BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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第10話 鬼道の始祖と呼ばれた死神

 

 

 

茜雫の霊圧を感じ取り、一護と白哉がその出所を探りに行った頃。

 

 

〜浦原商店地下・勉強部屋〜

 

 

「まずいですねぇ、苺花サンも少し気晴らしにと義骸で散歩にでたばかりだったのに、、、。」

 

「一勇サンに私服姿を見せたいという乙女心が仇となりましたねぇ、、、。」

 

 

「店長、私が行きますかな?」

 

鉄裁がエプロンを取っている。

 

 

「いえ、今日は確か茶渡サンが当直のはずですから連絡してみます。」

すると浦原は伝令神機を取り出すとポチポチとボタンを押している。

 

「まぁ霊圧を探って見た感じ場所は離れていますし、大丈夫でしょう。」

 

 

チャドはというと数年前にボクシングの現役を引退していた。

彼は無敗の王として世界に知られ、ファンからも引退を惜しまれた。

今では空座町でボクシングジムを営んでいる。

 

そんな彼はランニングがてら空座町の現世部隊の当直についていた。

 

 

ピコン

 

「ム、、、浦原さんから連絡か、、、、。苺花を?」

 

 

 

 

〜空座町某所〜

 

 

苺花はコンビニから出てきたところで異変に気付いた。

 

「この霊圧は白哉叔父様と、黒崎部隊長、、、!」

 

はるか遠くで2人の隊長格と見知らぬ霊圧を感知したのだ。

 

「戻らないと!」

 

 

 

不気味で粘着質な声。

 

「いい匂いがするなァ、、、!よぉ、おまえあの時の女だな?」

 

「あんたは!!」

 

 

 

 

ーー堕ちろ! 煉獄破面(マスコ・デ・ラ・インフェロ)ーー

 

 

ーー三火三水双(さんかさんすいなら)びて(つら)なれ、焱淼双連(えんびょうそうれん)ーー

 

 

 

 

「あの時の、、!」

 

「(義骸を着てるこんな時に、、、!)」

 

 

苺花がどう戦うかを考えていると、いつの間にか目の前にいたはずのシュリーカーが数メートル先まで距離を詰めてきていた。

 

「(速いっ!)」

 

シュリーカーは拳を思い切り振りかぶり苺花に打撃を与える。

 

「がはっ、、、」

 

苺花は左のみぞおちに打撃をくらい、数秒間息が止まってしまった。

 

「やっぱおめぇも一発で死なねぇか。母親同様やるじゃねえの。」

 

苺花はみぞおちを押さえながら態勢を立て直している。

 

 

苺花はシュリーカーの顎に膝蹴りを食らわせた。

 

そしてシュリーカーの頭を足場として上空に飛び上がる。

 

「君臨者よ!血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ!真理と節制、罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!」

 

「破道の三十三、蒼火墜(そうかつい)!!」

 

蒼い炎がシュリーカーの背後から直撃する。

 

が、しかし、、、

 

「遺伝子だな。全く同じことするなんてよぉ。」

 

全くの無傷だった。

 

 

「もう偵察はあらかた終わらせたから、遊んだ後に報告しようと思ってたんだが、正解だったな。」

 

シュリーカーは不気味な霊圧を垂れ流している。

 

「あの時のガキを殺せるなんてゾクゾクするぜ。」

 

シュリーカーは響転(ソニード)で苺花に詰め寄り、首元を掴んで壁に押し付けた。

 

「ざまぁねぇな、クソガキ。」

 

「くっ、、、、」

 

 

 

その時シュリーカーの顔面を右から何かが殴り飛ばした。

 

「ゴァアァァッ!!」

 

さらにもう一発。

 

「ぇぷ!!」

 

 

「あなたは、、、茶渡さん!」

 

チャドの右手には黒い盾の手が、左手には白い悪魔の手が。

 

「苺花、、、義骸なのか?」

 

 

 

シュリーカーは頬を押さえながら立ちがっている。

 

「く、、、くそ、、、ッ」

 

ザァッ

バサァッ

 

「なっ!飛んだ!?前はそんな力なかったのに!」

 

「前は見せてなかっただけだ!ふははは!」

 

シュリーカーは翼を羽ばたかせ上空に留まった。

 

 

 

「ム、、、飛んだな。大丈夫だ、策はある。」

 

チャドは道端にあるコンクリートの電柱へと歩いて行く。

 

 

「な、何をするつもりなんですか!?」

 

チャドは電柱の足場となるステップボルトを掴んだ。

 

「こうする。」

 

 

上空のシュリーカーは余裕の様子でどうするかを考えていた。

 

「てめぇら空中なら届かねぇだろ!!やっぱ空中はヒット&アウェイでハヤブサみたく仕留めて、、、あ?」

 

 

「おオオオオオオオ!」

 

 

シュリーカーが地上を見るとチャドがコンクリートの電柱を引き抜いて持ち上げていた。

 

「なんだと〜〜〜〜!!?」

 

 

「大丈夫だ。今度は方向は分かっている。」

 

チャドは思い切り電柱を振り下ろす。

 

 

「ぼぶ!!」

 

シュリーカーの背中に電柱がめり込み叩き落とされた。

 

 

 

『父さん!テレビ消えちゃった!』

『うるさい!こっちはウォシュレット消えてんだ!』

 

チャドが引き抜いた電柱が原因で辺りの家から悲鳴が聞こえてくる。

 

「ム、、、すまん、、、」

 

 

 

土煙が晴れるとシュリーカーが頭を押さえて立っていた。

 

「なるほど、、、お前あの時の男かぁ、、、。忘れてたぜえ。」

 

 

「けどお前らも忘れてんじゃないか?」

 

チャドと苺花の背後の塀には細長い頭で小動物のような小虚が所狭しと並んでいた。

 

 

そしてその小虚達はチャドと苺花を取り押さえる。

 

「形勢逆転ってヤツだなァ、オイ?」

 

 

「ムオオオオオ!」

 

チャドは筋力で小虚達を払いのけ立ち上がった。

 

「やっぱムチャクチャな奴だな!!」

 

シュリーカーは再度空へと羽ばたいた。

 

 

「また空に!!」

 

苺花が上空を指差しチャドの方を向いている。

 

「苺花、安心しろ。俺に考えがある。風を出せる鬼道はあるか?」

 

「へ?」

 

 

 

 

〜浦原商店〜

 

 

「どうやら茶渡サン達も戦闘してるみたいっスねぇ。」

 

 

「彼らに出てもらいますか?」

 

鉄裁が後ろに手を組んで立っていた。

 

「そうっスね。アタシが連絡します。」

 

 

「あ、どうも〜、浦原っス〜。ちょっと出て頂けませんかね?」

 

 

 

 

 

〜空座町某所〜

 

 

「茶渡さん、、、」

 

「本当にこれでいくんですか、、、?」

 

 

チャドは体育座りの苺花を右手で抱え、折りたたんだ苺花の足を左手で支えている。

 

「俺の怪力と苺花の鬼道を有効に活用するにはこの方法しかない。」

 

「何というか、、、すごく、、頭の悪い作戦のような気がするのですが、、、」

 

 

「言うな、母親が悲しむぞ。」

 

 

「ちょっと!高すぎです!!花火じゃないんですから!!」

 

 

「さっき言った通り、発射して奴の前にいけばその鬼道を使ってくれ。

 

「はい!」

 

「終わりだ!虚、観念しろ!」

 

苺花はチャドに対し大きく返事をすると、上空へと投げ出された。

 

 

「カンネンしますからっ!何もしないでェ!!」

 

シュリーカーは両手を前に出し飛んでくる苺花を阻む素振りを見せた。

 

「、、、なんてな。」

 

シュリーカーの左肩にいた小虚の眉間から何かが固まった球状のものを噴出された。

 

「破道の五十八、闐嵐(てんらん)!」

 

吹き出した何かの塊は闐嵐(てんらん)の突風によってシュリーカーに跳ね返された。

 

「なに!?」

 

シュリーカーに塊が当たると弾け、幼虫のようなものが体に張り付いた。

 

「ヒルが、、、!!離れねぇ!!」

 

その塊の正体はヒルだった。

 

 

「これで得意の小型爆弾ヒルは使えないはずだ。」

 

チャドは落下した苺花を受け止めた。

 

 

 

「それだけじゃあねぇ!!」

 

シュリーカーは矢を生成し弓を引き絞った。

 

 

「滅却師の矢か!苺花俺の後ろへ!」

 

チャドは右手の盾でシュリーカーの矢を防ぎきった。

 

 

「これはどうだぁ!?王虚龍の息吹(グラン・レイ・ドラゴアリエント)!!」

 

赤黒い焔を纏った王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)を放つ。

 

 

チャドは悪魔の左腕(ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ)に霊圧を込め振りかぶった。

 

魔人の一撃(ラ・ムエルテ)!」

 

 

「へぇ、お前も虚や破面の力を使うのか。やるじゃねえか。」

 

「なぁ、同胞?」

 

 

チャドは片膝をつき、立ち上がれずにいた。

 

魔人の一撃(ラ・ムエルテ)で中心部を相殺したお陰で直撃は免れていた。

 

「茶渡さん!!大丈夫ですか!?」

 

 

 

「おいおいなんだぁ?黒崎の野郎じゃねぇじゃねえか。」

 

鋭い男の声が夜の通りに響いた。

そしてそれに続くように凛とした女性の声も響く。

 

「だから苺花(いちか)ちゃんって言ったでしょ?」

 

「全く、一護(ニーニョ)かと思ってきてみれば全然違うではないか。」

 

そしてもう一人スペイン語混じりの男も現れた。

 

 

「うるせぇ雑魚。」

 

「何おう!?我輩は元3番だぞ!?」

 

「ネリエルに奪われたんだろ?」

 

「ケンカしないの!」

 

ネリエルと呼ばれる破面の女性は2人を必死で仲裁している。

 

 

シュリーカーは長い口喧嘩に痺れを切らし怒鳴り上げた。

 

「なんだてめぇらは!?」

 

 

水色の髪の破面は不気味に口角を上げシュリーカーへ鋭い眼光を向ける。

 

「あぁ!?テメェを今からぶっ殺す奴だ。」

 

 

 

 

 

〜虚夜宮〜

 

 

「通じない!!一体何をやっているんです!?」

 

頭領のノヴァディオはシエンとシュリーカーに連絡をするも繋がらず苛ついていた。

 

 

「僕が行こうか?僕の分身だからね。」

 

ザエルアポロがコートを羽織り出撃しようとしている。

 

 

「いや、彼女に頼みます。」

 

ノヴァディオがそう断ると、広場出入り口から杖の紋章の黒コートが現れた。

 

ザエルアポロはその人物を一瞥すると一言。

 

「元貴族さんか。」

 

 

その元貴族と呼ばれた人物も言い返した。

 

「その呼び名はやめろ。消すぞ破面の小僧。」

 

「じゃあお婆さんとでも呼ぼうかな?」

 

 

「ふん、餓鬼には付き合っとれんわい。行ってくる。」

 

そう言い残すと元貴族の老婆は広場を後にした。

 

 

 

「元貴族とかいうけど大丈夫なのかい?あんな老いぼれで。」

 

ザエルアポロは怪訝そうな面持ちでノヴァディオに尋ねる。

 

 

「彼女が全盛期の時は五代貴族の中でも1番の栄華を誇っていましたから。」

 

「朽木、四楓院、志波、綱彌代。あの化け物貴族達の中でも群を抜いていました。」

 

 

鬼白峯珠稀(おにしろねたまき)。その名を轟かせた。」

 

 

ノヴァディオが一通り説明したところで死神出身である蟹沢がその名に反応した。

 

「鬼白峯ってあの?」

 

 

ザエルアポロは続きを蟹沢に尋ねる。

 

「なんだい?そんなにすごいのかい?」

 

「すごいなんてものじゃありません!」

 

中央霊術院では霊王の次に教える五人の偉人がいた。

 

 

中央霊術院の創始者にして長年に渡り護廷十三隊総隊長を務めた

山本重國

 

 

尸魂界のあらゆる事象に名前を付けた

兵主部一兵衛

 

 

死神が持つ全ての浅打を打った

二枚屋王悦

 

 

何度斬られても倒れないという最強の称号

剣八

 

 

そして鬼道の開祖である

鬼白峯珠稀

 

 

「全ての鬼道を自在に操る天才です。」

 

蟹沢の顔はこわばっている。

 

 

「なるほど、只の婆さんではないわけだ。」

 

 

ノヴァディオはさらに続けた。

 

「我々の中で魂魄の境界を破壊していない、つまり異種族の力を得ていない者が1人だけいます。それが彼女です。」

 

「それをする必要がない程の鬼道の使い手。それが、、、」

 

 

 

「『鬼の歩く道』とまで呼ばれた鬼白峯珠稀です。」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

To be continued......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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