ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
第一層迷宮区
Cチーム攻略ルート
リーダー:ラギ
「ルナ、スイッチだ!」
「う、うん……っ!」
俺が率いることになったCチームは迷宮区攻略中は(エギルを除いて)2人1組のパーティを組み、(エギルは除き)組んだ2人で迷宮区にいるモンスターの討伐をするという作戦に決めた。
そして組んだパーティは俺とルナ、キリトとアスナ、そしてスキンヘッド1人。
「エギル!作戦通り頼むぞ」
「おうよ!」
人数的に1人になってしまったエギルは俺かキリトのどっちかのパーティが少しでも苦戦するようなことがあった時に援護をする、ということになり、援護を頼んだが……
エギルの暑苦しさと使用武器種の攻撃力など、色々と強力なため、1人でも進んでいけるのではないか、と思ってしまった。
などと考えているうちに少しづつ先に進み、迷宮区の大きさ的にあと少しでボス部屋に着く、という所まで攻略した。
そしてそこで俺は
今さっきまでモンスターの歩く音とかその他の自然音のようなものなどが聞こえていたのだ、だが迷宮区内でも少し広いであろうこの空間だけは
キリトやアスナ、ルナとエギルはそれに気がついてないらしく俺より少し先に進んで────
「お前ら!今すぐ後ろに下がれ!」
「どうしたのラ──」
「いいから早く下がれ!」
俺が唐突に叫んだことに動揺したルナの質問を遮り全員に後ろに下がるように指示をし、全員が後ろに下がったその瞬間──
1番先に進んでいたルナの位置から10メートルほどの距離に大きなモンスターの出現エフェクトが表示され、大型のモンスターが現れた。
「くそ……っ!」
大型のモンスターは現れたと同時に1番近くにいたルナにタゲを向け、持っている大きな刀のようなものを構えてルナに攻撃をするモーションを開始した。
「させるか………っ!」
ルナの近くにいたアスナとキリトはルナに向かってくるボスの攻撃を防ぐためにルナの前に出て剣を構え、俺は少し遠くにいるため間に合わず、足止め程度に使っていない武器を1つボスに向けて思いっきり(槍投げのフォームで)投げた。
何とかボスの攻撃は防げたが、見た限り今回の攻略メンバーの中でも最前線にあたる2人でもこのボスの攻撃は防ぐのがやっとの様子。
攻撃をする前に相手の攻撃が命中し、そのまま──なんてことも有り得る、それだけは防がないといけない。
だが、どうすれば───
「ラギ、避け───」
考えているといつの間にかボスは俺の近くに来ていてそのまま持っている刀を振りかざしていた。
そして俺はそれを避ける暇もなく、そのままボスの攻撃をモロに食らってしまった。
「くそ……エギル、回復ポーションをくれ」
「ほらよ!」
直撃したはずなのに何故か俺のHPは半分残っていた、そんなにレベル高くないはず………
なんてことはどうでもいい、今はこのボスを早く
本当は使いたくなかったが
「来い、【カラドボルグ】──その命を刈りとるまで穿ち続け、ゲイ・ボルグ……!!」
片手に掴んだ武器をボスに向けて一気に投げた。
巨体なわりに動くボスを逃がさずにそのまま足元から崩し、そして一気に体力を削る。
ゲイボルグの特徴は狙った相手の心臓を穿つまで追い続ける【一撃必殺、必中の槍】、元ネタは青タイツの武器とか言えないがとりあえず使ったら最後、プレイヤーが狙った相手の心臓を貫くまではスキルの発動は終わらない。
そしてこのゲームのボスモンスターは1部を除けば心臓部(弱点)が存在しない、つまり倒すまで貫き続けるのだ。
このスキルの問題はスキルの熟練度が上がる度にプレイヤーに求められるステータスが上がること、そしてカラドボルグ以外では使えないこと。
そんな弱点もあるからこそ使いすぎればカラドボルグに負担がかかり、大切な時に使えなくなってしまうかもしれない。
だから使いたくなかったのだが、今回は仕方ないけど。
「……よし」
いつの間にかボスは倒れ、消滅エフェクトを出して俺たちは経験値を獲得、そして俺の右手には少し耐久が減ったカラドボルグが握られていた。
「ラギ、今のは……」
「悪い、今は教えられない」
「わかった、それはまたの機会にしてとりあえず回復したら他のチームに合流するぞ」
スキルについて聞いてきたキリトは俺が答えた後、空気を読んでくれたのかそのままポーションを渡してくれて他のみんなに先に進むことを指示してくれた。
パーティを組んでるルナだけはしばらく不安そうな顔をしていたが、俺はあえて触れなかった。
そしてそれから数分後、ボス部屋の前に到着し、トゲ頭とディアべルのチーム、Aチームと合流したが──
「ワイらより先に出発したはずのBがまだ到着してへん、だからもう少し待つつもりや」
狩りをしていて遅くなった俺たちより少し先に出たAチーム、それよりも早く攻略を開始したBチームが未だに到着していなかったのだ。
俺たちみたいに中ボスに阻まれたとしてもBチームの人数的に乗り切れるはず、ということは……
「Bチームのリーダーは装備的にも強そうだと思ったんだが……
「俺が様子を見てくる、お前らはここで待っててくれ」
ディアベルの発言で少し嫌な予感がした俺は1人でBチームが攻略を始めたルートを戻って様子を見に行った。
そして俺は、とあることを思い出した。
SAO開始数ヶ月前
アーガス社内
「先輩、これってなんですか?」
「ん?あぁ、《切り裂きジャック》の資料か」
「無差別に色んな人を……?あ、でもこっちの資料は白髪の女の子が
「あぁ、色んな噂があるからな、これだから伝説系は───
─────
数ヶ月前にアーガス社内にある読書スペースで調べ物をしていた時に見たとある資料、その1つが《切り裂きジャック》、もとい《ジャックザリッパー》。
ディアベルの言っていた《2本の短剣》というのも特徴が合う、そしてSAOは短剣を両手装備するのは通常では不可能、つまり──
【ユニークスキル】だ。
などと考えていると先の方から
急いでそこに向かってみると───
「や、やめろ!この人こ……っ!
「おにーさん、さよなら」
「あーあ、見られちゃった……おにーさんも私に殺されたい?」
「んなわけねぇだろ、この人殺しが……!」
「そっか、なら……」
少女は残念そうな表情をしたあと、満面の笑みを浮かべながら俺にこういった。
───無理やり殺すね?
設定的にはあまり変えてないはずだが何か違う。
スキル説明
ユニークスキル:投剣【ゲイ・ボルグ】
専用武器(カラドボルグ)を持つラギだけが使うことの出来るスキル。
カラドボルグと言えば剣のイメージが高いが槍である。
1度放てば自分に負荷がかかる分、必中の槍となりプレイヤー相手ならカラドボルグの耐久が無くならない限りは心臓を穿つまで、中ボスクラスのモンスター相手には体力が尽きるまで槍が相手を貫く。
デメリットとして使用者のHPが半分削られる。
元ネタはケルトの大英雄(犬:青タイツ)