のように上手く出来る自信は無い。だからこそ他の人の手を借りてでも助けたい。君に比べれば大したことないかも知れないけど、僕は一番になって応えたいんだ、僕のために力を貸してくれた皆に。改めて宣戦布告することになっちゃったけど……僕は君に勝つ!」
誰かを助けるために力を借りるか。俺には上手く理解できねえが、それがアイツの目指しているヒーローなんだろうな。
鉄哲が変身するとすればどのライダー?
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大義のための犠牲 仮面ライダーローグ
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鋼のボディに熱い心 仮面ライダーキカイ
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Mr.ナックルマン 仮面ライダーナックル
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負ける気がしない 仮面ライダークローズ