ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
次の日(SAO第一層攻略日同日)
はじまりの街:黒鉄宮
宿で(何事もなく)ゆっくり休んだ私とコハルは翌日、タワークエストの続きをするために黒鉄宮に移動した。
そして、クエストを受注した。
Quest:タワークエスト2F
推奨:6
参加可能人数:2人
報酬:状態異常回復ポーション×5
──────
クエスト専用エリア:試練の塔(2F)
昨日の初挑戦と同様にクエスト受注時に転移した私とコハルは昨日と似た感じの古びた遺跡のようなエリアの一部屋に立っていた。
そして、このエリアにも数体のMOBがウロウロしている。
MOB:アサルトボア
見た目は第一層のはじまりの街から外のエリアに出た際、プレイヤーの前に現れる雑魚モンスターに似ているけど、アレに比べて少し大きく、さらに通常の黒っぽい毛とは違い赤色の毛をしている。
おまけに名前違う。
なんて考えながらコハルとアイコンタクトをとって一歩踏み出す、すると私たちに1番近いボアの1匹が私にタゲを向けた。
「BULL──!」
と、文字に起こすと変な感じの鳴き声のようなものを出した後、その1匹は後ろ足で2度ほど地面を蹴り、そして一気に突進を私の方にしてきた。
そこら辺によくいる青毛のボアの突進なら簡単に受け止める事が出来る、だからこの赤毛のボアも同じく───
と、軽い気持ちで防御の姿勢をとったが、ボアの突進は想像以上に強く、防御の姿勢を保ちつつ私は少し後ろに飛ばされた。
コハルが「大丈夫!?」と言った表情を見せてくるけど、コハルにも赤毛のボアのタゲが向けられていた。
「コハル!」
ボアの攻撃モーションがコハルに向けられているのに気が付き、それをコハルに伝えるとコハルは無謀にもソードスキルの構えを取った。
コハルのソードスキルが放たれる前に私の方にタゲを向けたボアが再び突進をしようとさっきと同じく地面を2度蹴っているため、同じ攻撃を阻止するために私も少し無謀だけどソードスキルの構えを取る。
ボアの突進が始まる前に私の放ったソードスキルがボアを切り裂いた。
片手直剣SS:ホリゾンタル・アーク
ソードスキルの2連撃はボアのHPを確実に減らし、そのままHPの減少は止まることなく、ボアはHPが尽きて消滅。
コハルの方もボアをソードスキルで倒した様子、だけど──
「BULL──!」
細剣にある突進系ソードスキルを使用したのか、コハルはまだタゲを向けていなかった三体のボアに一斉にタゲを向けられていた。
そして、ボア達は当たり前だけど躊躇いなど無く、三体同時に突進の前動作を始めている。
コハルは既にソードスキルの硬直は解けているはず、なのに何故か──いや、コハルの表情には見覚えがある。
「コハル──!」
私はソードスキルの硬直が解けたと同時にコハルの前にいる三体のボア目掛けてソードスキルを放った。
片手直剣SS:ヴォーパル・ストライク
「コハル、怯んでる今のうちに!」
「う、うん──っ!」
ボアは私の強襲とも言えるソードスキルに怯み、動きを止めた。
その隙にコハルがソードスキルを放てば多分倒せる……はず。
細剣SS:ストリーク
コハルの放ったソードスキルは一体のボアを突き上げた。
だけど、範囲ソードスキルじゃなかったため、2体は残ってしまった。
ボアの攻撃モーションが始まる前に私はコハルに後ろに下がるように伝え、コハルが後ろに下がったのを確認したところでソードスキルを放つ。
片手直剣SS:ホリゾンタル
ボアの突進が私たちに来る前になんとか放った単発のソードスキルは2体の体力を大幅に削り、そのままHPは尽きて消滅した。
そして無駄に壮大な音楽とともに【Congratulation!】と表示され、私たちは黒鉄宮に転移してクエストNPCから報酬を受け取った。
「……ごめんね、ハヅキ」
「大丈夫だよ、私だってあの状態なら動くのは怖いし……とりあえずこのまま次の階行こ?」
「うん、頑張ろ!」
この時何故か少し、コハルの表情は暗かった気がした。
自分のせいじゃないのに……なんて考えつつクエストNPCから次のタワークエストを受注して転移した。
Quest:タワークエスト:3F
推奨:6
参加可能人数:2人
報酬:レジスタンス・リング×2
───────
クエスト専用エリア:試練の塔(3F)
「コハル、スイッチ!」
「うん!」
転移してすぐ、私たちはタゲを向けられた。
毎回タゲが向いてない状態、もしくはタゲを向けない範囲にMOBが出てくると思っていたけどそういう訳じゃ無いみたいだ。
そして相手はスライム、第一層では見ないMOBだけど、多分第二層とかで出てくると思う。
そしてコハルの使う細剣による攻撃は、スライムにはあまり効果的とは言えない様子、もしかして……
「コハル、スライムの動きを封じて!その隙に私が倒す!」
「わかった、こっちだよ、スライム!」
少しツッコミたいけどそれは抑えて、コハルが見事に(少し無茶がある気がするけど)五体を一気に抑えてくれたため、私はソードスキルをそこに向かって放った。
2階に比べたらかなり楽に終わり、私たちはすぐに黒鉄宮に戻った。
クエストNPCから報酬を受けとり、1度黒鉄宮の端の方でその報酬を確認した。
報酬の名前は《レジスタンス・リング》、効果は【全ての状態異常に微量の耐性を得る】。
普通に有難い装備を手に入れた。
と、ウィンドウを操作しながら手に入れたリングを装備していると──
「ハヅキ、もしかしてさっきのスライムって……」
「ん?あのスライムは多分刺突系……細剣とか槍だとダメージが入りにくいんだと思う」
「そっか……次は出てこないで欲しいな」
「どうして?」
「早く倒せるけど……
「なら次は一緒に戦おう」
そんな約束をしながらクエストNPCに次のタワークエストを受注。
流れるように転移したその先には、1匹の少し大きめなボアがいた。
Quest:タワークエスト:4F
推奨:7
参加可能人数:2人
報酬:陽月の髪飾り
─────
クエスト専用エリア:試練の塔(4F)
はじまりの街の外フィールドにいるボアや2階にいたボアとは違い、攻撃は前足を上げて踏み付けるような攻撃が追加され、体格もかなり変わっている。
アルゴから送られてきたメッセージからしてこれはボスじゃなくて
こんなところで苦戦してる暇はない──!
と意気込んでいるうちにボア系統お馴染みの突進のモーションを始めた。
赤毛のボアの突進を止められなかったあたり、この大きさは確実に吹き飛ぶ、私のアバターの問題ではない、はず。
などと考えつつボアの突進を避ける。
ボアは勢いそのままエリアの壁に突進。地面が少し揺れた、あれをくらったらと考えると──
「コハル、隙が出来た、攻撃しよう!」
「任せて!」
ボアが怯んでるうちにソードスキルを当てるため、接近してソードスキルの構えを取った。
そのうちにボアが体制を立て直そうとしているのを目指したコハルは一足先にソードスキルを放った。
細剣SS:リニアー
一気に距離を縮めて単発の突き技を放ったコハルの攻撃は少しHPを削ったけど、ボアはその程度では怯まず、コハルの方に向き直って前足でコハルを踏みつけようとした。
コハルはいつの間にか左手に盾を装備してそれを受止めた。
「ハヅキ、スイッチ!」
コハルは盾で受止めたボアの足を弾き、私に指示を出した。
それと同時に後ろに下がったコハルと入れ替わり、私はソードスキルを撃ち込んだ。
片手直剣SS:バーチカル・アーク
2連撃のソードスキルはボアの腹部を切り裂いた、だけどそれだけじゃボアのHPは尽きず、再び攻撃のモーションを取ろうとする。
それを止めるようにコハルがボアの足元をソードスキル無しで数回突き刺し、ボアの攻撃は阻止された。
「ハヅキ、一緒に決めよう!」
「うん、やろう──!」
私は片手剣を、コハルは細剣を同じように構え、それぞれ似て非なるソードスキルを放った。
片手直剣SS:ヴォーパル・ストライク
細剣SS:リニアー
「はあぁぁ!」
単発の突き技はボアを突き刺すように当たった。
そして、ボアのHPは一気に減少し、そしてそのままHPは尽きて消滅。
私たちは黒鉄宮に転移した。
クエストNPCから報酬をいつも通り受けとり、それを確認する。
報酬は陽月の髪飾り、太陽の形を模した髪飾りと三日月の形を模した髪飾りの2つ。
特に効果は無いみたいだけど……
「ハヅキは三日月の形の方を、私は太陽の形の方を付けよ!」
「う、うん……」
太陽と月、嫌という程その単語は聞いてきた。
だけどコハルが悪い訳じゃないし、今はそれは関係ない……
ということで三日月型の髪飾りを頭に着けた。
「よし、この勢いで次も行こう、ハヅキ」
「うん、頑張ろう」
髪飾りを着け、再びクエストNPCに話しかける。
そして、タワークエストの5階を受注して私たちは転移した。
だけど、まさかあんな事になるなんて───
リメイクの方です。ifじゃないです。
さて、一気に3層終わらせました、尺とかその辺。
そして次回、現在解放されてる最高層に挑む2人、だけど一筋縄では行かない…
ステータスとソードスキルのまとめは次回。