3月○×日 はれ
お家の仕事のために、今日はお姉ちゃんとIS学園の下見に行ってきた~。
それにしても、世界で唯一の男性操縦者ってどんな人なんだろう?今度、お姉ちゃんにもっと詳しく訊いてみようかな…?
3月○△日 くもり
IS学園から帰ってきてからというもの、毎日同じような夢を見るようになっちゃった。眠る度に、いつも私と同じくらいの年の男の子が出てくるの…。
でも、別に怖くはないんだよ?何かしてくるわけでもなく、ただ私に話し掛けようかどうしようか悩んでいるだけみたい…
いっそ、話しかけてみようかな?
3月○☆日 はれ
やったよ~♪思い切って話し掛けた甲斐もあって男の子と仲良くなることができたよ~♪
その子は毎日夢の中で私と遊んでくれるようになった。一昨日はかくれんぼ、昨日は鬼ごっこ…夢の中だから色々と滅茶苦茶なことが出来てとても楽しいんだ~。
さぁ、今日も早く寝よう。今度は何をして遊ぼうかな…?
3月×☆日 はれ
昨日、遂にあの子が名前を私に教えてくれた。『東明日斗』って言うんだって。『あすち~』って呼ばして貰おっと♪
…そう思ったんだけど、呼んだら凄い嫌な顔されちゃった……やっぱりやめとこ…。
3月×○日 くもり
あすち~って昔は建設関係のお仕事に就きたかったんだって。それでね、あすち~が通ってた学校って就職を目指すのに有利なところだったらしいんだ。しかも、あすち~が就職したかった建設会社ともツテがあったんだって。
だからそのツテを使って研修を兼ねたバイトをよくしてたんだって。毎日一生懸命学校で勉強して、毎日その会社の仕事のお手伝いをするなんて大変そうだよね…
倒れたりしないの?って訊いたら、何故かあすち~は俯いて何も言ってくれなかった…どうしたんだろう…?
3月×☆日 あめ
あすち~を泣かせちゃった……今日はもう、何も書きたくないや…。
3月×△日 あめ
今日…じゃないや、昨日のことなんだ……。あすち~が、私にとんでもないことを教えてくれた。
あすち~って…明日斗君って、もう死んでるんだって……幽霊なんだって…。
いつものように建設会社のお仕事の手伝いをしてる時に、毎日の無茶な生活を繰り返してたせいもあって本当に過労で倒れちゃったんだって…。
しかも、最後に仕事のお手伝いをしに行った場所って……『IS学園』なんだって…。
その事を昨日聞かされた時、ビックリしすぎて固まっちゃった(夢の中だけど…)。それを怖がられたと思ったみたいで、明日斗君には凄く悲しい顔をさせちゃったの…。
だから今日、謝ろうと思う。許してくれなくても、とにかく謝ってみようかと思う…。そして、例えあすち~がオバケだったとしても、私にとっては大事な友達だって言うんだ。
頑張れ、布仏本音!!私ならできるぞ~!!
3月☆○日 はれ
仲直りできた~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!
今日の私は最初から最後までクライマックスなのだ~~~~~~~~~~~~~!!
やっほ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!!
(ここから先は字が荒ぶり過ぎて読めない…)
4月×日 はれ
とうとうIS学園に入学する日が来た。新しいお友達もできたし、運よく男性操縦者の『織斑一夏』と同じクラスになれた。お仕事も楽になりそうで良かった良かった。
何より、あすち~と夢の中以外の場所で会えたのが一番嬉しかったかな?やっぱり、幽霊って自分が死んだ場所の方が存在がはっきりしているみたい…。
あ、そうそう。おりむ~のことだけど、その日の内にイギリス代表候補生のぺシ…ピシリ……『パシリア・ビルコット』に決闘を申し込まれて、それを受けてた。……売られた喧嘩を買うとか、そういう性格って嫌いじゃないけど確実に何かに巻き込まれる体質だと思うんだよね?
そういうのって何て言うんだっけ?…あ、そうだ『フラグ体質』だ。
4月○日 くもり
今日、あのあすち~でさえ驚くようなことが起きた。何と、私の夢と現実の境が無くなっちゃったんだよね。え、意味が分からない?簡単に言うとね…
夢で出来たことが現実でも出来るようになっちゃったんだよ。
いつも夢の中であすち~と鬼ごっこする時に翼を生やしたり、4人に増えたりしてたんだけどね。何か現実でもそういうことが出来るようになってしまったのだ~!!……本当にどうしよう…。
あすち~と会話してたら、何となく夢の時の感覚を感じたからもしかしてと思ってやってみたら出来ちゃったんだけどね。しばらくは、皆には黙っておこう…。
4月△日 はれ
取りあえず、真夜中に4人に分裂してみた。本体の私は部屋に残って『壁抜け』の練習中。忍者紛いの技ばっかだけど実際に鬼ごっことか、かくれんぼの時に便利なんだもん。
あ、そういえば幽体離脱が出来るようになったよ。あすち~が出来る事は一通り出来るようになったかな?
因みに最近、自分が起きてるのか寝ているのか分からなくなってきたなぁ。あすち~にクマの着ぐるみを渡した筈なのに、あすち~は知らないって言うんだよね…
あの時はもう夢の中に居たのかな?
4月×○日 くもり
明日はおりむ~とセッシーの対決の日。何だかんだ言ってイベントみたいなものだから、皆も興味深々だね。でも、私はちょっと複雑な気分…
だって、あすち~が死んだ場所って、あのアリーナが建ってる場所なんだもん…
まだ土台しか出来て無いほど昔のことらしいけど、やっぱりあすち~の死んだ場所って訊いちゃうと少しね…。そういえば、あすち~って今何歳なんだろう?
4月×△日 はれ
結局、おりむ~はセッシーに負けた。でも、初心者とは思えない奮闘っぷりだったね。意外なことに、あすち~も結構夢中で二人の試合を眺めてたみたい。やっぱり、男の子って皆あーいうのが好きなのかな?……あすち~って、男の子って年齢じゃなかったけど…。
『それは言わない約束っ!!』
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「…ふぅ」
パタン…と、音をたてながら4月一杯分の出来事が書かれた日記帳を閉じる。ある者は混乱し、ある者は苦笑を浮かべるであろう内容が書かれたその日記帳を、のほほんこと布仏本音は大事そうに自分の鞄に仕舞った。
今は既に7月…日記帳は、さっきのを含めて3冊目に突入していた…。
「もう半年か~、早いな~」
―――驚くべき人物達と友達になって
―――誰もが驚くような力を手に入れて
―――この学園生活を始めて
この半年間、随分と濃い日常を送ってきたと思う…自分やあすち~の事を含め、当分これからも周囲にはこのことを秘密にし続けるつもりだ。
勿論、今もこの学園に潜んでる“あの二人”にも…。
「ふぁ~あ…本格的に眠くなってきちゃった……」
彼とは起きてても会えるけど、やっぱり誰にも邪魔されない夢の中が一番。この後彼と出会って何をして遊ぶのか考えながら、笑顔を浮かべて部屋のベッドへとダイブする…。
「それじゃ、おやすみ……いってきま~す…♪」
―――瞼を閉じ、本当に楽しそうな表情を浮かべながら、彼女は今日も夢の中で待つ友達の元へと向かうのだった…