僕のヒーロー&ライダーアカデミア   作:鎌足大

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今回はクウガ風です。漢字二文字のタイトルは渋いです。


前回言ったアンケートですが、色々聞くために活動報告でお話しします。


No.7 決着

耳郎 side モニタールーム―――――

「さあ皆もモニターにて観戦だ!!見て学ぶのも重要だぞ!(緑谷少年、今は教師と生徒。成績は贔屓一切無しで厳しくさせてもらうよ)」

 

 モニターで出久がレイ子達と何かを話している。多分自分たちの個性を教え合って対策考えているんだろうな。

 

 何せ相手があの爆豪がいるチームだ。出久のことだからまず対策は練ってくるに違いない。どういった作戦を立ててくるかを予想するためにウチは出久から預かっていたそれを開いた。

 

「あら、響香ちゃんそのノートは何かしら?」

 

 ふと梅雨ちゃんが声をかけてきた。まぁ好きに見ても良いって言ったから見せても大丈夫か。

 

「出久がどんな作戦立ててくるか考えようと思ってさ。預かってたこれで予想立てようと思ってね」

 

 訓練が始まる前に出久から終わるまで預かっておくよう頼まれたヒーロー考察ノート(クラスメイト編)。前の個性把握テストの時に観察していたモノを書き留めていたのだ。

 

 まだ埋まっている項目は少ないが、それでも把握できる範囲で考察し、それがどこまでのことが可能なのかも予想を加えながら書かれている。

 

「緑谷ちゃんって結構マメなのね。あら、私のこともちゃんと書いてあるわ」

 

「出久の趣味みたいなもんだってさ。無個性だった頃から常に観察して評価をしつつ、それでどんなことが出来るかを予測しながらまた観察して考察。ウチは出会って一年もたってないけど、出久は努力もして、常に周りを見ている奴なんだ」

 

「ケロ、響香ちゃんずいぶんと緑谷ちゃんを持ち上げるのね」

 

 うっ…。ちょっとハズいな。

 

 そうこうしている内に演習がスタートした。モニターはオールマイト以外には音声が聞こえないのでちょっと臨場感に欠ける。

 

 二階への階段を上りきる手前で出久がカードを一枚取り出してベルトにセットすると、出久が二人に分裂した。そしてもう一人の方がもう一度カードをセットすると今度は透明になった。なるほど分身囮にして透明になった本体が回り込むのか。

 

 映像が続いて通路の角を出たところで爆豪が囮の分身に攻撃を仕掛けた。爆煙が晴れると囮の分身が倒れていて爆豪が囮に近づいたところで姿を現した出久が爆豪の腕を掴んで投げ飛ばした。

 

「どっちも奇襲してきたけど、なんかズルくねぇか?」

 

「そうだぜ男らしくないぞ!」

 

「いやいや奇襲も実戦では立派な戦術の一つさ!いくら強くてもほんの一瞬の油断が命取りになる。実戦ではルールも決まりも存在しない。まさに一瞬の判断が命運を決めるんだ(かく言う私もその油断のせいでこの様だったしね)」

 

 オールマイトの解説を聞きつつもう一度モニターに目を向ける。

 

 今度は隠れていた物間が最後尾の麗日を狙って飛び出してきたけど出久が割って入って止めた。先頭のレイ子攻撃すれば足止めできたんじゃ無いのか?

 

 女子三人を先に行かせると、出久がまたカードをセットして分身を三人作り出して爆豪と物間を囲んで攻撃を開始してきた。

 

 対物間の方は分身が一人倒されたけどアイテムを呼び出した出久(分身か本体かは判らないけど)が目眩ましと透明化で物間に捕縛テープを巻き付けて戦闘不能にした。やっぱり強いよ出久は。

 

「緑谷の奴やるな。物間は口は悪いけど個性の能力は強い方だしな」

 

「でもA組見下し傾向だからそこに油断したのかもな」

 

「さっきの奇襲も柳狙えば足止めできたのにね」

 

 物間、同じB組の奴からも酷評されてるよ。

 

 んでモニターに目を戻せば、今度は爆豪が分身の出久二人を蹴散らして一対一に持ち込んだ。出久も言っていたけどアイツ才能あるし。口が悪いのと凶暴な性格除けば。

 

 すると爆豪が右腕を出久に向けて何か言っているけど当然音声は聞こえない。でも何か嫌な予感がした。

 

「ストップだ爆豪少年!彼を殺す気か!?」

 

 突然オールマイトがマイクに向かって叫んだ。爆豪が籠手についているピンを引き抜いた瞬間、眩しい爆炎が画面を覆い尽くして画面が砂嵐になった。

 

「せ、先生……これ訓練ですよね。なんか不味くないですか!?」

 

「と、止めた方がよろしいのでは!?」

 

 ウチもそう思った。いくら何で訓練でこれはやり過ぎだ!

 

「うむ………両チーム、いったん訓練中――――むっ!緑谷少年大丈夫か!?」

 

 出久が応答してくれた。良かったまだ生きている!

 

 モニターの映像が回復していくと、戦闘服(コスチューム)こそボロボロだったけど出久が腕を交差して防御の姿勢を取っていた。よく見れば出久の皮膚が金属のようになっている上に正面にはバリアみたいなモノが張られている。背後には何か石柱が立っていて、崩れると気絶していた物間がいた。

 

 そうか、出久は自分だけじゃ無くて後ろにいた物間も守ったんだ!

 

 でもやっぱりダメージはあったのか出久も片膝をついて息が荒くなっている。

 

side out

 

 

出久side

 い、今のは正直かなりヤバかった。爆破に飲まれる直前で僕は3枚のカードをセットした。皮膚を金属にする『メタル』、エネルギーのバリアーを出す『バリア』、そして物間君を守るために石の防壁を出す『ディフェンド・ランド』。本来ならこれは正面からの攻撃を防ぐための三重層の防御コンボだったけど、物間君を守るために石柱の防御を外したから防御力が落ちてしまった。

 

 第一層のバリアーで爆破の威力を幾分か軽減、そしてあとは金属の皮膚となった身体でひたすら耐えるのみ。これでなんとか凌いだけどやっぱり体力はごっそり持っていかれた。

 

 ふと通信機からオールマイトの声が聞こえた。この状況だ、訓練を止めようとするのかもしれなかったので僕は大丈夫だと声を漏らした。

 

『むっ!緑谷少年大丈夫か!?』

 

「なんとか……まだ戦えます!」

 

 ちょっと無理をして立ち上がった。正直フラフラだ。メディカルのカードで回復剤を出せばある程度回復できるとは思うけど、かっちゃんがそんな余裕をくれるとは思っていない。

 

『ふむ……判った。訓練続行!ただし爆豪少年、さっきの攻撃もう一度使ったら今度は反則負けで強制的に訓練を終了する!』

 

「ちぃ…りょーかい。爆破がダメなら、殴り合いでぶっ潰す!」

 

 かっちゃんが爆破のターボで僕に突っ込んでくる。避けようとしたけど身体が思うように動かない。なんとか身体を横に反らしてかっちゃんの攻撃を転がりながらかわした。

 

「無様だなデクぅ!さっきまで有利だったのにもうお寝んねかぁ!?」

 

 好きで動けないんじゃ無いよ!

 

「昔から人の神経逆撫でしやがって!いくら潰しても気づけば這い上がって来やがって!無駄なトレーニングとかして目障りなんだよ!!」

 

 動けな事をいいことに今度はスタンピングの嵐だ。捕縛テープを貼り付ければいいのにそれをしない。かっちゃんは僕を完膚なきまでに敗北させる気だ。

 

「コイツで……止めだ!!」

 

 最後に飛び込む要領で爆破を仕掛けようとする。動けない相手に対しての大ぶりな攻撃、迂闊だぞかっちゃん!僕はまだ完全に動けない訳じゃない。

 

 腕を振り上げてデコピンの体勢を取る。指先にワン・フォー・オールを25%の出力で集中。威力は多少分散するけどこの距離なら!

 

「デラウェアスマッシュ!!!」

 

 デコピンの要領で撃ち出されたその衝撃はかっちゃんに命中、そのまま打ち上げられて天井へ激突した。そのままかっちゃんは落ちて床に叩き付けられた。

 

 今でのかなりのダメージを与えられたはずだ。今のうちに回復を――――。

 

「ぐっ……テメェ、舐めた攻撃…しやがって」

 

 もろに食らってまだ立てるのか!?遠距離で指向性がない分威力が下がったけど、まともに食らったはず。なんてタフネスなんだ。

 

「今度こそ……終わりだあああぁぁぁ!!!」

 

 かっちゃんが右腕を振り上げて僕にとどめを刺そうとしてきたけど突然かっちゃんの動きが止まった。

 

「この感じ……まさか……」

 

 かっちゃんの目線の先にいたのは、上に向かったはずのレイちゃんだった。

 

「どう?私が編み出してイズ君が命名してくれた私の必殺技『ゴーストロック』の拘束力は!」

 

 更にレイちゃんの後ろから二つの陰が飛び出した。拳藤さんと麗日さんだ!

 

「出久甚振った分とウチの物間巻き込んだ分だ。大拳『裁きの鉄槌』!!」

 

 巨大化した平手でかっちゃんを頭上から叩いた。手をどかせばかっちゃんは完全にのびていた。仕上げは麗日さんが捕縛テープを巻き付けてかっちゃんはリタイアとなった。

 

「イズ君大丈夫!?」

 

「ごめんデク君。折角チャンス作ってくれたのに無駄にしちゃって」

 

「いいよ、僕の見通しが甘かったんだから……」

 

「何言ってんだ。物間守ったあげくここまで爆豪追い込んだんだから十分敢闘賞だよ」

 

 拳藤さんは僕を称えてくれた。こんなにも褒められるなんて初めてだった。

 

 でも制限時間も迫っているので早く核兵器の確保に出ないと。

 

《アタックライド メディカル!》

 

 左腕に装着されたボックスからコズミックエナジーが凝縮された回復材が入ったアンプルを二本取り出して胸に突き刺す。ちょっと痛いけど体力と傷が癒えていくのがわかる。三人とも急に僕が注射したんで驚いたけど、1分もしない内に立てるまでに回復した。

 

 残り時間も少ない。核兵器の確保か飯田君と円場君の二人を捕縛しないと僕たちの負けだ。再度スコープで確認を取ったけど二人は5階から動いていない。

 

 走って階だんをっきにのぼりきったフロアに飯田君と円場君が空中に立っていた。

 

「ギャハハッ!!よく来たなヒーロー共!下手な抵抗は止めろ、こっちには核兵器があるんだぞ!」

 

「飯田…いくら訓練だからってそこまでまじめに成り切らなくても。…ぷっ」

 

 飯田君訓練でもまじめに役になりきっている。円場君は頑張って笑い堪えようとしてるし。

 

「空中に立っている!?」

 

「円場の個性だ。アイツの個性は『空気凝固』吐いた息を固めて透明な壁を作れる。それを足場にしているんだ」

 

 そう言えば円場君は個性把握テストの時はあの個性で立ち幅跳びて空を渡り続けてかっちゃん抜いたんだっけ。

 

「飯田そろそろ動くぞ。凝固できる時間だって限界がある」

 

「そうか。ならば残り時間このまま逃げ切るぞ!」

 

 飯田君が核兵器のハリボテと円場君を抱えて飛び出す。直ぐに円場君が新しい足場を作って部屋の中を縦横無尽に飛び走る。

 

「どうだ僕のスピードと円場君の個性!これを捕まえることが出来るかヒーロー共よ!!」

 

 そっちがそうするならこっちにも考えがある。

 

 通信機で他の三人に小声で作戦を伝える。直ぐに首を縦に振って作戦を開始した。

 

 まず麗日さんの個性で僕と拳藤さんを浮かべる。無重力になっているので軽く地面を蹴るだけで一気に飛び上がれる。曲がるときは壁や天井を蹴って方向を変更。

 

「空中戦か。しかし俺たちとは違い壁や床、天井でしか方向転換できない君たちには不利だぞ」

 

「残り時間五分。一気に逃げ切るぞ!」

 

 飯田君が更にスピードを上げる。ここまでは予想通り。下準備は出来た。

 

「今だ麗日さん、レイちゃん」

 

「解除!」

 

「それっと!」

 

 麗日さんが個性を解除して僕と拳藤さんが着地して壁際まで下がる。飯田君と円場君は天井に張り付けられた。

 

「な、何だこれはっ!?」

 

「よく見ろ飯田。これ極細のピアノ線だ。それがネットみたいになってる」

 

 藻掻いているところで捕縛テープが飛んできて二人に巻き付き、麗日さんが自分の個性で浮遊して核兵器にタッチした。これで回収条件クリアだ。

 

 作戦としてはこうだった。まず足場を作って逃げられる二人に対してただ追いかけては制限時間を迎えてしまう。だから僕と拳藤さんは麗日さんの個性で縦横無尽に飛び回って二人を捕まえようとするフリをした。床に目をいかせないために。

 

 床にはレイちゃんがポルターガイストで袖の裏に隠していたネット状のピアノ線を床のあちこちに配置。レイちゃんのコスチュームの袖には僕の思いつきで捕縛用のワイヤーやら捕縛ネットを隠すスペースを設けていていた。あとはタイミングを狙って麗日さんの個性を解除して壁際に退避、ポルターガイストで打ち上げたピアノ線のネットで捕縛。

 

 僕一人でクロックアップで高速移動して捕らえたりコンファインベントで個性無効化して捕まえても良かったけど、これはあくまでチーム戦。チームの力で勝つことが重要だと思ったので使うのは本当に時間ギリギリになるまで取っておいた。

 

『ヒーローチーム…WIIIIIN!!』

 

 こうして僕たちAチームは初の戦闘訓練で勝利を勝ち取った。

 

side out

 

 

no side

 モニタールームに戻った両チーム(爆豪と物間は気絶につき医務室に運ばれた)は整列してモニターで観戦していた他の生徒からの講評を聞いていた。

 

「今回のMVPは飯田少年と円場少年の二人だ!」

 

「えっ、俺たちMVPなの!?」

 

「しかし…訓練結果は負けのはずでは?」

 

「そこを判る人は手を上げて」

 

「はい、オールマイト先生」

 

 真っ先に手を上げたのはA組の八百万百であった。

 

「今回の演習、爆豪さんは私怨むき出しで戦闘に望み、かつ核兵器を守る状況下にもあったにもあれほどの大規模攻撃で施設の破壊。下手をすればビルの倒壊で自身や他のチームメイトを巻き込む可能性が高く核兵器を誤爆させてしまう可能性もありました。物間さんも爆豪さんほどではありませんが私怨で動いてましたね、相手チームを先に行かせないようにするなら先頭の柳さんを狙うのが一番いいのにもかかわらず最後尾の麗日さんを狙うのは愚策です」

 

 やっぱりなぁと言った顔をしたのはB組の面々であった。

 

「ヒーローチームの方も緑谷さんの能力が突出していたとは言え二人相手に一人で時間稼ぎは少々無謀でしたね。最初から四人と掛かればおそらくは無傷で捕らえることも可能でしたと思います。でも爆豪さんのあの大爆発の攻撃から敵とは言え物間さんを守ったのはヒーローとしては正しい判断だと思いますわ。柳さんと拳藤さん、麗日さんも個性を使っての援護はよく出来ていましたけど、やはり飯田さんと円場さんがご自身の個性をフルに使って核兵器の防衛を行ったところが特に評価できますわ」

 

「そ、その通りだ八百万少女。飯田少年も少し硬いところがあったが、よく出来ていたと思うよ(思っていた以上に言われた!!!!)」

 

 こうした風に戦闘訓練は続けられた。ビルの破損が思った以上に激しかったので場所を移して直ぐに二戦目が始まる。

 

 ちなみに爆豪と物間は二戦目が始まる頃に戻ってきた。

 

 さすがの爆豪も味方ごと巻き込んでの攻撃で他の生徒からの罵声を浴びたが、これを止めたのがオールマイトと出久であった。

 

「確かにあの攻撃は恐ろしいまでの破壊力だったが、爆豪少年も僅かにだが狙いをずらしていた。威力も派手だったが怪我をしても少なくとも死ぬことはなかっただろう」

 

「はい、防御したとは言えもろに受けていたら多分僕も完全に気を失っていたと思います。だから皆、あまりかっちゃんのことを攻めないであげて」

 

 結局出久の言葉でその場は収まった。しかしその後の爆豪は気に入らないという顔つきで残りの時間を過ごしていた。

 

 ちなみに物間はこの件でさんざん爆豪に文句やら嫌味をしてきたが、拳藤の手刀が首に炸裂して再び気絶した。

 

 二戦目ではA組推薦入学の一人轟焦凍がビル全体を氷漬けにして内部にいたヴィラン側を制圧して核兵器を確保するなど、他のチームも己の個性をフルに生かして戦闘訓練を行った。

 

 そんなこともあって彼らの初の戦闘訓練は終了した。

 

「お疲れさん!!大きな怪我もなく無事訓練を終われたね。色々課題も出たけど初めての訓練にしちゃ上出来だったぞ!本日はこれまで、着替えて教室にお戻り!!」

 

 そのままダッシュでその場を離れた。この時点でマッスルフォームを維持するのが既に限界ギリギリになっていたのだ。

 

 着替えて教室に戻ればホームルームまでの間出久はクラスメイト達に囲まれて揉みくちゃになっていた。

 

「緑谷凄ぇよ、あんだけやった爆豪の奴庇っちまうなんてよ、男だぞ!!俺切島鋭次郎、よろしく頼むぜ!!」

 

「ホント速くなったり分身したり忍者みたいで凄かったよ。あっ、私芦戸三奈ね!」

 

「B組の骨抜だ。物間の奴あの後礼も言わないで悪かったな。あんなんでも悪い奴じゃないんだ」

 

「捻くれてるけどな。私は取陰切奈よろしく」

 

 男女構わず出久に自己紹介やら凄いだ格好いいだなの感想を言っている内に相澤とブラドが教室に来てHRとなった。

 

 

 放課後。一年ヒーロー科の教室には生徒がまだ残っていた。今日の戦闘訓練のビデオを見て反省会をすると言うことになった。そこに爆豪の姿はなかった。黙って帰ったようだ。

 

 しかし出久はそれを見逃さず人知れず教室を出て玄関で爆豪を呼び止めた。

 

「かっちゃん!」

 

「ああ?」

 

 振り向いたがやはり機嫌は悪そうだった。

 

「俺のこと……笑いに来やがったのか?今で散々馬鹿にして来たから、俺にこと見下しに来たのか!?」

 

「………そんなこと言わないよ。かっちゃんは僕にとっては憧れでもあったし、同時に目標でもあった。個性が出て、今まで以上にトレーニングを積んで、少しでも追いつきたかった。だから…君ももっと本気になればいいよ!今回は運良く僕が勝ちを拾えたけど、ならもっと強くなって今度こそ僕に勝ちなよ!!僕がやれたならかっちゃんだってもっと強くなれるはずだよ」

 

 しかし爆豪は振り向こうともしなかった。

 

「……だから何だってんだ!?俺は今日、お前に負けた。そんだけだろうが、そんだけ………。氷の奴見て敵わねぇんじゃねぇかと思っちまった…!!ポニテの奴の言った言葉に納得しちまった…!クソ、クソッタレがッ!テメェにもだ…デク!!俺は……俺はここからだ!!ここから這い上がって、強くなって、そして………ここから俺が一番になってやる!!今度こそ……テメェが俺に勝つことなんてねぇからな!!クソが!!」

 

 それだけ言って爆豪は校舎を出た。側の木の陰からその様子をオールマイトは見ていた。

 

(ケアが必要かと思ったけど……余計なお世話だったかな。立ち直った爆豪少年がこれからどんな成長を遂げるかが楽しみだ。爆豪少年、自尊心も大切だけど自分の弱さ認めるのも大切なことなんだぜ!)

 

 生徒達の成長ぶりが楽しみになってきたオールマイト。

 

 しかし物語はそう簡単に進むモノではない。この数日後、雄英高校……いや、ヒーロー社会にも大きな影響を与える恐ろしい事件が起こることを誰も知らなかった。

 

 

 

 

 

 ここはどこかのバー。椅子に座っている男が置いた新聞の一面にはオールマイトが雄英高校の教師になった記事が載っていた。

 

「見たかこれ?教師だってさ…。なぁどう思う?平和の象徴が………ヴィランに殺されたらさ」

 

 真に賢しい悪意が、いよいよ牙をむこうとしていた。




今回レイ子と拳藤が使った必殺技、実はイナズマイレブンのモノを参考にしています。

レイ子のゴーストロックはゲーム3で採用された必殺タクティクス『ゴーストロック』。尾刈斗中が使った相手に暗示・催眠術をかけて動きを止める技です。

拳藤の裁きの鉄槌は世宇子中のディフェンス技『裁きの鉄槌』ですが、本来なら足の形をしたエネルギーみたいなモノが振ってくる技ですが、拳藤の大拳に合わせて巨大化した掌のビンタになりました。

この先もこのような必殺技が出てきます。ご了承下さい。

爆豪が変身するとすればどのライダー?

  • 負ける気がしない 仮面ライダークローズ
  • プライドの騎士 仮面ライダーバロン
  • 狙いは外さない 仮面ライダースナイプ
  • 圧倒的大火力 仮面ライダーゾルダ

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