ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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08:もうひとつの幕開け

これは、私が彼女と冒険をし、そして()()()出会うまでの話。

 

ソードアート・オンライン正式サービス開始日(サービス開始1時間前)

私、桜花葉月は自室のパソコンで数時間前に返信が来たメールを再び見ていた。

βテストでどんな世界かは把握したし、あの世界で友達と言える存在もできた。

今までほとんど無かった私の『自由』を、あの世界──SAOで手に入れることが出来る。そう思うと楽しみという気持ちと、あの時友達になったコハルに対しての不安が出てきてしまう。

私は──不幸者だから。

 

 

なんて考えて少し経ち──

「はー、ずっとパソコン見てないで、そろそろログイン出来る時間になるよ?」

「ん。分かった」

姉の日和(ひより)が私にそう言ってきたため、私はパソコンの電源を落とし、ベットに横になり、そこに置いてある【ナーヴギア】を持つ。

 

もし、この世界で何が起きた時、私は何をするんだろう?

私の不幸を恨むだろうか?

……なんて、考えても無駄、私はこの世界で自由を得るって決めた。それだけは変わらない。

 

 

時計の針が12時丁度を刺す。

それを確認した私はナーヴギアを頭に装着し、ゲームログインに必要な言葉を口にする。

──リンクスタート

そう言った私はの意識は仮想の世界へと送られ始める。

 

──キャラクターデータ作成、完了

──プレイヤーデータ、獲得。

──ゲームログイン、開始。

 

そんなアナウンスが聞こえた瞬間、私の体は一瞬軽くなり、そして閉じていた目を開けるとそこには数ヶ月前にも見た【SAO】の第一層、【はじまりの街】の景色が広がっていた。

サービス開始直後ということもあって、既にかなりのプレイヤーがログインしてくる。

βテストの時にした約束を思い出し、コハルを探すけど、それらしき人は見当たらなかった。

あまり他人と関わりたくないため、何故か初期から入っていた大きめのフード付き装備を身に纏ってどこかに行こうとしたところで、私はとある人が目に入り、その人の方を見てしまった。

アバターの見た目で判断するのはアレだけど、私とほとんど変わらないぐらいの年齢と思えるその人が何故か気になってしまった。

不意に、その人も私に気が付き、目が合ったきがして私は咄嗟にその場から走り去ってしまった。

 

「はぁ……何やってんだろ私」

慌てて逃げていつの間にかフィールドに出ていた私は、身を隠せる岩場に座ってさっきの行動に後悔をしていた。

アバターがリアルに近いとはいえ、本当の自分を見られる訳でもないのに、なんなら相手だって本当の姿じゃないと思うのに、それでも何故か、「怖い」と思ってしまった。

本当は、誰でもいいから寄り添えるような仲間が欲しいだけなのに──

 

 

しばらくして私は、フードを外してそこら辺の雑魚モンスター(ボア)を狩り、レベリングをした。

かなりの時間が経った所で切り上げて転移門広場に戻って、再びコハルを探すことにした。

だけどやっぱりコハルの姿は見当たらないしどんな姿かはわからない。

はじまりの街の各地を見て回ったけど、それらしい人はいなかった。

 

──ふと、転移門広場にある大きな鐘が鳴り響いた。

その直後、私は転移門広場に立っていた。

周りにプレイヤーが青白い光とともに転移してくる、これは──?

その疑問の答えはすぐに出る。誰かが「空が──」そう言って上を見るとそこには何か書かれた六角形の赤いやつが沢山広がり、空が赤くなっていたのだ。

そして、少し間が空いたところで赤いフードの何者かが現れた。

 

そのフードは「私は茅場晶彦」そう名乗った。

そして色々と説明をしている。()()()()()()()()()()()()()ということも。

茅場晶彦、その名前は聞いたことがある。確かナーヴギアを開発したとかいう人、【アーガス】の代表的存在。

──そう、アーガスだ。

私のメールに返信してくれた人もアーガス、茅場晶彦の関係者ということだ。

──私は、騙されたんだ。

 

なんて考えていると、私の、いや、ここにいる全プレイヤー1万人の手元に手鏡が現れ、それを覗くと──

私は、現実の姿になっていた。

 

 

「なんで……」

そう口にした私の周りにも「なんやこれ」とか、「嘘でしょ……」と言った声が聞こえる。

そう言いたい気持ちはわかる、私の現実の姿は今さっきまで使っていたアバターとは全く違うのだから。

長身ではなく低身長、胸も小さくてそして目の色が──

私はそんな姿の自分が嫌いだったからこの世界で『仮の自分』を作りたかった。

今はそれすら無理になってしまったのだ。

何もかも全てを騙された。

 

「───っ!」

茅場晶彦が「では頑張りたまえ」なんてことを言って消えていった後、私はすぐにフィールドに出ていった。

騙されたことへの怒り、そんなヤツらに乗せられていた私への怒りが剣を振り下ろす。

誰も信用できない──いや、()()以外は誰も信用しない。

 

 

「いい殺戮の匂いがするねぇ……」

ふと、誰かが私にそう言った。

いつの間にか目の前に、ローブを着て深くフードを被った男が立っていた。




お久しぶりです、お久しぶりすぎです。
現在限定公開中小説制作のため、しばらくこちらの作品から離れていました。
そちらの描写の仕方に影響されてないとは言えない感じの描写になりましたが、今回からリメイク前ヒロインの葉月の正式サービス開始後の動きです(内容はリメイク後の動き)
期待を持ってログインしたゲームで、簡単に期待を裏切られてしまった彼女、その目の前に現れたのは怪しげな男……
果たして、彼女はどんな道を選ぶのか



PN:ハヅキ
Lv.3(ゲーム開始時)
装備:無名の服、ノーマルソード
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