遊戯王 WIND SEEKER   作:鐡 銀

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普通の会話パートです。
やっぱりサブタイトルに悩む今日この頃です。
では本編へ。


四十枚目:一日の終わりに

 

カードを見始めて3時間くらい経ってると思ったけれど、実際には1時間しか経ってなかった。まぁ星風くん達はと言えば…

 

「やー、満足満足!久しぶりにぬれたんを撮れて私は嬉しいよ!」

「……僕はもうボロボロです……」

「にゃはは〜♪茜っち、後で私にも送って〜♪」

「おー、いーよいーよ!ぜんっぜん良き!」

「やーめーてー…」

 

…関わらない方がいいわね、あれ。もう少しカードを見ている方がいい気がするわ…

 

「風華さん、何か捜し物かな?」

「…柊真さん…いえ、星風くんがSRっていう別のデッキを使ってるのを見て、私もガスタを少し見直そうと思ったの。けれど、なかなかいいカードが見つからなくて…」

「そっか、風華さんは新しいカードが欲しいんだね。それなら、このカードを上げるよ」

「…え?いいの?」

「全然いいよ。それになんというか、このカードは風華さんには似合うんじゃないかと思うんだ」

 

そう言って柊真さんは私に数枚のカードをくれた。

 

「…風属性で、魔法使い族なのね。それに、シンクロ召喚をしやすそうな効果。柊真さん、有難く使わせてもらうわ」

「どんなデッキになるのか、僕も楽しみにさせてもらうね」

 

早くこのカードを組み込みたいわ。今からでもデッキを組み直しましょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2,3時間後。僕達は茜さんと別れて1度旅館に戻ってきた。というのも、小春の提案で午後から海に行くことになったから、水着を取りに戻ってきたんだ。

そして僕達は海に行ったんだけど…

 

「わ〜、広〜い!」

「それに、人も少なくて良かったわね、マリー?」

「そうですね、ラインちゃん…本当に良かったです…」

 

マリーさん…反応的にもしかして人見知りなのかな?アイドルなのに…

 

「つーか着替えたは良いけどよー…」

「うん…湊月くんの言いたいこと、凄くわかるよ…」

 

湊月君と柊真さんは、我慢できないようにほぼ同時に叫んだ。

 

「「物凄く目のやり場に困るっ!!」」

 

…そんなに困るのかな?確かにみんな水着だけど…

 

「濡羽さんは…理解出来てないみたいですね…」

「にゃはは…濡羽っちってどこか鈍いもんね〜…」

「…鈍いどころの話じゃない気もするわね…」

「昔っからぬれたんは女の子になびかないからねー」

 

あ、そうそう。茜さんと別れたとは言ったけど、合流してないとは言ってないよ(軽い絶望感)

 

「そんなに変なのかな…」

『おう、ヌレハは割と変だぞ』

『お前さんは、男としてはどうかと思うな。女だと言うなら納得だが』

 

スターダストもドラゴネクロも酷くないかなっ!?僕は男子だからね!?

 

「星風は、なんで急に渋い顔をしてるのよ…するならもう少し前からでしょ」

「星風さんにも色々あるんですよ、きっと」

 

神名さんは輝琉さんと違って、精霊のことを知ってるから、僕が渋い顔をした理由も何となく察してくれてるんだろうなぁ…

 

「だーっ!しゃらくせぇ!とりあえず遊ぶぞこんにゃろー!」

「…西条君は何に怒っているのかしらね」

「さぁ…僕にも分からないです」

「まぁ、気を取り直してみんなで遊ぼうか。スイカも持ってきたからスイカ割り出来るよ」

「わ〜い!スイカ割りやってみたかったんだ〜♪」

「マリー、私達は海に入りましょ!」

「はいっ!」

 

うん、みんな楽しそうだね。さて僕は…

 

「ぬれたん、どこに行くのかなー?」

「えっ…どこって…」

「ぬれたんも遊ぶんだぞー!」

 

えぇ…僕はパラソルの下にいたいんだけどなぁ…

 

「って、ちょっ、引っ張らないでください!コケますから!」

「ほらほらー、海に入りなよー!」

「うわ、うわわっ!」

 

そのまま僕は茜さんによって海に投げ込まれた。いや、投げ込まれたというより遠心力を使って放り込まれたって感じなんだけどね…

 

「ぷはっ!けほっ、けほっ…茜さん!何するんですかっ!」

「やー、ごめんごめん!ついやっちゃった☆」

「うぅ…目に海水が入ったよ…」

 

僕は何も考えず、いつも通り振り返ってみんなを見た。目に違和感もなかったから、僕はそれに気づけなかったんだ。

 

「…ふぇ?ぬれたん?」

「…星風くん…その眼…」

「眼?眼がどうかし…」

 

半ばまで言ったその時、僕は全てを察した。もしかして…

 

「…と、柊真さん…もしかして今…」

「あー、うん。カラコン外れてる。思いっきり外れてるよ」

「…ってことは…」

「濡羽…お前…右眼、青いぞ…?」

 

にゃー!やっぱりー!?今まで隠してたのにーっ!!

 

「濡羽っち、右眼が青かったんだね〜…知らなかった〜」

「うぅ…目立つから隠せって柊真さんに言われて、それ以来ずっと隠してきたのになぁ…」

「恐らく、緋乃坂さんに投げ込まれた時に海に流れてしまったのでしょうね」

 

神名さん…冷静に分析されても困りますよ…

 

「うぅ…見ないでぇ…」

「…どうして?とても綺麗なのに」

「…ふぇ?」

「そうだな。そこまでして隠すようなもんでもねぇぞ?」

「…そうなの?」

 

何だか、あからさまに柊真さんが目を逸らしてる気がするんだけど…気のせいかな?

 

「…柊真さん…?」

「い、いやー…なんか、みんなの適応力というか、なんというか…それが予想外に高かったね…」

 

うん…後でまたヘル・テンペスト打ってあげよっと…

 

「なんか物騒なこと考えてないかなっ!?」

「イヤー気のせいですよ気のせい」

「うん、気のせいじゃないよね!!」

 

柊真さんの悲痛な叫びにみんな苦笑いになりながらも、海を満喫した。

そしてこの時から僕は、右眼を隠すことをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☪︎

 

その日の夜。俺達は旅館に用意された部屋に泊まった。女子組は5人になったから、緑葉さんと聖川と神名さんの3人組と、マリーとラインのアイドル組で二部屋に分かれた。俺と柊真さんと濡羽の男子組は一部屋だけどな。

んで今は温泉から上がったとこ。俺が一番最後に入ったんだよな。

 

「ふぃぃ、気持ちよかったなぁ」

「おかえり、湊月君。もう布団は敷いてあるよ」

「あざっす。濡羽は?」

「もう布団に入っちゃったよ」

 

早いなおい…って早くねぇな。もう11時だしな。

 

「じゃあ俺も寝ますわ。柊真さんも夜更かしは禁物っすよ」

「分かってるよ。お休み、湊月君」

 

そうして部屋の奥に敷かれていた布団に向かうと、濡羽はスマホの電源をつけたまま寝落ちていた。

 

「ったく…無駄に充電消費するだけだぞ…って、ん?こりゃ…」

 

濡羽は何かを調べていたようだが…開いてあるタブを見て、俺は少し笑ってしまった。

 

「ははっ、なーんだ。この事を気にしてたのか、濡羽は」

 

開かれていたタブは『マリー・リュクス・ミネルヴァ』『輝琉ライン』といったアイドル関連の事柄を筆頭にした、現代社会の常識みてぇな物だった。

 

「すぅ…すぅ…」

「普段ロクに調べることもしねぇ濡羽が、こんなこと調べるなんてなぁ…」

 

俺は濡羽のスマホの電源を落とし、友の些細な変化を喜びながら布団に潜り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時、少しずつ、静かに、でも確実に闇は侵食していた。

僕が災厄を見るまで、あと僅か。




次回か次次回にはまたデュエルすると思います。
そして早速カード紹介。

「はい、という訳でカード紹介も3回目。今回担当するのは僕、龍凪柊真と」
「神名優姫です。柊真さんは一応メインキャラなのに出番が少ないですよね」
「うっ、それは言わないで…それよりもカード紹介だよ。今回はどんなカードなのかな?」
「はい。今回は風華のカード、《召喚師セームベル》です」

召喚師セームベル
効果モンスター
星2/風属性/魔法使い族/攻 600/守 400
自分のメインフェイズ時、
このカードと同じレベルのモンスター1体を手札から特殊召喚する事ができる。
この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「手札から同レベルモンスターを特殊召喚出来るモンスターだね」
「ですが良くも悪くも同レベルしか特殊召喚出来ませんからね。しかも、フィールドに存在する限り1度だけ、という縛りもありますから、何度も使いたければセルフバウンスが必須です」
「けど、レベルさえ調整してしまえばエクシーズ召喚がしやすいし、チューナーを特殊召喚すればレベルの合うシンクロモンスターもシンクロ召喚出来るから、上手く使えるかどうかってところだね」
「風華はよくリンク召喚に利用していますよ。ウィンの素材を簡単に満たせますからね」
「確かにそうだね。さて、次は誰が担当するのかな?」
「この流れから予想するのは容易いですが、私の口からはなんとも」
「それなら僕も黙っておこうかな。それじゃあまた次回だね」
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