遊戯王 WIND SEEKER   作:鐡 銀

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お久しぶりです。受験も終わって投稿復活です。結果ですか?ハハッ、聞かないでください(血涙) えっ、実はハーメルンにいただろ?ナンノハナシデスカネー
久しぶりの投稿でちょっとテンションおかしくなってます。
今回から大会遠征編、開幕を飾るのはマリーさん。はてさて、対戦相手は誰なのでしょうか。
それでは本編。



四十七枚目:第一試合 幻流vs海姫

 

「…なんで、穂紫先輩の名前が…」

「いや、名前があるなら参加者だろ。んで、俺たちみたいに旅行で来てるんじゃないなら、十中八九遠征だな」

「ですね。しかし穂紫先輩ですか…懐かしい名前ですね」

「なんで懐かしい名前なの~?知り合い?」

「…優姫が、私を除いて唯一負けた相手だからよ」

 

そう…思い返してみれば、優姫が私以外に負けたのは、後にも先にもあの一戦だけだったのよね。

 

「はっ?それマジ?その人、そんな強ぇのか?」

「えぇ、とても強いです。私の場合、攻撃を防ぐ手立ても展開を妨害する手立ても少なかったので、後攻ワンキルを受けてしまいました」

「うっそぉ!?ワンキル!?」

「ワンキルできるデッキなの!?」

「…まぁ、簡単には負けないわ」

「いやいや、闘志燃やしちゃってるけど先に他の子のデュエルでしょ。確かルーキークラスの一戦目はマリーちゃんだったよね」

「は、はい!緊張してきました…」

「気楽にやればいいのよ、気楽に」

 

マリーさんは気負っているみたいだけど、リラックスしなきゃ勝てるものも勝てなくなるわ。それが分かるといいのだけれど……

そう考えていた時、ナユタプロのアナウンスが流れてきた。

 

「それじゃあ、早速ルーキークラスの試合から始めるよ!!一戦目のカードは…マリー・リュクス・ミネルヴァVS真藤(まとう) (ながれ)!!ってアイドル参戦とかサプライズすぎでしょ!?僕も聞いてないんだけど!?と、とりあえずお2人はスタジアムに降りてきてね!第二試合のプレイヤーも降りてきて準備しててねー!ちょっと深呼吸しよ…

「わわっ!よ、呼ばれちゃいました!?」

「呼ばれたわね。ほら、頑張ってきなさい!」

「はいっ!行ってきますね、ラインちゃん!」

 

楽しそうでありながらもどこか危なっかしい足取りでマリーさんは走っていった。途中でコケないか心配だけど…

 

「マリーの実力なら大丈夫でしょうけど、ヘマしないか心配ね」

「それは…何となく分かりますね…」

「ここで俺達が気にしてもしゃーないだろ。本人がどうするか、だぜ」

「…西条君の言う通りね。マリーさん次第だわ」

 

そう話していると、スタジアムにマリーさんともう1人、私達と同い年に見える青髪の青年の姿が現れた。どうやら準備が終わったみたいね。

 

「さーて、それじゃあ初戦に挑むお2人に意気込みを聞いていこうかな!マリーさん、ドーゾ!」

「あっ、はい!今日使うワタシのデッキは最近できたお友達に頂いた物なのですが、凄く強いので楽しみにしていてください!」

「おー、それは楽しみだねー!マリーさん自身、今回が初めての大会らしいからそっちの意味でも楽しみだね!それじゃあ真藤君、ドーゾ!」

「勝つ!以上!」

「うわー、簡素!でも分かりやすくていいね!それじゃあ意気込みも聞いたし始めよう!開幕にふさわしいデュエルを期待するよ!デュエル開始!」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

 

 

 

デュエルスタンバイ

 

新マスタールール LP 8000

 

決闘者(デュエリスト)

 

先攻 真藤 流

後攻 マリー・リュクス・ミネルヴァ

 

デュエル開始

 

 

「先攻は貰う!俺は手札からフィールド魔法《幻煌の都 パシフィス》を発動する!」

 

彼が発動したのは、海底に沈んだような都市を写したフィールド魔法。あのカードには見覚えがあるわ。というか、ここまで声が届くってことはマリーさん達が立っている場所にはマイクが内蔵されているのかしらね?

 

「…彼は()()()()()を使うのね」

「そうみたいね。アレを使う人って割とひねくれてる気がするんだけど」

「アレってなぁに?」

「見てれば分かるよ茜ちゃん。というか多分茜ちゃん以外わかってると思うよ」

「あ、あはは〜…」

「あっこれは聖川も分かってねぇな」

 

わからなくても、見ていれば自ずとわかるのだけれどね。

 

「そして俺は、《幻殻竜》を召喚!!」

 

 

幻殻竜 攻撃表示

ATK 2000

流 手札 5→3

 

「この瞬間、パシフィスの効果が起動する! 通常モンスター1体のみが召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキから『幻煌龍』魔法・罠カード1枚をサーチする。この効果で俺は《幻煌龍の螺旋波(スパイラル・ウェーブ)》をサーチ!」

 

流 手札 3→4

 

「そして幻殻竜にスパイラル・ウェーブを装備。俺はこれでターン終了!」

 

モンスター 幻殻竜(攻撃表示)

魔法・罠 螺旋波(装備:幻殻竜)

フィールド パシフィス

墓地 0

手札 3

デッキ 34

LP 8000

 

 

「割と大人しめ…ですかね?ワタシのターン、ドローです!」

 

マリー 手札 5→6

 

「ワタシは《サイバネット・マイニング》を発動します!」

「サイバネット…サイバース族デッキか!?くっ、だがこの瞬間、パシフィスのもうひとつの効果が起動する!」

「えっ、もうひとつの…!?」

 

あの反応…やっぱりマリーさんは知らなかったみたいね。ここからがあのデッキ…【幻煌龍】の本領発揮よ。

 

「相手が魔法・罠カードを発動するか、効果モンスターの効果を発動した時、俺の場にトークンが存在しないなら《幻煌龍トークン》を特殊召喚する!」

 

幻煌龍トークン 守備表示

DEF 2000

 

「またモンスターが…!ですがマイニングの効果で手札の《海晶乙女クラウンテイル》を墓地へ送ることで、デッキから《海晶乙女ブルータン》を手札に加えます!」

 

マリー 手札 6→4→5

 

「マリンセスか…厄介だな。だがいま特殊召喚したトークンも『通常モンスター』、よって再びパシフィスの効果が起動する!今回は(トラップ)カード、《幻煌龍の戦渦(せんか)》をサーチ!」

 

流 手札 3→4

 

パシフィスの中から現れた灰色の海龍。そしてその海龍に導かれるように手札に加わった1枚の(トラップ)カード。

【幻煌龍】は、《幻煌の都 パシフィス》を中心にデッキを回す『通常モンスター特化デッキ』。属する装備魔法は通常モンスターにしか装備できず、パシフィスの効果も通常モンスター1体のみの召喚・特殊召喚にしか反応しない、まさしく通常モンスターのためのデッキ。そんなデッキの切り札を早期に出せるかが課題でもあるわね。

あと、ひねくれてるって感じてる理由がもうひとつ。あのデッキのカードに『効果モンスター特効』とも言えるカードがあるのよね。現代遊戯王を否定しているようなカードだから、ひねくれてるように感じるのかしら?

 

「セットしないと使えない罠カードを…?次のターンのためでしょうか…けど、やる事は変わりません!《海晶乙女パスカルス》を召喚します!」

 

海晶乙女パスカルス 攻撃表示

ATK 1200

マリー 手札 5→4

 

「パスカルスが召喚に成功した時、手札からマリンセスモンスター1体を守備表示で特殊召喚できます。この効果で先程サーチしたブルータンを特殊召喚します!」

 

海晶乙女ブルータン 守備表示

DEF 1200

マリー 手札 4→3

 

「ブルータンの効果発動です!デッキからマリンセスカードを墓地に送ります。この効果で《海晶乙女シーホース》を墓地へ!」

 

ここまでは海晶乙女デッキの基本の動き。けど、さっき彼…真藤君は、アレをサーチしていた。となると、問題はどこで使うか。

 

「開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』!ワタシは海晶乙女ブルータンをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク1、《海晶乙女ブルースラッグ》ON STAGE!」

 

海晶乙女ブルースラッグ リンク1 ↓

ATK 1500

 

「リンク召喚に成功したブルースラッグの効果をチェーン1、リンク素材になったブルータンの効果をチェーン2で発動します!」

「…通そう!」

「ではブルータンの効果です!デッキから3枚をめくり…その中から《海晶乙女マンダリン》を手札に加えて、残りをデッキに戻します。そしてブルースラッグの効果で墓地の《海晶乙女シーホース》を回収します!そのまま手札のシーホースをブルースラッグのリンク先に特殊召喚します!」

 

海晶乙女シーホース 守備表示

DEF 1000

マリー 手札 3→5→4

 

「再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『レベル4以下のマリンセスモンスター1体』!ワタシは海晶乙女シーホースをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク1、《海晶乙女シーエンジェル》ON STAGE!」

 

海晶乙女シーエンジェル リンク1 ←

ATK 1000

 

「リンク召喚に成功したシーエンジェルの効果を発動します!」

「…ここもまだ違う!通す!」

「ではシーエンジェルの効果を解決します!デッキから《海晶乙女の闘海(マリンセス・バトルオーシャン)》を手札に!」

 

マリー 手札 4→5

 

ここまで真藤君はマリーさんを止めないわね。彼の発言からして、彼は海晶乙女デッキについての知識があるってことかしら?

 

「《海晶乙女の闘海》をそのまま発動します。そして三度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはブルースラッグとシーエンジェルをリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク2、《海晶乙女コーラルアネモネ》ON STAGE!」

 

海晶乙女コーラルアネモネ リンク2 ←↓

ATK 2000

マリー 手札 5→4

 

「コーラルアネモネの効果発動です!墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスターを特殊召喚します!」

「…ここだ!手札から(トラップ)発動!」

「えっ、手札から!?」

「《幻煌龍の戦渦》!自分フィールドに通常モンスターのみが存在する場合、相手のカード1枚を破壊する!消え去れ、コーラルアネモネ!」

 

真藤君のフィールドであるパシフィスから渦を伴った銃弾が放たれ、コーラルアネモネを撃ち抜いた。あの銃弾、きっと《海皇の狙撃兵》のものね。イラスト通りとは恐れ入るわ…

 

「そんなっ…けど、コーラルアネモネの効果が無効になったわけではありません!墓地からシーエンジェルを特殊召喚します!そして墓地へ送られたコーラルアネモネの効果で墓地のブルータンを手札に!」

 

マリー 手札 4→5

 

「ねーねー風華さん。なんであのトラップって手札から使われたの?」

「…あのカードを含む『幻煌龍』トラップカードは、《海》がフィールドに存在する場合に手札から発動できるのよ。そして《幻煌の都 パシフィス》には『カード名を《海》として扱う』効果があるの」

「ほぇぇ、そんな効果があるんだねー」

「そーなんだー。ふーちゃんは物知りなんだね!」

「……ふ、ふーちゃん?」

「そ!風華だからふーちゃん!」

 

……ま、また妙な愛称ね…っと、マリーさんの試合に注目しないと。

 

「…少し変わってしまいましたけど、問題ありません!手札の《海晶乙女マンダリン》の効果を発動します!自分フィールドにマリンセスモンスターが2体以上存在する時、自分の水属性リンクモンスターのリンク先に特殊召喚できます!シーエンジェルのリンク先に特殊召喚!」

 

海晶乙女マンダリン 守備表示

DEF 100

マリー 手札 5→4

 

「ちっ、3体揃えられたか…」

「四度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはマンダリン、シーエンジェル、パスカルスの3体をリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク3、《海晶乙女マーブルド・ロック》ON STAGE!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック リンク3 ←↓→

ATK 2500

 

「自身の効果で特殊召喚したマンダリンは場を離れると除外されます。そしてこの瞬間、バトルオーシャンの効果発動です!エクストラモンスターゾーンにマリンセスリンクモンスターが特殊召喚された時、墓地のマリンセスリンクモンスター3体をそのモンスターに装備します。マーブルド・ロックに、ブルースラッグ、シーエンジェル、コーラルアネモネを装備します!これによりバトルオーシャンの1つ目の効果で200ポイント、2つ目の効果で1800ポイント、合計で2000ポイント攻撃力がアップします!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 2500→4500

 

「バトルフェイズに入ります!マーブルド・ロックで幻殻竜に攻撃!」

 

マーブルド・ロックはその鋭い爪で幻殻竜を切り裂いた…かに見えたが、幻殻竜は渦に護られ無傷だった。やっぱり、マリーさんはあのデッキについて知らないのね。

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 4500

幻殻竜

ATK 2000

4500-2000=2500

流 LP 8000→5500

 

「…スパイラル・ウェーブを装備したモンスターは、1度だけ戦闘では破壊されない。追撃はあるのか?」

「うっ…これでバトルフェイズは終了です」

「ならこの瞬間、スパイラル・ウェーブの効果発動!」

「っ、このタイミングで装備魔法の!?」

「破壊耐性効果を適用したバトルフェイズ終了時、デッキから《幻煌龍 スパイラル》を特殊召喚し、このカードを装備する!現れろ、歴戦を経し最強の幻龍!《幻煌龍 スパイラル》!!」

 

幻殻竜の纏っていた水色の渦が分離し、同じく水色をした龍を呼んだ。そして、その渦は新たな龍を護るように周囲を囲んでいった。

 

幻煌龍 スパイラル 攻撃表示

ATK 2900

 

「攻撃力、2900…ですが、まだマーブルド・ロックの方が攻撃力は上です!」

「スパイラル・ウェーブの効果には続きがある。この効果で装備された時、相手は手札を1枚捨てなければならない!さぁ、1枚選べ!」

「うっ、ではこのカードを…」

 

マリー 手札 4→3

 

「メイン2。何もせずにターン終了です…」

 

マリー

モンスター マーブルド・ロック

魔法・罠 ブルースラッグ シーエンジェル コーラルアネモネ

フィールド バトルオーシャン

墓地 4

除外 1

手札 3

デッキ 32

LP 8000

 

 

「ふっ、予定が狂ったか?俺のターン、ドローだ!」

 

流 手札 3→4

 

「…これは使えるな。俺はトークンをリリースし、《フロストザウルス》をアドバンス召喚!」

 

フロストザウルス 攻撃表示

ATK 2600

流 手札 4→3

 

「ここでパシフィスの効果を起動し、《幻煌龍の螺旋絞(スパイラル・ホールド)》を手札に加えさせてもらう。そしてスパイラル・ホールドをスパイラルに装備する。その効果でスパイラルの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

 

今度は、スパイラルを群青色の渦が包んだ。あのカードも結構厄介よ。

 

幻煌龍 スパイラル

ATK 2900→3400

 

「攻撃力3400…けどマーブルド・ロックよりも攻撃力は下です!」

「ふっ、それはどうかな。手札より(トラップ)カード、《幻煌龍の浸渦(しんか)》を発動!」

「また、手札から…!」

「その効果により、マーブルド・ロックの効果を無効にして攻撃力を1000ポイントダウンさせる!」

「そんなっ…!」

 

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 4500→3500

流 手札 3→2

 

そう、これが幻煌龍の厄介な点。手札から罠を発動できるだけじゃなく、どれも強力な効果を持っているの。さらに言うなら、【海晶乙女】の守りの要である《海晶乙女波動(マリンセス・ウェーブ)》はモンスター効果を無効にしなければならず、無効にする効果を持たない通常モンスターばかりで構築される【幻煌龍】とは相性が悪過ぎるのよね。

 

「で、ですが!それでもまだマーブルド・ロックよりも攻撃力は下です!」

「そうだな。だがまぁ、100程度ならギリギリどうにかなるさ!《竜角の狩猟者》をペンデュラムスケールにセッティング!」

 

竜角の狩猟者 ペンデュラムスケール3

流 手札 2→1

 

「狩猟者のペンデュラム効果により、俺の場の通常モンスターは攻撃力が200アップし、戦闘では破壊されなくなる!」

「うっ、微妙な差で越えられました…」

「微妙って言うな!」

 

幻煌龍 スパイラル

ATK 3400→3600

フロストザウルス

ATK 2600→2800

幻殻竜

ATK 2000→2200

 

「バトルフェイズ。スパイラルでマーブルド・ロックに攻撃!スパイラル・ストリーム!」

 

幻煌龍 スパイラル

ATK 3600

海晶乙女マーブルド・ロック

ATK 3500

3600-3500=100

マリー LP 8000→7900

 

「くうっ…ですが、ここでフィールドから墓地へ送られたコーラルアネモネの効果が発動します!墓地から、先程捨てたブルータンを再び手札に加えます!」

 

マリー 手札 3→4

 

「まぁいいさ。そのままフロストザウルス、幻殻竜でダイレクトアタック!」

 

幻殻竜 ダイレクトアタック

ATK 2200

フロストザウルス ダイレクトアタック

ATK 2800

マリー LP 7900→2900

 

「きゃあっ!うぅ、一気に5000も…」

「バトルフェイズ終了。この瞬間、スパイラル・ホールドの効果発動!デッキから2体目のスパイラルを特殊召喚し、このカードを装備する!」

 

スパイラルから群青色の渦が離れ、2体目のスパイラルを呼び出した。そしてスパイラル・ウェーブの時と同じく、2体目のスパイラルを群青色の渦が包んだ。

 

幻煌龍 スパイラルB 攻撃表示

ATK 2900→3400→3600

幻煌龍 スパイラルA

ATK 3600→3100

 

「そしてこの効果で装備した後、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

「ええっ、そんな!?」

 

幻煌龍の螺旋絞 効果ダメージ

マリー LP 2900→1900

 

「うっ、うぅ…残りライフが一気に1900に…」

「これが幻煌龍の力だ。俺はこれでターンエンド!」

 

モンスター フロストザウルス 幻殻竜 スパイラル×2(攻撃表示)

魔法・罠 螺旋波(装備:スパイラルA) 螺旋絞(装備:スパイラルB)

ペンデュラム 狩猟者

フィールド パシフィス

墓地 2

手札 1

デッキ 29

LP 5500

 

 

「ここから巻き返さないと…ワタシのターン、ドローです!」

 

マリー 手札 4→5

 

前のターンでマリーさんはライフを6100も削られた。さらにパシフィスが健在なので、何かアクションを起こせばトークンが呼び出され、また幻煌龍トラップを加えられる。そうでなくても戦闘破壊できない通常モンスター達を突破するのは至難の業。どうするのかしらね。

 

「このカードなら、突破できますけど…うぅ、気が引けます…でもやらなきゃですよね。ワタシはスパイラル・ホールドを装備しているスパイラルをリリースして《海亀壊獣(かいきかいじゅう)ガメシエル》を攻撃表示で特殊召喚します!」

「……………はっ?」

 

海亀壊獣ガメシエル 攻撃表示

ATK 2200

マリー 手札 5→4

 

「…あっ、酷い」

「……酷い、ですね」

「………詰んだわね、アレ」

「え?え?どゆこと?こはるん、分かる?」

「わかんない!」

「あー、2人のためにざっくり言うとな、ガメシエルがいる限り幻煌龍トラップは発動できねぇんだよ。アレ、通常モンスターしかいない時にしか効果使えねぇんだ。そうっすよね、永遠さん」

「そーそー。だから真藤君は詰んだねー。次のドローでレベル5か6(上級)の通常モンスター引くか自爆特攻しか手がない。ま、もしくは幻殻竜と一緒にリリースするならレベル7以上(最上級)の通常モンスター引くってのもアリだね」

 

…まぁ正直、戦闘破壊できない相手とかを処理するならガメシエルもとい壊獣は効果的なのよね。今回は特に相性が良いってのは偶然でしょうけど。

 

「………………………」

「うぅ、恨みの籠った視線が痛いです…けどこれで動けます!再びブルータンをし、召喚します!」

 

意気揚々と現れたブルータンも、真藤君の目を見て若干引いてるわね。可哀想に…

 

「ぶ、ブルータンの効果でデッキから《海晶乙女バリランシマ》を墓地へ送ります!そしてブルータンを素材に2体目のブルースラッグをリンク召喚します!ブルースラッグの効果、チェーンしてブルータンの効果を処理します。ブルータンの効果で…今回はシーホースを手札に加えます。そしてブルースラッグの効果で墓地のパスカルスを手札に戻します」

 

マリー 手札 4→3→5

 

「そして手札のシーホースをブルースラッグのリンク先に特殊召喚します。そして再び開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはシーホースとブルースラッグをリンクマーカーにセット、リンク召喚!来て、リンク2!愛しき海の心、《海晶乙女クリスタルハート》ON STAGE!」

 

海晶乙女クリスタルハート リンク2 ↙↘

ATK 0

マリー 手札 5→4

 

「さらに手札の《粋カエル》を墓地へ送ることで手札から《鬼ガエル》を特殊召喚します!」

 

鬼カエル 攻撃表示

ATK 1000

マリー 手札 4→2

 

「鬼ガエルの効果で、デッキから2体目の鬼ガエルを墓地へ送ります。そして三度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!ワタシはクリスタルハートと鬼ガエルの2体をリンクマーカーにセット、リンク召喚!リンク2、《海晶乙女コーラルアネモネ》、ON STAGE!コーラルアネモネの効果で墓地からクリスタルハートを特殊召喚します!ここから、行きます!四度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはリンク2のコーラルアネモネとクリスタルハートをリンクマーカーにセット、リンク召喚!清らかなる水の神霊、今ここに!《海晶乙女ワンダーハート》、ON STAGE!」

 

海晶乙女ワンダーハート リンク4 ←↙↘→

ATK 2400

 

「ここでバトルオーシャンの効果とコーラルアネモネのを発動します。コーラルアネモネの効果でこのターンに墓地へ送られたシーホースを手札に加え、墓地からブルースラッグ、シーエンジェル、コーラルアネモネをワンダーハートに装備します!これにより、再び攻撃力が2000ポイントアップです!」

 

海晶乙女ワンダーハート

ATK 2400→4400

マリー 手札 2→3

 

「ちっ、やっぱり流石だなマリンセスは。妨害が無けりゃここまで回せるか…」

「まだまだですよ、流さん」

「はぁ…? ま、まさかまだ回そうってのか!?」

「はい!ワタシは初めのターンに墓地に送られていたシーホースを除外して効果を発動します!手札のマリンセスモンスター、パスカルスをワンダーハートのリンク先に特殊召喚します!」

 

海晶乙女パスカルス 守備表示

DEF 2000

マリー 手札 3→2

 

「パスカルスの効果で手札のシーホースを再び守備表示で特殊召喚します!さらに墓地の《粋カエル》の効果発動です!墓地の鬼ガエルを除外して墓地から特殊召喚します!」

 

海晶乙女シーホース 守備表示

DEF 1000

粋カエル 守備表示

DEF 2000

マリー 手札 2→1

 

「五度開いて、蒼き海へのサーキット!召喚条件は『水属性モンスター2体』!粋カエルとシーホースをリンクマーカーにセット、リンク召喚!《海晶乙女クリスタルハート》、Re:ON STAGE!」

 

海晶乙女クリスタルハート リンク2 ↙↘

ATK 0

 

「再び墓地の粋カエルの効果を発動します!」

「なっ、ターン1ねぇのかよ!!」

「ないです!2体目の鬼ガエルを除外して、墓地から再び特殊召喚!最後にもう一度開いて、蒼き海へのサーキット!」

「もう6回目だけどなぁ!」

「召喚条件は『水属性モンスター2体以上』!ワタシはパスカルスと粋カエル、リンク2のクリスタルハートをリンクマーカーにセット、リンク召喚!美しき海の女神、今ここに!リンク4、《海晶乙女グレート・バブル・リーフ》、ON STAGE!」

 

海晶乙女グレート・バブル・リーフ リンク4 ←↙↓→

ATK 2600

 

「グレート・バブル・リーフ…攻撃表示2600か。だが俺のフィールドには攻撃力3600のスパイラルと2800のフロストザウルス、2200の幻殻竜がいる!ついでにお前の寄越した攻撃力2200のガメシエルもなぁ!」

「問題ありません、突破できます!最後の1枚、装備魔法《呪いのお札》をガメシエルに装備します!」

「の、呪いのお札??」

 

……またマイナーなカードが入ってるわね…そういえばあのデッキ、星風くんが組んだのよね。それなら納得だわ。

 

「バトルフェイズに入ります。ワンダーハートでガメシエルを攻撃です!」

 

海晶乙女ワンダーハート

ATK 4400

海亀壊獣ガメシエル

ATK 2200

4400-2200=2200

流 LP 5500→3300

 

「ぐっ…だが、グレート・バブル・リーフ1体でライフを3000以上も削れないだろう!」

「えぇ、削れません。攻撃力2600ですからね。けどグレート・バブル・リーフだけで削る必要はありません!ガメシエルと共に破壊された《呪いのお札》の効果発動です!」

「っ、さっきの装備魔法か!」

「装備モンスターが破壊されることによって呪いのお札が墓地へ送られた時、その装備モンスターの元々の守備力分のダメージをコントローラーに与えます。ガメシエルのコントローラーは貴方なので、貴方に3000ポイントのダメージです!」

「なっ、なにぃ!?」

 

ワンダーハートに包まれるように破壊されたガメシエルは、札の呪いの影響なのか、首だけが動いて真藤君に光線攻撃をしていた。なんというか…敵陣に押し付けられ、戦闘破壊され、最後には呪いで無理矢理バーンダメージに変えられる…ガメシエルも散々な扱いね。

 

呪いのお札 効果ダメージ3000

流 LP 3300→300

 

「これでフィニッシュです!グレート・バブル・リーフで幻殻竜に攻撃です!」

 

海晶乙女グレート・バブル・リーフ

ATK 2600

幻殻竜

ATK 2200

2600-2200=400

流 LP 300→-100

 

「クソっ、俺の負けか…」

「対戦、ありがとうございました!」

 

ゲームエンド WINNER マリー・リュクス・ミネルヴァ

 

 

「決着!勝者、マリーさん!マリンセスデッキ、凄い回ってたね!真藤くんも通常モンスターしかいない幻煌龍デッキでここまで戦えたのも凄いよ!これからに期待だね!」

「次は、負けねぇからな!」

「はいっ!次も楽しみにしてます!」

 

マリーさんは満面の笑みで真藤君にそう言っていた。その笑顔がスタジアムの大画面に映されるものだから、周りの男性陣が沸き立っていたわね。西条君は動じてないけど。

 

「…ねぇ、優姫。感想を一つだけ言わせて」

「何となく分かりますけど、良いですよ」

「…最後、別にマーブルド・ロックでも良かったわよね。カード消費も抑えられたし」

「言うと思いましたよ。それは私も思いましたから」

「別にいいんじゃないの〜?ワンダーハートとグレート・バブル・リーフの並び、すっごい綺麗だったもん!」

「それは、確かに私も思いましたけど…」

「まぁ、マリーも初めての大会だし、楽しくなったんじゃない?それでやれることを全部やりたくなったんだと私は思うわね」

「あー、それ分かるー。私も初めて参加した大会は色々やらかしたもん」

「とわちん、何やったの?」

「全試合後攻ワンキル、やっちゃった♪」

「やっちゃった♪、じゃないでしょそれは!?」

 

…なんというか、茶目っ気あるわね、松瀬プロ。

 

 

 

 

 

少しした後、マリーさんが戻ってきてから二試合目が始まった。二試合目の内容は【霊神】vs【宣告者】、勝者は【霊神】使いの人だったわね。【宣告者】も上手く立ち回ってたけど1歩及ばず、といった感じね。三試合目は【彼岸】vs【黒蠍】、勝者は当然【彼岸】の人だったわ。なんで黒蠍…とは思ったけど、好きなデッキで挑むのがデュエルよね。

そんな二試合を経て、ラインさんが挑む四試合目が始まる。

 

「さて、ここまで熱戦ばかりだったね!次は前半戦、すなわちAグループ最後の第四試合!対戦カードは輝琉ラインvs戸ヶ崎(とがさき)莉久(りく)!本日2回目のアイドル戦、そして今大会初の女性対決!お二人に意気込みを聞いてみよう!ラインさん、どーぞ!」

「順当に行けば準決勝でマリーと戦えるのよね。そこまで負ける気はないわ!もちろん、マリーにも勝って決勝に行くけどね!」

「うわーお、凄く強い意気込みだね!それでは次に莉久さん、どーぞ!」

「アイドルが相手でも負けない、わたしが勝つ!」

「こっちも強い意志を感じるよー!男性陣にも負けない熱いぶつかり合いを期待するよ!それじゃあ…デュエル開始!」

「「決闘(デュエル)!!」」




幻煌龍使いとの対決、見事(?)勝利です。対戦相手を幻煌龍にしたのに深い意図はありません。水属性テーマで誰がいいかと探した結果、幻煌龍に行き着きました。切り札は使えませんでしたけどね(ネオダイダロス入れようと思ってたのは内緒)
それではカード紹介。

「というわけでカード紹介〜♪今回は私、緋乃坂茜と!」
「リンネこと、松瀬永遠でやるよー。いやー、まさか私たちまで紹介に参加とはね」
「知ってたー、とわちん?私ってそもそも原案だと存在すらしてなかったんだってー。しかもこはるんと口調被ってるから動かしにくいんだってー」
「ならなんで出したんだろーね。まぁ茜ちゃん可愛いから良し!」
「えへへー。まぁカード紹介しよ、とわちん!」
「そうだねー。今回紹介するのはコレ、《幻煌の都 パシフィス》!」

幻煌の都 パシフィス
フィールド魔法
このカードのカード名はルール上「海」として扱う。
このカードの効果を発動するターン、自分は効果モンスターを召喚・特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分が通常モンスター1体の召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。
デッキから「幻煌龍」カード1枚を手札に加える。
(2):自分フィールドにトークンが存在せず、
相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に発動できる。
自分フィールドに「幻煌龍トークン」(幻竜族・水・星8・攻/守2000)1体を特殊召喚する。
※テキストは遊戯王wikiより引用

「【幻煌龍】の要であるフィールド魔法だね。このカードを使うなら、通常モンスターしかデッキに入れられない…と思うじゃん?実は効果モンスターありでも動けるのだ!」
「えーっと、『トラップをメインに使うなら効果モンスターありでも戦える』…なるほどー!」
「ガッツリカンペだねー。まぁそんなとこだよ!相手の行動に反応してトークンを出して、相手に1番刺さる幻煌龍トラップを持ってくるのが効果モンスターありでの流れだよ。まぁトラップ使うためには効果モンスター退けなきゃならないから、そこら辺は構築センス次第だね」
「今回はそのトラップの制限のせいでガメシエルに突破されたんだよねー」
「そゆこと。まぁ真藤くんの今後に期待だね。さてさて、次回のデュエルは…ラインちゃんだね。お相手は何を使うのかな?」
「何が来ても面白そうだよねー!」
「そうだねー。私も楽しみだよ!それじゃあまた次回!」

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