ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
サムライロードが動き始めたことで戦闘が開始した。
風林火山がクラインを除きタンクを担いその他でサムライロードの隙を攻撃する、そんな作戦を立てたのだが……
「くそ……っ!」
「ラギ、任せろ!」
全体的にタゲを向ける訳ではなく《血塗れ》のデバフを受けた俺のみにタゲを向けたロードは俺にのみ攻撃をしてくる。
防ぎきれずもろに受けそうなところでキリトが防いでくれた。
「……すまん」
「ボスの動き、本当にお前を狙ってくるんだな」
「あぁ、そうみたいだ」
ボス戦への参加者を募る時に今ここにいるメンツ全員に俺のバフのことは伝えてある。
「危険なのは間違いないがタゲがバラけるよりはマシだ、だからキリト」
「言われなくてもアタッカーは任せろ」
「頼んだ──来るぞ!」
夕立の霧雨やアスナと仮面のプレイヤーの連携により怯んでいたサムライロードが再び俺へ攻撃を仕掛けてくる。
隣にいたキリトと同時に後ろに下がり攻撃を避け、同時にソードスキルを放つ。
「「スイッチ!」」
ソードスキルを打ち終えて交代の指示を送る。
アスナ、コハル、ハヅキが連続で攻撃をし、ボスの反撃を風林火山が受けて夕立の霧雨がさらに連携をして一気にダメージを与えていく。
これだけでもかなりのダメージを与えたはずだが、まだ1ゲージの半分ほどしか減っていない。
さすがは『区切り』のボスってとこか。
「俺がタゲを取り続ける、お前らはその隙にダメージを稼いでくれ!」
「って言ってもおめぇの負担がデカすぎるしねぇか?」
「ここは10層、今までの階層ボスとは違う強さがある以上はこうでもしないと勝てねぇんだ」
「そういうことならオレら風林火山に任せな」
「あぁ、悪いな」
ボスの攻撃を避けたところで駆け寄ってきたクラインに心配されたがここが区切り──10層ごと、また25層ごとのポイント──であるためボスは普段より強くなってる。
負担が大きいだけならそんなに問題は無い。
「再度クライン以外の風林火山メンバーと夕立の霧雨はアタッカーを、他は状況を見て行動してくれ!」
『了解!!』
俺の指示により場の士気が多少なりと上がった。
ボスもそれを感じとったのか俺目掛けた攻撃を再度仕掛けてくる。
長刀による垂直斬りを防げば次は並行切りを、さらにそれを防げば斜めに、といったふうな動きで読みずらいが長刀で振るのに時間がかかるため少し反応が遅れても問題は無い。
一撃一撃は重いがその分ボスに起こる隙も大きくなる。
そこを狙い全員で一斉に攻撃を繰り出していく。
「キリト、スイッチ!」
「……ああ!」
ふと、仮面のプレイヤーがキリトへスイッチの指示を出した。
その声にどこか聞き覚えがあったが、戦闘中のため思考を余計な方へ使うことはやめた。
それにしても、会ってどれぐらいかは知らないが名前を呼び捨てされるぐらいには仲良くなってるのか……
「ラギ、次頼む!」
「任せろ!」
ソードスキルを打ち終えて硬直に襲われているキリトを庇うように前に立つ。
顔見知り以外がいる以上は使いたくなかったが管理者権限をこっそりを発動して片手直剣のソードスキルを全開放する。
サムライロードの攻撃を弾き開始のモーションをとり始める。
たった一度の攻撃ぐらいならソードスキル全開放を使う必要は無いがここらでボスのHPを一気に削るぐらいはしておかないと戦いが長くなりすぎてしまう。
「夕立の霧雨、ガード頼む!」
「よくわからないけど了解!」
シズク達に攻撃の合間に俺への攻撃を防ぐ役割を担わせる。
「はぁぁ!!」
片手直剣へ光を纏わせソードスキル《ノヴァ・アセンション》を発動。
一撃目の上段切りを素早く繰り出しボスの動きを一瞬怯ませてそのうちに一気に9連撃を与えていく。
攻撃中にボスの攻撃が何度か当たりそうになったが夕立の霧雨の3人が交代しながら攻撃を防いでくれたため最後まで一気に発動できた。
だが。
「──ここだっ!」
シズク達が防御に入れない瞬間の攻撃と同時に次のソードスキルを発動する。
普段ならソードスキルを発動し終えてすぐは硬直時間が設けられ連続したソードスキルは使用不可能。
だが俺は今の装備の効果で硬直時間が軽減されている。
他にも要因はあるのだが今はいいだろう。
そんな理由もあり硬直時間ほぼ無しでソードスキル《サベージ・フルクラム》を発動した。
一撃目はボスの攻撃を防ぐため。
そして続けての二連目と三連目はボスへの攻撃。
ここまでの連撃でもまだボスのHPは二本目の4分の1程度。
そしてソードスキルを撃ち終えた俺へ再びボスの長刀が振られた。
「「──下がって!」」
さすがの硬直で動けないところに来た攻撃は俺の左右から現れた影によって防がれた。
「「……誰?」」
2人は攻撃を防ぎながらお互いに顔を合わせてそう言った。
声の主はハヅキと仮面のプレイヤーだ。
「悪いなお前ら」
「ん、大丈夫」
「……それより、周りを」
防いでくれた2人にお礼を伝えると突然ボスを中心として複数のポップエフェクトが発動してそこから複数体のMOBが出現した。
「……なるほど」
「私はあっちを片付ける」
「一人に任せるわけにはいかないだろ、あれでもボスの取り巻きだぞ」
「なら蒼眼ちゃん、手伝って」
「蒼……わかった」
ボスの攻撃を防ぎながらそんな会話をしている二人とコハルやアスナが取り巻きの相手を担うことになった。
とはいえボスへの攻撃ができる位置は限られているため残されたメンバーの半数は防御に徹する事になる。
「ボスの攻撃を確実に弾けるステータスしてるのはキリトと俺とライムぐらいか……」
「うちのメンツもそれなりにタンク役はやってるが如何せんやつの攻撃は重いからな、悪いが防ぐだけが限界だ」
「いや、防げるだけ十分、盾装備も少ないし有難い」
「おう、んじゃどうダメージ稼ぐよ」
「そりゃ、決まってんだろ」
戦況を改めて確認してからボスへの攻防をするメンツに指示を送る。
風林火山とシズク、カエデの計七人がタンクといざと言う時の取り巻き処理を行い、ボスの攻撃を弾ける俺たち三人が交互で攻撃をする。
至って簡単な作戦だが、
半分切った瞬間に武器を持ち替えたり攻撃を変えたりするのは各層当たり前になっている以上、何が起きても大丈夫なように対応をしないと──
「ラギ、取り巻きもそっちにタゲ向いてる!」
「何とか耐えてくれ!」
「そんな無茶な!?」
ハヅキが焦りながら俺に声をかけた。
このデバフが呼び寄せるものにボスが含まれているなら当たり前だが取り巻きのMOBも俺へのタゲ集中を付与されているだろう。
とはいえ今MOBの相手を俺がすればアタッカーに不安が残る。
なら耐えられそうなハヅキに頑張ってもらうしかないだろう。本人には悪いが。
「なる早で決着を───」
そう呟き剣を構えたその瞬間──
俺の目の前には地面と平行に、俺の腹と同じ高さに半円状の斬撃が飛んできていた。
「避けて──っ!」
そんな声が聞こえたが一人で防げるような軽い攻撃ではなく俺はそのままモロに斬撃を受け壁まで吹き飛ばされその場に倒れた。
??目線
「うそ……」
ボスの相手をほぼ一人でしていた彼が斬撃を受けて後ろの方へ吹き飛んだ。
壁にぶつかった彼はそのまま力なく倒れて動く様子は無い。
「まだ来ないってのに……どうすれば──」
ボスのターゲットがほぼ全て彼に向かうという意味のわからない説明を聞いたしその通りボスの攻撃はほぼ彼に向かってる。
彼を何とか背負って移動しようにも見た感じ彼の装備と体格的に私一人じゃ時間がかかるしその間にボスの攻撃がまた来てしまう。
「ラギは私が何とかするからここはお願い!」
「待って!」
「なに、今は急がないと……」
「あなただけじゃ危険でしょ、だから私も彼を安全な場所へ運ぶ」
「……わかった、行こう」
ボスの動きを頑張って抑えてくれてるキリトやほかのメンバーに取り巻きの相手も頼み蒼眼ちゃんと同時に彼の元へ走る。
「お願い……」
「間に合え……っ!」
取り巻きへ戦力を割いたことで攻撃を彼へしようと動き始めたボスがさっきの斬撃の構えを取り始める。
ボスが刀を振り上げて地面と垂直の斬撃が彼へと飛んできた。
彼を抱えて動こうとしたところで斬撃がすぐ目の前まで迫っていた。
だけど──
「アキ姉、ボクに任せて!」
私達の前に蒼眼ちゃんよりも小さい影が現れ手に持った武器から放ったソードスキルで斬撃を逸らした。
「……遅いよ」
「えへへ、ちょーっと邪魔が入って遅れちゃった……でも、ここからは逆転試合だよ!」
逸らされた斬撃が壁にあたって消滅したと同時に目の前の少女に声をかけた。
少女は振り向き無邪気な笑顔を見せたあと、指を上へ向けた。
「スナイプアロー!」
そんな声と共に放たれた光はボスの周りにいる取り巻きの半数へ飛んでいき一気に爆発した。
爆発により発生した光に紛れて少女の左右に2人ずつ、つまり私の前に5人が立った。
「前線組のみんな待たせたね、私達もこの戦いに参加させて欲しい!」
一人が剣を地面に刺しそう叫ぶ。
思わず私も仮面を外して彼女達の右に立つ。
「私達、ギルド
あけましておめでとうございます(遅い)
シンオウ地方を制覇したり回避六段階上昇したお猿さんに苦戦したりおんみょーんしてたらこんなに空いてしまいました。
リメイク前でもそれなりに書いてた第10層ボス戦を思いっきり文字通りリメイクしてみました。
ボス戦ともなると大がかりな戦いになるから戦闘描写難しいんですよね、それも遅れた理由だったりする
タゲの向け続けられるクソみたいなボス戦も半分を切ったところでボスの動きに変化が加わり飛ぶ斬撃(OS参照)がラギを襲ったが
二回目を防いだ少女と共に現れたプレイヤー達は一体……?