ソードアート・オンライン ~紅き双剣士と蒼の少女~ 作:桜花 如月
読んでおくと本編を楽しめるようなストーリーになります。
これは俺、如月春揮が開発者のチームを組み、βテストに潜り込んだ時の話。
メンバーは俺、白澤先輩、木田先輩、そして俺とほぼ同じに入ってきた1人の後輩の4人。
遊ぶ、と言うよりは不具合の発見や不正プレイヤーに制裁を与えるというのが目的……のはず、多分。
「そういや如月、お前は
「俺は別に……というかそれは《エクストラスキル》と《ユニークスキル》の間違いです、なんですか特殊スキルって」
「あれ、そうだっけ」
白澤先輩の言う特殊スキル、もといエクストラスキルやユニークスキルは本サービス開始後から実装されるスキルだ。
サービス開始後に何を使う、何を使いたい、なんて話をしてるうちにその話に参加してなかった俺にその話が流れてきたわけなのだが、
それは───
「ま、槍投げ全国一位の如月春揮には二刀流や神聖剣なんて興味無いよね」
「その称号やめてください、馬鹿にされてるように感じます」
「別に馬鹿にしてるわけじゃないんだけどなぁ、ま、スキルを使うのは人それぞれだからいいけど」
本心なのか冗談なのか、木田先輩は俺の唯一の自慢出来る点、もとい槍投げの成績を口に出して来た。
二刀流、神聖剣、その他様々なユニークスキルを用意しているけど、確かに槍に関係するものでは無い、俺が初めて許可を得たスキルを除けばの話だけど。
「先輩、如月先輩」
「あぁ、そろそろ行くか」
「ん?如月、可愛い後輩を連れてどこ行くんだ?」
「ちょっと2人だけでやりたい事があるので、何かあったらメッセージ飛ばします」
俺は2人の先輩にそう伝え、後輩に手を引かれながらとある場所に向かった。
俺の手を引きながら目的地に向かう後輩の後ろ姿は俺のよく知る人に似ていた──
「この辺ですよね?」
「あぁ、ここなら敵もそんなに強くないし慣れるにはちょうどいい場所だと思う」
俺と後輩が向かった先は第一層のボス部屋に向かうダンジョン、もとい迷宮区だ。
俺の後輩、もとい
そして何故か楓は俺に「βテストやる時、私に戦闘を教えてください」と言ってきた、理由は聞かないで俺は了承し、今に至る。
「よし、とりあえずそこのボアを倒してみよう」
「はい!」
楓は俺が事前に教えたタゲ取りの方法を使い、ボアを戦闘状態にさせ、攻撃を……と思いきやボアに近いところで小石につまづき、そのまま転倒した。
ボアはそんなこと気にしないと言わんばかりに攻撃前のモーションに入ろうとした。
「させるか……っ!」
楓に攻撃が出される前に俺は片手直剣SS《ヴォーパルストライク》を放ちボアを倒し、その勢いのまま転んだ状態の楓を起こした。
「すみません……まさかここまで再現されてるとは思わなかったです」
「まぁ、俺が何も言わなくても攻撃をしようとしたのはすごいと思うよ、ホントに初めてなのか?」
「は、初めてですよ!ただ体が勝手に……」
照れ隠しのつもりなのか、少し下を向いてそんなことを言った楓にスキルの放ち方などを教えてそこら辺をうろついているモンスターで実践を始めた。
5匹ほど倒したところで俺のサポート無しに戦闘を開始、使っている武器が槍ということもあって楓はモンスターと距離を取りながら確実にダメージを与えられるようになった。
「……そういえば先輩は、私がなんでアーガスに入ったのか聞かないんですか?」
「そう言われてみれば聞いてないな、なん───」
楓が何故、アーガスに入ってきたのかを聞こうとしたその時、今さっきまで無邪気な顔を見せていた楓が俺の横で倒れていた。
そして心配しようとしたのもつかの間、楓は起き上がったが──
「殺す………!!」
「楓……どうしたんだ…っ!」
起き上がった楓から黒い謎のオーラが出て、それがさらに濃くなると同時に楓は俺に槍を向けた。
「くそ……よりによって楓に……」
俺は楓に起こっている現象を知っている。
誰が設定した訳でもなく、起こったからシステムから消せるというものでもない
プレイヤーが理性を失い、敵味方関係なく攻撃をする……そんな最悪の状態を開発組の俺達はこう呼んでいる。
【狂化】と────
リメイク前では全く語られなかった開発者達のストーリー
今回はEXということで本編時間より前に当たる話になります
今回のメインはあくまで春揮です、楓ちゃんも割と重要ですが……
伏線が張り巡らされていますがいずれ回収されます。
春揮が使おうとしているユニークスキル、そして楓を襲った【狂化】
色々大変なことになりそうです、次回のEXも開発組です。