友人A「両方! プラスで藍しゃまを登場させた紫様視点でオナシャス!」
ワイ「·········· 」
友人A「あとお前の作品日刊の方に載ってたぞ。」
ワイ「 」
という訳で、日刊だけでなく。お気に入り350越え、UA7000越えと、この場を借りて御礼申し上げます。有難うございます。
では、引き続き第四話、どぞ。
★☆ ☆★ ★☆ ☆★
暗い、
『フラン、此処が貴方の新しい部屋よ』
赤い、
『妹様、食事です』
くラい、
『また結界を壊してしまったのね。フランドール』
あカい、
··········皆、
コワれちャエばいイのに
「貴方·····だぁれ?」
私の前に現れたのは、同程度の身長をして二本の立派な角が特徴的な妖怪だった。
「ウチは酒呑童子っちゅうもんよ。お嬢ちゃんの名前聞いてもえぇ?」
「フラン。フランドール・スカーレット。」
相手が名乗ってきたので、こちらも名乗り返す。
「ほな、フランちゃん? フランちゃんは此処で一体何をしているん?」
「··········良い子にしてる」
「良い子?」
「そう、お姉様に言われたの。貴方はここで良い子にしていなさいって·····そしたらいつか、外に遊べれるようになる日が来るって·····」
そう·····良い子にして、いい子にして、イイ子にしテ。·····そしたらいつか、お外で遊べるんだ。でも·····
ーーー『貴方が頑張る必要は無いの。』
「ッ、·····」
お姉様の声が頭の中で反響する。
『私に全部任せておきなさい。』
私は·····必要ないのかな·····?足でまといなのかな·····?
ワ た シ は イ ら な イ 子 な の カ な ?
「·····なぁ、フランちゃん。ウチとゲームしいひんか?」
「·····ゲーム?」
無意識のまま能力を使ってしまっていたみたいで、
そこからは色々なゲームをした·····。トランプを初めに、UNO、オセロ·、チェス·····凄く楽しかった。 すごく新鮮だった。誰かと一緒に遊ぶ事がこんなにも楽しいことだったなんて·····。気づいたら私はすっかり彼女に気を許していた。
「ねぇねぇ! 次は何して遊ぶ? ドミノとかもあるよ!」
「ーーーなぁ、フラン? 外に、出てみたくはないんか?」
外。その言葉に反射的に身体が強ばってしまう。しかし理解とともに身体の硬直がゆっくりと解けていく。
「無理だよ。この部屋には結界が貼ってあって私が出ると直ぐにバレちゃう仕組みになってる。それに、外に出たらお姉様に叱られちゃう·····」
嘘だ。確かに結界は張ってあって外に出たら怒られるかもしれないけど·····ただ、それ以上に自分自身に勇気がないだけ·····。
「ーーーなら、
「·····え?」
「お姉ちゃんだけ、外に出てるなんて狡いと思わないか?一緒に出て、一緒に外で遊んで、一緒に怒られよう、な?」」
突然の口調の変化に驚くけど、それ以上に驚いたのは彼女の面影に、
ーーー『私に全部任せておきなさい。』
「(ッ!?)」
お姉様に言われたことが再び頭の中に蘇り、伸ばしかけていた手が止まる。しかし、一拍置いて、しゅてんが私の手を掴んで引いてくれる。
「·····あっ」
「せや、お姉ちゃんに反抗しいひんか? その様子だと、喧嘩もしたことないんやろ? だったら、自分の思いはしっかりと伝えなあかんで」
先程の影はもう無かった。しかし、言葉から溢れるカリスマは未だ続いており、聞いているだけで勇気づけてくれる。
「·····うん!」
私の中にあったドス黒い感情はもう無かった。
「 離れてて! “ギュ”っとして“ドカーン”!」
私はもう、何も迷わない!
「しゅてん! 行こ! お姉様に文句言ってやる!」
「せや、アンさんの溜まりに溜まった鬱憤を全部ぶつけたり?」
「うん!」
いっぱい文句を言おう。滅茶苦茶我儘を言おう。
怒られるのは、それからだ。
★ ☆ ☆ ★ ★ ☆ ☆ ★
「ッ!?」
「お嬢様? どうか致しましたか?」
紅魔館が誇るメイド長、
「·····咲夜、今すぐ地下室へ向かいなさい。フランが地下室から出る運命が見えたわ。」
「しかし、博麗の巫女の方はどうしますか?」
「私が直接相手をするわ。」
「·····了解しました。」
「では、失礼します。」と私の前から消える咲夜。彼女が用意してくれた紅茶を飲み干し。紅魔館のエントランスへと繋がる階段を降りてゆく。暫くしてエントランスへ着くと、噂に違わぬ博麗の巫女がそこには立っており、手に持っているお祓い棒を私に向けて言葉を放つ。
「アンタがこの異変の黒幕かしら?」
「えぇ、そうよ。それで犯人がわかった博麗の巫女はどうするつもりなのかしら?」
「決まってるじゃない。アンタを退治してぶっ飛ばす。」
「出来るのかしら? たかが人間風情が?」
返って来たのは言葉ではなく、弾幕だった。どちらかと言えば様子見の牽制の様だが、紅魔館内では
「屋上·····?」
「そうだ。紅魔館は広いが、吸血鬼である私には少し狭くてな。さて、仕切り直しと·····ッ!?」
直後に感じる、二つの大きな妖力。自身の真下から感じるソレに目を向ける。相手は私の眼光など、まるで気にしていないかのように飄々とした態度で私を見つめ返してくる。
「·····貴様。咲夜をどうした?」
「あのメイドはんか? ちぃとばかし、眠ってもろうてんで」
「ッ、イレギュラーめ、やはり運命は見えない、か·····」
コイツ自身を介して咲夜の容態を調べようと“運命を操る程度の能力”を使ったが、モヤがかかったようにハッキリと見えはしなかった。
先程みたいに、突然運命が見えたりすることもあるがソレははっきりいって稀だ。普段は今回の様に意図的に使う事が普通だが、ここまで相手の運命が見えない事は初めてかもしれない。
「お姉様!」
本来の運命であれば咲夜によって地下室に戻されているであろうフランが此方に声をかけてくる。
「フラン、どうして地下室から出てきてしまったの? 」
「お姉様の言いなりになるのはもう嫌! 私は·····お姉様を倒して外に出るの!」
「·····そこのイレギュラーに唆されたのね。フラン、これは貴方の為でもあるの。地下室へ戻りなさい。」
「やだっ!」
「·····聞き分けのない子には、お仕置きが必要ね。」
手に意識を集め、妖力で出来た槍を顕現させる。フランも私と同じように剣を創り、私に突っ込んできた。
「わぁぁぁぁ!!! お姉様のバカぁー!!」
「くぅッ······」
フランの方が力が強い·····が、巧さは私の方が上! なら、ギリギリでフランの剣を弾いて!
「ッ!?」
「そこ!」
バランスを崩したフランの剣を私の槍で突き穿ち、妖力を飛散させる。そしてそのまま私はそっとフランを抱きしめた。
「·····え?」
「フラン·····成長したわね。」
「な、何で? お姉様は私の事が嫌いじゃないの?」
「何を言ってるの? 私はフランの事が大事で仕方が無いのよ。今回の異変だってそう。この異変の後に私達は幻想郷に受け入れられる事になってる。そうすれば、前みたいに私達を狙ってくる輩はもう居ないのよ。」
あの胡散臭い妖怪の言うことはイマイチ信用出来ないが、幻想郷の事になると我が子を自慢するかのように語るのだ。今回の契約も嘘ではないだろう。
「·····本当?」
「えぇ」
「ほんとに本当?」
「えぇ、嘘じゃないわ。この異変が終わったら2人で外に行きましょう?」
「ッ! うん!!」
やれやれ、我が妹ながら、少しばかり純情過ぎないか? 変な蟲に騙される前に蟲は駆除しなきゃいけないわね。
「姉妹喧嘩は終わったんか?」
「うん。 ありがとうしゅてん。どうやら私、お姉様の事勘違いしてたみたい。」
当たり前じゃない。私にとってフランは大切な家族なんですもの。·····さて、体制を整え目の前の敵をもう一度見る。
「改めて、名乗りましょう。紅魔館当主であり誇り高き吸血鬼、レミリア・スカーレットよ。」
「妹のフランドール・スカーレットです。よろしくね、しゅてん。」
コイツは確かに侵入者だが、フランがここまで成長出来たのもコイツのおかげかもしれない。
「さて、1対1が2対2になった所で別に勝利は揺らがないわ。」
確かに、私達姉妹はお互いに全力でぶつかりあった為妖力の残りも少ない。それに対し、相手はほぼ万全の状態と言ってもいい。さらにあの酒呑と呼ばれる妖怪の強さも未知数だ。
「なぁ、霊夢。」
「何かしら? 言っとくけど拒否権ないから。」
「いや、ウチはスペルカードを持ってへんから弾幕ごっこは出来へんで。」
「·····はぁッ!?」
「せやから、2対2ちゃうくて、2対1」
·····へぇ? それはいい事を聞いたわ。
「それは·····正直キツいわね。」
今の状況が有利なら、それに越したことはない。弾幕を放つが、先程とは明らかに違う、ぎこちない動きをしながら、弾幕を回避している。
「ほらほらぁ! どうした博麗の巫女!? その程度の実力なのか!?」
「ちっ! 煩いわね! ちょっと黙ってなさい!」
口ではそういうものの、流石に二人分の弾幕を一人で捌ききるのは厳しいのか、紙一重の回避を見せる。しかし、無理やり避けた為大きな隙が出来る。それを見逃してあげるほど私は優しくはない。
「(穫った!!)」
確信。 勝利。そこまで見えていたビジョンは目の前を駆けて行く流星に全て持っていかれた。どうやら、博麗の巫女の仲間らしい。
「あら、新しいお友達かしら?」
「おう! 霧雨魔理沙! 普通の魔法使いだぜ! あ、狡いとか言うなよ。お前らだって2人なんだからな!」
「·····えぇ、言わないわ。そんな事。」
「それに! お姉様と私だったら負ける心配ないよ!」
フラン、それは“ふらぐ”と呼ばれるものよ。
「おう! 望むところだぜ!」
「魔理沙。何相手をやる気にさせてるのよ。」
「大丈夫だって!私と霊夢が組めば敵無しだって!」
「·····ちゃんと合わせなさいよ。」
そこから先は思い出したくない。 ただ、先程の調子を取り戻した博麗の巫女と桁違いのパワーを持つあの白黒の人間のコンビネーションが私達の想像を上回ったとだけ言っておきましょうか。その後はちゃんと霧を止め、悔しいが負けを認めた。
ただ、
まぁ、
「(フランが楽しそうだったからいっか。)」
壊れかけた紅魔館の壁に背を預けながら、幸せそうな顔で熟睡する妹を見ながら、私も意識を落とした。
★☆ ☆★ ★☆ ☆★
「紫様、ご報告したいことが·····」
畏まった様子で報告してくるのは私の式神であり、最強の妖獣でもある九尾の
「あら? どうしたの?」
「結界を透過してきたものがおります。」
「別に、結界を透過して来るのは珍しい事ではないわよ?」
「はい。ですが、その透過してきた者が鬼なのです」
鬼、その単語に私は違和感を覚える。鬼は確か、数百万年前に人間に絶望して地底に移住したはずでは?
「その鬼の実力などは分かりますか?」
「·····少なく見積っても大妖怪クラスかと。」
中級程度であれば“はぐれ”として、ありえない話でもないが、大妖怪クラスともなれば話は違う。私がそのような鬼のことを知らないはずがないのだ。
「どうしますか? 紫様?」
「·····私が行って確かめてくるわ。」
藍から詳しい場所を聞き、スキマでその場所へ向かう。スキマを出た先は丁度話に出ていた鬼の背後であった。どうやら、何処かへと向かう予定らしく、私は訪ねてみることにした、
「あら、どちらまで?」
「そんなん、博麗神社に決ま·····って·····」
相手はゆっくりと振り返ってこちらを見る。何か驚いたような表情をするが直ぐに、表情を戻す。
「(私を知っている? 私が知らないのに·····?)」
外の世界では、幻想郷の事は妖怪の間で噂になっているらしいから知られているのはおかしくはない。ただ、管理者である私の事を知っていると捉えるならば、不自然だ。それに·····
「(博麗神社·····と言いましたか?)」
何故幻想郷に来たばかりの彼女がその神社の名前を知っている?
·····少し探ってみるか?
「こんばんわ、小さな鬼さん? 幻想郷の管理者である 八雲 紫 やくも ゆかりと申します。·····今回、ワタクシが気になったのは貴方ほどの大妖怪が何故? 今このタイミングで幻想入りを?」
何故? 数百万年前の移動ではない? 近年生まれた妖怪? それにしては強すぎる·····
「·····そやねぇ、この世界を見て回りたいと思うたのと、現代に飽いたって理由やな。」
「····················」
現代に飽きた? 現代に飽きたということは、昔の神秘がまだ残っていた時代を生きてきた可能性が浮上してくる。それに世界を見て回ると言ったか? それはつまり、この世界の実力を測るという意味か? もしや、幻想郷の支配·····?考えすぎかもしれない·····だが、確かに目の前にいる存在は力だけでいえば幻想郷のトップに入れるであろう実量は持っている。
「(摘んでおくか? 危険分子を生かしておく理由はない·····)」
気づかれないように能力に使い、存在を境界を操ろうとする·····
ーーー『それでも私は信じたかったんだよ』
「(ッ、)」
能力の使用直前に、
ーーー『鬼たちはバカしかいないけど·····嘘を嫌うから本当のことしか言わない。悪い奴なんて一人もいないよ。』
·························
「·····貴方の目的は分かりました。ようこそ、幻想郷は全てを受け入れますわ」
もう少しだけ、様子を見てみよう。そこからでも、判断を下すのは遅くないだろう。博麗神社の事も考えすぎだろう·····きっと幻想入りする前に何処かで耳にしたのだろう。
「ウチは酒呑童子っちゅう者や。ところで、一つ聞いてええか?」
「·····何でしょう?」
「
「ッ!? ·····いいでしょう。折角なので、送っていきますよ。」
博麗神社の存在を知っているのに場所を知らない·····なんともチグハグな存在だ。
「ほんまに? そりゃおおきに·······ほな、失礼な」
スキマに躊躇なく入っていき、見えなくなってからスキマを閉じ、新たに別のスキマを開いて屋敷へと戻る。
「紫様、どうでしたか?」
「·····暫く様子を見る事にしたわ。」
一応許可は出したが、警戒は解かない様にしないと·····
「では、幻想郷のルールは説明なされたのですか?」
···············あ
Q:なんで紫様は主人公に幻想郷のルールを説明し忘れたの?
A:作者が第三話で書き忘れた為
はい。という訳で紫さんには作者のポカのせいで若干残念な子になってしまいました。·····紫ファンの皆さんごめんなさい。
前回の話なんて見直してみたらまぁ、酷かった。正直今回も無理やり繋げた感じなので、こう·····酷いです(語彙力皆無)