日常はバンド少女たちと共に   作:Lv.零の素人

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思ったよりも皆様からの評価が高くてビックリしております。

これからもご期待に添えますようがんばらせていただきます!


………まあ、更新は不定期ですが。


第四話

†††††

 

日曜日

 

 

先日、蘭と交わした約束を守るため俺は商店街の少し手前にある広場で彼女を待っていた。

 

個人的には同じ場所に住んでいるのだし、一緒に来た方が早い様な気もするが、多分こういうのは雰囲気が大事なのだろう。

 

ちょっと早めに来てしまったため、現代人らしくスマホを弄って待っていると、後方から聞きなれた声が聞こえてきた

 

「あ、ま、待った?」

 

少し遠慮がちに声を掛けてきたのは、蘭だ。

 

その格好は、上は黒の生地に赤字で【afterglow】と書かれた半袖のTシャツで下は蘭らしい、ジーンズの半パンだ。

 

………えっと、確か

 

「いや?俺もいま来たところだよ。」

 

すると、蘭はクスッと笑って

 

「もう、嘘ばっかり。さっきスマホあたってたでしょ?」

 

う、まあ、わかるよな

 

おっと、それともうひとつ

 

「蘭、その格好良く似合ってるな。いつも可愛いけど今日はいつにもまして綺麗だ。」

 

「え、あ、ありが、とう。その、鏡華もかっこいいよ?」

 

まあ、いつもかっこいいんだけど、とボソッと呟く蘭

 

 

あの、聞こえてます………

 

こほん。

 

 

さて、今日は最近できたって言う大きめのショッピングモールに行こう。

 

「蘭、行く場所は少し遠い所にあるけどいいかな?」

 

「別にどこでだっていいよ。鏡華と一緒に居られるなら、それだけであたしは幸せだからさ。」

 

そう言ってはにかむ蘭

 

若干、頬が赤くなっているが…まあ、言わぬが華ってことで。

 

可愛いし

 

 

「そうか?俺も蘭と居られるならどこでもいいんだが、どうせなら隣町に最近できたらしいショッピングモールに行こうと思ってな。」

 

「ああ、そう言えばあたしの知り合いもそんな事言ってたね。隣町って事は電車だね。」

 

「よし。行こうぜ?」

 

さりげなく手を差し出す。

 

さあ、どう出る?

 

「ぇ、あ、うん!」

 

繋いだー!

耳まで真っ赤になってらっしゃる。

 

では、このまま駅まで仲良く行くとするか。

 

 

 

道中、パン屋帰りのモカに遭遇してからかわれたが、まあ、それは別の話だろう。

 

 

 

 

†††††

 

 

「全く、モカのヤツ。今度あったらただじゃ済まさないから。」

 

「まあまあ、アイツのことだから構って欲しかっただけかもな。ほら、そんな顔してたらせっかくの美人が台無しだぜ?笑え笑え。蘭は笑った顔が一番可愛いんだから。」

 

「そうかな?ぁ、ありがと。」

 

「あ、確かあのビルだったよな?」

 

「えっと、あ、うん。あたしが友達に聞いたのも確かこの辺りだったはずだよ。」

 

「よし、入ろうぜ。」

 

†††††

 

蘭の買い物に付き合ったり、二人でカフェに行ったりして一日を満喫し、そろそろ帰る時間になった頃

 

「ねえ、あたしもうちょっと二人で一緒に居たいよ。」

 

蘭が顔を耳まで真っ赤に染めながら、そんな事を言った。

 

「ぉ、おう。じゃ、じゃあ地下にあるプラネタリウムに行ってから帰ろうか?」

 

そう、このビルの地下にはなんとプラネタリウムがあるのだ。

 

正直に言おう。

 

超驚いた。

 

え?なんでここに?と、いった疑問にしばらく悩まされた。

 

店員さんに聞くと、なんでもこのビルのオーナーの趣味らしい。

すごいよな、ビルの地下にプラネタリウムとか。

 

と、脱線した。

 

どっかの誰かさんが待ちきれないようなのでそろそろ向かうとするか。

………手を繋ぎながら。

ちなみに今回は蘭の方から手を伸ばしてきた。

すごい可愛いですまる

 

†††††

 

夜空に煌めく色とりどりの星たちに蘭はこころ奪われていた。

それも仕方ないと言えるだろう。

なぜなら作り物とわかってはいたがそれを一瞬忘れてしまうほどプラネタリウムの空は素晴らしいものだったからだ。

「………」

 

「おい?蘭?らーん?」

 

ヤバイな放心状態ってヤツだろうか?

 

「…かった。」

 

「ん?」

 

「凄かった!何て言うか、キレイだった!」

 

蘭の頬が興奮で上気して、目が子どもみたいにキラッキラしてる。

 

「うおっ!」

 

び、びっくりした。確かに凄かったが、蘭のテンションがおかしいレベルで振り切れてる。普段とのギャップがすごくて思わず告白して振られるまである。振られちゃうのかよ。

 

………言っておくが別に俺の目は腐ってないし、濁ってもないぞ?

 

「そ、そうか?まあ、蘭が楽しめたんなら良かったよ。」

 

「はっ!ぁ」

 

おお、すごい勢いで真っ赤に染まっていくな

しょうがないと言えばしょうがないか?だって、もう少しで唇と唇がふれあいそうなほど近くに来てるからな。

………蘭の方から

なんだろう、見ててすごく楽しい

 

「えーと、か、帰るか?」

 

コクン、と小さく頷く蘭の手を引いて、俺は帰路へつくのだった。

 

†††††

 

オマケ

 

その日の晩

 

鏡華の部屋へと忍び寄る影があった

 

想像通りかもしれないが、蘭である

 

ゆっくり、ゆっくり、と鏡華を起こさぬように細心の注意を払いついに獲物(きょうか)に接近したハンター(らん)はゾッとするほど美しい微笑を浮かべ、獲物(きょうか)の寝ている布団の毛布を捲り上げその中へと潜り込んだ。

その後、蘭はまるで捕まえた獲物を逃がさんとするかのごとく、鏡華を抱き締め深い眠りへと落ちるのだった。

 

 

二人の寝顔は実に対照的で、蘭は幸せそうな笑顔できっと素晴らしい夢をみているのであろうことが想像に固くない寝顔だが、鏡華はその正反対で、苦しそうな表情を浮かべており、時折うめき声をあげていることから察するに、とてつもない悪夢をみているのだろう。

 

ちなみに、朝に蘭よりも早く起きた鏡華は身動きのとれないことに驚き、蘭が自分を抱き締めて眠っていることにまた、驚くのだった。

 

 

†††††




うーん、本文が物足りなかったのでちょっとオマケを追加してみました。

本文で飛ばしたお出かけの内容ですが反応がよければもしかしたら番外編として再編するかも?

まあ、あまり期待はしないでくださいね?

では、また次回お会いしましょう。

※いつになるかはわかりませんが気長にお待ち下さい。

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