ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~   作:桜花 如月

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06:暗殺者

第一層迷宮区

Bチーム攻略予定ルート

ラギ目線

 

 何とかしてこの状況を脱しなければ。

 ジャックというプレイヤーがプレイヤーをキル()したところに遭遇して狙いをつけられてから数分、キバオウには数十分は待ってろと言っておいたものの早くこいつをどうにかしないと。

 ユニークスキルの効果であろう2本の短剣の装備をした彼女の攻撃速度は普通の短剣の2倍、下手したらそれ以上に速い。

 

「あははっ!おにーさん、もっと私を楽しませてよ」

 

「ざけんじゃねぇ……!お前に割く時間は無いんだよ!」

 

 考える隙も与えないような連撃を片手剣で受け止めつつ相手の、ジャックの発言に答えた。

 いくら遅くなっても待ってろと言っても待たせるわけにも行かないしBチームが全滅したということを伝える必要もある。

 その辺を考えればこいつに時間を使ってる暇なんて無いのだ。

 

「おにーさん、やるね?でも……」

 

 ジャックは何かを言おうとした直後、両手に持つ2本の短剣にソードスキルの光を灯しながら俺に急接近し、そのまま見たことの無いソードスキルを放ってきた。

 

「このスキルには勝てないよ……っ!」

 

「くっ……させるか…っ!」

 

 ソードスキルの一瞬の隙を逃さずにジャックの攻撃を弾き返し、逆に俺がジャックに向けてソードスキルのモーションを繰り出した。

 

片手直剣SS:ホリゾンタル・スクエア

 

 俺がSSのモーションを始めたのを勘づいたであろうジャックは弾かれて体制を崩したのにも関わらずすぐに2本の短剣を構えて俺のSSを受け止めようとした。

 俺はそれを見逃さず、ガードの届かない場所に一撃を与え、次に背後に回り攻撃をしようとした──

 

 だが、SSの2連撃目はジャックに当たらなかった。

 いや、ジャックが()()()()()()()と言うべきか。

 

「今のは痛かったね、でも私に連撃は効かないよ」

 

「なっ……!?」

 

 SSを避けたジャックはいつの間にか俺の後ろに回り込み、お返しと言わんばかりにソードスキルを放ってきた。

 元々短剣のソードスキルは連撃系とは行かないが、それが2本同時となれば上位の片手剣ソードスキルと同等の連撃数になるかもしれない。

 なんて考え──

 

「ほらほらほら!おにーさん、これに耐えられるかな?」

 

 ガードする暇もなくジャックのSSは放たれ、俺は連撃を一気に受けてしまった。だが、相手の攻撃力が低いのかわからないが俺の体力は半分残ったところで減少が止まった。

 

「へぇ、おにーさんはやっぱり()()()()があるね」

 

「殺されるわけねぇだろ……悪いことは言わねぇから早くここから立ち去れ」

 

「嫌だね、まだ殺し足りないんだもん……っ!」

 

 俺の(色んな意味を込めた)忠告をあっさり断ったジャックはまるで子供のような言い方でとんでもない事を言い放ちながら俺に再び攻撃を始めた。

 このユニークスキルの連撃速度は何となくわかった、だからこそ見切れば避けることも簡単になる。

 などと考えていると……

 

「ラギー!大丈夫ー!?」

 

 ボス部屋に向かう方の通路からルナの声が聞こえたのだ。

 それに気づいた様子のジャックは何故か出口の方に走り去ってしまい、結局あいつが何を目的にこんなことをしたのかなどの理由がわからないままになってしまった。

 

 

 声が聞こえ、ジャックがこの場から去ってすぐにルナが俺の元にやってきていきなり抱きついてきた。

 

「遅くなって、それも体力が急に半分に減ったから急いで来たけど……心配したんだよ?」

 

 抱きついてきたルナを慰めながら適当なことを言って誤魔化し、俺はルナと一緒にボス部屋の入口に戻った。

 この時、もしルナがジャックと対峙していたらどうなっていたか…などと考えてしまった。

 そして、ルナがただ俺を心配しているだけじゃないような雰囲気を感じたが、それについては聞かないようにした。

 

 

 何故ジャックはプレイヤーが、もといルナが俺の元に来た途端逃げたのだろう?

 プレイヤーキルを狙っていたならルナが来たのは相手からすれば()が来たようなもの、好都合のはずだ。

 ならなぜジャックは……

 

「ラギ?どうしたの?」

 

「あ、いや……それより到着だな」

 

 ジャックについて色々と考えているうちに分岐を抜け、ボス部屋前で待機していたプレイヤー達、もといトゲ頭とディアベル、キリト達の元に到着した。

 到着した俺は途中ルナに貰ったポーションを飲みながらBチームが全滅したということを伝えたが、プレイヤーによって殺されたということは言わなかった。

 

「なるほどな、そういうことなら仕方が無いわ、Bチームの分までワイらでボスを倒して先に進むしかないわ」

 

「キバオウさんの言う通り、Bチームが全滅してしまったのは悲しいことだが、ここで下がってしまえばクリアが遠ざかる、だからみんな……勝とうぜ!」

 

『おー!』

 

 Bチームの様子を確認しに行った俺が遅かった理由を何故か誰も聞かずにそのままボス部屋に残ったチームで突撃することになった。

 ………そして、ここで()()1()()の犠牲者が出るとは誰も思っていなかった。

 

 

 

 

 

ラギが待機組と合流した頃。

第一層黒鉄宮にジャックは立っていた。

 

「あーあ、つい逃げちゃったよ」

 

 ジャックは黒鉄宮の中にある【戦士の碑】と呼ばれる物の中にある【Ragi】という名前、そして【Kaede】、【Luna】という名前を見ていた。

 

「絶対に……殺す、特に()()、君だけは───」

 

 彼女はそう呟き、そして誰もいない空間でこう言い放った。

 

──生かすわけには行かない




俺も1万字行ってみたいね、無理だね
1ヶ月に3回投稿できたらいいなペースで進みます。
気分で変わります。


次回はやっと話が進みます。
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