ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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25:大型雑魚モンスター

第5層:荒廃の遺跡群

ハヅキ目線

 

「みんな避けて!」

 

徐々に巨大化しているスライム型のMOBとの戦闘を開始した私たちに気づいたスライムは自分の体(スライム)を飛ばして攻撃をしてきた。

接近しようとするほどその攻撃に被弾する可能性が増えて危険を伴っている。

そして、もう1つの問題がすぐに発生した。

 

大型スライムが飛ばしてきたスライムが一体のMOBとして私たちにタゲを向けたのだ。

さらにもう1つ。

スライムを体から飛ばしたはずのアレの体積は減るどころか増えている、このまま時間をかけていれば私たちはスライムに囲まれて為す術なくゲームオーバーとなる。

何とかしてこの状態から抜け出さないと……

 

 

「ハヅキさん、コハルさん」

「シリカ……?」

途方に暮れていた私にシリカが声をかけてきた。

そして、1つの提案をしてきた。

 

「でも、それじゃあ……」

「私とピナなら大丈夫です、なのでお2人はあちらをお願いします!」

「……わかった、すぐに倒す」

「──はいっ!」

少し不安そうにしていたコハルとアイコンタクトをとり、目の前にいるスライムだけを倒して攻撃が通ることを確認しながらボスに向かって再び接近、もちろんそれを大型スライムが見逃すわけなく、私たちに向けてスライムを飛ばしてきた。

 

「──ピナ!ブレス!」

私たちに向けて飛ばされたスライムは後ろでスライムを一掃し終えたシリカ、そのテイムモンスターであるピナのブレス攻撃によって防がれ、そのまま消滅。

 

 

 

──私があのスライムから飛んでくる小さいスライムを倒します、その間にお2人で本体であるあの大きなスライムを倒してください

 

シリカはさっきそう言った。

私もコハルもそれは危険だと止めたけどもシリカは「大丈夫」と言って私たちに大型スライムの討伐を任せてきた。

もちろん、大型スライムがシリカに集中して攻撃をすれば対処出来なくなる可能性がある。

だかるこそ、シリカは私たちを()()()討伐を任せてきたんだろう。

 

「コハル、アレに攻撃が通るかを確認する!」

「うん、わかった!」

私は地面を蹴って一気に接近し、ソードスキルを叩き込んだ。

攻撃が通ったと思ったその時、スライムの体が変形して剣を避けた。

そして、ソードスキルの硬直により動けなくなった私に目掛けてスライムが触手のような物を伸ばして私を巻き上げてそのまま上に持ち上げられてしまった。

 

「ぐっ……うぅ……」

締め上げが徐々に強くなり、私はHPの減少とは別に、息が出来なくなった。

コハルとシリカが何とかして触手を切ろうとしているみたいだけど、それすら把握出来ないほどに私の意識は少しずつ薄くなって行った。

 

(このままじゃ……)

意識が暗闇に落ちる寸前、私の脳裏に誰かの声が響いた。

 

──諦めるな。

──戦え。

 

その声が聞こえた瞬間。

私の体は一瞬軽くなり、直後、私は誰かに受け止められた。

 

「──キ!──ハヅキ!」

薄れかかっていた意識が戻り、目を開けると、私の目にはコハルが映った。

()()が飛ばした剣が触手を切り落として私は助かり、そこから落下した先でコハルに受け止められたようだ。

 

「……ありがとう、コハル」

「うん、でもどうやって勝てば……」

「──私に策がある」

「──?」

私はコハルにあることを伝えた。

スライムの攻撃を防ぐ、そう言ったシリカの時以上に心配そうな顔をしたコハルを慰めて私はその『策』を決行するために行動を開始した。

 

「コハル、タゲ取りお願い!」

「──うん!」

 

私の策、それは──

 

大型スライムの近くにあった瓦礫の上に乗り、さらにそこの近くにある柱に飛び移り、そこから大型スライムに接近。

それでもまだ足りない。

 

(もっと、もっと()()………!!)

自分の身軽さを活かしてさらに上にある柱に飛び乗った。

 

(ここからなら……行ける!)

私は登った柱から身を投げて大型スライムに向けて落下。

そして、剣を目の前に構え、勢いを付けて大型スライム──の内部にあるコアのようなものに剣を突き刺した。

 

一瞬、時が止まったような感覚に陥ったその直後、大型スライムは光り輝き、そして──

 

ポリゴンの欠片となり消滅した。

 

「コハル───!」

私がそう叫ぶと、私の体はコハルに受け止められた。

 

 

「ハヅキ……ほんとに心配したよ……」

「ハヅキさん!さっきの凄かったですよ!」

「2人とも、ありがとう……」

 

駆けでしか無かった私の作戦は、コハルとシリカがいてくれたからこそ成功したようなものだ。

そんなことを考えながら、スライムを倒したことにより通れるようになった道の先へと進んでいった。

 

 

「それにしてもシリカちゃんとピナ、凄いね」

「えへへ、ありがとうございます」

「きゅるる!」

 

そんな二人の会話を聞きながらもフィールドを歩いていると、不意に誰かの気配がした。

 

「おっと、立ち止まったら危ねぇぜ?」

「──っ!」

 

嫌な予感は直ぐに的中し、私の目の前に突然、黒ケープに身を包んだ男が現れ、短剣をかすらせてきた。

その直後、私の体は痺れ、その場に膝を着いてしまった。




はい、同日2話更新。
それぐらい暇なんです。


スライムを倒した3人に嫌な気配が───?
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