ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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読む前に注意です。
夕立の霧雨はリメイク前にも登場はしてますが、1部改変があります。
あとメンバーが違いますが消された訳では無いです。


20:少数ギルド

第二層:ボス部屋

 

「さて、改めて……なんか巻き込んだみたいだな、ごめん」

キバオウたちが去ったのを確認した男性プレイヤーは私とコハルの方を向き頭を下げてきた。

そんなことない、と伝えると「それなら良かった……」と安心し、そして言葉を続けた。

 

 

「とりあえず自己紹介だな。()は《ライム/raimu》、そしてこっちが……」

「はい!私は《シズク/shizuku》!よろしく!」

「2人は知ってると思うけど私は《カエデ/kaede》、改めてよろしく。」

と、男性プレイヤー……ライムとシズク、そしてカエデの3人が自己紹介をしてきた。

私とコハルもそれに答えるように自己紹介をしたその時。

 

「……自己紹介はいいと思うけど、とりあえず君たち安全圏に行った方がいいんじゃ?」

「キリトくん、タイミング」

 

てっきり先に次の層に向かったと思ってたキリトとアスナが移動を提案してきた。確かに、今いるのは安全になったとはいえ何が起こるかわからないボス部屋だ。

ということで安全圏、もとい次の層の転移石を使ってはじまりの街にある湖畔公園に移動した。

転移前にキリト達とは別れ、私とコハル、そして《夕立の霧雨》と名乗った3人が湖畔公園に集まった。

 

 

「それで3人は《夕立の霧雨》?っていうギルドに入ってるの?」

湖畔公園の木陰のある場所に到着したところでコハルが先に質問を飛ばす。

すると、シズクが苦笑いを浮かべながら質問に答えた。

 

「大規模なギルドに入ってる訳じゃなくて、私とライムとカエちゃん、この3人がメンバーなの。だからあのトゲトゲの人も名前聞いた時なんの反応もしなかったでしょ?」

言われてみれば、ギルドに関してはあまり気にしてなかった私は別として、キバオウたちはギルドを作ってたみたいだけど、夕立の霧雨と聞いても特に反応はなかった。

それは、大規模なギルドではなく、3人で結成されているギルドだから。

それにしても………

「3人でギルドを……?」

「やっぱそういう質問になるかぁ……」

 

シズクは芝生に座りながら少し困った様子で一瞬考えてから言葉を出した。

「大きなギルドに入ると、コンビネーション?とかそういうのがごちゃごちゃしちゃうのと、私たち3人で一緒にやるって決めたから他のギルドと組むってことはしないことにしてるんだ。ただ……」

「……?」

「さっきのボス戦の時はあの黒い装備した人とかハヅキちゃん達がいたから良かったけど、これから先の層はさすがに3人だけだと辛くなるのは予想出来て、それで誰か一人、多くて2人のメンバーを追加、せめて1()0()()()()()()()のサポートみたいなのを頼める人がいないか探してたんだけど」

「生憎、さっきのトゲトゲのギルドや【ドラゴンナイツ】?とかいうギルドの結成にみんな気を引かれて、誰も入ってくれなくてさ」

「それで、いきなりで答えてくれるかは分からないけど……ハヅキちゃん、コハルちゃん、もし良かったら私たちのギルドに入ってくれないかな?」

 

 

どこかのタイミングで聞かれる気はしたけど、まさか本当に言われるとは思わず、1度コハルと話し合い、どうするかを決めた。

そして、私とコハルが出した答えは──

 

「気持ちは嬉しいんだけど……それに助けてあげたい気持ちはあるんだけど、私もコハルも、ギルドには入ろうって気持ちはないし、そもそもそこまでの実力はないから夕立の霧雨には入れないかな……」

「うん、ありがとう。答えが貰えて嬉しいよ」

「シズク……?」

「追加メンバーはまた次の層とかでも探してみるよ。……もっと話してたいけどお互い自由時間は欲しいからね、私たちはここら辺で失礼します。またボス攻略の時にでも会お!」

一瞬表情が曇ったシズクは、まるで無かったことかのように表情を明るくし、芝生から立ち上がった後、私に満面の笑みを見せながらそう言ってきた。

「うん、また会おう」

「ほんと、色々と迷惑かけたかな……まぁ、シズクはいつもこうだから。それじゃまた。」

「またね!」

 

 

 

夕立の霧雨の3人がそれぞれ挨拶をしてその場を去っていった時には既に湖畔公園は夕暮れに照らされていた。

 

夕立の霧雨。

まるで夕立のように突然現れて、霧雨のように薄かった。

 

 

「申し訳ないことしちゃったかな……」

「大丈夫だと思う、あの3人なら。確証は持てないけどそんな気がする」

夕日を見ながら不安そうに聞いてきたコハルにそう答える。

すると、コハルが突然私に抱きついてきた。

 

「ねぇ、ハヅキ……わがままだって言うのはわかってるけど……明日1日だけ、攻略から離れてもいいかな……」

「コハル……?」

「明日はずっと……ハヅキとゆっくりしたい」

 

そう私に伝えてきたコハルの声が、体が少し震えているような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃。

はじまりの街、宿屋の一部屋。

 

「結局、あの黒装備の人ではなかったの?」

「うん、違った」

「カエちゃんの『ボス戦に必ず来るはず!』は外れたね……まぁ、気長に探そ?」

「そうだね……」

 

「(先輩……無事ですか……?)」

 

勇敢にも攻略に参加した少女は、未だ会えずにいる想い人のことを考えていた。

 

 

 

そしてまた、別の場所にて。

 

「……ったく、あのNPC、()()()()()()()()()()に出た挙句3人パーティで話しかけないといけないなんてな」

「それもそうだけド、ルー坊、あのNPCを見た途端1度停止したダロ?何か隠してるのカ?」

「……いや、何も」

 

ボスが攻略されたのを確認し、安堵していた少年は、少し前にあったNPCのことを思い出していた。

 

「(あれは俺の間違いじゃなければ………)」

 

──MHCPだ。

 

だが、そのNPCが彼らに関わるのはまだ先の話。




夕立の霧雨プロフィール(第二層攻略終了時)


シズク/shizuku
性別:female
Lv.14
武器:片手直剣
容姿:少し空色の混ざった黒髪ショートヘア


ライム/raimu
性別:female
Lv.15
武器:片手直剣
容姿:空色の髪、ショートボブ
(地毛ではなく、カラーチェンジ)


カエデ/kaede
性別:female
Lv.14
武器:片手直剣(今は)
容姿:栗色の髪(ショートボブ)と栗色の瞳。
(自称常識人)


──────

夕立の霧雨という
まさに名前の通りのメンツが集まった謎深きギルド。
彼女らは3人でやるといいつつ実力が足りないことを不安視している模様。
だけど、ハヅキ達もまた、2人で攻略を進めると誓っている以上、手伝いたくても手伝えない──
彼女達はこれから先、どう関わるのか、必見です。


そして、前回冒頭から不安要素をばらまいていた彼女が、安息を迎えたタイミングでハヅキに寄り添う───
一体彼女は、何を思い、何を伝えるのか。



(その後に色々入れましたが、次回はハヅキたちのルートのままです)
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