6話目(実質7話目)ですが、既にサブタイに悩んでおります。
そして…前回はカードの効果を取り違える醜態を晒してしまい申し訳ございませんでした。次からは気を付けます。
気を取り直して本編どうぞ。
☆
デュエル後に小春にちょっと聞いてみた。
「そう言えば、最後の手札って何引いたの?」
「フライ・ヘル、捕食接ぎ木、闇次元、サンデウ・キンジー、リビングデッド…どうしようもないでしょ?」
「…確かに、防ぎようがないわね」
「…………」
危ない…次のターン回してたら負けてたかもしれない…というか、フェーダー引かれてたら終わってたな…
「それよりもあれ何!?攻撃力おかしいでしょ!!」
「いやぁ…どうせダイレクトアタック出来ないし、否応なくカードを破壊しなきゃならないアキュリスとは併用しにくいんだよね」
それに、あれは手札がよかったから出来たわけで、場合によってはもっと上に行けたり行けなかったり…
「…でも、ちょっと面白かった。あんな頭悪いやり方、誰も思いつかない」
「確かにそうだけど…やられたこっちはたまったもんじゃないんですよー?」
「…それは分かる。だけど、見てる分には面白かったわ」
「ひーどーいーでーすーよー!!!」
小春が緑葉さんをポカポカ殴っている。この2人、もう仲良くなってるよ…でも女子二人がこう仲良さげにしてるの見ると…なんというか…
「ご馳走様です」
「…なんで合掌してるの?」
「にゃはは〜…濡羽っちの悪癖だよね〜」
「というか、さっきしれっとディスりましたよね」
「…バレた」
「バレるでしょう!?」
この人はあれなんですか、天然ボケですか!!
「…それより、周りの目をどうするの?」
「「えっ??」」
(初めからずっと見てる人達がいますよ?)
(見られてたの!?)
(こんな所でデュエルしたら否応なく見られるよ…)
「濡羽っち…どうする?」
「どうって…緑葉さん、どうします?」
「…決まってるよね」
「…「「早く帰ろう」」」
僕らの意見は見事に一致した。いやまぁそうなんだろうけどね。
「…あ、そうだ。聖川さん、連絡先交換しましょう」
「にゃ!?い、良いんですか?」
(なぜに敬語…)
「…構わないわよ」
「〜〜〜!!!」
「…それと、敬語は使わなくてもいいから。あと、名前で呼んで。私も名前で呼ぶから」
「…! うんっ!」
これは…あれかな。いわゆる『本当の意味での友達』かな。友達の定義知らないけどね。
とまぁこんな茶番()をしながらも僕達は荷物をまとめて『プリズム』を後にした。その時、僕の服のポケットに1枚のカードが潜り込んでいたんだけど、その時は気付かなかった。
❀
彼と聖川さんのデュエルが終わって数分後。私達は近くの公園で休んでいた。
「はひぇ…疲れたよー…」
「ひ…久しぶりに走ったよ…」
「…もう、嫌…」
三者三様の感想を抱いてはいるけれど、その根幹はきっと同じだろう。
(((今日はもう走りたくない)))
『そりゃあれだけ走ればそうだろうなー』
「「…誰?」」
「え、濡羽っち、風華さん、同化した?」
「…同化はしてないかな。ついでに言うなら、銅貨でも無いからね」
「何を言ってるんですか緑葉さんは…」
字面の問題。
それよりも、今の声はどこから…
『おーい、しょーねーん、入ったはいいけど出られないから出してくれー』
「いや…どこ?」
『お前さんのお腹の辺り』
「なんでパーカーのポケットなんかに…」
彼がぶつくさ言いながら取り出したカードは、《スターダスト・ドラゴン》だった。
『いやー、光だー!』
「…閃珖竜…いるけど?」
『げっ…
「…知ってるの?」
『パラレルワールドでの俺らの姿だな』
「…そう」
とりあえず、あまり面白くなさそうな話だというのはよく分かった。
「ぬ…濡羽っち…風華さん…?」
「…あ、小春さんがいるんだったわね…」
「……えーっと…これは…その…」
『んぁ?そこの青髪少女には見えてないのかね?』
「…彼女は”見えない”人だから」
「ねーねー、何話してるの?」
(緑葉さん…説明します?)
(…して、信じてもらえる?)
(それは…)
『じゃあこーすれば見えるよな!』
「ちょ、まっ!!」
スターダストはそういうが早いか、彼の制止も聞かずにクリアウィング・トゥーン・ドラゴンと同じサイズで実体化した。
「「…はっ?」」
『今、フウカからすごい侮蔑を受けた気がしたよ!!』
クリアウィング、それは気のせいだと思う。
「え、えぇぇぇ!!!何それ、スターダスト・ドラゴン!?」
「ほらぁ!やっぱりこの反応になるでしょぉ!!」
『いや、ごめん…こんな反応されるとは思わなかった』
『スターダストさん、今度こちらの常識を教えてあげますね』
『あぁ、ありがとう。えっと…』
『召喚師ライズベルトです。よろしくお願いします』
『よろしく』
「…日常風景?」
「ねぇねぇ、何これ!手品?手品なの??」
「あぁぁぁぁ十全にめんどくさいぃぃぃ…」
この状況、どうすればいいのかしら?
☆
あれからさらに数分後、僕はしぶしぶ小春に全てを明かした。僕と緑葉さんがなし崩し的に同居状態なこと、カードの精霊は実在すること、2人とも精霊が見えること。その全てを明かした。
「ほへぇ…つまり、濡羽っちと風華さんは精霊のカードを持ってて、姿も見えるし声も聞こえるんだ」
「精霊が実体化してる間は誰でも同じなんだけどね…はぁ、あんまり知られたくなかったんだけどなぁ…」
「てことは、ベエルゼや捕食植物達も精霊だったりするのかなっ!」
「どうかな〜」
と、口では言いながらも僕は知っている。朧気ながら、小春の背後には紫の龍が立っているのが見える。あれが今回使わなかった小春のエース、そして小春の持つ精霊のカード。
「あ、そうだ!濡羽っち、カード見てよ!精霊か分かるかもしれないし!」
「え、いや…分からないと思うよ…?」
「いいからいいから!」
そう言って突き出してきたベエルゼのカードを渋々受け取た時、僕の視界は暗闇に包まれた。
(っ!?これは…っ!?)
その暗闇に映し出されたのは、赤い巨人の拳を受けるその瞬間だった。
『やれ、”-------”!!あの小童を叩き潰せ!抹消しろ!
「っ…!!
僕は反射的に罠を発動しようとした。そして、2つの事実に気づいた。
1つは、これは実際のデュエルでは無いこと。つまり戦っているのは僕ではなく、単に視覚共有のような状態であること。
そして2つ…僕の場には攻撃表示の妙なモンスターが5体いるだけで…手札も場も、他にカードがないこと。つまりこの攻撃は防げない一撃…真に敗北をもたらす一撃なのだ。
「ーーーーーーーっ!!!!!」
「……ち……っち……濡羽っち!!」
「っ!はぁっ…小春…?」
「どうしたの、急に黙って遠くを見てたよ?」
僕は、さっきまで幻影を見ていたらしい。気付けば、頬を汗が伝っている。
「…何か、あった?そのカード、ホントに精霊が?」
「いや…なんでもないですよ。ただ、ぼーっとしてただけです」
我ながら苦しい言い訳だとは思うが、これで納得してもらうしかない。そう思いながらベエルゼのカードを小春に返却した。
「…不安。小春さん、悪いけど彼を連れて帰るから、ここでお別れね」
「うん、私も濡羽っちが少し心配だよ。風華さん、よろしくね?」
「病人じゃないんですけどね…」
「…それじゃあ、またね」
「うん。濡羽っち、ちゃんと休んでね!」
それだけ言い残して小春は帰っていった。僕はといえば、緑葉さんに肩を借りながら帰った。
その翌日は高熱で倒れて、1日動けなかった。
と、言うわけで濡羽くんの精霊にスターダスト・ドラゴンが加わりました(加わったのか?)。
参加の経緯としては、初戦で閃珖竜出したし、対になるカードとして参加させようかな〜という適当な理由です。
ベエルゼの見せたあの光景…これは物語の根幹に通ずるものです。分かるのはもっと先ですけど。
次回は1日超えて月曜日、アカデミアに行きます。ここで新キャラを1人か2人出します。と言っても、1人は既に出ていますけれどね。
そしてここで謝辞をば。
お気に入り登録6名、ありがとうございます!
そして評価9をつけてくださったレン・アンベルク様、yunnn様、ありがとうございます!
特にyunnn様の小説は自分が遊戯王を書きたいと思わせてくださった、原点とも言える小説の作者様です!そんな方に評価を付けてもらえて感謝しかございません!ありがとうございます!!
ではまた次回。