ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
SAOサービス開始前
アーガス社内
「先輩、このボスなんですけど……」
「楓、俺はそっちの設定は仕事外なんだけど……それで、このボスがどうしたんだ?」
「一定ダメージを超えるとバリアを貼る、ってなってるんですが、それを攻略するための攻撃手段がないんです」
「……あぁ、それはあの変──いや、木田先輩が適当に決めたヤツだからな、とりあえずこうして───」
迷宮区に入る前──
「いいか、この階層のボスはえっと……『深き眠りについた王、その眠りを妨げるものの攻撃を全て防ぐ力を持つ者』、つまりは……どういう事や?」
「……言った通り、攻撃は通らないってことだろう、そこでこの武器だ」
「短剣にしか見えへんけど……それがそっちの獲得した武器、ボス攻略に必須のアイテムってところか」
そして、現在。
ボス部屋に入った私たちの目の前に現れたのは髑髏頭の古びた王冠を頭に着け、四つん這いで歩くバケモノだった。
これがさっきキバオウたちが言っていた深き眠りについた王というやつだろう。
そして、私たちがその眠りを妨げる者ということになる。
「前衛は攻撃に注意しながらガード!中衛はその隙に攻撃を入れるんや!後衛もタイミングを見て攻撃してくれ!」
キバオウの指示で私たちの前にいたプレイヤーたち──多分キバオウのギルドメンバー達──ともう一人の男性のギルドメンバーが一斉にボスに攻撃を始めた。
私達もそれに続き攻撃をしようとしたその時──
ボスの動きが止まった、そう思った瞬間、ボスは突然立ち上がって──
「──お前ら、下がれ!」
そんなラギの声が聞こえた時にはボスは
立ち上がったボスはそのままもう一度地面に倒れた。
その衝撃でボスの周りの地面の一部から衝撃波のようなものが飛んできたのだ。
それをもろに食らったプレイヤーは数名で済んだけど、それでもそのプレイヤーたちは致命傷、あと一撃でも喰らえばHPは全損するだろう。
「ハヅキちゃん!私達も手伝うよ!」
そんな声が聞こえ、ふと横を見ると、シズクとライムの2人が剣を持ち立っていた。
「ありがとう、でもカエデは?」
「カエちゃんはダメージを負ったプレイヤー達の回復に回ってる、だからその間に私たちでボスの体力を減らそう!」
「……わかった、行こう!」
そんな会話を終え、シリカを含めた私たち5人は一斉にボスに攻撃をした。
さっきの攻撃を発生させないように気をつけつつダメージを与えていたところで、キバオウのギルドメンバー達もボスへの攻撃に参加してきた。
「……よし、私も本気で───」
ボスのHPが半分を切ろうとしたその時。
再びボスが立ち上がったのを確認し、全員が後ろに下がり、ボスの攻撃に対処しようと行動した瞬間。
「ハヅキ、コハル、お前らはボスの足止めを手伝ってくれ!──最悪な事態になった」
「どういう事……って何あれ──」
私よりも前方にいるラギの声に答え、シリカと夕立の霧雨の2人に下がってもらい、ボスの方を向いた、すると──
立ち上がったボスの周りには複数のクリスタルのようなものが出現し、それに守られるかのようにボスにバリアのようなものが展開されていた。
「ラギ、あれは何!?」
「あれは──本来、破壊不能オブジェクトのクリスタルだ」
「それじゃあどうやって……」
「俺に策がある、そのためにも時間を稼いでくれ!」
「……了解、行くよ、コハル!」
「……うん!」
ラギの言う策、それを信じて私とコハルの2人でボスの行動を止めようと前に出た。
でも、バリアに守られたボスの攻撃は防ぐことさえ不可能で、足止めどころの話ではない。
「ラギ……さすがに無理だよ……!」
「ラギさん……!」
「待たせ───
──任せろ。
ラギが何かを言おうとしたところで、誰かの声が聞こえた。
その声は私にしか聞こえていなかったみたいで、他のプレイヤーはなんの反応もしていない。もちろんラギも。
そして、その声主と思う人物が私たちの目の前に立っていた。
「……月下葉、俺に力を───」
私たちの目の前に立った
その直後、ボスの周りにあったクリスタルは突如砕け散り、それによりボスは怯んだ。
感謝を伝える暇もなく、
(今のは───)
「……ハヅキ!何が起きたんだ!?」
「……わからない、でもこれならあとはバリアを壊すだけ」
「キバオウ、お前の出番だ!」
私以外に見えなかった
「わいに命令するんやないわ!……ええい!さっきのお返しじゃ!」
キバオウの手には迷宮区に入る前に出していた
それをボスのバリアに当てた瞬間にボスのバリアは消滅、さっきのクリスタル破壊による怯みに加えさらにボスは怯んでいた。
「今度こそ一斉攻撃!前衛も後衛も関係なしに畳み掛けるんや!」
そんなキバオウの指示を受けて、ギルドとかそういう関係を無視して一斉に攻撃、ソードスキルを打つ人や通常の連撃で攻撃するプレイヤーまで複数人、その攻撃を受けてボスのHPは一気に減っていき……
【Congratulation!】
という表示とともに盛大なファンファーレが鳴り響いた。
そして、LAを取ったのは………
ラギだった。
ラギはそれを確認したあと、キバオウに何かを話すと……
「……なんや、ラギはん、わいは受け取らんで」
「そうかい、あんたも変わったな」
「……まだわいはビーターのことは許しておらんがな、LAを取ったプレイヤーのことを恨むなんてことはしないわ」
「わかった、それじゃまた次の層でな」
そんな会話が聞こえてきた。
その後、ラギはエギルと何かを話したあと、そのまま次の層に向かう階段へと歩いていった。
それを確認したところで、シリカも私たちとは別行動をする、ということで先に向かっていき、さらに──
「ハヅキちゃん!ハヅキちゃん!」
「あれ、シズク達……どうしたの?」
「さっきの男の人、上の層に行った!?」
ボス戦後とは思えないテンションで声をかけてきたシズクの質問の『男の人』は多分ラギのことだと思い、私は返答をした。
「うん、そうだと思うけど……もしかしてギルドに誘う気?」
「それは……わからないかな?あ、私たちはこれで、またねー!」
嵐のように去っていったシズクのあとを追うようにライムとカエデが走っていった。
その時、ライム達がものすごく申し訳なさそうにしていたのは気にしないでおこう。
「ハヅキ、私達も行こう」
「そうだね、とりあえず上の層の様子見だけでもしようか」
「……そしたら、デートでもする?」
「……それは別にいいかな」
「えー……」
そんな会話をしながら私達もボス部屋を抜け、次の層へと向かっていった。
私を何度か助けてくれた
あの人は結局誰なんだろう………?
「ハヅキ?」
「……あ、うん、大丈夫」
もし、この先なにかが起きたとしても、私にはコハルやアルゴ、シリカといった仲間がいる。そしてラギだって……
だから、私は諦めない。
きっと、この世界をクリアして現実世界に戻るんだ。
私たちに危機が訪れるのはまだ、先の話───
その頃。
第1層、はじまりの街。
そこに、
「……この世界は不思議だ、何故か懐かしい気持ちを覚える」
──ここは、人界に似ているな。
さらにその頃。
とある場所。
「……ついに、ついにできるぞ──ボクの
怪しげなプレイヤーが何かを計画していた………。
第5層、無事?攻略終了!
ボスの名前?攻略方法が雑?
知らんわ
と、言うことで謎が増えた気もしますが気にしない。
赤い服を着た謎のプレイヤー、破壊不能と言われたクリスタルをいとも簡単に破壊したアレは一体……
そして、さらに怪しげなプレイヤーも動き始めました。
アレが一体何をしでかすのか、それはまだ先の話。
そして次回、Re:SAO、ラギルート。夕立の霧雨編のスタートです!
ついに、彼女たちが再会を……!?