遊戯王 WIND SEEKER   作:鐡 銀

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会話パートなんですけどサブタイはあんまり関係ありません(そもそもサブタイが絡んだ内容がほとんど無いような…)

まぁ簡単に言えば後日談です。

では本編。


二十九枚目:後語と一戦

 

「そこまで!勝者、星風濡羽!転属試験合格!」

「はぁぁ、すっごい楽しかった!」

『そ、それは何よりで…』

『久しぶりに実家(スピードロイド)のみんなと遊べて良かったです!』

『新入りの方が出番あるとか酷いわぁ…つか雑すぎだろ今回』

 

スターダストの愚痴をスルーして『おい!』いると、ショックから復帰した醉宮さんが喚き出した。

 

「っ…てめぇ、ディスクに細工してるだろ!」

「…いや、なにを根拠に?」

「スピードロイドなんて見たことも聞いたこともねぇカードが認識されてる時点でおかしいだろ!」

「これはれっきとしたデッキです。ディスクに細工なんてしてません。というか、細工したらバグが起きて使い物にならなくなるでしょう…」

 

僕の(個人的には)真っ当な言い分にも耳を傾けず、ただただ訳の分からないことを喚いているこの人に対して、僕は一瞬だけ、この人なんでゴールドクラスにいるんだろうなぁ、って考えてしまった。

 

『うだうだとうるせぇやつだなぁ。シューティング・ソニックしていいか?』

『ダメですよ!!』

『そうです、私がギアース・クルセイドして黙らせますから』

『それならヴィクテム・サンクチュアリするわ』

『なんでそうなるんですかぁ!!!!』

(君ら暴れたらどうなるか分かんないからね!?ちょっと落ち着こうか!!)

「往生際が悪いですね」

 

僕がスターダスト達を落ち着かせていると、僕の後ろにいつの間にか神名さんが立っていた。

 

「か、神名さん!?」

「神名…っ!」

「貴方が何を言おうと貴方は星風さんに負けた。その結果は覆りませんよ。それに星風さん達は、先生方が認めてこの試験を受けたのです。それがどういうことか分かりますか?」

「わ、分かんねぇよ…」

 

僕らは校長先生直々に説明されたから知ってるけどね。

 

「既に3人はゴールドクラス相当の実力があるということです。星風さんに至っては、デッキが違うとはいえゴールドクラスの生徒を下していますし、聖川さんもこの間の小規模トーナメントではゴールドクラスの生徒、それに私をも差し置いて上位4名に入りましたからね」

 

湊月君に関してはなにも触れられていない。けどまぁたしかに、湊月君はこれといっていい戦績が残ってる訳でもないからね…

 

「たしかに今回、星風さんは見慣れないカードを使ったかもしれません。ですが、貴方が負けたのはそれが理由ではなく、単に星風さんより弱かっただけですよ」

「神名さん、さすがに言い過ぎでは…」

「普段の鬱憤を晴らすには良い機会でしょう?」

 

うわぁ…割と黒い…

 

「くそっ…くそがぁっ!!」

「そろそろ諦めませんか?貴方は…」

「うるせぇ!!」

「テメェの方がうるせぇぇぇぇ!!!!」

 

あぁ、湊月君…我慢出来なくなったんだね…観客席から飛び降りてこっちに来ちゃったよ…って飛び降りて!?それなりに高さあるのに、足腰大丈夫なの!?

 

「さっきから聞いてりゃうだうだうっせぇんだよ!負けたなら負けたで終わらせろ!次勝ちゃ良いだけだろ!いつまでもガキみてぇに喚くな!」

「んだとぉ!!てめぇもぶっ飛ばすぞ!」

「濡羽に勝てねぇクセに俺に勝てると思うな!」

 

何故か成り行きで湊月君が醉宮さんとデュエルしました。結末?描写するまでもなく湊月君の圧勝でした。相手の盤面は3枚の伏せカードにアンデットネクロだったけど、伏せカードをバブルマンからのアシッドで一掃。残されたアンデットネクロはバトルフュージョンオネスティ・ネオスで倒したらあとはフォーム・チェンジとマスク・チェンジの闇鬼2体連続攻撃で後攻ワンキルしてました。僕以上に怖かったね…

 

 

 

 

 

デュエル後、何故か倒れた醉宮さんが運ばれていく時に神名さんが1枚のカードを醉宮さんから抜き取って来ました。

 

「…ドラゴネクロ…なんでそれを?」

「これは元々、私のカードなんです。これでも私、デュエルを始めた頃は不知火を使っていたんですよ」

「そうなのか!?」

「えぇ。その時のエースがこのドラゴネクロだったのですけど…彼に盗まれまして」

 

…盗まれたカード、放置してたんだ…

 

「中々取り返す機会がありませんでしたけど、今回取り返せました」

「…ストーカーなんですもんね、彼…出来れば近付きたくは無いですよね…」

「ではこれは、勝者の権利ということで星風さんに差し上げますね」

「え…良いんですか?」

「えぇ。私は今はエクゾディアですから」

「ありがとうございます」

 

僕のデッキにも入らないんだけどなぁ…とか思いながらドラゴネクロのカードを受け取った。

 

 

 

 

 

そして視界が暗転した。

 

「…またこれなんだね…」

『よぉ、お前さんが俺の新たな所有者か?』

「へっ、誰? というか、今回は記憶じゃないの?」

『お前さんの後ろだ後ろ』

 

僕が後ろを振り向くと、そこにはドラゴネクロが鎮座していた。

 

『さっきは精神貧弱な元所有者が迷惑かけたな。俺は冥界龍 ドラゴネクロだ。ま、好きなように呼んでくれや。あと、あの軟弱者がぶっ倒れたのは気にすんな。格下と侮ってた相手に二連チャンで負けてメンタルブレイクされただけだからな』

 

うわ…すっごい罵倒してる…というか気絶した理由が二連敗したからって…

 

「…先に言っとくけど、僕のデッキに君は入らないよ?」

『何言ってんだお前さんは。俺の素材は『アンデット族×2』だ、手札誘発幼女(うららやわらし)使った後に龍の鏡でどんなデッキでも出せるぜ?』

 

何でだろう、出せるような気がしてきた。そもそも龍の鏡採用するデッキってなんだろ、【F・G・D】?

 

『デッキによっちゃドラグニティにも入るだろ龍の鏡…まぁデッキに入らなくてもアンデット関連なら情報面でサポートしてやんよ。そんで、お前さんは妙なこと言ってたな、記憶がどうのって』

「…うん。僕は記憶が無くてさ…でも、決闘竜達のカードに触れたら、いつも記憶が戻ってきてたんだ」

『ほーん…ま、俺は渡さんがな。月華竜にまだ渡すなと言われたし』

「…えっ?」

 

ブラック・ローズに、そう言われたの? というか、ブラック・ローズも話せたの!?

 

『なんだその顔は。俺達決闘竜はみんな精霊だぜ?』

「えぇ!?」

 

ってことは、小春のベエルゼも、四季野さんのパワー・ツールとエンシェントも!?

 

『まーそんな話は置いといてだな。本題はこっからだわ』

「…何?」

『お前さん、そのデッキをどこで得た』

「スピードロイドのこと?昔、森に迷い込んだ時に老師から譲ってもらった…みたい」

『ほー、それは思い出してたってことか』

「うん、そうだよ」

『譲り受けたってんなら大丈夫だろうが、1つ忠告しておくぜ。そのデッキ、スピードロイドは精霊のデッキ。人の手を巡る、世界でお前さんしか所有者のいねぇカテゴリデッキだ。そいつを持ってる内はお前さんが大切にしてるカード全部が精霊と同質のモノになるぜ』

 

…つまり?

 

『お前さんが妙な力を付けたら、ドラグニティも精霊として目覚めるかもしれねぇってことだ』

「何それ!?」

『今すぐってわけじゃねぇがな。ま、いずれ分かるさ。お前さんの持ってる全てのデッキを大切にしろよ。じゃあまた後でな』

 

 

 

 

 

「…はっ」

「なんだ濡羽?なんかあったのか?」

「…あったと言えばあったかな…詳しくは言えないけど」

 

少し焦って時計を見てみたけど、そこまで時間は経ってなかった。

 

「つか、いつまでもここにいるのもあれだな。早く戻ろうぜ」

「星風さんはともかく、私と西条さんは勝手に来ましたけどね」

「それは言わないお約束ってもんだぜ」

 

そうして僕らは観客席で待ってる緑葉さんと小春のところに戻った。観客席でクラスメイト達にもみくちゃにされ、家に帰って事の顛末を伝えたら柊真さんに怒られた話はまた別の機会にでも。

 

 

 

 

 

 

そして数日後には終業式があり、僕らは夏休みに入った。

 

「よっしゃぁぁぁ!!夏休み!決闘しまくる(遊び倒す)ぞぉぉ!!!」

「遊ぶのもいいけど、勉強もちゃんとするんだよ」

「うぐっ…柊真さん、それはなしだぜ…」

「…そう言えば、龍凪さんがデュエルしてるの見た事ない」

「そう言われればそうですね。龍凪さんはどのようなデッキを使うのですか?見てみたいです」

「私も知りた〜い!ショップでもデュエルしないもん!」

 

柊真さん、助けを求めるように僕を見ないでください。僕には無理です。

 

「柊真さん、諦めてデュエルしましょう。ね?」

「嘘でしょ…ろくに濡羽君に勝てないのに?」

「そりゃ柊真さんのデッキをメタってますからね。まぁ多分、初見だとそうそう負けませんよ」

「…なら、私がやりたいわ」

「じゃあそういう事でやっちゃいましょう!デュエル開始っ!」

「いきなり!?」

 

柊真さんは焦りながらもデュエルディスクを付け、緑葉さんと対峙した。

 

「「決闘(デュエル)!」」




次回は柊真さんの初デュエルです。

彼は遊戯王の中では影の薄いであろうカテゴリを使います。なにを使うんでしょうね。乞うご期待です。

ではでは。
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