ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
第5層:荒廃の遺跡群
「ハヅ──「おっと、動かねぇほうがいいぜ?」
「コハルさ──「おめぇもな?」
私の後ろを歩いていた2人の声は同じく黒ケープに身を包んだ2人に遮られ、そしてそのまま身動きが取れないようにされてさらに喉元に短剣を突きつけられていた。
「……それじゃあ今回の
「お前たちは誰───「んなもんてめぇらは知らなくていいんだよ」
私が私の目の前に立つ男に質問を投げた瞬間、男は無防備な私の腹部に蹴りを入れてきた。
「ほら、立てよ?まだまだ俺たちは楽しめてないんだから──よっ!」
麻痺で動けなくなっている私の両腕を掴み、そのまま持ち上げられた私の腹部を男は何度も殴ってきた。
「ハヅキ──ハヅキ!」
そんなコハルの声が聞こえた。
「お仲間に危害を加えられたくなけりゃ、わかるよなぁ?」
「……私は屈しない」
「へっ、いいねぇ、そう言う態度のやつを服従させるのが最高なんだよ!」
男はさらに何発も私の腹部を殴ってくる。
私のHPは徐々に減っている、それでも男は殴るのを止める様子は無く、私は何度も殴られ続けていた。
「ハヅキ……もういいよ……やめてよ……」
「ハヅキさん……」
2人が私のことを呼んでいる。
私は「大丈夫」と、そんなことを目で訴えた。
その時だった。
「──PKはそこまでにしとけよ」
そんな声とともに、男達の背後にプレイヤーが立っていた。
「なんだてめぇら!」
「おっと、俺たちだけじゃねぇぜ?」
コハルの動きを抑えていたプレイヤーの後ろに立った男性プレイヤーが剣を抜き警告のように仲間が来てるということを伝えると、シリカを抑えていたプレイヤーとコハルを抑えていたプレイヤーの2人は手を離して助けてくれたプレイヤーと交戦を始めた。
そして、私を抑えていたプレイヤーの背後にも、誰かの気配が──
「ありがとな、クライン達!」
そんな声とともに、男の背後には
その赤い光はソードスキルの光で、そのまま私の腕を掴んでいたは私を離して攻撃を防いだ。
「ハヅキ!こいつらは俺たちで何とかする、HP回復して2人のそばにいろ!」
「──わかった!」
私を助けてくれた声の主の支持にそう答え、投げられたポーションを受け取りHPを回復する。
そして、周りを警戒しながらもコハルたちの近くに寄る。
「ハヅキ……大丈夫?」
「うん、私は大丈夫……」
「それで、今の人達は……」
「わからないけど、しばらく待っていようよ」
遺跡の奥に走っていった
「ふぅ、あいつら足速いなぁ……」
「それより、だ、あんたら大丈夫か?」
遺跡の奥から赤髪の男性とスキンヘッドの(かなり)大きい男性の2人が歩いてきた。
そして、それに続くように見覚えのあるプレイヤーが1人歩いてきた。
「ありがとう」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
「おうよ!無事で何よりってな」
「あぁ、それより自己紹介がまだだったな」
赤髪の男性の名は《クライン/cline》、スキンヘッドの男性が《エギル/egiru》というらしい。
私達も自己紹介を終えると……
「そんな事よりよォ、ラギ、あいつら何を目的に動いてるんだ?」
「プレイヤー狩り、言い方の問題だがPKだ、それも
「それにこの3人は巻き込まれ、ハヅキがあんな目にあってたってことか」
「去ってくれたからよかったが、下手すればどっちかの──いや、この話はやめよう」
ラギはなにか嫌な気がすることを言いそうになったところで言葉を止めると、そのまま遺跡の奥の方を見て言葉を続けた。
「追いかけていた時に見たが、多分すぐに第5層の迷宮区攻略が開始になる、俺は行くがお前たちは──聞くまでも無いか」
「わりぃが俺はギルドの仲間とレベリングする約束あるから攻略への参加はまたにしておくわ」
「俺も、色々と他に準備することがあるからパスだ……と言いたいが俺は参加する」
ラギの言葉に対しクライン、エギルの順で発言をした。
それを聞いたラギは次に私たちの方を見てきた。
「私達も参加するよ、もちろん」
「はい、私も参加します」
「わ、私も!」
「きゅる!」
と、シリカを含め3人とも参加の意志を伝えた。
「わかった、それじゃあエギル、コハルとシリカを連れて先に行っててくれ」
「ん?わかったが……」
ラギはエギルに先に行くようにと伝えた。コハルとシリカを連れていくようにと言って。
「ラギ……?」
「……ちょっと話したいことがある」
3人が先に行ったのを確認したあと、ラギは真剣な表情で私の方を見てきた。
「さっき、無差別でプレイヤーを殺す、そう言っただろ?」
「うん……」
「あれは1部のプレイヤー狩りだけだ、お前らを襲ったプレイヤーは──」
──お前を狙ってる。
「……そんなことがなんでわかるの?」
「お前、第4層のフィールド攻略で使っただろ、
「あ……でも、それだけじゃ──」
「あぁ、あいつらがお前に目をつける可能性は低い、だがもしあいつらの仲間、もしくは
ラギの言うことに1つ、心当たりはあった。
第1層で遭遇したあのプレイヤー、アレがさっきのあのプレイヤー達に──
「それより、アルゴ達は?」
「遺跡の内部の構造とかを見たあとにルナを守るために帰ってもらった、っていえば納得するか?」
「……なんでアルゴが前線に来たの?」
「まぁ、あいつが前線に来ることは普通に無いからな、あっても攻略後だし……あいつにもプレイヤー狩りの捜索を手伝って貰うつもりだったんだ、結局帰ってもらったあとにあの二人が入れ替わりできた感じだけどな」
「なるほど……」
「信用してないならいいよ、何も信じな「信じるよ」
「…はぁ?」
ラギに色々と質問したあと、ラギの言葉にそう返した。
私はアーガスが、この世界を作ってデスゲームにした茅場晶彦という男を許していない。
そして、アーガスの社員という彼のことも信用したくはなかった。
それでも、彼は私を助けようと何度も動いてくれた。
管理者権限とかいうシステムを持っていながらも
「……私はあなたを信じる、信じてるよ、ラギ」
「そっか、ありがとな、ハヅキ」
そんな会話をしたあと、私は謎の緊張に襲われたのはここだけの話……
「……頑張れよ」
ラギが何かを呟いた気がした。
「……えっ?」
「いや、早く行こう、攻略が始まるぞ」
「あ、うん──」
気のせいだったのか、ラギは遺跡の奥に向かって歩き出していった。
それに少し遅れて私もついて行った。
まさかの同日3話更新
IFやってた人なら似たシチュ知ってるでしょう。
そう、それです。
次回、第5層迷宮区攻略開始!