BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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第3話 Memories of

 

 

 

〜一番隊隊舎〜

 

 

「織姫が奴らといただと?」

 

「落ち着け一護!」

 

「まず更木隊長、一角さんが奴らと交戦。そのあと檜佐木さんと俺が戦った。」

 

「お前も分かるだろ!?これだけの戦力をしても勝てなかったんだ!イラついたって仕方ねぇだろ!!」

 

 

「くそッ!」

 

 

「気持ちはわかる。けど今は少しずつ解明して行くしか方法はない。」

 

檜佐木が一護を諭すように語りかけた。

 

 

 

 

 

〜技術開発局〜

 

 

京楽と阿近はモニターの前に立っていた。

 

「観測した霊圧を解析し、データベースで照合してみたんですが、、、」

 

阿近は画面を指差して説明する。

 

「王印の紋章はわかりません。一致するものがありませんでした。」

 

「8の紋章はザエルアポロの霊圧と一致しました。」

 

「100の紋章はシエンと呼ばれる破面。」

 

「こいつは皆もご存知の通りシュリーカーっす。」

 

「涅局長の話だと地獄に堕ちたそうですが、なんとかして戻ってきたみたいっすね。」

 

「あと風の紋章は照合結果自体は出てきましたが、100年前にデータが消去されていました。」

 

京楽は顎髭をさすっている。

 

「消したのは仙波くんなんだろうねぇ。」

 

「そして最後にこの紅葉の紋章の霊圧、、、」

 

「これは?」

 

「これは過去のデータではなく、文献で得た知識ですけど思念珠と呼ばれる存在に近い霊圧みたいっす。」

 

「なんだい?その思念珠ってのは。」

 

「それがまだよくわかっていないんすよ、、、。」

 

穿界門が現れその中から浦原が飛び出てきた。

 

「アタシがお答えしましょう!」

 

 

「簡単に言えば記憶の集合体です。」

 

「記憶の集合体?」

 

 

「ええ。魂魄から抜け落ちた記憶が固まってできたものです。」

 

「そしてその空の魂魄を欠魂(ブランク)といいます。」

 

 

「その欠魂が自分の記憶を求め思念珠に引き寄せられる力は相当なものです。それこそ世界の存亡に関わるほどのね。」

 

 

「本当かい、喜助くん?」

 

「まぁあくまで文献を読んでの予想ですが。」

 

「ならまずその思念珠ってのを見つけないとねぇ、、、。」

 

 

 

 

 

〜一番隊隊舎〜

 

 

「それじゃ王族特務零番隊と護廷十三隊の合同会議を始めるよ。」

 

「ちょっと待て。なぜ零番隊もいるのだ。」

 

砕蜂は納得がいかない様子だった。

 

 

「やつらは霊王宮にある技術開発局にも襲撃してきたからな。」

 

天示郎が首をコキコキと言わせながら気だるそうに答えた。

 

 

天示郎に続き兵主部も言葉を発した。

 

「おんしらに言っておきたいこともあってな。」

 

「更木と斑目をこちらに渡してもらう。天示郎のところで療養させるわい。」

 

 

「えっ、、?」

 

四番隊で治療していたためか、勇音がつい驚きを口に出してしまう。

 

 

そして京楽が兵主部の意向を訪ねた。

 

「彼らも鍛えるんですか?」

 

「そうじゃ。やつらは本当の力を手にしておらん。2人とも斬魄刀が壊されたようじゃし、丁度いい。一から打ち直す。」

 

「分かりました。和尚達のご自由にして下さい。」

 

 

 

「あと僕からも。」

 

京楽は手に持った資料を上にあげた。

 

「資料を見て貰えば分かる通り、思念珠捜索部隊についてだ。」

 

 

「五番隊平子隊長を責任者として、八番隊阿散井隊長、十番隊日番谷隊長、外世部隊石田副隊長、十一番隊第三席綾瀬川くん、一番隊第三席龍堂寺くんにお願いするから。」

 

 

「ちょい待てや!俺いつでもシフト入れる大学生とちゃうねんぞ!」

 

「いっつも俺入ってるやんけ!綱彌代ん時も、仙波ん時も!」

 

「ってこのやり取りも何回目やねん!」

 

 

「思念珠っていうのがあまり分かってないみたいだから滅却師の可能性も考えて石田くんにも参加してもらうよ。」

 

 

「スルーかい!!!」

 

 

「ほかに何かある人はいるかい?」

 

 

「もうええわ、、、こき使ってくれ、、、。」

 

「じゃあ解散で。」

 

 

 

 

〜一番隊隊舎前〜

 

 

平子が不貞腐れて一番隊隊舎から出ると、ガタイの良い銀髪の死神に呼び止められた。

 

「平子隊長、よろしいですか?一番隊三席、龍堂寺鳳厳です。」

 

「今回、思念珠討伐隊に参加させて頂くことになりました。よろしくお願い致します。」

 

「龍堂寺ってあの龍堂寺の?」

 

平子は目を細める。

 

 

「はい。綱彌代家の件で四十六室から復権の許可が降りまして。」

 

 

龍堂寺言家は鳳厳の祖父の代に、まだ少年だった綱彌代時灘のただの気まぐれで追放された。

 

そして断界へと追いやられたのだ。

 

綱彌代家はこの件を権力争いの末のものと四十六室へ報告し、事態を収束させた。

 

 

しかし綱彌代時灘の一件で彼の悪性が認められたこと、さらに京楽の直訴により行き場を失っていた元上流貴族の龍堂寺家を普通の待遇で尸魂界へと受け入れることとなった。

 

 

かつて鳳厳の叔父にもあたる龍堂寺家のある男が世界を破壊しようと目論み、それをある死神代行が阻止したことがあったが、記憶があるものは今や一護以外誰一人としていない。

 

ただ綱彌代家に追いやられた悲劇の元貴族という認識だった

 

 

「そうなんやな。まぁ俺今回サボる気満々やしよろしく頼むで!」

 

平子はそう言うとまた歩き始めると、鳳厳を通り過ぎたところで手をヒラヒラと振った。

 

 

 

 

 

〜現世〜

 

 

一勇と彦禰は突然現れた大量の虚の対処に当たっていた。

 

「大丈夫か、彦禰!」

 

「ええ。」

 

彦禰は冷静に虚を次々と斬り伏せていく。

 

「しかし多いですね。きりが、、、」

 

そのとき背後から突風が吹き抜けた。

 

彦禰と一勇がその方向を振り返ると虚の軍勢の中に人影が立っていた。

 

 

「あれは、、、、黒コート?」

 

 

その人物は金色の錫杖を振り上げると、小さな竜巻を発生させた。

 

 

「あんた邪魔!!」

 

一勇はその黒コートに踏み台として肩を踏まれた。

 

 

飛び上がった時の風でフードがとれる。

 

 

その正体はオレンジ色の髪留めをしたポニーテールの少女だった。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

少女は錫杖を操り竜巻を発生させ虚を蹴散らしていく。

 

そしてその竜巻は紅葉の葉を巻き上げながら虚を追いかけていた。

 

そしてその少女は紅葉に包まれながら姿を眩ませる。

 

 

「すげえ、、、。あの数を一瞬で、、、。」

 

一勇が空を舞う紅葉に目を奪われているときだった。

 

 

後ろから女の子の声が聞こえてくる。

 

 

「よぉし!やったーぁ!いえいいえいいぇ〜い!」

 

「いい感じ〜!」

 

一勇と彦禰は後ろを振り向いた。

 

 

その少女は一言。

 

「なんだあんたか。」

 

そこには先ほどの少女が制服姿で立っていたのだ。

 

 

「お前いつの間に義骸に入ったんだ!?」

 

「知らない。」

 

「お前何者だ!?」

 

「死神、、かな?」

 

「てか人のことを聞くときはまずじぶんからじゃな〜い?」

 

 

「ぐっ、、、、黒崎一勇だ。」

 

「あら!割と素直ね!ってこのやり取りどこかでやらなかった?」

 

「知らねぇよ!!」

 

「まぁいいや!あたしは茜雫!じゃっ!」

 

そういうとその少女、茜雫は駆け出した。

 

「待て待て待て!」

 

一勇はすかさず茜雫を追いかける。

 

「一勇くん!そっちは頼みました!浦原さんには僕が伝えておきますから!」

 

彦禰は一勇に満面の笑みで手を振っていた。

 

「な!彦禰!てめぇ!くそっ!」

 

黒コートの1人なのは間違いなかったため一勇1人ででも追いかけるしかなかった。

 

「待ちやがれ!黒コートのこと教えろ!」

 

「なんなの!?しつこーい!!」

 

なにやら茜雫は楽しそうにしているようにも見える。

 

 

「あ!じゃあさ!鬼ごっこしよう!」

 

「はぁ?」

 

「捕まえれたら言うこと聞くからさ!」

 

「くそっ!ふざけやがって!」

 

 

それから20分ほど走っただろうか?

 

一勇は茜雫を完全に見失ってしまった。

 

「このショッピングモールに入ったのは見えたんだけど、、、広すぎるだろ、、、」

 

 

 

「わっ、見て!」「危ない!」「ショーか?」

 

突然周りがざわめき始め、そして皆上を向いている。

 

 

そのショッピングモールでは吹き抜けの4階部分に『毎月1日は大セール』という垂れ幕とそれを吊るすロープが対角線上にかかっていた。

 

そしてなんとそのロープの上を茜雫が歩いていたのだ。

 

しかももう半分くらいまで来ている。

 

「あ、あいつ!!」

 

 

「あっ」

 

茜雫は急にバランスを崩し、足を滑らせてしまった。

 

 

「きゃぁぁぁぁ!」「うわぁぁ!」「まじか!!」

 

周りで見ていた来客も思わず悲鳴をあげた。

 

 

そして茜雫は一階の植え込みに転落した。

 

 

 

「大丈夫か!?」「頭から落ちたよな?」「救急車だ!」

 

植え込みの周りに人だかりができている。

 

 

 

「ジャジャーーーン!イエーーーイ!」

 

茜雫は一勇の遥か後ろに両手を挙げて立っていた。

 

 

「なぁんだ手品かよ。」「よかったぁ。」「すげぇ!」

 

「どぉ?みんな!?」

 

 

一勇はものすごい剣幕で茜雫の元へと走った。

 

「お前!何やってんだよ!」

 

一勇は茜雫の手を取り強引にその場を離れた。

 

 

 

 

〜ショッピングモール屋上〜

 

 

「なぁんだ!奢ってくれるなら言ってよ!」

 

一勇と茜雫は屋外のテーブルにつき、クレープを食べていた。

 

「イチゴ!、、、、じゃなくて一勇だった。」

 

一勇は一瞬考えた。

一護のことなのか、苺のことなのか。

しかしイントネーションは完全に一護だった。

さらに茜雫の食べているクレープはチョコバナナだ。

 

 

「親父、、、の名前のこと言ったのか?なんで知ってんだ?」

 

「分かんない。」

 

「けどなんだか懐かしいの。」

 

 

「で!黒コートについて知ってること教えろ!」

 

「え〜?どうしよっかなぁ〜。」

 

「おい!」

 

 

「あたし記憶がないの。だからよくわかんない!」

 

茜雫は悲しそうな笑顔を浮かべている。

 

 

「一勇くん!」

 

そこへ雨竜が駆けつけた。

 

「石田のおじさん!」

 

「その娘は?」

 

「茜雫って言うんだけど記憶がないみたいで。」

 

「記憶がない?」

 

「(思念珠は確か記憶の塊。定まった記憶がないとも言える。)」

 

「えっと、茜雫さんといったね?記憶を戻せるかもしれないから一緒に来てもらえないかな?」

 

「いや!」

 

「え、、、」

 

「いや、記憶を取り戻せるかもしれないんだよ?」

 

雨竜もなんとか説得しようと試みる。

 

 

「石田!」

 

「日番谷くん。」

 

そこへ次々と死神が到着する。

 

「甘えぞ、お前の子供だって連れてかれてるんだろ?力づくでもこいつを引っ張って行くべきだ。」

 

数人の隊長格が現れ『こいつを引っ張って行く』という言葉を聞き一勇は立ち上がる。

 

「ちょ、ちょっと!なんなんだよ!いきなり来てこいつ連れてくって!話聞けばいいだけじゃねえか!」

 

 

冬獅郎は斬魄刀を抜いた。

 

「黒崎一勇、下がってろ。」

 

「下がれるかよ!」

 

「邪魔をするな!霜天に座せ氷輪丸!」

 

「詠み入れろ、融月!」

 

 

冬獅郎と一勇は刃を交えた。

 

 

「行け!茜雫!」

 

「逃すな!」

 

 

茜雫は瞬歩でその場を離れた。

 

「ちょっとこれはまずいかな、、、?」

 

茜雫は走りながら独り言をつぶやいた。

 

 

 

すると前方に2人の刀を抜いた人影が立っていた。

 

 

「う〜ん、見つかっちゃった、、、。」

 

 

そこにガタイが良く、それでいて品のある死神が立ちはだかる。

 

「私は一番隊第三席龍堂寺鳳厳。黒コート達のことを聞かせてもらおう。」

 

茜雫は龍堂寺の様相を見て、なぜか即座に敵と認識してしまう。

 

 

 

「夕闇に誘え、弥勒丸(マイトレイヤ)!」

 

 

「解放だ!」

 

弓親も刀に手をかけている。

 

「いけぇぇぇ!」

 

茜雫が斬魄刀を振ると、紅葉の葉と共に竜巻が襲う。

 

「なんて風圧だ。」

 

弓親は飛んでくる紅葉を手で払いながら攻撃のタイミングを見計らっていた。

 

「咲け、藤孔雀!」

 

弓親は竜巻を躱し瞬歩で茜雫の背後へと回り斬魄刀を振り下ろす。

 

 

「なっ!?」

 

弓親の振り下ろした斬魄刀はあろうことか華奢な少女である茜雫の腕に斬り込めていなかった。

 

そしてよく見ると茜雫の腕には青色の線模様が浮かび上がっていたのだ。

 

「静血装か、、、!」

 

 

「うぁぁぁぁぁ!!」

 

茜雫の口元には赤黒いエネルギーの球体が形成されていた。

 

「まずいっ、、、王虚の閃光!」

 

赤黒い閃光が放たれる。

 

 

弓親はやられた、と思ったが前を見ると何者かが王虚の閃光を吸い込んでいる。

 

「なんだ、、、?」

 

 

「君は、、、!」

 

 

 

To be continued.....

 

 

 

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