ソードアートオンラインにTASさん(らしきもの)をぶち込んでみた   作:無玄

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戦闘は中々のカオスだと思う。反省は当然のようにしていない。

ユニークスキルは全部タスさんが取得するのもいいけど、それだと宝の持ち腐れになると思うんで……。




第7話

「皆!第2層のボス攻略だ!」

 

「「「オオォォォォォ!」」」

 

アルタの声に、全員が答える形で大声を上げる。

 

「これまで俺達は様々な訓練をしてきた。ベータテスト時の情報をもとに、それを過信しないように。だから胸を張れ!皆がこれまでの訓練で学んできた事を活かせば、必ず全域残って勝利することができるッ!」

 

「みんな まずしょせんをかとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「やってやろうじゃないか。」

 

「いよっ!さすが我らの攻略王!」

 

「攻略王!?あいつは一本で百パーセントなら二本で二百パーセントの力が出せる謎理論を展開して二刀流を使用したり、弟系草食男子を装った喰いまくりのリア充野郎と呼ばれたりするのか!?」

 

「だからゲームが違うって言ってるだろ!いい加減にしろ!」

 

アルタの演説を聞いて興奮した攻略組の面々に対し、アルタ自身のツッコミが入る。

 

「とにかく、今日を乗り越えれば俺達は確実な一歩を踏み出せる。それじゃあ……行くぞォォォ!」

 

「「「ウォォォォォォォォ!!」」」

 

ボス部屋の扉が開かれ、ソードアートオンライン第2層ボス攻略が開始された。

 

 

 

 

 

「全員、役割は覚えているな?それじゃあしっかり頼むぞ!」

 

「任せてくれアルタ。」

 

「こっちは準備出来とるで!」

 

アルタの指示で、ディアベル率いるジェネラル対応班とキバオウ率いるカーネル対応班、エギル率いる待機班が分かれる。その動きに無駄は一切見られない。

 

「……よし、最初の行動の乱数調整は終わり。」

 

「カーネル班はタンク隊を追い抜かないように気をつけながらこのまま前進!右に引きつけてくれ。ジェネラル班のタンク隊は5秒待ってから突撃して左に押し止めろ。部屋の奥行きを使って戦いながら分断させるんだ。」

 

「お先に失礼するで!」

 

指示を受けたキバオウが他のプレイヤーを率いて突撃する。統率はイマイチだが、それぞれが腕のいいプレイヤーのためスムーズな動きをしている。彼らの特徴は切り込み能力の高さ、素早く敵に近づいて素早く逃げるヒット&アウェイの戦法だ。

 

「次は俺達の番だな。」

 

続いてディアベルの班が突撃する。コチラは指示が行き渡っており、プレイヤーの腕もそこそこあるので陣形を乱すことなく所定の位置についた。彼らの特徴は堅牢さと統率力。ボスの攻撃に耐えることを優先し、可能であれば攻撃して次の行動に素早く移る。動きは気持ちどころか完全に騎士のそれだ。

 

「残った俺達は、5分後に部隊をまるごとスイッチさせればいいんだな。……よし!今のうちに出来る事をしておくぞ。」

 

待機班はボス部屋の扉の前から動かない。エギルは今のうちにボスの動きを見ておくように指示をする。空いた時間を有効に活用し、慌てず急がず落ち着いて行動できるメンバーからなるこの班は、ある意味で他のどの班よりも重要なポジションだ。

 

「俺達がモタモタしていると他の班の足を引っ張ることになる。それを理解しておけよ。」

 

「「「ハイッ」」」

 

彼らは奇妙な三角形を描きながらローテーションで攻撃を続けた。途中、行動不能になって交代に遅れたプレイヤーもいたが、上手く他の班がそれをカバーすることで死人を出すことはなかった。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、行くぞ。」

 

この作戦で重要な鍵を握る第4の班こと完全特攻班。メンバーは『タス』『アルタ』『キリト』『アスナ』『豹虫』の5人のみだ。

 

「……ミッションスタート。」

 

5人はジェネラルトーラスに向かって一気に後ろ向きに駆け出す。そして、自らの攻撃が届く範囲まで接近すると……。

 

「ンウェンウェンウェンウェンウェンウェンウェンウェ」←アルタが何度も思い切り剣を叩きつける。

 

「ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ」←キリトがボスの周りを移き回りながら『2本の剣で』切り刻む。

 

「チチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチチ」←アスナがレイピアをヤスリのように突き刺す。

 

「ズガガガガガガガガガガガ」←豹虫が槍をドリルの様に敵の体を削りながら突き刺す。

 

「ザシュザシュザシュザシュザシュザシュ」←タスが壁や床を蹴りながら縦横無尽に斬撃を繰り出す。

 

その動きを見ていた一般プレイヤーは後にこう語った。

 

「お前ら人間じゃねぇ。」

 

 

 

 

 

取り巻きである大佐ことナト・ザ・カーネルトーラスを開始20分で倒し……大分タスに毒されてきたのか、攻略組のプレイヤーも常識はずれな強さになってきている気がする……、ボスのHPバーの残り一本が黄色くなったところでそれは起こった。なお、大佐を倒した後は班を3つに分ける必要性は無くなるので通常通りの陣形に戻した。

 

ドォォォォォォォォン!

 

「やっぱりあったか……。」

 

この戦いに乱入してきた空気の読めない真の2層ボス、その名は……。

 

「……『アステリオス・ザ・トーラスキング』。」

 

「全員!パターンCだ!」

 

パターンC、アルタがあらかじめ考えていた対乱入者用の作戦パターン。何ということはなく、特攻班で乱入者の相手をしている間に他のプレイヤーがジェネラルにトドメを刺すだけの簡単なお仕事だ。

 

「……これで仕切り直し。」

 

「さて、もうひと頑張りしますかね。」

 

「俺も気合を入れないとな。」

 

「ここからが本番よ。」

 

「いいんじゃないかな。」チートON

 

まだまだ暴れ足りないとばかりに特攻隊がそれぞれの武器を構える。が……。

 

「まずい、武器の耐久値が限りなくやばい。」

 

「マジかよ!?俺のはまだ余裕だけど。」

 

「私も余裕。タスちゃんは?」

 

「……駄目、限界。」

 

「うーん、僕の槍の状態はいいぞ。」

 

肝心のアルタの武器が使い物にならなくなってしまった。しかも今日は予備の剣は持って来ていない。

 

「仕方ない、本当はもう少し後で使おうと思っていたんだけど……。」

 

素早くウィンドウを操作し、アクセルソードを装備する。

 

「コイツの初陣だ。」

 

剣に取り付けられた二輪車のブレーキレバーのようなものを握る。すると剣が振動し、峰にあたる部分にあった穴が展開する。

 

「行くぞ!この牛魔王!」

 

親指でライターのヤスリ部分のようなものを回し、レバーをさらに深く握る。すると先ほど開いた穴から炎が噴出し、アルタは一瞬のうちに加速して上昇し、アステリオス王の上に出ようとする。

 

「グッ!少しGがきつい……。」

 

現実に限りなく近く作りこまれたソードアートオンラインでは、やはりGも再現されているようだ。だが、この程度で根を上げるアルタではない。歯を食いしばってGに耐えたアルタは、見事アステリオス王の死角となる上方を取った。

 

「ウゥゥゥルゥァアアアアアアアッ!!」

 

そのままボスの王冠目掛けてアクセルソードを振り下ろす。一瞬鈍い音が鳴り響き、アステリオス王は一瞬だけ仰け反る。

 

「……あの王冠に攻撃を当てると一瞬怯むみたい。私とアルタで王冠に攻撃を続けるから、その間に攻撃して。」

 

「でも、あなたの武器は?」

 

「……心配ない。」

 

アルタと違ってあらかじめ予備の武器を持ってきていたタスは、今まで絶えず開閉を繰り返していたウィンドウを開いた状態で止めると、別のアニールブレード+8を装備する。

 

「……ほらね?」

 

「あなた何本アニールブレードを持ってるの?」

 

「……7本。」

 

タスの非常識レベルの性能に驚きつつも、ボスへの攻撃を止めない特攻班。やがてバラン将軍を倒した他のプレイヤー達が合流し、攻略組の勝利はほぼ確定した。

 

ガンピョンブォーンガァーンガンピョンブォーンガァーンガンピョンブォーンガァーン

 

タスがボスの左肩でジャンプした瞬間に、アルタの斬撃が王冠に入る。更に、ジャンプして勢いをつけたタスが王冠に追撃を入れて今度は右肩を踏み台にしてジャンプする。この動作が幾度も繰り返された。

 

その後1時間もしないうちにアステリオス・ザ・トーラスキングが倒され、攻略組の面々はお祭り状態となった。

 

 

 

 

 

「それで、あのブースターのついた剣は何なんだ?」

 

「前回のボスがドロップした武器だ。詳しいことはわからない。」

 

ボス戦に勝利したことで興奮した攻略組の熱が冷めた頃、エギルが切り出してきた。

 

「昨日まで要求値は満たしていたんだが何故か装備しようにも装備できなかった。」

 

「昨日まで?」

 

アルタの発言にあった昨日までというところをさらに聞いてくる。アルタは周りを見回すと、左手の人差し指を立てて唇の前まで持ってくる。そして、周囲には聞こえないように小さな声で話し出す。

 

「これは秘密にしてくれよ。……昨日、俺とキリトはタスからある事を聞いた。『固定された取得条件のないソードスキル』のことだ。」

 

「固定された取得条件のないソードスキル?」

 

アルタの口から出た聞き慣れない言葉に首を傾げるエギル。

 

「早い話が、そのスキルを取得できるのは全プレイヤー中たった一人という事だ。」

 

「何!?じゃあ、まさかそれが?」

 

「そう、名付けるとしたらユニークスキルと言うべきものかな?……実はキリトとタスも既にそのスキルを取得している。」

 

「何だと!?」

 

エギルは更に驚く。全プレイヤーの中で一人しか取れないスキルを、既に3人もの人間が取得しているのだから当然といえば当然である。

 

「詳細は教えられない。知りたかったら本人に聞くか、自分で調べるかしてくれ。……もっとも、キリトの方は既に堂々と使っていたが。」

 

それだけ言ってアルタは去っていく。その後ろ姿は、ユニークスキルを手に入れたことで自分に起こりうる出来事を、受け入れる覚悟ができたような姿だった。

 

 

 

 

 

「……ユニークスキル。」

 

勝利後のお祭り騒ぎの中、タスはボス部屋の片隅にじっと立っていた。ウィンドウに表示されたその文字を見て、タスは呟く。

 

「……どうしてこんなものがあるんだろう。」

 

このソードアートオンラインの根元を覆してしまいかねない存在。このゲームを作った茅場晶彦は、何を考えてこんなものを設定したのか……。

 

「……ま、いっか。」

 

考えても無駄と判断したタスはそこで思考を打ち切る。

 

「……何があろうと、このゲームを攻略するだけ。」

 

孤高の少女は、このゲームを攻略する決意を新たにする。

 

 




タスさん以外の人たちもカオス化してきてますね~。(遠い目)

次回はちょっと番外編。



プロローグの後書きのところにタスさんのイラストが貼ってあるのでそちらもご覧下さい。忙しい中イラストを描いて下さった幸丸さん本当にありがとう!


没ネタ17

ブースターが点火され、アルタは一瞬のうちに加速する。

アルタ「殺人的な加速だ!」

キリト「そのセリフは須郷に言わせたいな。」


没ネタ18

ブースターが点火され、アルタは一瞬のうちに加速する。

アルタ「人呼んで、アルタ・スペシャル!」

アスナ「キャーッ!アルタさんが吐血した!」


没ネタ19

イルファング・ザ・コボルド・ロード&アステリオス・ザ・トーラスキング登場。

キバオウ「この世で我以外に王を名乗るなど……身の程を弁えろ雑種!」

アルタ「なんだろう……キバオウさんが金ピカに光って見える。」


没ネタ20

オベイロン「私は妖精オベロン、コンゴトモヨロシク。」

ネズハ「私は幻魔ナタタイシ、コンゴトモヨロシク。」

タス「マッカ寄越せ。」

アルタ「だからゲームが違うって言ってんだろ!いい加減にしろ!」


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