BLEACH 〜Higher Than That Moon〜   作:虹捜索隊

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誤字がありました。中々なくならず申し訳ないです。
また、いつも気づいていただき本当にありがとうございます。
誤字撲滅を目指します、、、




第11話 Before THE BLEACH WARFARE

 

 

 

〜空座町某所〜

 

 

「終わりね。」

 

「つまんねぇ。」

 

Muy fácil(容易い)!」

 

ネリエル、グリムジョー、ドルドーニは横一列に並び白煙に包まれたシュリーカーを見下ろしていた。

 

 

シュリーカーは羽を引きちぎられ飛ぶことすら出来なくなっていた。

 

「くっそ、、、ツイてねぇ、、、流石にこいつら相手はキツイぜ。」

 

「シエンの野郎もいつのまにか来て、いつのまにかやられたみたいだし、、、やべえな。」

 

 

 

「破道の九十、黒棺(くろひつぎ)。」

 

 

「何!?」

 

グリムジョーは黒い棺に閉じ込められ、一瞬で轟音を立てて崩れ落ちた。

 

「グリムジョー!!」

 

ネリエルが駆け寄るが、鬼道の天才、鬼白峯(おにしろね)は攻撃の手を休めなかった。

 

 

「縛道の九十九、禁。」

 

「破道の九十一、千手皎天汰炮(せんじゅこうてんたいほう)。」

 

ネリエルの身動きを封じ高威力の破道を放つ。

 

 

「破道の五十四、廃炎(はいえん)。」

 

「破道の九十六、一刀火葬(いっとうかそう)。」

 

さらに自らの手を焼き、焼き焦げた腕を媒体として発動させることのできる犠牲破道を躊躇なく使用した。

 

攻撃をしに向かってきていたドルドーニもろとも焼き尽くす。

 

「裏破道四の道、複臓奉献(ふくぞうほうけん)。」

 

鬼白峯は犠牲になった腕を生やすと、肩をぐるんぐるんと回している。

 

 

「で、縛道の七十九、九曜縛(くようしばり)。」

 

鬼白峯はチャドと苺花を九曜縛で封じるとシュリーカーに向き直った。

 

 

「これだから虚は信用ならん。この程度に手こずるなど。シエンを回収に行く、モタモタするな。」

 

鬼白峯は瞬歩で、シュリーカーは響転(ソニード)でその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

〜空座町某所墓地付近草むら〜

 

 

「クソがっ、、、、あの小娘、、、、!殺す!」

 

茜雫にやられボロボロになったシエンは地面を這いつくばっていた。

 

 

「それは出来ぬ。お前はここで死ぬのだからな。」

 

「朽木白哉、、、!」

 

白哉がとどめを刺そうとしたときだった。

 

 

「破道の八十九、銀川一粒砂(ぎんせんいちりゅうさ)。」

 

鋭い鉄の砂が川のように白哉を襲う。

 

鉄の川が流れ切るとピンク色の球体が姿を現した。

そしてその球体は花びらのように散っていく。

 

白哉は千本桜で鬼道を防いでいたのだ。

 

 

「この霊圧、、、まさか鬼白峯珠稀か、、、」

 

白哉は珍しく驚きで目を見開いている。

 

「朽木家の坊主。元気そうだね。」

 

 

「お陰様、、」

 

「破道の九十、黒棺。」

 

一瞬だった。

鬼白峯は何の前触れも、予備動作も見せずに九十番台破道を詠唱破棄し発動させた。

 

藍染ですら手掌に黒棺の元となる霊圧を構築してからでないと詠唱破棄できないにも関わらず、鬼白峯はいとも簡単にやってのけた。

 

史上最速といってもいい黒棺が発動し終えると、そこに白哉の姿はなかった。

 

 

「流石の白哉坊も私相手では逃げるしか手が無いか。けどその速さは見事だね。」

 

 

そして鬼白峯は無様にもボロボロになったシエンに目を向ける。

 

「ざまぁ無いね、破面の小僧。」

 

「うるさい、、、早く連れて帰れ、、、、!」

 

 

 

 

 

〜空座町・某廃墟〜

 

 

「だれやねん、お前。」

 

かつて仮面の軍勢(ヴァイザード)と呼ばれた虚化を主な戦闘方法とする一派がいた。

 

その仮面の軍勢がアジトにしていた廃墟に、父親そっくりの顔立ちに目元だけ母親譲りの青年が訪れた。

 

「父から聞いた。黒崎一護さんがここで虚化修行をしたと。」

 

 

「いや、だからお前だれやねん。名前名乗れ言うてんねん。」

 

金髪ポニーテールの少女、猿柿ひよ里が珍しく怒鳴りつけず静かに問うていた。

 

 

「滅却師の石田竜燕だ。」

 

 

「滅却師の石田やと?そもそもまず素質がないとあかんで。誰でもできるもんとちゃう。」

 

ひよ里は帰れ帰れ、と言わんばかりに竜燕に向け手を小さく振った。

 

「僕の母は元破面だ。僕の中にも破面や虚の霊圧が宿っている。」

 

 

「義骸で力を失った破面と石田が結婚したってのは一護の冗談じゃなかったんだな。」

 

黒い紅葉のような髪型をした男、愛川羅武(あいかわらぶ)はページを忘れないように、ジャンプを開いたまま伏せ竜燕を観察するように見ていた。

 

 

羅武の横に座るピンク色の短髪の巨漢、有昭田鉢玄(うしょうだはちげん)が困ったように呟いている。

 

「冗談と思ってご祝儀渡してなかったデス。」

 

 

「もういいんじゃないかな?その代わりに僕が曲を送るよ。」

 

百年前の仙波の事件の時にはまだ三番隊隊長をしていた鳳橋楼十郎(おおとりばしろうじゅうろう)、通称ローズが愛用のギター、フライングVを手にとっている。

 

「ローズ!お前うるさいねん!」

 

ひよ里は訳の分からないことを言っているローズにピンポイントで怒鳴り散らした。

 

「なんで僕だけ!?」

 

 

その2人を傍目にラブが話を進める。

 

「なるほどな。で、お前覚悟はあんのか?」

 

「何勝手に進めとんねん!ラブ!」

 

 

「なかったら来てない。」

 

そう言うと竜燕は滅却師十字(クインシークロス)を取り出した。

 

 

その目はかつての一護と同じであった。

 

「はっ!面白ぇ、ついて来い。」

 

ラブはサンダルをパタパタと鳴らせながら廃墟の奥へと歩いていく。

 

 

「おいラヴ!何勝手に決めてんねん!こいつ滅却師やぞ!?死神と同じかどうか分かれへんやろ!?」

 

 

ローズはギュイーン、とギターを鳴らしながらポーズを決めている。

 

「いいじゃないか。彼の目には確固たる決意が見て取れるよ。良い曲が出来そうだ。」

 

 

「ローズ、せやからお前はうるさいねん!!」

 

 

ラブはまたも2人のやり取りをスルーして話を進めた。

 

「だが虚の仮面から出そうってならかなりきついぜ?」

 

 

竜燕が額に手をあてがい下へと引っ掻くように下ろすと、虚の仮面が出現する。

 

「これのことかい?」

 

 

「ほぉ、、、。」

 

そしてラブも同様に虚の仮面を発動させた。

 

「なら話は早いぜ。」

 

 

 

 

 

 

〜虚夜宮〜

 

 

「何をやっているんですか!?シエン!!」

 

「思念珠を失ったのがどれだけの痛手が分かっているのですか!?これで計画を変えざるを得ません!」

 

王印の紋章のノヴァディオはバンッ、と机を思い切り叩き怒りを露わにした。

 

 

「落ち着きな。それでお前さん、どうするんだい?」

 

鬼白峯は杖をつきながら自分の席へと向かっている。

 

 

ノヴァディオは深呼吸をし、冷静になるとこれからの作戦を伝え始めた。

 

「思念珠がいない以上現世部隊の足止めは諦めます。現世部隊で厄介なのは浦原喜助だけですし。他は各自流動的に撃破してください。」

 

「更木剣八には予定通りセキズイを当てます。」

 

「京楽春水にはウキャクを。」

 

「浦原喜助は、、、、鬼白峯さんに頼みます。」

 

「虎徹勇音は燬鷇王(きこうおう)がいいでしょう。」

 

「そして私が涅マユリに当たります。」

 

「メダリオンは更木剣八、京楽春水、虎徹勇音にあたる3名が持って行ってください。」

 

「浦原喜助と涅マユリはきっと対策を持っていて意味がないでしょうから。」

 

「後は取るに足らない者ばかりですから誰を当ててもいいでしょうが、一応相性は考えておきます。」

 

一通りの説明を終えると、ノヴァディオは立ち上がり声を少し張り宣言した。

 

 

「3日後に尸魂界に攻め入ります。」

 

 

 

「目指すのは尸魂界の、そして四十六室の浄化!」

 

 

 

「皆さん、頼みましたよ。」

 

 

 

 

 

To be continued.......

 

 

 

 

 

 

 

 


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