BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
〜鳳凰殿〜
「よぉし、合格DA。」
上から聞こえる声。
暗闇の中でボロボロになった一角がはるか上方に立つ2つの人影に目をやる。
「遅かったのう、斑目や。」
「兵主部のおっさん、、、!」
「まぁうちに来い。」
一角は着替えをし簡単に体を流した後、兵主部の待つ部屋へと入っていった。
「まぁ座れ。」
促されるまま一角は兵主部の対面にある紫色の座布団に座った。
「更木は既に斬魄刀との対話をしておる。」
「奴にはコツだけ教えた。卍解の名前は教えとらん。」
「だがおんしには教える。知ろうと知らまいとおんし次第じゃからな。」
「斑目、おんしの卍解の本当の名は、、、」
「待て。俺次第ってのはどう言うことだ?」
兵主部は一瞬驚いたように目を見開いた。
「ふむ、なんといえば良いか。」
言葉を選んでいるのか顎をさすっている。
「おんしの言葉と心の差異じゃ。それが解決されぬ限り卍解には至らん。目を背けるな。」
「目を背けるなだと?」
「まぁ良い。一度行って話し合ってみるのもいいじゃろう。」
「さぁ、おんし自身を説いてみろ。」
対面で兵主部が手をかざすと、一角の意識は暗闇に飲み込まれた。
目を覚ますとそこには不思議な空間が広がっていた。
折れた刀や、斬られ倒れている人。
その周りには円状に、そして其処彼処に白い花が咲いていた。
「よぉ、相棒。」
浅黒い肌に橙色の特徴的な形をした髪、腰には白い布を巻き槍を手にしている男が待っていた。
「鬼灯丸、、、」
〜浦原商店地下・勉強部屋〜
一勇が地下勉強部屋に着くと、一護、一心、浦原、そして苺花が立っていた。
「なんだ?苺花、お前も呼ばれてたのか?」
「だから呼び捨てにすんな!」
苺花から幼さは消え、スラっとした美人になっていたが気の強い性格はそのままだった。
「昔は苺花ちゃん、苺花ちゃんって言ってあんなに可愛かったのにどうしてこんなになったんだか、、、。」
一心が笑いながら一護と一勇を見る。
「一護も昔は一勇そっくりで柔らかい子だったからなぁ。」
「それがなぜ中学くらいから、、、」
急に一心は懐から取り出したハンカチを目元に当てた。
「うるせえよ!ヒゲダルマ!話進まねえだろ!」
「で、親父、じいちゃん、浦原さん、一体なにすんだ?こんな広いところで。」
「勉強会っす。」
「勉強会って、、、てかこんなの作って犯罪じゃねぇのか?」
「どこかで聞いたような台詞ですね。やはり遺伝子ですか。」
浦原は一護の方を意味ありげな顔で見ている。
「いちいち止めんなよ!」
浦原はハイハイ、と話を元に戻した。
「一勇サン、苺花サン。御二方には卍解を修得していただきます。」
「3日で。近いうちに敵サンが攻めてきますからそれまでに修得してもらいます。」
「ちょっと待ってください。卍解とは才のあるものでも10年はかかるのでは、、、?」
苺花は自身の親から卍解に至るのがいかに難しいかを聞いていた。
だからこそ3日で修得できるなんて到底考えられない。
「そうっす。その通りっす。」
「だからこのやり方は危険が伴います。」
危険を伴うと聞いて苺花は声を荒げた。
「それを私たちにやれと言うのですか!?前例は、、、!」
「前例ならある。俺と浦原さんだ。」
「親父も、、、?」
「それに恋次とルキアの許可は取ってある。」
「で、でもどうやって?」
浦原は横の岩に立てかけてある人型の的のようなものを手に取った。
「転神体といいます。これを使えば3日間斬魄刀を具象化させることができます。」
「その間に具象化した斬魄刀を屈服させるんだ。」
浦原が真剣な眼差しで一護に続く。
「それができなければ、、、」
グサッ
「できなかった時のことは聞かねぇ。」
「一勇、、、!あんた!!」
「それしか方法が無えんなら、、、やるしか無えだろ!」
〜双極の丘地下・勉強部屋〜
檜佐木は夜一から尸魂界での勉強部屋を、浦原から転神体を借り、彦禰の卍解修得のため修行を始めようとしていた。
「と言うわけだ、彦禰。」
「覚悟はあるか?」
「あります。」
「怖さはあるか?」
「あります。」
「よし、ならこの転神体に斬魄刀を刺せ。」
「卍解、風死絞縄。」
「手加減はしねえ。斬魄刀だけじゃなく、俺も入る。」
〜虚夜宮広間〜
「黒崎一勇と錆面彦禰の能力は詳しくは分かっていません。」
王印の紋章の男、ノヴァディオが懸念事項である一勇と彦禰を話題にあげていた。
「黒崎一勇なら知ってるぜ。」
シュリーカーはかつて、一勇、苺花と交戦したことがあったのだ。
が、ノヴァディオはもちろんその程度のことは知っていた。
「鬼道を斬魄刀に取り込む能力があるのはわかっていますが、それだけでは無いはずです。」
「彼らは我々のように後付けではなく、生まれた時から色々な力が混ざりあっていたのですから。」
「あの2人の能力が分かっていない以上、誰をぶつけるべきかも決め兼ねますね、、、。」
「なら奪っちまえばいいんじゃねえか?」
そう意見を出したのは腕を組み柱にもたれかかって話を聞いていたナナナ・ナジャークープだった。
「
「確か現世のどこかに星十字騎士団の生き残りがいたはずだ。そいつらなら持ってるかもしれねぇ。」
4人と1体の女性勢力。
たしか現世に身を寄せていたはずだった。
「では探しに行きましょうか。」
「どうやって?」
そこへザエルアポロがタブレットのようなものを持ちやって来た。
「これだよ。」
「君を解放する時に横にあったものを拝借して来たんだ。」
かつて技術開発局と関わりをもった滅却師の位置情報が示されていた。
「やっぱあいつ、えげつねぇ物作るな。」
〜現世・某国〜
金髪でスラっとしたモデル体型の女性と、少女のような童顔の女性が雨の中道を歩いていた。
「湿気で髪が、、、!クソっ!!」
「キャンディス、落ち着けって。」
「あとはこのスイートバジルってやつで終わりだ。」
少女のような女性は傘をさしながら小さいメモを見ている。
「リルトット、あんたは短いからそんなことが言えんのよ!最近虚圏の乾燥に慣れてたからな、、、。」
キャンディスと呼ばれる女性は髪をやたらと気にし手櫛で整えていた。
「ここだ。」
ーー休業のお知らせーー
無情な張り紙だった。
「なんだ?休みじゃねえか!髪ゴワゴワになってまで来たのに、、、ふざけんな!!」
「開けろ!!」
キャンディスは引き戸をガタガタと引っ張り始めた。
「おい、やめろ。みっともねぇぞ。」
「うるせえ!あたしがここまで来たってのに休みやがって!!」
「ミニーニャもだが、こいつも相当脳筋だな。」
キャンディスが諦めて帰ろうとした時だった。
カランカラン
ガタイのいいオレンジ色のモヒカンの男が店から出てきた。
「なんだ?うちは今日から休業だぞ?」
キャンディスは、しめた、とばかりにその男に詰め寄る。
「おっさん!少しだけ店開けてくれよ。バジルだけ!」
「それは無理だ。俺は今から日本に行かねばならん。」
「日本なんてまた今度でいいだろ?な?寺とアニメしかないだろ?」
リルトットは、『最近お前もアニメにハマってよく行ってんじゃねえか』と心でつっこみをいれていた。
「そういえば日本っていやぁ、石田や黒崎の野郎を思い出すな。」
リルトットは懐かしむように2人の日本人の名前を挙げた。
「黒崎の話はやめな。レディの髪ぐちゃぐちゃにしやがって。今でも忘れられない!あーーー!イライラしてきた!!」
「黒崎だと?黒崎一護か?」
「なに?おっさんも知ってんの?あいつ結構、、、、」
「有名だなってか?」
そこにはなんと形容したらいいかがわからないような奇妙な格好をしたお歯黒の男が立っていた。
「あんたは、、!」
「ナジャークープ、、、!」
「久しぶりだなぁ、キャンディス、リルトット。ちょっと付き合ってくれよ。」
To be continued......