ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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42:ギルドの対立

第7層

 

「あいつら……っ!」

 

両者の右手を見ると、それぞれ使っているのだろう武器が握られていて、口論だけでは収まらないであろう状況になろうとしているのが見てわかる。

会話を聞くために近くの木の裏に隠れて言い争いの内容を聞く。

 

「お前らには譲らないって話になってるんだよ!」

「規則も守らない奴らにクエストの1つもやる資格なんてないっての」

「なんだと………!」

 

(……何の話か分からないが、ギルド同士の対立ってとこか)

 

遠目から見えた2人の所属ギルドは今現在のSAOでは一二を争う実力を持っていて前線に見ない日はないと言われるようなギルドだ。第五層の攻略時にいた集団がこの2ギルドだと思うが何か引っかかるような───

 

「ラギ?止めなくていいの?」

「様子見だ、というかお前らも少しは姿隠せ」

 

聞き耳を立てていると、さすがについてきたシズク達が木陰に隠れることなく俺の後ろに来た。

盗み聞きされてるなんて奴らが知ったら何をしてくるか分からないからこうやってバレないようにスキルをいくつか使用しながら身を隠しているのに見事に後ろの4人はそれを無駄にしようと……

 

「だーかーらー!お前のギルドには情報を集める力もねぇんだから攻略は俺らに任せときゃいいんだよ」

「それはお前らのギルドの話だろ?」

「偉そうに………こうなったらこのクエストの挑戦権は力づくで貰う……!」

 

呆れながらも話を聞いていると、片方、《DKB》と表示されているプレイヤーの方が言い争いを無理やり止めるかのように背中に装備した剣を抜いてもう片方を襲おうと構えをとった。

 

「先輩!止めないと……」

「いや、行くな」

「えっ?」

 

無言で飛び出そうとしたシズクと声をかけてきたカエデを前に出ないように止めながら様子を見る。

何か、何か変なことがあるはず。違和感が──

 

()()()()()クエストは俺たち《DKB》の物だ」

「何度も言われなくてもお前らのもんじゃねぇ!」

 

そんな会話を繰り広げながら《DKB》の男は片手直剣、《ALS》の男は片手棍を使って攻撃をしている。

今すぐに飛び出しそうな4人を抑えながらあいつらの動きを観察する。

攻撃のモーション、会話、表情を見ても、その違和感が何なのかがわからない。

 

「先輩、あの人たち……」

 

ふと、カエデが俺の横に姿勢を低くして座って声をかけてきた。

 

「気の所為かもしれないんですが、あの二人の頭の上にカーソルが無いような気がするんです」

「カーソル………」

 

確かに、あの二人の頭上にはプレイヤーという証明にもなる緑のカーソルが表示されていない。

プレイヤー詳細の表示される距離的に見えていないだけだと思っていたのだが、50メートルも無い程度の距離であれば普通に見えるようになっているはず。

 

「それと、ここ第7層のクエストに関して、βテストまでの話にはなるんですが、()()()()()()()()()()()()()()()()()はずです」

「なるほど、それが違和感の正体ってことか」

「ねぇ、2人とも何話して「シズク、お前に頼みたいことがある」え?何?」

 

低くしていた姿勢を上げながら後ろにいるシズクに「頼み事」をする。

 

「俺に何があっても飛び出してくるな、お前は3人を守れ」

「どういうこと?カエちゃんもわかってる顔してるけど……」

「お前は、《夕立の霧雨》のリーダーだろ?」

「……わかった!よくわからないけどみんなは私が守るよ!」

「ありがとな」

 

状況を呑み込めていないシズクは少し返答を渋ったあと俺の説得に答えてくれた。

それに対し短く感謝を伝えた俺はカエデに視線だけで言葉を伝えて今も尚鍔迫り合いを起こしている2ギルドのプレイヤーの元に歩いていった。

 

 

 

 

「どうしたんだ、お前ら」

「「こいつが………!」」

 

鍔迫り合いをしていたからだと思いたいが、2人は俺が目の前に近づくまで攻防を繰り返していた。

声をかけた途端攻撃をやめ、お互いを指さして同時に声を上げた。

 

(カーソルは………なるほど)

 

2人が何かごちゃごちゃと話している間に視線を2人の頭上に動かす。

先程まで表示されていなかったプレイヤーカーソルがしっかりと頭上に表示されていた。

その色は……

 

「随分仲良く()()してたな、お前ら」

「はぁ?演技?なんの事だか」

「俺はこいつの………」

「《オレンジプレイヤー》の証を頭につけてたら誰でも演技だと思うだろうよ」

「「余計なことを………っ!」」

 

隠す気のない反応を見事に見せた2人はそれぞれの武器の狙う相手を俺に変えて同時にただの振り下ろしをしてきた。

片手直剣は扱いが慣れているとはいえ、他の武器種──それもあまり慣れていない片手棍──との同時攻撃はかなり相手にしにくい。

 

が、2人の攻撃はそこら辺のプレイヤー……言ってしまえばシズク達よりも劣っていた。

何が目的かは何となく分かってはいるが、同じ目的で手を組んでいるのだろう2人のコンビネーションは全く上手くいっておらず、双方ノロノロとした動きで俺を捉えようとしてきたのだ。

 

「はぁ……何が目的なんだ、お前ら」

「「俺たちは……」」

 

俺が尋ねると、2人は同時にニヤリと笑い、それぞれの武器に光を纏わせた。

 

「「お前みたいなプレイヤーを()()()()が目的なんだよ!」」

 

片方は片手直剣ソードスキル《スラント》、もう片方は片手棍ソードスキル《コリジョン》を息を合わせて放ってきた。

俺は後ずさる事さえなく2人の攻撃を受止めてさらに情報を引き出そうとした。

 

 

「無駄だぜ?お前になにか話すようなことは無い。

大人しく俺らに殺されな!」

()()()()みたいになぁ!?」

「あいつら……?まさか──っ!」

 

挑発とも思える発言に、嫌な予感を覚え咄嗟に後ろを振り向く。

振り向いた俺の目には、ポンチョを着たプレイヤー数人がシズク達4人を囲んで、さらにシズクがリーダーだとわかっているのか、シズクだけは手を背後に回された状態で抵抗もできず首元に直剣を当てられていた。

 

「て、抵抗したら……あいつら殺すからな!」

「……元々俺含めた全員狙いか───なら俺も黙っているわけにはいかねぇ」

「うっ、動くな!」

「てめぇらこそ動くなよ………ライム!」

 

2人と睨み合いながら俺は今後ろでプレイヤーたちに囲まれている1人の名前を呼んだ。

反応を確認し、俺は《アニールブレード》を改めて構え直す。

 

「や、やる気か……!」

「……受け取れ、ライム──!」

 

2人の攻撃を薙ぎ払う形で剣を振り、その勢いのまま後ろに振り向いて夕立の霧雨のメンバーがいる方めがけて投げ飛ばした。

投げたアニールブレードはシズクを取り押さえていた1人の頬を掠め、そのまま囲いの中心にいるライムの元に飛んで行った。

ライムは少しバランスを崩し何か呟いた後、アニールブレードを構えて反撃開始と合図を出した。

 

「く、くそぉ……お、おい、俺たちは逃げ「そうはさせないぞ?」なっ!?」

 

戦況が悪化したことを悟った2人のうち《ALS》と表示されている方のプレイヤーは奥の方へ逃げようとした。

だが、その行く手は1人のプレイヤーに寄って遮られた。

 

「全く……せっかく指示出してやったってのによォ?()()()()()()()()()3()()、そんなんじゃあダメだ。もっと楽しませてくれねぇとよォ、だが……お前ら、もういいわ──死ね」

「お、おいやめ──」

「ひ、ひぃ!?やめてく──」

「───っ!」

 

2人の退路をさえぎった()()()()()()()()()()()()は色々と呟いた後2人を切り裂いた。

その威力は2人の元々のステータスが低かったのか、一撃でHPを全損に持っていき、2人はそのまま消滅──死んだ。

 

「お前……っ!」

「oh......?へぇ、あの()()()と同じように楽しませてくれそうじゃあねぇか」

「楽しむ……?人殺しを楽しんでるのか!?」

「oh......ダメだな。俺ァ話し合いで解決する口じゃないんだよ。あんたのお仲間は解放してやったからよォ、その剣でやりあおう(殺し合おう)ぜ?」

 

 

やつの言葉に嘘が無いかを確認するために一瞬だけ後ろをむく。

やつの言葉通り、夕立の霧雨4人を囲んでいたプレイヤーたちはどこかに去り、4人は俺の方を心配そうに──1人は今にも飛び出しそうだが──見ている。

 

「ああ、受けて立とう」

「ふっ、始めようか────」

 

ポンチョ姿の男はフードの中でかすかに笑った。

そして──

 

「イッツ・ショウタイム!」

 

そう叫んだと同時に、俺の目の前に剣が振り下ろされた。




お久しぶりです!(謝罪)

SAOリメイクの更新、まーた遅くなりやがった


その間にハヅキ誕生日記念的な話をひとつあげたり
他のSAO二次創作のキャラ設定投げたりしてたら遅くなりました。
反省はしていない


SAOアリシゼーションもついに終わりが近くなってきて
原作読んでたのに記憶飛んでたあのポンチョ男のお話見てこの回を作る気になりました。



次回、多分真面目に戦闘描写書くつもり
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