ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
ログインID確認、プレイヤーデータをβテスト時の物を使用。
プレイヤーID【******】、プレイヤーネーム【ラギ】
《ソードアート・オンライン》のログインを開始───
welcome to SwordArtOnline!!
「………よし」
入れるかの不安を感じながらもVR世界に意識を送った俺はいくつかのログイン準備のようなものを終え、制作側としてαテスト、βテストを行っていた時のIDからその時のアバター、《ラギ》を使用することが出来た。
そして入れるかの不安はすぐに無くなり、そのまま俺はVR世界に入り込んだ。
ログインした俺がいるのはこの《ソードアート・オンライン》の舞台、《浮遊城アインクラッド》第一層、サービスが開始されたあと全てのプレイヤーがお世話になる《はじまりの街》。
ここには武器やその他必須アイテムが販売されている《商店通り》、敗北したプレイヤーが
「さて、なぜ入れたのかはわからないけど街に異常がないか確認するか」
俺は転移門広場から街の中にある各地に移動し、不具合の確認を開始した。
とはいえ、30分程で他のプレイヤーもログインしてくると考えると細かく見ることは出来ないな………
そんなことを考えながら商店通りに行くとそこには既にNPCの店員が各店に配置されていた。
と言ってもまだ正式にNPCが稼働している訳ではなく、近づいても話しかけても全く反応しない。
そしてもちろんのこと、NPC以外には人の気配はしない。
異常がないことを確認した俺が次の公園エリアの確認を終えたところで時刻は12時、大きく金が鳴り響いたと同時に転移門広場の方が少しずつ騒がしくなっていった。
12時と同時にソードアート・オンライン、もといSAOは正式サービスを開始、なんのメンテナンスもない限りはこのままアーガス内で交代制でサーバーの管理を続けるため、24時間無休でゲームを遊ぶことが出来る。
もちろん、その話は世間でも話題になり、12時のサービス開始と同時にログインを開始するプレイヤーが多数いる、というかそういうプレイヤーがほとんどだ。
【転移門広場】
サービス開始から間もないというのに既に転移門広場は大勢の人で賑わっている。
βテスト未経験者は街の至る所を見て回り、βテスト経験者は何人かのパーティを作ったりして広場から第一層のエリアへと出ている。
「今のところ変なプレイヤーもいな……ん?」
人混みをかき分けつつ商店通りの方へ向かおうとしていると俺の視界に俺を見てきているフードを深くかぶったプレイヤーが見えた、が直ぐに見失ってしまった。
商店通りの外れ、路地裏のようなところにある繁盛しなそうな店を覗いていると、奥から2人の男性プレイヤーの声が聞こえてきた。
俺はすぐにその声のする方に向かい、2人のプレイヤーが目視できる位置に隠れて会話を聞いた。
「な、お前さんβテスターだろ?頼む!俺に戦い方を教えてくれ」
「……お前は」
「俺は《クライン》、よろしくな」
「俺は《キリト》だ」
赤っぽい髪の少し若そうな男性の方がもう1人の青年、キリトと名乗る男に剣を習おうと頼んでいたらしい。
キリトは仕方なくと言わんばかりにため息をした後、もう1人の方、クラインの名前を聞き、自分もその後に自己紹介をした。
(あっちのキリトとか言う奴、βテスターか……他プレイヤーの遊び方を見るって意味も込めて俺も参加するか)
俺は(一応)アーガスの管理者ということを頭に入れ、他プレイヤーとの接触的なことをするためにキリトたちに話しかけた。
「なぁ、俺も一緒に教えてくれないか?始めたばかりで操作とかあまり分からないからさ」
「……だそうだ、クライン、お前はどうする?」
「キリト大先生の教えだ、仲間も多い方がいいだろ、ってことでよろしくな、俺はクライン!」
「俺はキリト、よろしく」
「俺はラギ、よろしくな二人共」
こうして俺はキリト大先生(?)とクラインと共にフィールドに出て俺は初心者の振りをしながらキリト達の特訓に参加した。
移動した先は第一層、はじまりの街の門から出たところにあるフィールド、【原始の草原】
そこの少し奥地にある見晴らしのいい高台のようなところ、そこにはMOB、【ボア】が複数体ポップする、知ってた。
「せやぁ!」
「クライン、もう少し腰を落として
キリトがタゲを取って引き付けたボアをクラインの方に向かわせ、それをクラインが攻撃、だがクラインはソードスキルを放つことすら出来ない様子でキリトにコツを教わっている。
その間に俺は「自主的にやってる」と話してちょっとだけレベリングを開始。
「はァァァ!」
俺は片手直剣を持つ右手にキリトの言うイメージ、もとい力を込めてソードスキルを放つ。
片手直剣SS:スラント
放ったソードスキルは見事にクリティカルヒットをしたらしく、いい音(?)と共にポリゴンの欠片となって消滅、と思いきや近くにもう一体がポップした。
気がついた頃には俺は囲まれていた。
「はぁ……クライン、キリト、手助け頼む」
「おう、任せろって……なんだその数!?」
「タゲが集まったとしてもその数はおかしいだろ」
俺もおかしいと思う数のボア、一体一体の攻撃が遅いから避けられるがこれが上層で同じ状態になったらかなり辛い、辛すぎる。
そんなことを考えながら、やっとソードスキルを放てるようになったクラインと手馴れた動きのキリトと一緒に大量のボアを討伐した。
その後3人で練習兼レベリングを終え───
「よーし、今日は助かったぜ、またよろしくな……っと、ピザの宅配頼んでるんだった、今日はこれで落ちる──って、あれ?」
「どうしたんだクライン──って」
2人がウィンドウを開いた後、何かに気づいたのかしばらく停止、何があったのかと思い俺もウィンドウを開く、そして2人が停止した理由がわかった。
「ログアウトボタンが無い………!?」
ウィンドウのいくつかの項目の中の1番下にあるはずの【ログアウト】ボタンが無くなっていた。
この3人だけではなく、俺たちの周りで狩りをしていたプレイヤーからも「ログアウト出来ねぇぞ!?」などという声が聞こえる。
つまり、全プレイヤーのウィンドウからログアウトボタンが消滅したという事だ。
「こりゃ、運営にクレーム殺到だろうなぁ……」
「それより、お前ピザどうするんだ?」
「そうだ、俺のピザ……冷めたピッツァなんてネバらない納豆以下だぜ」
クラインの言ってることは無視して、こんなことαテストの時ですらなかったのに一体何が起きてるんだ?
アーガス内には白澤先輩や変た──いや、木田先輩も残ってるはず、あの二人がいてこんな事態になるなんてことは───
と、俺が考えているとそれをかき消すかのようにはじまりの街の鐘が響いた。
それと同時にクライン、キリト、俺の順でどこかへ転移させられた。
俺達が転移させられたのははじまりの街の中、転移門広場だ。
俺たちだけでなく他のプレイヤーも次々と転移してくる。
「強制転移か……!」
キリトがそう呟き、広場から転移の音が消えたと思ったその時──
空が赤く、いや──六角形の赤い表示が空を覆い、それと同時に転移門広場の真上に赤いフードの何者かが現れ、そしてこう言った。
「SAO、デスゲームへようこそ、私はこのゲームの管理者、茅場晶彦だ」
長らくお待たせしました第一話、剣の世界です
どこまで書こうか、どんな感じにしようかと迷っていたらこんなに期間が開きました怖い
ラギのステは次回、本格的なスタートを迎えたら描きます。