ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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47.5:バグの産み親、如月春揮

これは、ソードアート・オンラインβテスト開始よりも前。

如月春揮というある種のイレギュラーと小嵐楓という既存社員にとっては出身不明な2人が入ってからさほどの時間が経っていないある日のこと。

 

「個人的にシステムを組み込みたい、ダァ?」

「えぇ、だからそう何度も──」

「無理無理。どんなやつか知らんけどそのシステム組み込んだら何かバグが発生するかもしれないし、それ修正するのもどれだけ大変かプログラム触れたことあるお前ならわかるんじゃないのか」

 

如月春揮は『SAO内部設計班(通称木田班)』に所属していた。

そんな彼は突発的に思いついたとあるクエストやスキル等をSAO内に取り入れたいという相談を同じく木田班の上司、白澤直木にしていた。

答えはNo、全拒否という結果に終わった。

 

「まぁまぁ、落ち着いて、一旦そのシステムとやらがどんなものか確かめてみましょうよ」

「そう言ってもですね、余計なシステムは容量を殺すんですよ」

「先輩になったからってそこまで言うかね。

ま、とりあえず如月君、そのシステムとやらを見せてみて」

 

少し荒々しく反対していた白澤を止めたのはこの班の(何故か)リーダー感を出している木田。

白澤の反対を止めつつ如月にシステムの開示を促しているその姿だけを見ればリーダーでも間違いではない──はず。

 

「これです。この3つ」

「えっと、なになに……

エクストラスキル《スキルレコード》、同じくエクストラスキル《双剣》、それと……《緊急クエスト》及び緊急クエスト専用エリア?」

 

木田は差し出されたノートに書かれている3つの文を読んだ。

そしてそれを読んだ上で木田は如月に詳細を話すよう促した。

 

─────────

エクストラスキル《スキルレコード》

とある3()()の装備のどれか一つでも身につけていれば使用可能なスキル。

普段のソードスキルに加え、新たに複数のソードスキルが使用可能になる。

装備1つだと内部に作られたソードスキルのみが使用でき、2つになるとその種類が増え、3つを装備すると自身でソードスキルを生み出せるようになる(ただし1つのみ)

SAO内に存在しない《属性》の概念を帯びたソードスキルとなる。

 

─────────

エクストラスキル《双剣》

二刀流とは違い、片手剣ではなく主に短剣、他武器種も2本持ちが出来るものに限ってだが2本装備可能。

短剣を持った時に大きなステータスアップや新スキル、特殊な武器等を使いこなせるようになる。

 

例:二本一対の武器

片方を手に持っていれば片方を投げたりしても手元に帰ってくるような《ブーメラン》的な機能を備えている

 

─────────

《緊急クエスト及び専用エリア》

通称ゲリラ、長いのでこれで。

とある条件を達成した場合にのみ半強制的に転移させられ、そこでクエストを受けることになる。

出現するのは階層守護モンスターやそれに匹敵するボスクラスのモンスター。

ただしレベルは条件を満たしたプレイヤーのレベルから+10された状態で登場する

HPが全損し黒鉄宮に()()()()したとしても再度挑戦は可能。

ただしかなり高難易度に設定するので複数人で挑むことが推奨

死にゲーみたいに見えるかわりに報酬はウマウマ

 

─────────

 

「……なるほどね」

「やっぱダメですか」

「うん、悪いけど………2つだけ実装するわ」

「やっぱダメかぁ………って、え?」

「《スキルレコード》と《双剣》は実装してもいいと思うわ、それぐらいなら用意できるでしょう。」

 

全てをこと細かく説明した春揮は、絶対に拒否られると思っていたのか、当然のように許可した目の前の先輩に心の中で感謝をした。

 

「いいんすか、木田先輩」

「ゲリラとかいうやつはさすがに実装するのは怖いわ、()()()()前提なのはさすがにね」

「いやいや、他のふたつは?」

「如月君筆頭にシステムに組み込んでもらうわ」

 

それを聞いた白澤はぐったりとしながら何かをグチグチ言い始めた。

が、彼らのすぐ側にいた木田から溢れ出る「殺らねば」という圧に襲われ渋々作業開始することに。

圧に負けた白澤はゲリラクエストも1度入れてみるか、という提案をしてアーガス社員に責められつつも実装。

だが、完成したものは中々に酷く、高層のボスが自分たちのレベル(90)を10+した状態で出た時には絶望を覚えたそうな。

そのため、やっぱゲリラは消そうとなりましたとさ。

その代わり、残り2つ、《スキルレコード》と《双剣》に関してはそれぞれ獲得条件を《スキルレコード:深淵装備(3種のうちどれか)を身につけている》、《双剣:短剣でモンスター()を規定数撃破》と設定した。

 

 

「よし、最終調整まで終わった。

新しいスキルがどれだけSAOを左右するか分からないけどまぁ、いいでしょう」

「お、ま、え、らぁ?」

「ふぁ?あ、宮田さん、どう──「そういうのは上に相談しろ!」

 

 

完成を喜ぶのもつかの間、如月、白澤、木田の3人は半分独断で作っていたシステムに関して相談してから作れと上司の宮田に1時間ほど説教されるのであった………。




ゲリラ消したんだよね、あれ、なら前回のは……?


となってる方もいたらいいな。
あ、早めの更新です、ちっす。
今回はとても穏やか…?な回ですね

春揮の提案によりスキルレコードと双剣という2つのエクストラスキルが追加されることに。
果たしてそれが誰に渡るのか、楽しみですね。え、出てる?

次回は本編に戻ります!
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