ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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39:謎の剣士

これは、第6層迷宮区にてボスをソロで倒した謎の人物の正体を探りに行こうとフィールドを進んでいたら泥に足を取られ転んでしまい、なんやかんやあって水辺にて水遊びを始めた少女たちの話。(37話以降のハヅキ達の話)

 

ハヅキ目線

 

「見ないでよ!ラギ!」

「興味ないっての。俺はそこら辺探索してくるからアルゴ、あとは任せた」

 

そんな会話をしてラギが森の方に行ってから数分。羞恥も気にせず装備を外したコハルの勢いに乗って私も装備を外して水洗いを装備に付いた泥を落とす程度にした私とコハルはいつの間にか水遊びをしていた。

 

 

「お二人さん、気をつけてナ」

 

「大丈夫ですよ!ここにはさすがにモンスターは湧かないでしょ!ほらハヅキ!」

 

「やめ、冷たい……お返しだよ!」

 

アルゴの忠告を流し聞きしたコハルの発言がどこか不安なのは気の所為だと信じながらコハルがかけてきた水をやり返す。

 

 

それを数回繰り返したところで、異変は起きた。

 

「ちょっ、アルゴ何して──」

「ひゃぁ!?アルゴさん!?」

 

「いや、オレっちは何もしてないしここにいるダロ!──2人とも、足元ダ!」

 

「「へ??」」

 

アルゴが何かに気がついたけど時すでにお寿司。あ、違う遅し。

私とコハルの体はいきなり宙に持ち上げられ、視界が反転した。

 

 

『nyuuuu!!』

 

「「きゃあああ!?」」

 

「ちょっ、助け──」

「ハヅキ、これだ──ひゃぁ!?」

 

何かに足を掴まれた。だけでなく宙に吊り上げられた私たちは装備を何一つしていない。それに気づいたのか、私たちを吊り上げた「何か」は私たちの体にヌルヌルした物を数本伸ばしてきた。

言葉を発する事より、このヌルヌルした物が身体に貼り付いてるという状況をどうするかを優先したけど、私たちはお互い剣も装備していないので……

 

 

「いや、ひゃめ……」

「アルゴ、見てないで助け……たしゅけ……」

 

 

「ありゃ……じゃない、どうにかして助けないと2人ともそういう展開になっちゃうナ、……って言ってもオレっち打つ手なしダナ──」

 

アルゴは困っていた。いや悩んでいた。

そういう展開(私欲)を待ってしまおうか、助けるか。

 

「いやいや!後でルー坊に叱られる!──じゃなくて助けるに決まってるダロ!」

 

自分にツッコミを入れながら腰に着けた曲刀を抜き、今も尚2人を弄びニュルニュルしてる目の前のモンスターに攻撃をしようとする。

 

「nyuuuurrraaa!!」

 

「──は?」

 

彼女の攻撃は一切入らない。入るほど弱い相手では無かった。いや、正確には──

 

「このMOBぷにぷにしてるゾ!?」

 

「……何してんだお前ら」

 

MOBの特徴を大きく叫ぶと、後ろから聞き覚えのある声がどこか殺気を纏いながら近づいてきた。

彼女の説明なしに状況を判断し呆れた声でため息をついた彼はアニールブレードを地面に突き刺した。

 

「アルゴ、大剣持ってないか?」

「あ、あるけど……」

「それをあのMOB……タコ目掛けて投げてくれ、出来れば上の方に」

「オレっち、か弱い女の子だゾ?出来ないわけじゃないけど……」

「やつの弱点は普通には届かないんだよ、だから頼む」

 

自分の剣を地面に突き刺した彼に言われたことに疑問と不安を覚えながらアルゴはストレージから熟練度上げに使っていた大剣……またの名を両手剣を取り出し、砲丸投げのような形でぐるぐると回り、自分の体格とほぼ同じの両手剣を大型MOB、タコ目掛けて放り投げた。

 

 

「……よし。」

 

投げられたのを確認した彼は、アルゴに感謝と思われるアイコンタクトを送り、地面を蹴り、先程刺したアニールブレードの柄の先を踏み台にし、それなりに高いところを飛んでいる両手剣の平面に乗り、バランスを崩しながらもタコの真上まで移動した。

 

そこから飛び降り、タコめがけて一直線に落下。

その時、彼の持った剣が赤く光っていた。彼は、両手剣の上でバランスを取りながら、《ヴォーパルストライク》の構えを取って発動していたのだ。

 

 

「まだまだ……っ!」

 

頭を刺され、タコはパニックに、弄ばれていた2人は離され、水に頭から落下。

そんなことタコは気にしていられず、頭の上に乗った異物を排除しようと触手を4本伸ばす。先程2人を弄んでいたそれだ。

それを阻止するように彼の剣から光が発生。

 

「大人しくしやがれ──っ!」

 

1本1本丁寧に一撃ずつで切り落とし、さらにタコは激怒。

だが、タコは気づかない。自分の目の前から放たれる2つの光を。

 

 

「お返し──だぁ!」

「せやあぁ!」

 

彼が時間を稼いでいるうちに装備をしっかりとして剣を構えた2人のソードスキル《ソニックリープ》と《ストリーク》がタコの顔面に炸裂。

 

タコは再び暴れたが、またまた阻止するように彼がタコから飛び降りてトドメの一撃として先程アルゴが投げた両手剣をタコの頭部に投げた。

 

その一撃により、タコのHPは全損し、ポリゴンの欠片となり消滅。

 

 

そのあと、ラギがアルゴを含めて全員を叱った。

 

 

「……見た?」

「見ました?」

「お前ら懲りてねぇだろ」

「にゃはは、ルー坊見てたもんナ」

 

こんな会話をしたあと、彼が確実に見たということが判明したのはここだけの話。

 

そして──

 

「色々あったが行くぞ、先に」

「うん!」

 

彼らは、どこか禍々しい雰囲気を出している迷宮区へ入っていった。

 

 

 

「……中は変化無さそうだが」

「オレっちも内部の変化は聞いてないナ、ただ……」

「ボス部屋に誰かがいる……」

 

MOBが迷宮区内に何体かいるが、それも何故か非戦闘状態になっている。

それ以外の変化は何も見当たらない。ただ、微かに感じる謎の気配だけは、この迷宮区全体に嫌な予感を漂わしている。

 

「あっという間に着いたな……開けるぞ」

 

1度の戦闘もなく、直ぐに目的地であるボス部屋にたどり着いてしまった一行は閉まっている扉を開けて中を確認する。

 

 

「──次はお前らが相手、というところか」

 

「……誰だ」

 

扉を開けた先には噂にあった赤服のプレイヤーが立っていた。

彼の服装はSAO内では見たことの無い紋章のようなものを付けていて、どこか違う世界から来たのではという雰囲気をさえ感じてしまう。

 

「──入れ。まさか、ここで逃げるとは言わないだろう?」

 

「望むところだ──!」

 

「私達も!」

 

ある種の挑発に乗り、4人は全員で扉より奥に進み、部屋の中に入った。

部屋の中心にいる彼に近づくと、ラギが違和感に気がついた。が、それを口にする間もなく赤服の剣士は剣を抜いた。

 

「ルイン、お前の剣、使わせてもらう───」

 

彼の剣は、これまたSAOでは見たこともなく、さらにはどこか神聖なものだと思ってしまうような、そんな感覚を纏っている。

 

「──エン…………メント──」

 

赤服の剣士がそう呟いた途端、彼の剣は変化し、白い花びらのような物が彼の周りに集まった。

 

「さぁ、始めようか───」




百合では無い。そういう展開でも無い。
はい、2話投稿です。お疲れ様です。

タコタコパニック的な感じ。
そしてその後の迷宮区潜入。

謎の剣士の正体とは──?
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