悲しくも今回も会話パートです。もうこれ明日デュエルパートを投稿しますね(宣言)
さて、短い本編どうぞ。
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私は、彼と家主さんとカードショップに来ていた。
「…なんで家主さんまで着いてくるの…?」
「僕の職場、これから行くカードショップなんだよ。というかいい加減名前で呼んで?僕の名前が家主だったかもって勘違いするから」
「柊真さんは柊真さんでしょ?」
「わー、こーゆー時に君の記憶力がありがたーい」
この人…もしかして、彼に頼りきりなの?
「…家主さん…龍凪さんは、自分で頑張らないの?」
「おっかしいなぁ、今日初めて会ったのに凄い辛辣だぁ!!」
『トウマ、おふざけが過ぎますよ』
『そうだよ、ふざけ過ぎ!』
「ちょ、ライズベルト!出てきちゃダメだって!」
「…セームベルも。メッ」
2人の精霊が叱られて項垂れている。流石は兄妹、仕草も表情も似通っている。
「何だか散々な…あ、着いたよ」
喋っている間にカードショップまで来ていたみたい。案外近いのね。
「さて、いらっしゃいませ。僕の職場、カードショップ『プリズム』へようこそ」
自動ドアの先にあったのは、デュエルスペースもある、それなりに大きなショップだった。
「おー、柊真さん社長出勤かなー?」
「おぅふ…」
「あはは…まぁ、しょうがないっちゃあしょうがないけどね…」
「にゃははー、濡羽っちいらっしゃーい。隣にいる…のは…」
「…ごめんなさい、少しこっちに来て」
私は、エプロン姿のバイトらしきツインテールの女の子を連れて少し離れたところに行った。
「…あなた、私の事知ってるわよね。お願い。彼には私の事、秘密にして」
「え、どうしてですか?」
「…彼、私の事知らないから」
「あー、確かにそーゆー事には興味示さないですからねー」
「…龍凪さんも、敢えて黙っててくれてるんだと思うし」
「柊真さんって妙なとこで気が利きますよねー、分かります分かります」
「…だからお願い、本当に私の事は…」
「大丈夫ですよー。何かカード買ってくれたら黙ってますから」
「…商売上手ね、バイトさん」
「
「…そう。ごめんなさいね、あなたのこと知らなくて…」
「いえいえー、『嵐の女王』サマに把握されてたら感極まって泣いちゃいますよー」
…そう、私の学校での通称は『嵐の女王』。なんでそう呼ばれるようになったのかは知らない。けれど、2年にしてプラチナ1位になれば女王と呼ばれても仕方ないのかもしれない。
「…それじゃ、カードを見せて欲しいわ」
「ハイハーイ、こちらですよー」
「あの二人、もう仲良くなってるね」
「そうですね。小春、流石って感じです」
…彼は、聖川さんと知り合いなのかな?
「…ねぇ、あなたは彼と知り合いなの?」
「濡羽とは親友ですよ〜。小学5年の頃から一緒なんです。今だってクラスメイトですよ〜」
「…そんなに昔から。あなたは知ってるの?彼が記憶喪失だってこと」
「知ってますよ〜。と言っても、彼がその事話してたのって、私と柊真さんだけなんですけどね〜」
それはそうだろう。彼も自分の境遇を好き好んで話したりはしないと思う。
「はーい、着きましたよ〜」
「…ありがとう」
「ではごゆっくり〜」
…さて、カードを見定めるとしましょうか
☆
正直な話、傍から見れば、僕もカードを選んでる時はあそこまで集中してるのかなって思った。
「…やっぱり、自分のデッキにあったカードを選んでるんですよね」
「そうだろうね〜。私の場合は闇属性や植物族のサポートがあれば吟味するし、濡羽っちなら風属性や鳥獣・ドラゴン族サポート探すよね」
「それと一緒ってのは分かるんだけど…あんなに真剣になってたのかなーって思ってさ」
「なってたよー。すっごいなってた」
やっぱりなってたみたいですね、分かってたけど。
「んー…でも今気になるのはこのカードなんだよねぇ…」
「なになに?《スノーマン・エフェクト》?」
「ヴァジュランダワンショットのお供にと思って」
「やーめーてー!!!それってブロンズ生のトラウマを強化するだけだからね!?」
「いや…小春も今はシルバーでしょ…」
「そうだけど…ってそうじゃなくて!」
「…ダメ?」
「うっ…濡羽っちの顔で上目遣いはズルいよ〜…」
…こういう時だけはこの顔で良かったと思うね。童顔って便利ー(現実逃避)
「小春さーん、レジお願ーい」
「はーい。それじゃ濡羽っち、また後でねー」
「頑張ってねー。さて、他にも見よっと」
小春を見送った時、視界の端で何か光ったような気がした。
❀
…やってしまった。つい集中しすぎて、朝の10時から居たのに、気がつけばもう13時だ。彼はどこにいるのだろう…
「あ、緑葉さん。カード、買えました?」
お店のデュエルスペースに、コンビニの袋を持った彼がいた。
「…ごめんなさい、待たせてしまって」
「いえ、気にしないでいいですよ。僕もちょっと集中しすぎて…これ、さっき買ってきたんです。ここは飲食OKですし、ここで食べましょう」
彼が差し出してきたのは、サンドイッチとリンゴジュースだった。
「…ありがとう」
「あ、それで大丈夫でした?僕の好きな物買いましたけど…」
「…大丈夫。私もこれ好きだから」
「そうですか、良かったです」
ふとテーブルの上を見ると、何枚かのカードが広がっていた。
「…それは?」
「あぁ、今日買ったカードです。ちょっと試しにやってみようかなって」
…《スノーマン・エフェクト》に《仁王立ち》…《Emミラー・コンダクター》と《EMカード・ガードナー》…4枚の共通点が見当たらない…というか、シナジーあるの…?
「…これ、何が目的なの…?」
「あー、それは秘密ですね…」
「にゃはは〜、秘密にするよね〜」
いつの間にか聖川さんが後ろに立っていた。もしかして神出鬼没?
「あ、小春。バイトは終わり?」
「そ〜だよ〜、私は午前だけなんだ〜。だからさ〜、デュエルしよーよー」
「うん、なんて流れ?」
「暇なんだもーん」
「はぁ…しょうがない…デッキ少しいじって、ご飯食べ終わるまで待ってて」
「りょーかーい☆」
そう言うと聖川さんはどこかへ行ってしまった。多分、あの人もご飯を食べに行ったのだろう。私も食べてしまおう。
「…このサンドイッチ、美味しい」
「緑葉さんもそう思います?このコンビニのサンドイッチ、すごく美味しいんですよね〜」
「…よく買ってるの?」
「休みの日とかは特に。今度場所教えますよ」
「…ありがとう」
そうして適度に会話しながらお昼を食べた。食べ終わって直ぐに彼はデッキを触り始めたから、私は少し離れることにした。
☆
「…よっし、デッキ完成かな」
ご飯を食べ終えて数十分。抜くカードを決めたり、入れたカードに合わせて少し変えたり、色々してこんな時間になってしまった。緑葉さんは少し離れたところに座っている。なんでだろ?
「…お疲れ様」
「緑葉さん、なんで離れてたんですか?近くにいても気にしないですけど」
「…相手のデッキは、デュエルで知りたいから」
なるほど…緑葉さんには緑葉さんの信念があったのか。
そう思っていると、こちらに小春が駆け寄ってきた。
「あ、濡羽っち〜。デッキ完成したー?」
「うん、ついさっきね。それじゃあ、やる?」
「モチのロン!やろやろ!」
乗り気でテンションの高い小春を先頭に、僕達は少し移動した。僕達が今までいたのは、デュエルディスクを使わないデュエルをするためのスペース。今から向かうのは、デュエルディスクを使うデュエルをするためのスペースだ。テーブルは無く、少し広くなっている。そして、スタンディングデュエルには大体の場合、ギャラリーが発生するんだけど、僕も小春もそんなことを気にしない。
「じゃあ、行っくよー!今日は勝つよ!」
「今日も負けないよ!」
「「
次回、濡羽vs小春です。
親友なだけあって、濡羽は小春に対しては少し砕けています。でも完全にタメでは無いんですよね。
この後いずれ登場する男の子に対しても、実はこの姿勢だったりします。濡羽が完全に心を開けるのはいつになることやら…
そして次回のデュエルはカオス中のカオスです。今回濡羽が購入したカードと彼のデッキ…この2つから何をするのか分かった人はどうぞコメントしてください。展開予想大歓迎です。
ではでは。