ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

3 / 130
02:デスゲームの幕開け

───デスゲームへようこそ

 

 そう言った赤フードは続けてこういった。

 

──私はこのゲームの管理者、茅場晶彦

 

 そう、茅場晶彦、SAOを作りだした男であり俺が働いているアーガスでは開発の指揮を取るほどのお偉いさんだ。

 このフードの男はそんな人の名前を語った、それもこの世界を【デスゲーム】などと言いながら。

 

 だが偽物などではない、いくらゲームだと言えども声だけは変えられない、フードから発せられる声はアーガスの中で会話をしている時の茅場晶彦そのものだ。

 

 

「君たちは既に、ウィンドウ画面からログアウトボタンが消滅したという事に気がついていることだろう、これは不具合やバグなどではない、このゲームの本来の()()なのだよ」

 

「仕様だと……!?」

 

 茅場の言ったことをキリトは少し戸惑いながらリピートした、戸惑う理由は明白だ。

 周りのプレイヤーも「サプライズか?」とか「嘘だろ、ドッキリとか言い出すんだろ」などと言っている、多分だがサプライズなんてことは無い、あの男は()()だ。

 

「ログアウトすることは不可能、そしてナーヴギアを頭から離そうとしても無駄だ、既に被害が出ているがそれも直ぐに拡散され誰も外部からログアウトするなどということはしないだろう」

 

「何が言いたいんだ……?」

 

「このゲームでは()()()()は出来ない、つまり死んだら現実でも君たちは死を迎えるのだ、君たちがこのゲームからログアウトする方法はただ一つ、このゲームの第100層までクリアすることだ」

 

 茅場は2つほどの重要なことを一気に言い放った。

 このゲームで死ぬ、つまりゲームオーバーになると死に戻りせず、現実世界でも死ぬ、周りの人間は不可能と思っているがそれは違う。

 このゲームにログインするための機械、ナーヴギアは脳へ強力な電磁波を送ることが出来てしまう、その危険性に関しては開発時点で言われていたのだが、それを直そうとするとSAO発売が5年ほど遠ざかると言われてしまい妥協、その結果、万が一が起きないように何度もテストを重ねていた、まさかその機能がこんな使い方をされるとは……

 

 そしてもうひとつ、この世界から出る条件、第100層のクリアだがそれ自体もβテストでは6層が限界だった、それ以上は未知の領域だ。

 もちろん茅場晶彦はそれを知っている、だからこそそういう条件を出したのだろう。

 

「このゲームをクリアするために頑張りたまえ、最後に君たちに私からプレゼントを送ろう」

 

 茅場がそう言うと転移門広場にいる全プレイヤー、約1万近くの手の中に手鏡が出現し、そして直ぐにその手鏡から光が放たれた。

 

「おめぇ、キリトか!?」

 

「そういうお前はクラインなのか……?」

 

「………そういう事か」

 

 光が消えたと思いきや、広場にいるプレイヤー全員、見た目が変化し、全員が混乱した。

「お前男だったのかよ!」とか聞こえるがそれはさておき、この見た目は多分、現実世界と同様の見た目のはずだ。

 ナーヴギアからSAOにログインする際、体の形や目の位置、その他顔のパーツ全てをスキャンした、何故そんなことをしたのか今更理解した。

 

「ラギ、お前も見た目変わってるぞ、って言うかこれ俺の顔なんだけどどういうこった?」

 

「スキャンだ、詳しくは言わないが……俺達は最初からはめられてたんだよ」

 

「はめられてた?」

 

 茅場がどんな気持ちで俺らを現実世界の姿にしたのか、それはわからないが俺なら確実に『自分自身の姿なら死の恐怖を一層感じられる』と考える。

 もし茅場が俺と同じ考えを持つとしたらこの見た目にしたのも納得は行く、だからといって許されるわけないんだが。

 

「君たちの健闘を祈る、さらばだ」

 

 そう言い残し、フードの男もとい茅場晶彦は空を覆った赤いエフェクトと共に消滅した。

 俺たちの周りからは「そんなの嫌…」と言う人や「んな馬鹿なことはねぇだろ!?」と嘆く声が聞こえる。

 

「ちょっと来てくれ」

 

 周りの表情などを確かめていると不意にキリトが俺とクラインの腕をつかみどこかに向かい始めた。

 その移動途中、サービス開始直後に見たフードを深く被ったプレイヤーが見えた気がした、が話しかける暇もなく俺はキリトに路地裏へ連れられた。

 

 

 

「いきなりすまん、だけどあそこにいたままじゃ考えもまとまらないと思って………それで2人共、一緒に来ないか?」

 

「いや、俺は別ゲームで一緒にやってたギルドメンバーがいるからそいつらを置いてけねぇ」

 

「俺もまだ考えがまとまってないからしばらく1人でいることにするよ、キリトの誘いは嬉しいけど」

 

 路地裏に着いた俺たちはキリトから一緒に行こうという誘いを受けた、が俺もクラインもそれを断った。

 キリトは「分かった」と小さく呟いた後、フィールドに向かう門がある方に歩いていこうとした、それをクラインが呼び止めた。

 

「キリト、てめぇ案外可愛い顔してんじゃねぇか」

 

「……そういうお前は老けてるな、またどこかで会おう」

 

 クラインの言葉を軽く返したキリトは最後に無駄にかっこつけた後、そのまま街の外へ歩いていった。

 残った俺とクラインもそれぞれ別れて各自の目的地に向かった。

 

 

 俺はキリトがフィールドに出てから少し時間差をつけてフィールドへ出てモンスターを倒しながら考えていた。

 今まで尊敬していた、そんな人にこんな形で裏切られるなんて思ってもいなかった、そんなことを考えていた。

 

「くそっ……!何が尊敬だよ……」

 

 俺は自分自身がバカバカしく感じ、その怒りをモンスターにぶつけた。

 そしてそれと同時に決意した、俺は───

 

「絶対生き残ってこの世界をクリアする、誰にも負けねぇ………!」

 

 

 

 

 そんな決意からすでに1ヶ月が経過した。

 未だ、第一層はクリアされていない────




至る所の説明省いたとかそんなことはございません、決してございません
リメイク版ということもあり変化を至る所に付けようと考えていると気がついたら更新間隔空いてる、怖い
次回は早くも会議、のはず


ラギ:SAO開始時
Lv.1
武器:片手直剣:ノーマルソード
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。