僕のヒーロー&ライダーアカデミア   作:鎌足大

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NO.8 級・長・決・定

No side

 初の戦闘訓練の翌日。雄英の校門の前にはマスコミが群れを成して道行く生徒や教員にインタビューをしていた。その目的はもちろん先日新聞の一面を飾ったオールマイトの雄英での教師風景がどんなモノかを聞くためだった。

 

Qオールマイトの授業はどうですか?

「えっと……」

 

「すいません私たち今日日直なんで失礼します(嘘)」

 

 

Q平和の象徴が教壇に立っているとどんな感じですか?

「えっと……筋骨隆々?」

 

 

Q教育方針新体制の中オールマイトはどのようなことを?

「えっ、これテレビ映ってるの!?お父さんお母さん見てる?」

 

 

Q生徒から見たオールマイトはどんな感じですか?

「キラッキラだよ☆僕よりね」

 

 

Qオールマ……って君確か去年のヘドロの時の!?

「やめろ」

 

「すいませんコイツあの事件のこと気にしてるんでカットで。早く行くぞ**!」

 

 

Q小汚っ!貴方誰ですか!?

「彼今日非番です。授業の妨げになるのでお引き取り下さい」

 

 

 と言った具合に報道陣が詰め寄るが、校門さえくぐれば後は雄英鉄壁のセキュリティ、通称『雄英バリアー』が学生証や通行許可IDを持っていない者をシャットアウトする。

 

 そんな様子を人混みに紛れて見ている者がいる。

 

 

 

一年ヒーロー科教室―――――

「お早う諸君。昨日の戦闘訓練ご苦労だったな。Vっと成績見せてもらった。爆豪、能力はあるんだからもうガキみたいなことすんな。後で今回の訓練の罰があるから放課後に職員室に来い」

 

「…………わかってる」

 

 爆豪はそれ以上何も言わなかった。

 

「あれれれぇ、優秀なはずのA組が処罰されるなんて。これからは気をつけてほしいもんだね、味方ごと爆破に巻き込まれるのはごめんだよぉ~。あ~あ怖い怖い」

 

「物間、あんまり言い過ぎるとお前もブラックリストに載るぞ」

 

 担任のブラドに釘を刺される物間であった。

 

「とりあえず今日のHR、急で悪いのだが今日は君らに…」

 

 生徒達の取り巻く空気の色が変わった。ここはヒーロー科、そして発するのはあの相澤先生の言葉。臨時のテストか?それとも新たな試練か?皆体を強張らせる。

 

「A・B組それぞれ学級委員長を決めてもらう」

 

「「「「「学校っぽいの来たああぁ!!!」」」」」

 

 予想に反して意外にも普通であった。

 

「委員長!!やりたいですそれ俺!」

 

「オイラのマニフェストはスカート膝上30cm!!」

 

「僕のためにあるヤツ☆」

 

「リーダー!!やるやる!!」

 

 やる気満々の生徒達はこぞって手を上げる。だがこの男だけは違った。

 

「静粛にしたまえ!!多を牽引する責任重大な仕事だぞ…!やりたい者がやれる仕事ではないだろう!!周囲からの信頼があってこそつとまる聖務…!民主主義に則り真のリーダーを決めるというのなら…これは投票で決めるべき議案!!」

 

「そびえ立ってんじゃねーか!!なぜ発案した!!」

 

「日も浅いのに信頼もクソもないわ飯田ちゃん」

 

「そんなん皆自分に入れらぁ!」

 

「だからこそここで複数投票を取った者こそが真にふさわしいと思わないか!?どうでしょうか先生方!!」

 

「時間内に決まれば何でも良いよ」

 

「その辺はお前らの自主性に任せる」

 

 こうして飯田の発案で決まった学級委員長投票選挙。全員が他推自推して結果はこうなった。

 

A組

緑谷 3票(本人他推)

 

八百万 2票(本人自推)

 

耳郎・麗日・轟以外各1票(4人以外全員自推)

 

 

B組

拳藤 10票(本人他推)

 

柳 4票(本人自推)

 

鉄哲 2票(本人自推)

 

物間・泡瀬・取陰・黒色 1票(全員自推)

 

「何でデクに3票も入ってるんだ!?」(自推)

 

「まーおめぇに入れるよかわかるけどな!」(自推)

 

 性格に難のある爆豪に入れるよりは、話のわかる出久が委員長になるのが無難であると納得する者がほとんどであった。

 

 ちなみに投票発案者の飯田は。

 

「僕に……入れてくれた人がいた」

 

「他人に入れたのね………」(自推)

 

「お前もやりたがってたのに。……何がしたいんだ飯田…」(自推)

 

「あれれ?なんで僕1票なのかなぁ~」(自推)

 

「柔軟に考えてお前が委員長になったらA組との仲拗れまくるだろう」(拳藤に投票)

 

「それなら姉御肌の拳藤や柳に入れた方がまだ安パイだ」(レイ子に投票)

 

 結果、A組は出久が委員長、八百万が副委員長。B組は拳藤が委員長、レイ子が副委員長で決定した。

 

side out

 

 

出久side

 なし崩しの形で委員長になっちゃったけど、正直不安しかなかった。そんな不安を他所に時間が過ぎてお昼になった。

 

 いつものように食堂はヒーロー科はもちろん他の科の生徒も食事をするので満員御礼で席を取るのもちょっと一苦労だ。

 

 ちなみに今日の僕のお昼は回鍋肉定食。本当はカツ丼にしようとしたんだけどレイちゃんが、

 

「イズ君、カツ丼ばっかりだと栄養偏るよ。野菜も食べて栄養もバランス良く取る!」

 

 と言われてこれになった。

 

 例の如く席にはレイちゃん以外に麗日さんと耳郎さん、そして飯田君のいつもの顔ぶれが長テーブルの一角に集まった。それに加えて、

 

「出久、こっち座っても良いか?ほか空いてなくてさ」

 

 料理を乗せたお盆を持った拳藤さんと小大さんが声をかけてきた。

 

「別に構わないよ」

 

「食事は大勢でした方が楽しいしな」

 

 そして席に座る二人が持て来た料理に僕らは目を疑った。拳藤さんはスパゲティにサラダとジュースと普通だったけど、その隣の小大さんはハンバーグ定食と大盛りご飯だけならまだしも、からあげ(3個)、小鉢のヒジキの煎り煮、揚げ春巻き(2本)、エビフライ(2本)、ポテトサラダと追加注文していた。

 

「こ、小大君…そんなに沢山の量ちゃんと食べきれるのか?」

 

「平気平気。唯って見かけに反して結構食べるから」

 

「ん、これでも普段より少ない方」

 

(((((この量で少ない方!?)))))

 

 確実に食べ盛りの男子より多いと思うけど。そんなのも気にせず小大さんはひたすら箸を動かして料理を口に運んでいる。

 

 ふと話の話題がさっきの学級委員長の話になった。B組の拳藤さんはレイちゃんに一票入れていたらしいのだが、半数が拳藤さんに投票してなし崩しに委員長になったそうだ。

 

 そして僕の3票だけど、なんと僕に投票してくれたのはここにいる耳郎さんと麗日さん、そして飯田君の3人だった。僕は飯田君に入れたんだけどな。

 

「そうかアレは緑谷君だったのか。確かに委員長にはなりたかったが、僕は僕の意思で君がふさわしいと思った。戦闘訓練での強さに相手を許す心の広さ、認められたからこそ選ばれたんだ」

 

 認められた……僕はオールマイトに認められて個性を受け継いだ。仮面ライダーの力もそうだ。いろんな人に認められたから僕がここにいられるんだ。

 

「ねぇ、さっき僕って言ったけど飯田君って坊ちゃん?」

 

「ッ!?そう言われるのが嫌で一人称変えていたのだが……。あぁ俺の家は祖父の代から続くヒーロー一族で俺はその次男だ。《ターボヒーロー》インゲニウムは知っているかい?彼は俺の兄なんだ」

 

 インゲニウム!東京で事務所を構え65人ものサイドキックを雇っている若手の大人気ヒーローだ!!

 

「さすが緑谷君。兄は規律を重んじ人を導く愛すべきヒーロー。俺はそんな兄に憧れてヒーローを目指したんだ。まだまだ未熟な俺より、皆に認められる緑谷君が選ばれるのが正しいと俺は思う」

 

 そっか、僕がオールマイトや仮面ライダーに憧れたように飯田君もお兄さんのインゲニウムに憧れたんだ。原点こそ違うけど、目指す先は同じなんだ。

 

 それでも僕には………、

 

ウウゥ―――――――――!!!!!!

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難して下さい』

 

「セキュリティ3が破られた!?」

 

「こんなの今までなかったぞ!?」

 

「ヴィランか?学校に侵入者が来たぞ!」

 

 突然の警報で生徒達が一斉に避難しようとして混乱が起こった。一斉に避難しようと据える生徒達出入り口がごった返しになっている。

 

 目の前の拳藤さんと小大さんが人波に飛ばされてしまい転びそうになった。咄嗟に手を伸ばして二人の腕を掴んだ。とりあえず転ばないで良かった。

 

「ごめん出久助かったよ」

 

「ん、ありがとう」

 

 どういたしまして。でも避難するにも全員を落ち着かせないと―――――。

 

「大丈ー夫!!侵入してきたのはマスコミです!パニックになることはありません、大丈夫!!今先生達も対処しています、落ち着いて急ださい!!」

 

 入り口の上に張り付いた飯田君が大声をあげてその場を収めた。ほかの生徒達もマスコミと聞いて落ち着きを取り戻したのかその後の避難は運良く怪我人0で終わった。

 

 その後、駆けつけた警察によってマスコミは不法侵入で撤退を余儀なくされた。

 

 そして午後の授業の前。選んでくれた人たちには悪いけど委員長を飯田君になってもらうよう提案した。あの状況下で皆を纏める飯田君がやるのが正しいと思ったからだ。

 

 こうして飯田君がA組のクラス委員長に決まった。しかし食堂での出来事でしばらく彼は『非常口』の渾名で呼ばれることは言うまでもなかった。

 

side out

 

 

no side

 騒ぎの発端となった校門へ教師達が集まっていた。

 

「ただのマスコミがこんなこと出来る?」

 

「そそのかした者がいるね………」

 

 目の前にある校門は、まるで瓦礫が崩れたかのようにボロボロ、幾重もの特殊装甲で出来た壁を崩すとなれば強力な分解系か崩壊形の個性持ち。

 

「邪な者が入り込んだか、もしくは宣戦布告の腹づもりか………」

 

 

 

どこかのバー―――――

「――――…内容は以上です。既に手はずと人員は整いましたので後は決行を待つだけです」

 

『ありがとう黒霧。では弔、思う存分やってくると良いよ。君のために用意したおもちゃも存分に使いたまえ』

 

「あぁ………ありがとう、先生」《ビルド》《エグゼイド》《クウガ》

 

 弔と呼ばれた男が、テーブルの上に置かれた3つの時計のようなモノを手に取りポケットへしまった。




今回の投稿の後にアンケート取ります。

内容は柳レイ子が変身する仮面ライダーを決定させることです。

色々悩んで、読者の決選投票で決めることにしました。色々すいません。

pixivでもアンケートを採るのでその結果のp合計で決めます。

爆豪が変身するとすればどのライダー?

  • 負ける気がしない 仮面ライダークローズ
  • プライドの騎士 仮面ライダーバロン
  • 狙いは外さない 仮面ライダースナイプ
  • 圧倒的大火力 仮面ライダーゾルダ

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