ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
本編が8月になってないのは触れてはいけません
さすがにSAO以降の話書く訳にも行かないのでSAO内部での出来事とします。
番外編:ハヅキ誕生日記念
2023年
8月28日。
SAOに囚われて早くも9か月という時が経とうとしているある日。
私、《ハヅキ》は1× 歳の誕生日を迎えた。
それが、なんだと言うのか
誕生日なんて、特別なものでは無いだろう。
───ハー、誕生日おめでとう!
ずっと考えないようにしていた、
私がどんな思いをしているのかも知らずにあの人はいつも笑顔で私と接してきた。
両親が私の進路を無理やり決めようとした時も、無駄だとわかっているはずなのに両親に説得をしたり、私がやるべきことをなんでもやってくれた。
誕生日を祝ってくれた時もあの人の顔は、私が突き放してもずっと変わらなかった。
ただ、「誕生日なんて意味の無いもの」と呟いた時には初めて姉の涙を見た。
それが私の何かを変えた訳ではなかった。でも、今もあの顔を思い出してしまう。
あの時、姉のことをもっと理解していれば、私はきっと───
「──キ、ハヅキ」
「……??」
「何ぼーっとしてるんだ、デュエル中だろ?」
「あ、ごめん……ちょっと、ね」
色々と考えていた私の思考は、
彼とのデュエル中に、前に起きた彼との
「……その気持ち、俺にぶつけてみろ」
「何それ。──行くよ!」
彼はいつも私の心を乱す。
変に、何も知らないはずなのにわかったような顔して──
「今度こそ受け止めてみろよ!」
「それはこっちのセリフだよ」
でも、そんな彼に私は助けられた。
姉を───私の思いを受け止めてくれた。
今と同じように、一対の剣で。
一対の双剣が交互に振られる。
1つは赤い光を纏い、もう1つは青い光を纏って。
彼は手を抜くと最初に言っていたのにあれは本気で戦っている。
私も、手を抜く訳には行かない、ということだ。
(私は……きっと大丈夫。大丈夫だよ、お姉ちゃん──)
右手を特定の構えにし、スキルの発動を感じる。
激しくぶつかったお互いの剣は弾かれることも無くそのまま鍔迫り合いへと発展する。
「どうだ、少しは気持ちも晴れたか?」
「本気で来なければ晴れたかも──ねっ!」
「あの時よりは手抜いてるつもりだけど」
「嘘でしょ」
「さぁ、どうだろうな」
戦闘中、ずっと彼は笑っていた。
あの時とは違い、お互いが何も背負っていないという状態での戦闘、だから自然と笑みも零れるかもしれないけど、それにしても楽しそうで。
「……ねぇ、
「……ん?なんだ?」
「──ありがとう」
「……あぁ」
そんな会話をしたあと、デュエルは続いた。
結果は引き分け、途中でメッセージが来て戦闘が中断というなんとも言えない終わり方だった。
「「「ハヅキ(ちゃん)誕生日おめでとう!」」」
「──え?」
メッセージが来て呼び出された先では、パートナーのコハルをはじめとしたシズク達《夕立の霧雨》の4人、合計5人がクラッカー(のようなもの)を鳴らして私を祝う声を上げた。
「お前の誕生日が今日だって聞いてさ、あんなことが起きてからしばらく経つとはいえ少しは癒えて欲しいと思って───ハヅキ?」
「みんな──私は───」
「大丈夫だよ、ハヅキ」
「コハル……」
「前にも言っただろ?『生まれてきちゃいけない人なんていない』、誕生日はその人が生まれた日を祝う一日だ。決して悪いものじゃないだろ」
「……みんな、ありがとう」
2023年8月28日。
でも、今の私には失ったものが大きいけど、その分得たものもあった。
この日は、最高の日だった。
間違いばかり起こしてきた私にも、生きてきた意味があると伝えてくれた人達に囲まれて、涙を見せてしまったけど、それでもいいと、受け止めてくれる仲間と一緒にいれる。
こんな幸せが、ずっと続けばいいな。
遅くなりましたがハヅキ、誕生日おめでとう!