今回は会話パート。次回がデュエルパートになります。
この作品は会話・デュエル・会話の3話で一括りにする予定です。
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ここはデュエルの盛んな街、フルーナシティ。各々の会社がデュエルチームを持つほどに広まっている。そして今は夜。だいたい8時頃だと思う。
「んー…少し遅くなっちゃったかな」
「うー、1人の夜道は怖いなーっと」
独り言を呟きながら歩いていると、街灯の下でキャリーバッグに座って寝ている人を見つけた。いや、器用だね…
「…すっごくスルーしたい…けど…」
『ダメですよ、こんな所に放置しては可哀想です。連れて帰ってあげましょう』
「…はーい…」
『彼』の言う通り、連れて帰るしかない。そうでなければ煩いから…ね。
買ったものを片手に、その人を背負った。予想外に軽かったので、案外楽に帰れそうかも。キャリーバッグは空いた方の手で引くことにした。
『…あれ、この人もしかして…』
「どうかした?」
『いえ、なんでもありませんよ』
ちょっと気になるけど、なんでもないなら放っておこうっと。
❀
朝。柔らかいベットの上で目が覚めた。けれど、今日に限ってはありえないはずだった。
「…なんで」
『あ、起きた?』
「…何が起きたの?」
『えっとね、昨日の夜、拾われたみたい!』
「拾われた…?」
夜の街の片隅で眠っていた私を拾うってことは…
「…体目当て?」
「寝起きに物騒な事言ってるねぇ!!」
いつの間にか空いていた扉の先に立っていた男の人がそう叫んだ。
「…誰?」
「うっわ、スルースキル高い…僕は
この人も充分スルースキル高いと思う。ブレイクスルー・スキルの親戚かなにか?
「…あなたが拾ったの?」
「いやいや、僕は単なる家主。君を背負って帰ってきたのはうちの居候だよ」
「柊真さん、いくら事実でも、居候って呼ぶのは酷いですよ」
そう文句を垂れながら現れたのは、グレーのパーカーを着た小さな子だった。目と耳にかかるくらいの黒髪に黒眼。背は低く、160センチくらいだと思う。童顔で、とても可愛らしい。それらをまとめて、私の結論は…
「…可愛い、女の子…」
「僕はれっきとした男子ですっ!!!」
…男の子だった。男の娘と言うべき?
「うぅ…また初対面で女の子扱いですか…」
「童顔で背が低いからしょうがないんじゃない?てか何回目?」
「1000超えてから数えてないですよ…」
「逆によく1000回も数えたよね!?」
どうやら、誰の目から見ても彼は女の子っぽいみたい。
「…と、ところで…あなた、女の人だったんですね。背負った時は気付きませんでした」
「…そう?」
私は、他の人と比べて、その…胸が大きいみたいなんだけど…(友人談)それでも、背負って気付かなかったの?
「…………本当に?」
「本当ですけど…なんでですか?」
「……いえ…その…」
私が言い淀んでいると、家主さんがキッパリと言い放った。
「あれじゃない?その立派なモノが背中に当たってたって言いたいんじゃない?」
「『セクハラじゃないですかね!!』」
「…えっ…?」
今…
『全く、なんでトウマはそうもデリカシーがないんですか!僕はなんとなく気付いていましたけど!』
「え、気付いてたの!?ってそうじゃなくて!ライズベルトが出てきちゃダメだって!」
『…あっ、しまった!』
彼の隣に、同じくらいの背丈の男の子がいた。長い黒髪を肩にかけている。とても優しそうな顔をした、いわゆる美少年。でも、既視感がある。
『あ、お兄ちゃんだ!』
『…もしかして、セームなのかい?』
「「…え、知り合い?」」
『あ、はい。彼女はセームベル。ぼくの妹なんです』
『こっちはライズベルトお兄ちゃん!』
「はえぇ、フレーバーで知ってたけど…なるほど、君がライズベルトの妹さんなんだね」
…私も彼も馴染んでいるけれど、実はこの状況は普通に考えたら異常なことだ。
「…いや、君ら平然としてるけどさ…普通に考えたらありえないよね、二人とも『精霊』持ちとか…」
そう、彼の隣にいるのはきっと『召喚師ライズベルト』の精霊。そして私のそばに居るのは『召喚師セームベル』の精霊。この世界では全くと言っていいほど信じられていない、
「いや、これでも驚いてますからね?僕以外に精霊を認識してる人って初めてで」
「…私も。精霊のカードを持ってる人がいるなんてね」
私としては、同士のようで少し嬉しい。
「…さて、話題を変えよう。君はこれからどうするの?」
「…どう、とは」
「状況からの推測だけどさ、君は夜中に1人で、しかもキャリーバッグを持って出かけていた。しかも昨日は金曜日。向かっていたのはこの街の中央区、多分目的地は中央駅だよね。連休前って訳でもないから旅行の線は消える。これらから導き出される答えって…
「…!!」
そう…家主さんの言う通り、私は昨日家出をした。理由は…言いたくはない。
「それで、提案なんだけどさ。君さえ良ければ、ここにいる?部屋ならまだ空いてるし」
「…良いんですか?」
「全然いいよ。デュエルアカデミア フルーナ校の2年生、緑葉風華さん」
「…!?!?」
「ごめんね、中身勝手に見ちゃった♪」
「…変態」
この人は、ダメな人だ。警戒しなければならない。
「変態なの!?」
『当然でしょう!人の荷物を勝手に漁ってるんですよ!?』
「普通に嫌悪感MAXですよ!!」
「う…そうだよねえ…」
「…本当に申し訳ないです、うちの柊真さんが…」
「君は僕の親かな!?というか、なんで敬語なの?」
「…だって…分かんないんですもん」
「…?」
何が分からないのだろう。
「はぁ。とりあえず下でご飯作ってくるから、自己紹介しときなよ〜」
そう言って家主さんは降りていった。ここって2階だったんだ…
「…本当に申し訳ないです…」
「…大丈夫…着替えと制服、財布とデュエルディスクにデッキ…それしか入ってないから」
「そう言って貰えるとありがたいです」
『それよりも自己紹介!』
「あ、そうだったね。僕はデュエルアカデミア フルーナ校の2年生、
「…どうせ同じ屋根の下に住むんだから、敬語はいいのに」
「………………え、ホントに住むんですか??」
「…ダメなの?」
彼は本気で困惑していた。何か不都合でもあったのかな?
「うぅ…柊真さんって基本ノリで動くからなぁ…うーん…」
「…それより、敬語」
「あー…うーん…僕の方が格下かもしれませんし…」
「…クラスは?」
「僕はシルバーです。高等部の時に外部からブロンズに編入しました」
「…1年でシルバー…凄いね。私はゴールドよ」
「ゴールド…凄いですね…やっぱり敬語は外せそうにないなぁ…」
…彼の反応は、私のことを知らないのかもしれない。それならば黙っておこう。
私がゴールド生の中でも上位10人に与えられる『プラチナ』の称号持ちであり、プラチナの中でも1位…学園最強と呼ばれる存在であることは。
「それじゃあ、これからよろしくお願いしますね、緑葉さん」
「…よろしく」
予定外、予想外の同居人が出来ました。
☆
僕はあの後、自室に戻った。この家は割と広くて、個室に使えそうなのが幾つかある。そしてどの部屋も広い。
「んー…緑葉風華さんかぁ…聞いたことないなぁ」
『まぁ、ヌレハは楽しんでただけだもんね』
「それでたった1年でシルバーに上がったんだからねぇ」
ちなみに今は5月。まだ上がったばかりだ。
「にしても、まさかゴールド生の人だったとは…」
『ヌレハはゴールドを目指しているんでしたっけ?』
「ううん、楽しめればそれでいいよ。けどいずれは上がったりするのかなって」
『きっとゴールドに上がったら、ワンキルワンショットの洗礼を受けますよね』
「あはは、かもね」
「…試してみる?」
何故か扉を開けてこちらを覗いていた緑葉さんがいた。
「ひびゃあ!!み、緑葉さん!驚かさないでくださいよっ!!」
「…ごめん、デュエルに関する話が聞こえたから」
「それで開けないでくださいよぅ…」
「…それより、試す?家主さんがご飯を作るまでなら、相手できるよ」
僕は少し迷った。いくらシルバーに上がったとはいえ、そこまで強いとは自分でも思っていないから。
『せっかくなのでやりましょう、ヌレハ!』
「…うん、そうだね!緑葉さん、手合わせお願いします!」
「…わかった」
そして緑葉さんが部屋からデュエルディスクを持ってきて、デュエルをすることになった。どの部屋も広いとは言ったけど…具体的に言うなら『リアルソリッドビジョンを展開しても差支えのないほどに広い』だね。
「それじゃあ、よろしくお願いします!」
「…ん、こちらこそ」
そして僕らは同時に宣言した。
「「
実は間違えて投稿して、テンパって消してしまい、うろ覚えで書き直したのは内緒。
そのせいで初めに書いたのからだいぶ離れてしまった…
誤字脱字 アドバイス 改善点等よろしくお願いします。
(もう少し感覚開けるはずだったのになぁ…忍耐力ない)