ソードアートオンラインにTASさん(らしきもの)をぶち込んでみた 作:無玄
「ふんふんふ~ん♪」
気持ちよさそうに鼻歌を歌いながら森を歩く少女が一人。
「キュッキュルキュル~♪」
少女に釣られて歌うように鳴く竜が一匹。
「今日も平和だね~。」
そんな彼女たちを取り囲むプレイヤーの集団が現れる。全員オレンジプレイヤーだ。しかし少女は全く意に介さず、そのまま歩みを止めずに進む。
「こんな日はバーベキューでもしたいね~。」
「うりゃァ!」
取り囲んだプレイヤーのうち一人が、少女に向かってダガーを突き出す。
ザクッザクッ
何かが切り刻まれるような音が、静かな森に響き渡る。しかしそれは少女の体から発したものではなかった。
「アイタタタタ!」
「ダガーを使うときは……。」
少女が初めて、そのプレイヤーに話しかけた。
「突いちゃダメですよ♡」
少女の手に握られたダガーは迅速に、的確に他のプレイヤー達の急所を抉っていく。これがゲームでなかったら確実に全員死んでいるだろう。
「ピナ!」
その声に反応し、竜が彼らに向かって火球を叩き込む。
「グワァァァ!」
「汚い
真っ先に仕掛けてきた男の頭を踏みつけ、少女は見下しながら言う。
「それじゃあバイバイ♪」
少女は男の首筋に手刀をいれて気絶させると、そのまま森の奥深くへと歩いて行った。
「あんなの小悪魔どころじゃねぇ……本物の悪魔だ……。」
そう呟いたプレイヤーの額には、森の奥から飛んできたピックが突き刺さったとさ。
森の中でのジェノサイド事件から一時間ほど経って、森の入口。キリトとアルタは、その噂を聞きつけてこの森にやってきていた。
「ふーむ……。」
「どうしたアルタ?」
何かを考え込むような素振りを見せるアルタに、キリトが話しかける。
「先日クエストを受けたら、報酬にカジキマグロをもらったんだが……。」
「カジキ!?」
「これを武器にしようか料理しようか考えてたんだ。」
「武器にできるの!?」
某有名な狩りゲーや、ちょっとダークでギャグ満載のRPGにも武器として登場しているカジキ。どうやらソードアート・オンラインにも存在しているようだ。
「っていうか今考えるようなことか!?」
「俺にとっては場合によってはゲームのコントローラーより重要なことだ!」
「つまり最近はほとんど重要じゃないんだな。」
VRMMOが完成しているこの時代、コントローラーで操作するゲームは徐々に減りつつあった。とはいえ最近は外の様子を知る術がないため、どうなっているのかはわからないが。
「甘いな。レトロゲームからちょい懐ゲーが好きな俺にとっては重要なことなんだ!」
「カジキ一匹に何ムキになってんだ!?」
と、会話していた二人の横の茂みが揺れた。
「お腹がすきましたぁ……。」
「キュルルルルル……。」
その茂みから、まだ12~3歳ほどと思われる少女と小さな竜が現れた。
「な、何か食べ物持ってませんか?」
「カジキならあるぞ。」
「食えるか!」
少女の問いに真顔で答えるアルタに突っ込むキリト。
「あいにく俺はこの虹の実ゼリーしか持ってないんだ。」
キリトがアイテム欄からオブジェクト化する。
「むしろなんでそんなもの持ってるんだ?そんなレア食材料理できる奴がいる……ああ理解したわ。」
料理と言った瞬間全てを悟ったアルタ。間違いなく奴だ。
「ください!お願いします!」
上目遣いでキリトにすがる少女。
「わかったから落ち着け!そして離せ!」
(後で『森で会った少女に餌付けして抱きつかれてました。ちなみに餌はゼリーです。』って
一瞬背筋を走った悪寒に、身を震わせるキリト。そんなキリトの手に握られていたゼリーを強引に奪い取り、食べだす少女。」
「mgmg……はぁ~最高です。ピナも食べる?」
「キュー!」
ゼリーを指ですくい、それを竜に食べさせる少女。
「ありがとうございました。おかげで生き返りました。あれ?何か変な気がしますね(原作的な意味で)。」
「うーん?その発言の対象がおかしい気がする(原作的な意味で)。」
「何故か竜を生き返らせなければいけない気がする(原作的な意味で)。」
不思議な違和感を覚えながら、三人はとりあえず森を出ることにする。
「私、シリカって言います。ビーストテイマーやってます。こっちはピナって言います。」
「俺はキリト、一応ソロプレイヤーだ。」
「俺はアルタ、カジキマニアで攻略組の中間管理職やってる。コンゴトモヨロシク。」
「え?お二人共攻略組なんですか?」
アルタの発言に、驚いたような表情を浮かべるシリカ。
「ああ。」
「といってもトップに比べたら全然大したことないんだけどね。」
トップとはもちろんタスのことである。比較する対象が間違っている気もするが、気にしないでおこう。
「………………。」
最前線の迷宮区、タスはモンスターに囲まれていた。
「……よしよし。」
ただし、敵対しているわけではない。あくまで懐かれているのである。
「グギュグバァ!」
「ババリバリッシュ!」
「ンバーニンガガッ!」
タスに撫でられたモンスターは嬉しそうな声を上げる。……どこかで聞いたような鳴き声なのは気にしないでおく。
「……ついてくる?」
「モエルーワ!」
「バリバリダー!」
「ぱるぱるぅ!」
某携帯獣の如くモンスターをゲットしてしまったタス(計画通り)。彼らがこの後のゲーム攻略においてとてつもない戦力になったというのは言うまでもない。
「……あ。」
「あれ?タスじゃないか。」
新たな仲間を引き連れて帰ろうとしたタスの前にアルタ一行が現れる。
「その個性的なメンツはどうした?」
「……迷宮区で戯れてたらついてきた。」
「なん……だと……?」
何故か絶望しきったような表情を浮かべるシリカ。
(ただでさえ私の存在を食ってしまいそうな美少女なのにその上テイマー!?いけない!私の存在価値がなくなってしまう……なんとかしなければ。)
「あのーこちらの方は?」
「ああ、紹介するよ。このお方こそ攻略組最強のプレイヤー、タスさんだ。」
「……よろしく。」
シリカに向かって無表情のままピースするタス。その様子を見ていたキリトは若干吹き出しそうな顔をしている。
「タスさんですね。よろしくお願いします。」
シリカがタスに近寄り、握手をしようと手を出す。タスがその手を握った瞬間、シリカが顔を近づけてきて言った。
「ちょっとくらい自分が可愛いからってあんまりチョーシにのんなよ?」
キリトやアルタには聞こえないくらいの小さな声で、タスに警告する。一方のタスは、無表情のままシリカの後ろの光景を眺めている。
「?」
タスが見ているものが気になったのか、シリカもすぐに後ろを振り向く。
「バリィ!」クロスサンダー
「ンバァ!」クロスフレイム
「キュェェェェェェェェェェェ!」
タスが連れてきたモンスターが、ピナを襲っていた。
「ちょ!?」
慌ててピナを引き離すシリカ。
「い、一体何なんですか!?ピナ大丈夫?」
「クー。」
涙目になりながらシリカに飛びつくピナ。
「うぅ……ひどいですよぉ。」
(半分自業自得なんじゃないのか?)
心の中で呟くアルタ。
「……ダメ。」
連れてきたモンスターたちを叱るタス。モンスターたちはしょんぼりしながらタスの話を聞いている。
「そういえば、こいつらに名前はあるのか?」
思い出したように尋ねるキリト。
「……この黒いのが太陽炉。こっちの白いのがVOB。この真珠みたいなのが思い出し玉で、こっちのダイヤみたいなのがメモリーズ・エッグ。」
「ひでぇ名前だ。」
「もっとマシな名前はないのか!?」
「……じゃあゼノン、レム、パリアン、ディアッカ。」
「最後だけいろんな意味でグゥレイトォな名前だな。」
「……じゃあディータ。」
「オーケー、それでいこう。」
攻略組に新たな仲間が増えた。しかし、本当にこれでいいのだろうか……?
「ギギギ……悔しいーーーッ!あのタスとかいう子より人気者になってやる-ーーッ!」
そのすぐ傍でハンカチを噛みながら涙目になっている少女の姿があったそうな。
没ネタ37
タス「この黒いのがZINV。こっちの白いのがヤルダバオト(神化)。この真珠みたいなのがデモンベインで、こっちのダイヤみたいなのがディス・アストラナガン。」
アルタ「インフレ起こしすぎだ。一機でもいたらまずいだろ。」
没ネタ38
タス「新しい商品を考えた。」
アルタ「ふむ。」
タス「ヤンデレのアスナに死ぬほど愛されて眠れないCD。」
キリト「それ、二つください!」
没ネタ39
タス「新しいテイマーを見つけた。」
アルタ「どんな奴だ?」
タス「名前はカイム、赤い竜をパートナーにしてる。」
アルタ「やめろ!そいつがいたら欝エンド確定になってしまう!」
没ネタ40
タス「とりあえず連れてきた。」
カイム「カイムです。アクション、シューティング、RPG、音ゲーが得意です。」
アルタ「とりあえず、新宿で音ゲーはしないでくれよ?」