遊戯王 WIND SEEKER   作:鐡 銀

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本編開始です。
今回は会話パート。次回がデュエルパートになります。
この作品は会話・デュエル・会話の3話で一括りにする予定です。


一枚目:出会い

 

ここはデュエルの盛んな街、フルーナシティ。各々の会社がデュエルチームを持つほどに広まっている。そして今は夜。だいたい8時頃だと思う。

 

「んー…少し遅くなっちゃったかな」

 

ちょっとした用事(風呂用洗剤の買い出し)で出かけていた僕は家に向かって歩いているところだ。え、自転車じゃないのかって?僕、自転車持ってないんだ。行動範囲=徒歩圏内だからね。

 

「うー、1人の夜道は怖いなーっと」

 

独り言を呟きながら歩いていると、街灯の下でキャリーバッグに座って寝ている人を見つけた。いや、器用だね…

 

「…すっごくスルーしたい…けど…」

『ダメですよ、こんな所に放置しては可哀想です。連れて帰ってあげましょう』

「…はーい…」

 

『彼』の言う通り、連れて帰るしかない。そうでなければ煩いから…ね。

買ったものを片手に、その人を背負った。予想外に軽かったので、案外楽に帰れそうかも。キャリーバッグは空いた方の手で引くことにした。

 

『…あれ、この人もしかして…』

「どうかした?」

『いえ、なんでもありませんよ』

 

ちょっと気になるけど、なんでもないなら放っておこうっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝。柔らかいベットの上で目が覚めた。けれど、今日に限ってはありえないはずだった。

 

「…なんで」

『あ、起きた?』

「…何が起きたの?」

『えっとね、昨日の夜、拾われたみたい!』

「拾われた…?」

 

夜の街の片隅で眠っていた私を拾うってことは…

 

「…体目当て?」

「寝起きに物騒な事言ってるねぇ!!」

 

いつの間にか空いていた扉の先に立っていた男の人がそう叫んだ。

 

「…誰?」

「うっわ、スルースキル高い…僕は龍凪(たつなぎ)柊真(とうま)。この家の家主だよ」

 

この人も充分スルースキル高いと思う。ブレイクスルー・スキルの親戚かなにか?

 

「…あなたが拾ったの?」

「いやいや、僕は単なる家主。君を背負って帰ってきたのはうちの居候だよ」

「柊真さん、いくら事実でも、居候って呼ぶのは酷いですよ」

 

そう文句を垂れながら現れたのは、グレーのパーカーを着た小さな子だった。目と耳にかかるくらいの黒髪に黒眼。背は低く、160センチくらいだと思う。童顔で、とても可愛らしい。それらをまとめて、私の結論は…

 

「…可愛い、女の子…」

「僕はれっきとした男子ですっ!!!」

 

…男の子だった。男の娘と言うべき?

 

「うぅ…また初対面で女の子扱いですか…」

「童顔で背が低いからしょうがないんじゃない?てか何回目?」

「1000超えてから数えてないですよ…」

「逆によく1000回も数えたよね!?」

 

どうやら、誰の目から見ても彼は女の子っぽいみたい。

 

「…と、ところで…あなた、女の人だったんですね。背負った時は気付きませんでした」

「…そう?」

 

私は、他の人と比べて、その…胸が大きいみたいなんだけど…(友人談)それでも、背負って気付かなかったの?

 

「…………本当に?」

「本当ですけど…なんでですか?」

「……いえ…その…」

 

私が言い淀んでいると、家主さんがキッパリと言い放った。

 

「あれじゃない?その立派なモノが背中に当たってたって言いたいんじゃない?」

「『セクハラじゃないですかね!!』」

「…えっ…?」

 

今…()()()()()が聞こえたような…

 

『全く、なんでトウマはそうもデリカシーがないんですか!僕はなんとなく気付いていましたけど!』

「え、気付いてたの!?ってそうじゃなくて!ライズベルトが出てきちゃダメだって!」

『…あっ、しまった!』

 

彼の隣に、同じくらいの背丈の男の子がいた。長い黒髪を肩にかけている。とても優しそうな顔をした、いわゆる美少年。でも、既視感がある。

 

『あ、お兄ちゃんだ!』

『…もしかして、セームなのかい?』

「「…え、知り合い?」」

『あ、はい。彼女はセームベル。ぼくの妹なんです』

『こっちはライズベルトお兄ちゃん!』

「はえぇ、フレーバーで知ってたけど…なるほど、君がライズベルトの妹さんなんだね」

 

…私も彼も馴染んでいるけれど、実はこの状況は普通に考えたら異常なことだ。

 

「…いや、君ら平然としてるけどさ…普通に考えたらありえないよね、二人とも『精霊』持ちとか…」

 

そう、彼の隣にいるのはきっと『召喚師ライズベルト』の精霊。そして私のそばに居るのは『召喚師セームベル』の精霊。この世界では全くと言っていいほど信じられていない、()()()()()()だ。

 

「いや、これでも驚いてますからね?僕以外に精霊を認識してる人って初めてで」

「…私も。精霊のカードを持ってる人がいるなんてね」

 

私としては、同士のようで少し嬉しい。

 

「…さて、話題を変えよう。君はこれからどうするの?」

「…どう、とは」

「状況からの推測だけどさ、君は夜中に1人で、しかもキャリーバッグを持って出かけていた。しかも昨日は金曜日。向かっていたのはこの街の中央区、多分目的地は中央駅だよね。連休前って訳でもないから旅行の線は消える。これらから導き出される答えって…()()だよね」

「…!!」

 

そう…家主さんの言う通り、私は昨日家出をした。理由は…言いたくはない。

 

「それで、提案なんだけどさ。君さえ良ければ、ここにいる?部屋ならまだ空いてるし」

「…良いんですか?」

「全然いいよ。デュエルアカデミア フルーナ校の2年生、緑葉風華さん」

「…!?!?」

「ごめんね、中身勝手に見ちゃった♪」

「…変態」

 

この人は、ダメな人だ。警戒しなければならない。

 

「変態なの!?」

『当然でしょう!人の荷物を勝手に漁ってるんですよ!?』

「普通に嫌悪感MAXですよ!!」

「う…そうだよねえ…」

「…本当に申し訳ないです、うちの柊真さんが…」

「君は僕の親かな!?というか、なんで敬語なの?」

「…だって…分かんないんですもん」

「…?」

 

何が分からないのだろう。

 

「はぁ。とりあえず下でご飯作ってくるから、自己紹介しときなよ〜」

 

そう言って家主さんは降りていった。ここって2階だったんだ…

 

「…本当に申し訳ないです…」

「…大丈夫…着替えと制服、財布とデュエルディスクにデッキ…それしか入ってないから」

「そう言って貰えるとありがたいです」

『それよりも自己紹介!』

「あ、そうだったね。僕はデュエルアカデミア フルーナ校の2年生、星風(ほしかぜ)濡羽(ぬれは)です。よろしくお願いします」

「…どうせ同じ屋根の下に住むんだから、敬語はいいのに」

「………………え、ホントに住むんですか??」

「…ダメなの?」

 

彼は本気で困惑していた。何か不都合でもあったのかな?

 

「うぅ…柊真さんって基本ノリで動くからなぁ…うーん…」

「…それより、敬語」

「あー…うーん…僕の方が格下かもしれませんし…」

「…クラスは?」

「僕はシルバーです。高等部の時に外部からブロンズに編入しました」

「…1年でシルバー…凄いね。私はゴールドよ」

「ゴールド…凄いですね…やっぱり敬語は外せそうにないなぁ…」

…彼の反応は、私のことを知らないのかもしれない。それならば黙っておこう。

私がゴールド生の中でも上位10人に与えられる『プラチナ』の称号持ちであり、プラチナの中でも1位…学園最強と呼ばれる存在であることは。

 

「それじゃあ、これからよろしくお願いしますね、緑葉さん」

「…よろしく」

 

予定外、予想外の同居人が出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はあの後、自室に戻った。この家は割と広くて、個室に使えそうなのが幾つかある。そしてどの部屋も広い。

 

「んー…緑葉風華さんかぁ…聞いたことないなぁ」

『まぁ、ヌレハは楽しんでただけだもんね』

「それでたった1年でシルバーに上がったんだからねぇ」

 

ちなみに今は5月。まだ上がったばかりだ。

 

「にしても、まさかゴールド生の人だったとは…」

『ヌレハはゴールドを目指しているんでしたっけ?』

「ううん、楽しめればそれでいいよ。けどいずれは上がったりするのかなって」

『きっとゴールドに上がったら、ワンキルワンショットの洗礼を受けますよね』

「あはは、かもね」

「…試してみる?」

 

何故か扉を開けてこちらを覗いていた緑葉さんがいた。

 

「ひびゃあ!!み、緑葉さん!驚かさないでくださいよっ!!」

「…ごめん、デュエルに関する話が聞こえたから」

「それで開けないでくださいよぅ…」

「…それより、試す?家主さんがご飯を作るまでなら、相手できるよ」

 

僕は少し迷った。いくらシルバーに上がったとはいえ、そこまで強いとは自分でも思っていないから。

 

『せっかくなのでやりましょう、ヌレハ!』

「…うん、そうだね!緑葉さん、手合わせお願いします!」

「…わかった」

 

そして緑葉さんが部屋からデュエルディスクを持ってきて、デュエルをすることになった。どの部屋も広いとは言ったけど…具体的に言うなら『リアルソリッドビジョンを展開しても差支えのないほどに広い』だね。

 

「それじゃあ、よろしくお願いします!」

「…ん、こちらこそ」

 

そして僕らは同時に宣言した。

 

「「決闘(デュエル)!!」」




実は間違えて投稿して、テンパって消してしまい、うろ覚えで書き直したのは内緒。

そのせいで初めに書いたのからだいぶ離れてしまった…

誤字脱字 アドバイス 改善点等よろしくお願いします。

(もう少し感覚開けるはずだったのになぁ…忍耐力ない)
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