アイ潜IF外伝   作:四季の歓喜

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取り敢えず一区切り。これの続きはまたその内…

学園編は……もう少しだけお待ちを…!!


IF未来 トライアングル編 その3

 

 

 

 

「おぉ、中々美味いなコレ」

 

 

「確かに良いな」

 

 

「…何で何事も無かったかのようにしてられるのよ……?」

 

 

 

 何とか洋服店の崩壊を阻止した後、昼食を取るため適当に店をチョイスして入店。よく見たら、ここって前に一夏がシャルロットと蘭の3人で入った店じゃん……冗談抜きで一夏化してるじゃん俺…。

 

 あの説教の後、マドカはいつもの如くケロリと復活したのだが…楯無の奴はぐったりしてる。毎回毎回アホばかり相手にしているが故に、そいつらにキレて説教することもしばしば。そんな俺の説教は、初心者にはいささかキツかったようだ…。

 

 

 

「ふふん、やっぱり水色は大したことないなぁ?」

 

 

「いや、お前も少しは反省しろよ…」

 

 

「だが断る」

 

 

「…貴方たちって、いつもこんな感じなの?」

 

 

 

 不本意ながら、その通りだ。どっちかが馬鹿をやって、俺がマドカに説教するか二人揃って説教されるかのどちらかを毎回会う度にやってる。マドカが俺に説教することは無いが…。

 

―――って、答えてやろうとしたら先に口を開いたのはマドカの方だった…

 

 

 

「どうした、羨ましいのか?」

 

 

「おいおい、何がどうなったら俺らのやり取りを楯無が羨んで…」

 

 

「えぇ!?そそそそそそそんなことなんて微塵も、欠片も無いわよ!?」

 

 

 

 …あれ?いや、まさかそんな筈無いよな……?

 

 

 

「ほほう、違うのか…?」

 

 

「あ、当たり前じゃない!!全然羨ましくなんて無いんだか…」

 

 

「ふむ、そうか…」

 

 

 

 言葉の割には何やら黒い雰囲気を漂わせながら楯無をジト目で睨むマドカ。そして、先程まで手を付けていたスパゲティのフォークにパスタを一巻きして…

 

 

 

「おい、セヴァス…」

 

 

「ん?」

 

 

「ほれ、あーん…」

 

 

「あーん」

 

 

「あああああああぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 ……え、ちょっと待て、これ本当に…?…って、マドカ!?すんごい殺気が滲み出てるんだが!?

 

 

 

 

「…セヴァス……」

 

 

「お、おう…?」

 

 

「少し席を外せ…」

 

 

「え?俺まだ食事中…」

 

 

「外せ」

 

 

「……あいよ…」

 

 

 

 また店が吹き飛ぶような危機が訪れませんようにと祈りながら、俺はその場を後にするのだった…

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「……。」

 

 

「……。」

 

 

 

 重い…とにかく空気が重い。目の前の少女、マドカちゃんがセイス君を何処かに退席させた後、ひたすら重い空気で沈黙が続いている…。

 

 

 

「おい…」

 

 

「…何かしら?」

 

 

 

 先に口火を切ったのは、この状況を作った本人だった。当然といえば当然だが…

 

 

 

「いつからなんだ…?」

 

 

「…何が?」

 

 

「どこぞのワンサマーじゃないんだ、分かるだろう?」

 

 

 

 

 

 

―――いつからセヴァスの事が好きなんだ…?

 

 

 

 

 

「……。」

 

 

「そもそも、休日だから私達と一緒に過ごす等と言った時点でおかしいだろ……主に頭が…」

 

 

「…ほっといてよ」

 

 

 

 そりゃあれだけ露骨な態度を見せれば分かるか…仕方ないなぁ……。

 

 

 

「最初に興味を持ち始めたのは…初めて取り逃がした時かなぁ…」

 

 

 

 初めて出会った時の彼の姿は、まさかの熊の着ぐるみ姿。けど、別にそれはどうでも良い。彼を捕まえようとして、逃げ切られたという事実が自分にとって重要だった。

 

 

 

「知ってると思うけど、私ってそこそこ腕がたつのよ」

 

 

「自分で言うか…あながち否定できないが……」

 

 

 

 更識家当主の称号は伊達では無く、これまでの仕事で敵勢力の人間を取り逃がしたことは殆ど無い。だが、そんな自分から彼は逃げ切った。それも、展開を控えたとはいえISを所持した自分から…。

 

 着ぐるみを着ていたが、体格や走り方からして男だということは何となく予想していた。それもまた興味を持つ理由の一端を担っていたのだが、やっぱり自分と対等に渡り合える同年代の男と言うことが一番の理由だったかもしれない。

 

 そしてその後も何度か彼と邂逅しては物騒な鬼ごっこを繰り返し、彼の背中を追いかけ続けている内に何故か…。

 

 

 

「…まさか、それだけでアイツの事を好きになったのか!?」

 

 

「……うん…」

 

 

 

 そ、そんな飽きれたような目で見ないでよ!!恥ずかしいじゃない!!でも事実なのよ!!

 

 

 

「初めて素顔を見た時、貴方は普通で地味とか言ったけど、実は結構私の好みだったのよ…」 

 

 

「え゛ぇ?」

 

 

 

 それにさっきも言ったけど、ある意味私と一番対等に接してくれる唯一の存在だし…私の一番付き合いの長い男子だし…何か、意外と格好良いし。聴いた逸話や噂話にはみんな紳士的でクールな二枚目な話だし……ぶっちゃけ、映画にできるわよ彼の経歴…。

 

 

 

「それから…」

 

 

「いや、もういい…よく分かった……」

 

 

 

 え?もっと喋らせてよ、彼の良い所……言葉の割には凄く嬉しそうな表情見せてるけど…

 

 

 

「ま、察してると思うが私もアイツが好きだ。」

 

 

「……。」

 

 

「私は誰よりもアイツと付き合いが長く、誰よりもアイツを理解してる女だと自負してる…」

 

 

 

 今日の二人のやり取りを見れば分かるが、彼女の言ってることは多分嘘では無いんだろうなぁ…。どうしよう、いざ白状してみたのは良いものの勝ち目がまるでなさそうなんだけど……。

 

 

 

 

 

 

「だからこそ、改めて貴様を恋敵として認めてやろう」

 

 

「え?」

 

 

 

 俯いていた顔を上げると、そこには不敵な笑みを浮かべる彼女(マドカ)。一瞬だけ呆気にとられてボケッとしてしまったが、それに構わず彼女は言葉を続ける。

 

 

 

「どうした、随分と間抜けたツラをして?もしや私が『この泥棒猫が!!』とか言って騒ぐどこぞの仏夫人みたいにヒステリックを起こすとでも思ったのか?」

 

 

「…いや、ぶっちゃけ言うと……うん…」

 

 

「言ったろ?そこら辺の女と一緒にするな、と……本音を言うと、最初はお前の事を普通にデートの邪魔をするKYな障害程度にしか思ってなかったが、私と一緒でアイツの事が好きならしょうがない…」

 

 

 

 良いんだ、そんなんで…。器がデカいのか、それとも何処か抜けているのか……でも、少しだけ彼女に対する認識が変わったかもしれない…。

 

 

 

「とにかくだ…今日から改めてよろしくな、恋敵(楯無)」

 

 

 

 そう言って彼女は、その不敵な笑みを浮かべたまま手を差し出してきた。 

 

 

「こちらこそ、ね♪」

 

 

 

 その手を取らないという選択肢は、今の私には無かった。そして、それは正しかったようで…

 

 

 

「そうだ…ついでに、良い事を教えてやろう……」

 

 

「良い事…?」

 

 

「この前、セヴァスに『いつも更識家に追いかけられて大変か?』と訊ねたらな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――『あんな美人に追い掛けられ続けるってのも、悪い気はしないよ…』ってさ…

 

 

 

 その日、顔を真っ赤にして気絶した女子が一名、IS学園に送り届けられたそうな…。

 

 そして、彼女を背負いながら送り届けた謎の男子の姿が目撃された事により、現在IS学園では彼女に関するソッチ系の噂がたちまくってるとか…。

 

 が、当の本人はその噂を聞く度に幸せそうな表情を見せているとの事である…。

 

 

 

「絶対に捕まえてやるんだから!!君の身も心も!!」

 

 

 

 彼女の恋が実るのかどうかは、神のみぞ知る…

 

 

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