遊戯王 WIND SEEKER   作:鐡 銀

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無事(?)テストが終わりましたので投稿します。

と言っても今回は会話パートですが。

それでは本編。


十五枚目:大事な記憶

 

「四季野さん、ありがとうございました!」

「私はとても酷いものを見たよ…」

「そ、それは…」

 

申し開きのしようもございません…

 

「…そっちも終わってたんだ」

「あ、緑葉さん。どうでしたか?やっぱり勝ちました?」

「…結構ギリギリだった。小春はやっぱり強いね」

「う〜!負けちゃったよ〜!!」

「あはは…お疲れ様…」

 

いつもの光景、だったりする。

そんな時…

 

「しっ、しし、失礼しましたぁっ!!!」

「「へっ?」」

「あ…またですね」

 

何故か急に四季野さんが走り去ってしまった。一体、何が…?

 

「えっと…神名さん…説明を…」

「彼女は風華に憧れを抱いているんですよ。風華を神格化しているとも言えます。なので風華が近付くと、いつもあぁやってどこかへ行ってしまわれるのです」

 

要するに…緑葉さん限定のコミュ障かな?

 

「…あっ、カード落として行っちゃってるや」

 

僕は、四季野さんが落とした2枚のカードを何の気なしに拾った。そのカードは…

 

 

 

 

 

またしても視界が暗転したかと思ったら、次に広がったのは木々の生い茂る森だった。

 

「…!?」

 

見渡す限り、木、木、木、木、木、木、木、木。薄暗く、木しかなく、はっきり言って不気味とさえ思った。

 

「どこなのさ…ここは…」

 

直ぐには気が付かなかったが、視点の位置も低くなっている。どうやら、背が縮んだか、子供の視点らしい。

 

「…とりあえず、歩いてみようかな…」

 

どこを目指せばいいのか、何も分からないまま歩き続けた。

どれほど歩いただろう。不意に開けた場所に出た。

 

「うわっ…明るい…」

 

そこにあったのは、1件の民家だった。いや、民家なのかは分からないけどさ…

 

『…あっ…』

(…あ、ライズベルトだ…)

 

その民家にいたライズベルトは、僕を見た途端に家の中に入っていってしまった。なんだか、怯えてるみたいに見えたけど…

 

「おやおや、こんな森の中に来るとはね。迷子かい?」

「あ…えっと…その…」

 

ライズベルトと入れ替わりで出てきたのは、仙人みたいなお爺さんだった。

 

「迷子…と言いますか…」

「なんじゃ、違うのか?迷子でもなければここまで来んぞ」

「それよりも…」

 

さっきのって、ライズベルトですよね。僕はそう言おうとした。けれど口から出たのは…

 

「さっきの子は、誰なんですか?」

 

そんな言葉だった。

 

(えっ…誰って…僕は何を言ってるの!?)

「ほっほっほ。なんと、少年は『精霊』が見えるのか。そうかそうか」

「精霊…さっきのって、噂話のカードの精霊なの?」

(僕はなんて当たり前の事を聞いているんだ!?)

 

僕の意志とは関係なく口から出るこの言葉達。それに驚きながらも、僕は自然と受け入れていた。そう、あたかも…

 

前にも同じことを言ったかのように。

 

(…まさか…これって…でも、それなら…!)

「うむ。そうじゃよ。あれはカードの精霊。『召喚師ライズベルト』の精霊じゃ」

「精霊ってホントにいたんだ…!」

「そうじゃ。少年、君にライズベルトを預けても良いかの?」

『えっ!?』

(家の中から反応しちゃったよ…)

 

もう僕は既に考えることを諦めてたからね…

 

『老師、僕は人の世に馴染めるとは思えません!』

「馴染まんでも良い。じゃが、人と馴染むのは良い事じゃよ。というわけで、この少年と共に行きなさい」

『…分かり…ました…』

「そうじゃ、君にならこれを預けてもよかろう」

 

そう言って老人が取り出したのは、僕にとって見慣れたデッキ。そして、見慣れた切り札。

 

「こ、これって…」

『ん…ふぁ。老師、私も旅立つ時ですか?』

「そうじゃ。この少年と共に行きなさい」

『分かりました。よろしくお願いしますね』

「う、うん。よろしく」

 

老人に手渡されたデッキ。その1番上で表向きにされているカードの名前は…

 

 

 

 

 

「……星風さん?」

「…ぁ…」

 

神名さんの声で意識は現実に引き戻された。

 

「す、すいません。少しぼーっとしてました。小春、この2枚を渡してきて?」

「うん、分かった!」

 

小春はパワー・ツールとエンシェントを受け取ると、四季野さんを追っていった。

 

「それじゃあ僕は、デッキを見直してきますね。また後で、デュエルフィールドで会いましょう!」

「…ん、分かった。優姫、手伝って」

「分かりました」

 

僕は緑葉さん達と離れた後、こっそりとライズベルト達に話しかけた。

 

「…何となく、分かったよ」

『何がですか?なんて、言わなくても僕も分かってます』

「…なんでかは分からないけど、決闘竜(デュエルドラゴン)には、僕の記憶を取り戻すための力があるみたいだね」

決闘竜(デュエルドラゴン)にか?まぁ確かに、俺には詳しくは分からないことだらけだが…』

「ただ、まだ不確定要素があるんだよね…」

 

さっきの『機械竜』と『妖精竜』に見せられた光景は、なんとなくだけど僕自身の記憶だと認識できた。現に、僕の元にはライズベルトと、あのデッキ…そして、あのカードがあるから。

けれど、『魔王龍』に見せられた記憶が、僕自身の記憶なのかはあやふやだ。あの光景に当てはまるような情報は持ち合わせていないからね。

 

『ヌレハ。私、とても懐かしい事を思い出しました』

「…やっぱり、君もなんだね。ってことは、僕と君達の記憶はリンクしてるのかな…」

 

人間と精霊の記憶が繋がっている。そんなこと…あるのかな…

 

「…分からないことだらけだよ…」

『…とりあえず、今は考えないでおこうよ。目の前のことに集中しよ』

「その事なんだけど…」

 

僕は、もう1つのデッキから1枚のカードを取りだした。

 

「今回のデュエル、君を入れようかなって思ってるんだ」

『えっ…本当ですか!?』

『おー、その精霊も使うのかー。じゃあ、これも入れてくれないか?俺の新しい力だ』

 

スターダストが渡してくれたのは、見たことの無いシンクロモンスターと、チューナーモンスターの2枚。チューナーモンスターには、妙な縛りがある。

 

「…ちょっと扱いにくそうな効果だね…でもこれなら、あのカードと合わせられるかも」

『あの…スターダストさん…その2枚って、精霊にしか許されない力では?』

『ん、そうだぞ?』

『なんで安安と渡すんですかっ!?ヌレハだからいいもののっ!』

「…?」

 

話はよくわからないけど、デッキの方向性は決まったから、どうにかなりそう!

 

そうしてデッキを組み終えた頃に、放送が入った。

 

「緑葉風華さん、星風濡羽さん、デュエルフィールドに集まってください」

『ヌレハ、呼ばれましたね』

「うん、楽しもうね!」

 

デュエルフィールドに行くと、既に緑葉さんと大勢の学生が来ていた。

 

「…来たね」

「はい、遅くなりました」

「…大丈夫。そこまで待ってないから。それより、始めよう」

「ですね」

「では今から、トーナメント最終戦。ゴールドクラス・プラチナ1位 緑葉風華とシルバークラス 星風濡羽のデュエルを始めます」

(プ…プラチナ1位!?)

 

プラチナ1位、すなわちアカデミア生の最上位、正しく最強。その情報に驚いた反面、納得もした。どうりであそこまで強いわけだ、と。

 

「…黙っててごめんなさい。けど、この肩書きってあまり好きじゃないの」

「いえ、僕が知らなかったのが悪いんですから。でも、だからって気後れしたりはしませんよ。僕が戦うのは、あくまで『緑葉風華』さんですからね!」

「…うん。行くよ、『星風濡羽』くん」

「それでは、始め!」

「…「決闘(デュエル)!!」」




簡単にですが、ライズベルトとの出会いを思い出しました。

以前ちらっと登場した精霊、今回(というか次回)より本格参戦です。誰なのですかね。

次回は再びデュエル回。濡羽vs風華、2戦目です。
前回からデッキが少し変わった濡羽君、今回は勝てるのでしょうか。

ではでは。
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