僕のヒーロー&ライダーアカデミア   作:鎌足大

4 / 17
今回はフォーゼ風タイトルです。

お気に入り件数がたった三話で200を超えていました。

自分で書いてアレですけど、面白いのだろうか?


No.4 雄・英・入・試

出久side

 ついにこの日がやってきた。数多くの有名ヒーローを輩出し、そして何よりあのオールマイトの母校でもある雄英高校の入試試験。

 

 今日までの約二ヶ月はワン・フォー・オールの制御に全力を当ててきた。おかげで今は一部に使用するだけなら二十五%までならコントロールができる。十余年のトレーニングは決して無駄にはならず報われた。他にも隠し玉も用意できた。受験に当たりこれで問題は無い。

 

 前日になってオールマイトは僕が預けていたネオディケイドライバーとライドブッカーを僕に返してくれた。装備品の持ち込みは自由だったし何より変身さえしなければ武器を呼び出したり能力を使っても全然OK だしね。

 

 最後にオールマイトは手回しとして僕の個性に関する医療書類を用意してくれた。記録上中学三年になってから急に個性が目覚めたと言う偽装診断だそうだ。違法だとは思うけどワン・フォー・オールの秘密を守るためには目をつぶってほしいと念を押された。

 

 お母さんにも個性が奇跡的に発現できたと教えたのはつい一ヶ月前のことだ。お母さんは泣いて喜んでその日は出前でお寿司を取ってくれた。

 

 ここまで期待してくれる人たちのおかげでこの土俵に立てたんだ。だから頑張って雄英に「どけクソデク!!俺の前に立つな、殺すぞ」ってかっちゃん!

 

「おっお早うかっちゃん。頑張ろうね、お互い…」

 

 でもかっちゃんは僕を無視してそのまま先に行っちゃった。

 

 実はあのヘドロ事件の次の日、かっちゃんは職員室に呼び出しを受けたそうだ。理由は僕のノートの爆破を誰かが教師側に知らせて他の先生達に叱られたそうだ。担任の先生はこれまでのかっちゃんの行動を注意せず黙認してきたことから減給処分、かっちゃんもうちの中学から唯一の雄英ヒーロー科圏内の生徒と言うことで夏休み中の校外ボランティアの参加で大きな処分を逃れた。夏休み明けに会った時はかなり不機嫌そうだった。

 

 それからはまず変な苛めや威嚇は無くなり、僕もトレーニングがあったから接する機会はほとんど無かった。

 

「おーっす出久。何今の感じ悪い奴?」

 

 耳郎さんが手を振ってやってきたので軽く説明する。

 

「なるほど、あいつが出久のこと苛めてた奴か」

 

「でもかっちゃんは昔から凄いよ。確かに苛めてこそ来たけど、頭も良いし力も強い、個性だってヒーロー向けだよ」

 

「使い方次第だろ。とりあえず会場行こっか。開始まで予習とかしたいし」

 

 それもそうだねと思い一歩踏み出そうとしたら何も無いところで転けた。ほんと不運だよ。……アレでもいつまでたっても転ばない、て言うか浮かんでる!

 

「大丈夫?」

 

 後ろを振り向くと受験生らしい女の子が立っていた。

 

「私の個性、ごめんね勝手に。でも受験日に転んじゃったら縁起悪いもんね。お互い頑張ろうね」

 

 そう言って先に行ってしまう。

 

(今の緑色の髪の子、まさか!……そんなわけ無いか、だって彼は無個性。落ちると判っていて来るはずが無い)

 

 

 

 大学の講堂のような場所での午前中の筆記試験も終わり、少し時間をおいてから実技試験の説明会が始まった。

 

『今日は俺のライブにようこそ!!エヴィバディセイヘイ!!!』

 

 説明会の司会はボイスヒーローの『プレゼント・マイク』だ!毎週ラジオ番組聴いてるよ。耳郎さんともこの番組で一緒にハガキ出してリクエスト曲流してもらったことあるよ。でも受験会場故か誰も応答しない。受験じゃ無きゃ確実にシャウトしただろうな。

 

『こいつはシヴィー!!!受験生のリスナー!それじゃこれから実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!アーユーレディ!?』

 

 それから実技試験の説明がつつがなく行われた。各受験生はそれぞれ指定された『模擬市街地演習場』で十五分間で三種類のの仮想ヴィランを倒していくモノだ。別に倒さなくても行動不能にさえすれば加点になるから無理に倒さなくても良いみたいだな。当たり前だけど他の受験生への攻撃などのアンチヒーロー行為は厳禁だ。

 

「質問よろしいでしょうか!?プリントには四種類の仮想ヴィランがいると書いております!誤載であれば日本最高峰である雄英において恥ずべき痴態です!我々受験生は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!!」

 

 なんか眼鏡の受験生がいきなりしゃべり出してびっくりした。

 

『オーケーオーケー、受験番号7111番君ナイスなお便りサンキューな!四種目の仮想ヴィランは0P!そいつは言わばお邪魔虫だ!マリオブラザーズやったことあるか?アレに出てくるドッスンみたいな奴だ。各会場に一体、所狭しと大暴れしいるギミックよ!』

 

 つまりは倒しても加点にならないのか。でもポイントを稼ぐ試験で何でそんな意味の無い奴を設置するんだろう?普通なら逃げの一手だし。

 

『俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校《校訓》をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナバルトは言った!『真の英雄とは人生の不幸を乗り越えてゆく者』と!!さらに向こうへ、《Puls Ultra》!!それではみんな良い受難を!!』

 

 張り出されて名簿を見ると僕の会場はDエリア。受験番号が連番のかっちゃんとは別会場だ。知り合い同士で協力させないためかな。

 

 バスで移動した先には塀で囲まれた演習場っと言うよりは一つの街があった。

 

 いつでもスタートできるように腰にはネオディケイドライバーをセット、ライドブッカーからいくつかカードも出しておこう。スタートラインの最前列に立って合図を待つ。

 

『はいスタートー!』

 

 合図がしたので一気に駆け出したけど、僕以外誰も動かない。もしかしてフライングしちゃった!?

 

『オイオイ実戦にカウントもよーいドンもねぇぞ!走れ走れ!!賽は投げられてんぞ!むしろ先に飛び出た奴見習え!』

 

 それと同時に他の受験生達も慌てて駆け出した。

 

 まず最初に1Pの仮想ヴィランが僕の目の前に現れた。

 

『標的補足!ブッ殺ス!!』

 

 仮想だけに口が悪いな。ガンモードにしたライドブッカーで躊躇無く引き金を引いて倒す。まずは一点!

 

 その後も次々襲ってくる仮想ヴィランを倒していくけど、ほとんどライドブッカーの射撃か斬撃で一発で倒せる。武器での攻撃が間に合わなければ手や足にワン・フォー・オールを十%ぐらいの出力で殴る蹴るで倒す。

 

 開始から約五分、順調に倒してゆきポイントも計算違いで無ければ四十点ぐらいだ。次のターゲットを探していると、仮想ヴィランに囲まれているオレンジ色の髪の受験生が視界に入った。たぶん群れが集中しているところで囲まれたんだな。なんの迷いも無く加勢に入った。

 

「こっちは僕が引き受けるから君はそっちの掃討を!」

 

「えっ?う、うん!」

 

 1Pの仮想ヴィラン数体だけを僕は倒し、残りの2Pの仮想ヴィランは助けた人に任せた。ポイント制だけど別に他人押しのけて独占する気も無いからね。

 

「サンキュー、助かったよ!」

 

「御礼は良いよ、残り時間頑張ってね!」

 

 それだけ言ってその場を去った。て言うか囲まれてた受験生よく見れば女の子だった!

 

 それからはポイントを稼ぎつつ他の受験生のフォローをしながら会場を走り回っていると突然の大きな地響きで足が止まった。頭上を見上げれば、周りにビルなんかよりも馬鹿でかいロボットが闊歩していた。

 

『ソイツが0Pだ!!速く逃げねぇと潰されちまうぞ!!』

 

 ついに出たか0P。普通なら逃げるところだけど僕は立ち止まっている他の受験生に声をかけて逃げるよう指示を出す。

 

 ふと見ると、校門で僕を助けてくれた女の子が倒れている。足が瓦礫に挟まっているみたいだ。

 

 すぐに助けないと!周りの人の制止を振り切って彼女の元へ向かっていくと、別の方向から誰かが出てきて女の子の元へ駆け寄った。僕と同じで彼女に気づいたんだな。

 

 瓦礫が独りでに浮いて横に退けられた。モノを浮かせる個性だな。

 

「大丈夫?」

 

「ごめん、足挫いてもうた」

 

「ちょっと待って、今私の個性で浮かせて―――っ!」

 

 マズイ、落ちてきた瓦礫が彼女たちの上に!こうなったら出し惜しみなしだ!ワン・フォー・オールを全身に常時二十%で纏う形で発動。これが二ヶ月の間に編み出した僕だけの使い方『ワン・フォー・オールフルカウル』だ!!

 

 一気に駆け出して二人を抱えて後退。まず救助完了!後はアレを止めるだけだ。

 

 僕が再び前に出ようとすると声をかけられた。さっきの眼鏡の受験生だ。

 

「まさかアレに立ち向かう気なのか?これは入学試験だ。アレを倒してもポイントにはならないんだぞ!なぜそんな無駄なことを!?」

 

「実際にあんなのが暴れ回ってたら。ヒーローならどうする?たとえ試験でも、僕は立ち向かう!」

 

 フルカウルの状態で一気に飛び上がり、最初に用意していたカードをセットする。敵が呆気なさ過ぎたから使うこと無いと思ったけど、用意に越したことは無かったな。

 

《アタックライド ツインブレイカー!ドラゴンフルボトル!ドラゴンスクラッシュゼリー!》

 

 右腕に装着されたのはツインブレイカーというガントレット型の可変式パイルバンカーだ。それをパイルバンカー形態のアタックモードにして、スロットにドラゴンフルボトルとドラゴンスクラッシュゼリーをセットする。

 

《アタックライド スピン!》

 

 自分の身体を高速回転させて0Pヴィランに突っ込んでいく。ワン・フォー・オールのオーラとドラゴンフルボトルのエネルギーがドラゴンの形を成して、0Pヴィランを貫いた。

 

 すぐ近くのビルに着陸したと同時にサイレンが鳴り響いた。

 

『試験終了~!!リスナー諸君お疲れさん!怪我した奴はすぐ救護所に行きな、治癒個性を持った養護教諭が治療してくれるぜ!!』

 

 アフターケアもばっちりか。だからこんな無茶な試験やれるんだな。

 

 さっきの場所までディメンションゲートで行く。突然僕が出てきたんで周りの人は驚いているけどそんなことを気にせず辺りを見渡してさっきの女の子を見つけた。

 

「君、足大丈夫?」

 

「あっ、君校門で転びそうになったモサモサ髪の!さっきはありがとう。おかげで潰れずにすんだわ」

 

「ちょっと待ってね。今すぐ治すから」

 

《アタックライド リカバー!》

 

 僕が持つカードの中で貴重な回復系のカード。使用限度は一日一回きりだけどほとんどの怪我を治せる優れものだ。実を言うと預ける前にオールマイトにもこのカードを使って彼の負傷を完治させてはいた。でもあくまで怪我が完治しただけで後遺症までは完治できなかったからオールマイトの活動限界の短さはそのままになってしまった。けど本人は前より動けるからと喜んでくれた。

 

 足に手をかざして優しい光が傷を癒やしていく。

 

「えっ?痛くない、治ってる!」

 

「これで良しっと。もう歩けるはずだから立っても「イズ君?」えっ?」

 

 さっき彼女を抱えて助けようとした人が僕をイズ君と呼んだ。なんでそんな古いあだ名を、しかもその名前で呼んでくれたのは、

 

side out

 

 

レイ子side

 0Pヴィランが出現して逃げようとしたときに瓦礫に足を挟まれた受験生を見つけてすぐに駆け寄った。すぐ私の個性であるポルターガイストで瓦礫を浮かべて退けた。

 

「大丈夫?」

 

「ごめん、足挫いてもうた」

 

「ちょっと待って、今私の個性で浮かせて―――っ!」

 

 私たちの頭上に瓦礫が降ってきた。咄嗟のことで個性を使うのが遅れた。

 

 もうダメだと思って目を背けようとしたけどふと誰かに抱えられて抜け出していた。

 

 ふと顔を上げれば、校門で転びそうになったあの緑色の髪の受験生だ。間近で見えたその顔は忘れようにも忘れられない人だ。今の私の原点を作ってくれた人、緑谷出久君、イズ君がそこにいた。

 

 その後説明会の時やたら喋っていた眼鏡男と何かを話してまた飛び出して行ってしまった。すると今度は緑と青のオーラみたいなドラゴンが出てきて0Pを貫いて倒してしまった。状況的に考えてやったのはイズ君以外にあり得ない。無個性だった彼がここまで出来るとすれば、私がアメリカにいた十年間で個性を発動した以外に考えられなかった。

 

 確かに超常黎明期の頃は四歳過ぎでも後天的に個性を発動できる人間は存在する。でも現在においてそれは極少数だ。個性研究の盛んなアメリカの研究所ではこんな答えが出ている。

 

『個性は身体機能の一部。故に身体がある程度完成するまで発現しない個性があってもおかしくない。現に定年期で発現しても個性が強すぎて扱いきれない人間が多い』

 

 そういうリミッター説みたいな学説が実際にある。もしイズ君もこれに該当するなら、彼は長い期間を経て個性が芽吹いたことになる。私と出会う前からイズ君は子供ながらトレーニングをしていた。子供だったから走ったり簡単な腕立てや腹筋程度だったけどもしそれを年単位でずっと続けていたとすれば、彼は努力によって個性を発現させたことになる。だとすれば凄いことだ。

 

 試験終了の合図が流れて私は怪我をした子を救護所まで運んでいこうとしたときにイズ君が再び目の前に現れた。女の子とは少し面識があったみたいだ。

 

 何かカードのような物を取りだして腰のベルトにセットする。もしかしてアレがイズ君の個性なのかな?

 

 女の子の足に手をかざすと優しそうな光が出て女の子の怪我を治してしまった。話しかけるなら今しか無いと思った。

 

「イズ君?」

 

side out

 

 

出久side

 もう一人の女の子が僕のことを『イズ君』と呼んできた。『デク』のあだ名なら昔から呼ばれ続けて耳タコだったけど、『イズ君』と呼んでくれたのは僕が知る限り一人だけだ。

 

「な、何でそのあだ名を?だってその呼び方は―――――」

 

 気がついた瞬間女の子が僕に抱きついてきた。てか胸当たってます!

 

「やっぱりイズ君だ!校門で見たときは人違いかなって思ったけどやっぱりそうだった!」

 

 最後に彼女に会ったのは十年も前だ。雰囲気や見た目はだいぶ変わっているけどやっぱり彼女は、

 

「れ、レイちゃん…なの?」

 

「うん!柳レイ子、十年振りにアメリカから日本に帰ってきました!」

 

 やっぱりレイちゃんだ!肩ぐらいまであった髪は短くなってる。前髪も左側ににかかるぐらいでとどめている。何よりさっき瓦礫を浮かべて退けていた。レイちゃんのポルターガイストだ。

 

「えっと………なんかお邪魔みたいだから先行くね」

 

 怪我した女の子は場の雰囲気に耐えきれなかったのかすぐ退散した。

 

 

 試験も終わった着替えて荷物をまとめた僕たちは入り口で話していた。

 

「それじゃお父さんの仕事が終わってこっちに戻ってきたんだ」

 

「うん。住むところも前と同じマンション。イズ君の家の近所のね」

*出久の家は原作と違いマンションでは無く住宅街の二階建て一軒家です。

 

「そう言えばイズ君、個性いつ発現したの?私がアメリカに行くまでは発現していなかったけど」

 

「えっと………去年の春先ぐらいかな。約十年越しでさ」

 

 ワン・フォー・オールの事は口が裂けても言えない。とにかく誤魔化さないと。

 

「おーい出久。待っててば!」

 

 振り返れば耳郎さんが走ってきた。追いつけばレイちゃんに気付いたのかジーッと見ている。

 

「出久、こいつ誰?」

 

「えっと、幼馴染みのレイちゃん、柳レイ子さん。十年振りに日本に帰ってきたんだ」

 

 とりあえず紹介するけど……なんか二人共睨み合ってるんだけど!?

 

「………イズ君の幼馴染みの柳レイ子です(なにこの女。まさか彼女じゃ無いよね?)」

 

「………出久の一緒に勉強とトレーニングしていた耳郎響香です(なんだコイツ、出久の幼馴染み?てか服の上から見ても胸デケぇ!)」

 

 なんか普通に挨拶しているだけなのに凄く怖いんだけど!火花みたいなの飛び散ってるように見えてる!

 

「そ、それはそうと耳郎さん試験の方はどうだった?」

 

「ん………あっ、筆記は出久が勉強教えてくれたからたぶん大丈夫だけど、実技試験がね………」

 

 あれ、なんか暗くなっちゃった。

 

「ウチの実技試験会場さ、あの爆豪って奴と一緒だったんだ。アイツ仮想ヴィラン根こそぎ撃破していってさ、正直合格ラインに入ってるか怪しい……」

 

 かっちゃん……。相手の邪魔をしてないだけに耳郎さんが可哀想だ。

 

「爆豪ってあの爆豪?イズ君の幼馴染みのくせにずっと苛めてきたあのガキ大将の?」

 

 レイちゃんも覚えていたんだ。まぁ僕と仲良くなったきっかけがかっちゃんに苛められたからだったしね。

 

 その後、レイちゃんの連絡先をもらって合否が来たら連絡を取ると言うことでこの日は別れた。

 

 そして一週間ほどが過ぎた頃――――。

 

「出久!雄英から手紙来たわよ!!」

 

 母さんが大慌てで僕に合否通知の手紙を持ってきてくれた。

 

 一人で確認したいから自室に籠もって封筒を開けばなんか小さい投影機のような物が出てきた。スイッチを押してそこに映し出されたのは、

 

『私が投影された!!!』

 

 オールマイト!?な、何でオールマイトが、これ雄英からの手紙だよね!?

 

『驚いたようだね緑谷少年。実は私がこの街に来たのは他でもない、今年の春から雄英に講師として赴任するからなんだ!』

 

 オールマイトが雄英で先生!?凄い、それじゃ学校行けば毎日会えるのかな?

 

『まず合否だが、筆記試験は十二分に合格点だ。そして実技試験だが、撃破ポイントはなんと70点!順位にすれば第二位だ。しかし、我々が見ていたのはなにも戦闘能力だけでは無い。我々が見ていたもう一つの基礎力、レスキューP!しかもコイツは完全審査制だ!!人助け、正しいことした人間を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるかって話だよ!綺麗事?上等さ!ヒーローってのは命懸けで綺麗事を実戦するお仕事だ!!レスキューP80!よって君の実技試験でのトータルPは150P文句なしの主席合格さ!!』

 

 主席?最難関とも言われた雄英高校の試験で僕が主席合格したの!?

 

『来いよ緑谷少年。ここが君のヒーローアカデミアだ!』

 

 沢山の人たちの支えがあって僕はここまで上り詰めれたんだ。でもまだスタートラインに立っただけ、本当の道はこれからだ!

 

 レイちゃんや耳郎さんにもすぐ合格の連絡を入れた。二人も合格したそうでレイちゃんが第二位の次席合格、耳郎さんは不安だった実技試験がレスキューPの加点で合格圏に入ったそうだ。

 

 返信で明日合格祝いをしようという話をしていると着信が来た。オールマイトからメールが届いて今夜会いたいそうだ。場所は既にお馴染みに多古場海浜公園だ。

 

 

 僕が到着すれば既にオールマイトがトゥルーフォームで砂浜に立っていた。

 

「オールマイト!」

 

「誰それ!?」

 

 そうだ今はプライベートだった。オールマイトの名前を聞いて他に来ていた人たちが探し始めたので直ぐに人違いですと言って場を収めた。

 

「まず緑谷少年、合格おめでとう。先に言うが私は学校側には君との関係は一切話してないぞ。君そういうズルいの気にするタイプだし、レスキューの審査だって私は見ていただけだからね」

 

 お気遣いありがとうございます。でもオールマイトが雄英の先生になるだなんて驚きましたよ。

 

「学校側から発表されるまで他言出来なかったからね。私が後継者を探していた折にちょうど雄英側からご依頼があって受けたんだ。校長先生もワン・フォー・オールのことや私の怪我のことは知っていたから気を遣ってくれたんだろう」

 

 それじゃ本当なら訓練を受けた生徒の中から後継者を選ぶ予定だったのか。なんか校長先生には悪い事しちゃったな。

 

「心配すること無いさ。私は君が適任だと思って個性を継承したんだ。そして君はそんな私の思いに答えてくれた!これからは教師として教えつつも君の育成にも力を入れるよ!!」

 

「はい!」

 

 ヒーローとしてのまず第一歩。ここから僕が最高のヒーローになる物語が始まるんだ!

 

 あれ?でも僕が主席でレイちゃんが次席だとすればかっちゃんはどうなったんだろう?

 

 

in爆豪家―――――

『――――……つぅ訳でお前さんは三位だ。レスキューP抜きでこの高得点叩き出したのはホント凄ゲェ――――………』バキィン!!

 

「何で…何で!………何で俺が三位!?巫山戯んじゃねーぞ!俺が一番だろッ!!」

 

「ちょっと勝己五月蠅いわよ!近所迷惑になるでしょ!!」

 

「うるせーよババア!!」




折角なので一般入試の結果十位までを載せてみます。

VP=ヴィランポイント
RP=レスキューポイント
TP=合計ポイント

一位 緑谷出久  VP70 RP80 TP150
二位 柳レイ子  VP40 RP40 TP80
三位 爆豪勝己  VP77 RP0  TP77
四位 切島鋭児郎 VP39 RP35 TP74
五位 麗日お茶子 VP28 RP45 TP73
六位 塩崎茨   VP36 RP32 TP68
七位 拳藤一佳  VP25 RP40 TP65
八位 飯田天哉  VP52 RP9  TP61
九位 鉄哲徹鐵  VP49 RP10 TP59
十位 常闇踏陰  VP47 RP10 TP57

出久とレイ子以外は一応原作・アニメで出てきた公認の得点のはずなのでこれで合っていると思います。

爆豪が変身するとすればどのライダー?

  • 負ける気がしない 仮面ライダークローズ
  • プライドの騎士 仮面ライダーバロン
  • 狙いは外さない 仮面ライダースナイプ
  • 圧倒的大火力 仮面ライダーゾルダ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。