BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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ご指摘ありがとうございました。


第4話 時雨(しぐれ)鉄球(てっきゅう)柘榴(ざくろ)黒猫(くろねこ)群狼(ぐんろう)

 

 

 

「君は、、、、!」

 

見覚えのある緑色の髪、ミニスカートを模したような死覇装。

そして特徴的な斬魄刀。

ピンク色の刀身の切っ先には雨竜の持つ銀嶺孤雀に似たものが付いていた。

 

弓親はその名を口に出す。

 

「九条望実、、、、!」

 

望実の斬魄刀は光を放ちながら王虚の閃光を吸い込んでいった。

 

そしてその閃光を跳ね返す。

 

霧が晴れると茜雫は黒い空間の穴へと逃げていた。

 

「黒腔か、、、。」

 

 

「なぜ九条望実が、、、?」

 

「これは私が作ったのだヨ。50年ほど前ネムの遊び相手にでもとネ。」

 

雨竜が後ろを振り向くと何とも形容し難い格好をした男が立っていた。

 

「涅マユリ、、、!」

 

「呼び捨てにされる筋合いはないのだが。マァいい。」

 

 

望実が振り向くと一人の男に目が止まる。

 

 

「お前は、、、黒崎一護?」

 

望実は目を丸くして一勇をまじまじと見ている。

 

「それはおれの親父。おれは黒崎一勇。お前も間違えてんのかよ。」

 

「お、親父、、、?」

 

 

「実はこいつはもう用済みでネ。譲りに来たんだヨ。君たちのことを考えて連れてきたこの慈悲深い私に感謝してほしいものだネ。」

 

 

「なにが慈悲深いだ、、、。とりあえず黒崎の家に行こう。」

 

石田は銀嶺孤雀を収めている。

 

 

 

 

〜黒崎医院〜

 

 

「ただいま〜。」

 

「おう!一勇、遅かったじゃ、、、、!」

 

一護の目に映った少女は腕を組み、ぷいと横を向いていた。

 

「望実!!!お前望実じゃねぇか!!!」

 

「おい!コン!」

 

「なんだよ、今グラビアアイドルがバインバインで、、、、」

 

コンはトボトボとリビングから廊下へと歩いてきた。

 

そして一護の先にいる人物が目に入り一瞬言葉を失った。

 

「お、、、お前、、、」

 

 

「のぞみ〜!!!」

 

コンはいつもよりも勢いよく飛びつこうとするが、、、

 

「相変わらずだなスケベ。」

 

コンは望実の足で踏まれながら満面の笑みと涙を浮かべていた。

 

 

 

 

一護、一勇、雨竜、望実はリビングのテーブルについて今回のことについて話をしていた。

 

「なるほど。涅さんが作ったんだな。で、望実、どうすんだこれから?」

 

「ここに住む。」

 

「はぁ??お前、俺は家庭持ってんだぞ?」

 

「ならあのぬいぐるみたちは何なんだ。」

 

望実はソファからこちらを覗いているコン、リリン、ノバ、クロードを指差していた。

 

その様子を見たコンが隣の部屋に入り、ガサガサと音を立ててから戻って来た。

 

「ほらよ、このコン様と同じになれるんだからありがたく思えよ。」

 

コンは自分のスペア用に石田に作ってもらった《自分》を渡す。

 

「いやだ。」

 

「モッドソウルなんだからぬいぐるみ入れよ!ここではそういうルールだぞ!」

 

「絶対にいやだ。」

 

 

「あ!そうだ!階段のところに飾ってあるぬいぐるみがあるじゃん!」

 

同じくソファーに座って話を聞いていた夏梨が階段へと走り、すぐ様戻って来た。

 

「これ。」

 

ピンク色で顔の部分だけ白色のウサギのぬいぐるみだった。

 

「これ前にルキアちゃんも入ったことあるとかなんとか。織姫ちゃんが言ってたけど。あの有名デザイナーの毒ヶ峰さんが持ってたやつなんだって。」

 

望実は顔を赤らめ恥ずかしそうにしている。

 

「まぁこれなら、、、。」

 

「これからまた賑やかになりますな!」

 

「よろしく、、、頼む。」

 

「あたしリリン!よろしくね!」

 

 

「よ、よろしく。」

 

 

 

 

 

〜虚夜宮〜

 

 

「勝手に出歩くなと言ったはずです。思念珠。」

 

続いてシュリーカーが大声を上げる。

 

「危うく足が付くところだったんだぞ!」

 

 

「なに?ビビってんじゃ〜ん!いつも《死神たちをを殺してやる〜》て息巻いてんのに。」

 

茜雫はおちょくるようにシュリーカーの真似をしてみせた。

 

「てめぇ!おれは計画の話をしてんだろうが!」

 

 

「醜いねぇ。これだから野蛮な虚出身は。」

 

ザエルアポロが嘲笑している。

 

「お前だって元を辿れば虚だろうが!」

 

 

「やめて下さい。思念珠、今回のあなたの行動はいただけませんよ。」

 

「もし次やれば容赦なく消します。替えはいますからね。」

 

王印の紋章の男は部屋の隅に立つ人狼のホムラに目をやった。

 

 

「はいはーい、わかりましたよ!」

 

茜雫は頭の後ろで腕を組み適当な返事をして席に着いた。

 

「一欠ですが会議を始めましょうか。」

 

 

 

 

 

〜黒崎医院〜

 

 

「どうやらあの風の紋章の男はバウントのようです。」

 

あれから浦原も合流し、敵戦力の分析をしていた。

 

「バウント?ってことは、、、!」

 

「そう。狩矢神(かりやじん)です。」

 

かつて尸魂界に復讐するため複数のバウントを率いて瀞霊廷に侵入した男。

 

双極の丘で一護に討たれ灰と散ったはずだった。

 

「バウントの研究データは狩矢のものだけでなく全て消されていました。」

 

「じゃあどうすんだ?」

 

 

「大丈夫です。バウントの研究者に連絡を取ってあります。」

 

浦原は帽子を被り直すと石田の方を向く。

 

「大先輩ですよ。」

 

 

「あとそのほかにも何人かにコンタクトは取ってあります。」

 

「更木サンがああも簡単にやられるほどの敵です。今回はかなりの準備が必要になるでしょう。」

 

 

「それと黒崎サン、一勇サンと苺花サンに卍解を。彼らにも万一に備えて修得してもらう必要があります。」

 

「万一ってなんだよ!?」

 

一護は自身の息子や親友たちの娘が戦力として数えられていることに不快感を表した。

 

そして浦原はそれを見透かしたように一護の問いに答える。

 

「戦力というよりは、自分の身を守るためってことです。」

 

今回は剣八や一角がやられるほどの敵。

そう思って納得せざるを得なかった。

 

「わかった、、、、。」

 

「急ですから、方法は、、、分かってますよね?」

 

 

 

 

 

〜現世、ヨーロッパ〜

 

 

「いきなり日本語が聞こえたから驚いたぞ。」

 

「浦原喜助?あぁ、あの空座町にいた男だろ?」

 

「なるほど、それで俺にも声がかかったということか。わかった、向かおう。」

 

 

「久々に連絡が来たと思えばまたあの街に行けとは。」

 

オレンジ色のモヒカンの巨漢が懐から取り出した鉄球を見つめていた。

 

鉄球の表面には青い光の模様が浮かび上がる。

 

「今度こそ止めなければ。」

 

 

 

 

 

〜無間〜

 

 

「キヒッ、いいのかい?」

 

「いや、わかってる。言わなくたってわかってるよ。あんたは私、私はあんた。」

 

 

「あぁ、無駄話はもう懲り懲りだ。」

 

言葉とは裏腹にその男は柔らかい表情を浮かべている。

 

 

「あんたが話したいって言ったんじゃん。素直じゃないの?なれないの?」

 

「何よりさっきの天挺空羅を聞いただろう。」

 

「浦原喜助だろ?ここまで届かせるとはさすがだねぇ!」

 

 

男は1人暗闇の中を歩き始める。

 

「藍染、私は()()()になれそうだよ。」

 

 

 

 

 

〜四楓院家〜

 

 

「ねえさま、どうされたのです?いきなりお戻りになられるなんて。」

 

 

「今回ばかりは徒手だけではちぃとキツイかのうと思うてな。」

 

「素手の方が強いが、こいつの力もあった方がいいじゃろう。」

 

「それは、、、、!」

 

刀掛けに置いてある刀を手に取ると口角を上げ話しかけた。

 

「久しぶりじゃのう。拗ねてはおらんか?」

 

 

 

 

〜虚圏某所〜

 

 

「聞いたか!?」

 

「大声出すな!しっかり聞こえてる!」

 

「あなたも五月蝿いですわよ。ほんとにこのお猿さんたちは、、、。」

 

 

「で、どうすんだよ。」

 

 

「あら、最近は随分と柔らかくなったのね。昔ならすぐ『黒崎の野郎ぶっ潰す』って飛び出て行ってたのに。」

 

 

「きっと一勇が気にかかっているのでしょう!!」

 

「そうそう!一勇は小さい頃から懐いていたでヤンスから。」

 

「で、どうすんだ?虚圏の王さんよ。虚夜宮からも追い出されてよぉ。」

 

「我々は黒崎一護の決定についていくだけだ。」

 

「あいつが決めるってのは気に食わねぇがな。」

 

「でも浦原さんがこの情報を流すってことは一護もそういう意向ってことじゃない?」

 

 

「ちょっと!まさか行くってんじゃないでしょうね!」

 

「あなたたち2人は元々私の部隊ですから私が行くと言えば行くのです。」

 

 

「かつての戦友(ニーニョ)が待っているのだ。行くしかなかろう。久々にチルッチ(ニーニャ)にも会えるかもしれん。」

 

「幸せな生活を送っている時こそ、女性が一番輝いている瞬間よ。」

 

「何の話だよ!気持ち悪いんだよ!君男のくせにさぁ!」

 

「ではあの子達はどうしますか?」

 

「あいつらは置いていこう。また遊びなどと言って暴れられては困る。」

 

「各々準備を整えてくれ。今夜には現世の黒崎と合流する。」

 

「お前もそれでいいな?」

 

 

 

「あぁ、一緒に行こう。蹴散らしてやろうぜ。」

 

 

 

 

 

 

〜虚夜宮廊下〜

 

 

「やっべ〜、遅れちまった。好き勝手しやがって!」

 

9の紋章の男は廊下を走って広間へと急いでいた。

 

ガタンッ

 

「遅かったなアーロニーロ、、、ってまたその顔か?」

 

ザエルアポロが呆れ気味にアーロニーロの顔を見た。

 

「顔のことはいいじゃねぇか。」

 

王印の紋章の男が立ち上がる。

 

「今日は敵戦力の確認をすると言ったはずですが?もう最後の破面勢力だけですよ。」

 

「しかたがなかろう。儂は久々の外を楽しんでおっただけよ。」

 

アーロニーロは手で首を揉みながら答えた。

 

 

「なんだい?さっきからその変な喋り方は、、、、。もしかしてアーロニーロ、君、、、」

 

アーロニーロは顔を元のカプセル状の顔に戻し、声も合成音声のような声になった。

 

「何もナイよ。()()()()()()()()()()()ハネ。」

 

 

「続けますよ。」

 

「今回の破面勢力はティア・ハリベルを始めとする十刃級が7体、従属官級が10体と一大勢力です。」

 

「けど皆んな僕以下だろ?」

 

シエンは足を組み余裕そうに手をヒラヒラと振っている。

 

 

「シエン、あの中にはあなたを倒した破面もいるのですよ?」

 

「浦原喜助は各方面に連絡を取っています。いくらこちらの力が強くとも油断は禁物です。」

 

「、、、、!あいつか、、、!まぁ、でもいいじゃないか。相手が強いにこしたことはない。更木剣八がやられてしまって退屈してたところさ。」

 

シエンは一瞬顔を歪ませたが、またすぐに余裕な表情を見せた。

 

その表情を見透かしたように風の紋章の男、狩矢神がシエンを挑発する。

 

「更木とかいうあの程度の男をライバル視しているだけでたかが知れるがな。」

 

シエンが立ち上がる。

 

「今確かめてやってもいいんだが?」

 

 

「そこまでです。」

 

王印の紋章の男が力強く机を叩いた。

 

 

そして合図をすると2人の部下が刀を持って広間に入って来くる。

 

1人は燬鷇王の元へと歩いていく。

 

「燬鷇王、あなたにはこれを使ってもらいます。」

 

「これは?」

 

「流刃若火です。かつての総隊長山本元流斎重國の斬魄刀、といえば分かりますか?」

 

「あなたならこれを使いこなせるはず。」

 

 

もう1人の部下は会議テーブルの横に立つ人狼の少年へと刀を手渡す。

 

「そしてホムラ、あなたはこの斬魄刀を。」

 

「これは、、、?」

 

「あなたが忌み嫌う一族の者の強力な斬魄刀です。」

 

 

 

 

 

〜七番隊隊舎〜

 

 

「っくしゅ!」

 

「風邪?うるい?」

 

2人の人狼族が隊長執務室のソファに腰掛けていた。

 

 

「うるい、ショーマ、もう寝ろ。」

 

「鉄さんは?」

 

「儂はまだやらにゃいけんことがあるけえの。」

 

うるいとショーマに目をやることなく、鉄左衛門は書類に目を通している。

 

「左陣様の斬魄刀?」

 

「それだけじゃないわ。元流斎殿の斬魄刀もじゃ。」

 

 

100年前の仙波の事件の後、紛失が発覚した物がいくつかあった。

 

王印

霊王の脊髄と右足

流刃若火

天譴

 

王印は襲撃を受け奪取されてから見つからず仕舞いだった。

霊王の脊髄と右足は紛失というよりも行方が分からなくなっていた。

そして一番隊隊舎に奉じてあった二振の斬魄刀が消えていた。

 

 

四十六室は

 

王印は元々存在しなかったことに

霊王の脊髄と右足は発見されていなかったことに

二振の斬魄刀は霊王護神大戦で破壊されたことに

 

歴史を改竄したのだ。

 

護廷十三隊としては自分たちの落ち度ではあるものの、偉大なる死神の不名誉に耐えられるわけもなく、秘密裏に二振の斬魄刀の行方を探っていた。

 

そしてその調査に名乗り出たのが射場鉄左衛門だったのだ。

 

 

「(何としても見つけ出さにゃ元流斎殿、左陣殿に顔向けできん)」

 

 

 

 

 

〜麒麟殿〜

 

 

「動くなよ。いくらお前が不死身でも死ぬぞ。」

 

「零番隊で何すんのかと思えば風呂かよ。」

 

剣八は落ち着いた様子で風呂に浸かっていた。

 

「こんなことしてる暇ぁねぇだろ!」

 

一角は今の状況を考えると声を上げざるを得なかった。

 

 

そこへ兵主部が現れる。

 

「まぁまぁそんなに吠えるな。」

 

「更木はまだしも、斑目、おんしは今戻ったところで何にもならんぞ。」

 

「んだと!?テメェ!」

 

「正直に言う。おんしの卍解は卍解として体をなしておらん。」

 

「始解のように形を変えただけの卍解もどきじゃ。」

 

 

湯に浸かり岩にもたれかかった天示郎も兵主部に続いた。

 

「そうだ。お前のことは調べさせてもらったが、卍解使っても出来損ないの破面と相打ちだったらしいな。」

 

「しかも始解じゃ従属官にも負けるって、それで戦闘狂十一番隊の副隊長が務まるのか?」

 

「烈も悲しんでるだろうよ。」

 

「くっ、、、」

 

一角は言い返すことができなかった。

それもそうだ。十一番隊は結果が全て。

勝てば強く、負ければ弱い。

 

 

そんな一角を見て剣八が立ち上がる。

 

「ごちゃごちゃうるせぇ。こいつは俺が斬りまくって強くする。それでいいんだろ?」

 

 

「はっ!もう治りよったか!よし、もういいじゃろ。次は服じゃな。」

 

 

「早く上がれ!」

 

「何なんだよ!」

 

天示郎に怒鳴られながら一角も風呂から上がっていく。

 

 

温泉を後にする剣八と一角を兵主部は遠目から見守っていた。

 

 

「そう。おんしの卍解は更木にも並ぶ能力を秘めておる。そしておんしならそれを開花させることもできる。」

 

 

「斬魄刀ではなく自分の心と向き合えたら、な。」

 

 

 

 

To be continued.....

 

 

 

 

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