BLEACH 〜Higher Than That Moon〜 作:虹捜索隊
〜黒崎医院〜
「え?おれが護廷十三隊に?」
白衣を着た一護は驚きのあまり聞き返してしまう。
「護廷十三隊と言っても現世部隊だ。今までの死神代行の権限が昇華したものになる。」
「やだね。めんどくせえだろ。それにおれはここも経営してんだ。一勇もいるし。」
ルキアは現世部隊組織政策のため黒崎家を訪れていた。
一護は快諾してくれると予想していたが、思った以上に食いつきが悪かったためルキアはある切り札を使うことにする。
「現世部隊には石田や茶渡、銀城、月島、そして破面たちも入ってもらおうと思っている。」
「あいつらも!?」
「護廷隊に入るということは、我々はあやつらにも不利益は与えられない、ということだ。」
「てめっ、人質みたいにしやがって、、、。」
「あ〜、わかったよ!やりゃいいんだろ!」
一護は観念したように短い髪をガシガシと掻き毟っている。
15分程が経ち、一護とルキアは病院から自宅の居間へと場所を移し手続きをしていた。
「ではここに署名押印しろ。」
一護は言われるがまま名前を書き終えると、印鑑を手に取った。
「ちなみに現世部隊は十三番隊の直轄だ。」
ルキアは満面の笑みを浮かべている。
一護は印鑑を押す瞬間集中していたせいか、理解するのに時間がかかってしまった。
そして押し終えてルキアの言った意味を理解する。
「それっておまえ、、」
「そう、私の部下ということだ!」
「フハハハハ!」
「ルキアてめぇ!」
織姫がお茶を淹れ居間に入ってくる。
「どうぞ、ルキアちゃん。これリルカちゃんがプロデュースしてる紅茶なの。」
かつて一護は
その中の完現術者の一人、
「どうしたの?紅茶嫌いだった?」
紅茶を差し出されそう言われたルキアは織姫の目を見ることなく、、、。
「い、いや、、そんなことはない。すまんな、お、お、織姫、、。」
「なんだルキアおまえ、まだ恥ずかしがってんのか?」
ルキアと織姫はお互い結婚で名字が変わったことをキッカケに下の名前で呼ぶようにしていたのだった。
「まだ違和感が、、、。」
「たしかに!ずっと朽木さんだったから、ちゃん付けは変な感じするよ。」
織姫は一護の手元にある署名押印した書類に目をやる。
「あ!あなた結局現世部隊やるの?」
「仕方ないだろ、、、。他の奴のことも考えたらやるしかねぇ。」
「頑張ってね!」
織姫は全力のガッツポーズを一護に向けた。
「それでそっちはどうなんだ?」
一護としても最近の尸魂界の情報は気になっていた。
ルキアは肩をすくめ、一呼吸置くと呟くように話し始めた。
「実は、、、また王印が奪取された。」
「またかよ!もしかしてまた、、」
日番谷冬獅郎が一護の頭に浮かぶ。
「少し複雑でな。草冠を名乗る草冠ではない者が首謀者だと言われている。」
「草冠のフリをしてやがるのか!それで冬獅郎は、、、。」
「日番谷隊長は草冠を侮辱するようなことをされたんだ。らしくないが激昂して犯人を探している。」
「冬獅郎も一人で突っ走らなきゃいいが、、、、なんだ、、?この霊圧は、、、」
感じたことのない霊圧が空座町に走り渡る。
「これは、、、滅却師に近い?」
ルキアは感覚を鋭くし霊圧を探っている。
そして一番最初に気づいたのは母親だからだろうか、織姫だった。
「一勇もいる!」
〜公園〜
「うわっ、なに?」
死覇装姿の一勇は突然目の前に現れた見知らぬ霊圧の男に戸惑っていた。
その男は白を基調としたコートと軍服を合わせたようなものを身につけており、胸のあたりには十字架の模様があしらわれている。
「力を試して来いと言われてもと思っていたが、ちょうどよく死神に会うとは。」
「子供だが力試しにはいいだろう。」
男は手を顔の方に当てがうと、引っ掻くように手を上へと動かす。
「これが虚の力か、、!力が湧き出る!!」
男の顔を虚の仮面が覆い、まるで水の中で喋っているかのような声となる。
男は青色の弓を発現させ霊子で矢を作る。
「やはり虚の力も入っているのか。」
そう言うと男は矢を一勇に向け放つ。
「わわわっ?」
速度のある矢は一直線に一勇へと向かう。
一勇はその速度に対応できず、直撃すると目をつぶった。
もうダメだ!当たる!
あれ?
一勇は気づくと誰かに抱えられていた。
「石田のおじさん!!」
「おじさん、、、?か、一勇君、大丈夫かい?」
石田はおじさんと呼ばれたことに少しショックを受けつつも一勇を気遣う。
「うん!大丈夫だよ!」
石田は一勇を抱えたまま上空に佇む敵を見上げた。
「(あの軍服、、、。)
「一勇君、一旦降ろすよ?」
「うん!」
一勇に見せた優しい顔を一変させ男に向き直る。
「お前滅却師か?」
石田が弓を引きながら問いかける。
「その通りだ、滅却師の裏切り者石田雨竜。」
「なるほど、残党か。」
「それでその仮面は何なんだ?虚の真似事かい?」
「ふっ、今やおれは一番進化した滅却師だ!」
「これがわかるか!?」
男は石田に向かい矢を放つが、石田はその霊圧に違和感を覚える。
「虚閃!?」
石田は矢を放ち相手の攻撃と相殺させる。
「これはどうだ!?」
さらに相手は攻撃を仕掛けてくる。
「くっ、速い、、!虚弾か、、!」
何発も放たれた虚弾が一勇に当たると判断した石田は一勇を抱え飛廉脚で逃げ回る。
「おらおらおらぁぁぁ!!」
矢の形状をした虚弾が石田達を襲う。
「いつまで逃げてんだ?オラ!!」
「こっちは湧き出るほど霊子があるんだ、我慢比べなら受けて立つぜ!!」
石田は一勇を持ち上げ頭の上を通し背中に移動させる。
「一勇君、僕の背中に捕まって!」
手が空いた石田は腰の後ろにある一本の矢を取り出し弓に充てがう。
「逃げてるだけだと思ったか?」
そう言うと石田は男に向け矢を放つ。
「虚弾の間を縫ってくるとは流石だ、、、、が、残念だったな!」
男の皮膚には大きく輝く青い線模様が走っていた。
「静血装だろ?分かっているさ。どうせそれも強化されているんだろ?」
石田の放った矢は男に直撃する寸前で止まり四方に光の線を放ち始める。
「
光の線は立方体となり、青い半透明の霊子の箱が男を包み込む。
そして石田はその様子を見ながら銀筒を取り出し手の上で転がしていた。
「霊子が溢れすぎて使ってくださいと言ってるようなものだぞ、虚の力に飲まれた元滅却師。」
手から弾かれた銀筒は立方体を形作る矢に当たり、霊子の箱は収縮を始める。
「クソがっ!このまま潰されてたまるか!!」
男は収縮する霊子の箱に潰されないよう霊圧を放ち続ける。
「オラァァァァァァァ!」
霊子の箱を包む青白い光が増していく。
ドゴーーーーーーン
轟音を立てて大爆発を起こす。
そしてあたりに白煙が立ち込める。
白煙が晴れると満足そうな顔をした男が仁王立ちしていた。
「こりゃすげぇ、全く効かないなぁ。」
「なかなか硬いじゃないか、、、」
石田は額から冷や汗を流している。
次の策を思い巡らせていると、石田の後方から聞きなれない関西弁が聞こえてきた。
「おらぁ!ハゲ喜助!早よこんかい!」
「分かってますってば、、、。」
「おまえ一勇がやばいねんぞ!?気合い入れんかいボケェ!」
そばかすに八重歯、そしてツインテールの少女が浦原商店店主、浦原喜助の背中を小突いている。
「あ、痛っ、、、、、すみませ〜ん、石田さん。遅くなりまして。」
「どうやら滅却師の生き残りさんみたいですねぇ。」
浦原はその時折見せる鋭い眼光で相手を観察していた。
「浦原喜助か、、、。」
その男も滅却師の首領であるユーハバッハから聞かされていた。
死神側特記戦力の一人浦原喜助。
用心しなければならないことをこの男は心得ていた。
「浦原喜助か、、、。ちゃうわ!!!」
「なんでこいつだけやねん!!ウチは無視かコラァァ!!」
無視されたことに苛立ちを隠しきれないその少女、猿柿ひよりは霊圧を上げ斬魄刀を抜いた。
「ぶった切れ!
「月牙十字衝!!」
ひよりのはるか頭上で十字型の斬撃が相手に向かっていく。
「
男は咄嗟に銀色の筒を投げた。
ぶつかった銀筒は霊子の衝撃波を起こし月牙十字衝と相殺する。
「黒崎一護に朽木ルキアか。」
特記戦力の黒崎一護に、星十字騎士団のエス・ノトを一撃で破った朽木ルキア。
男はさすがに勝てないと察した。
「これは分が悪い。」
「あれは、、、!」
男の横に出現した“もの”は本来滅却師が出現させることのできるものではなかった。
「黒腔、、、ですか?」
浦原もその挙動を慎重に見つめている。
「じゃあな、裏切り者。」
男は石田にそう告げると暗闇の中へ消えていった。
「何者なんだ、、、?」
ルキアには皆目見当もつかなかった。
浦原に聞くしかない、そう思っていたのだ。
「一勇!」
一護はすぐ様一勇のもとに駆けつけようとするが、、
その横から猛スピードのなにかが一護にぶつかり、くの字に吹っ飛ばされる。
「おいコラ!一護!おまえウチがぶっ飛ばすとこやったんやぞ!!?」
「それをいいとこ取りしゃぁがって、なめくさっとったらあかんで!!」
「痛えな!!!うるせぇよ!!」
「だぁれがうるさいじゃボケェ!!」
ひよりは解放途中で邪魔されたのに腹を立てていた。
「おい黒崎!一勇君を1人にするなといつも言ってるだろう!」
「次から次にやいやい言うな!」
「それはそうとあいつ滅却師とは微妙に違う霊圧してたな。あいつ見たことねえのか?」
一護は真剣な面持ちで石田に問う。
「星十字騎士団にはいなかったが、、、」
浦原は誰かと連絡を取った様子で携帯電話を耳から離していた。
「その話はうちでしましょうか。駄菓子でも食べながら。」
〜浦原商店〜
「お帰りなさいませ店長。今日はまたたくさん来られましたな。」
「鉄裁さん、皆さんにお茶を。」
「かしこまりました。」
メガネをかけた筋骨隆々の男、握菱鉄裁は台所へと向かう。
「で、今回の相手ですが、、、おそらく虚化した滅却師でしょう。」
「崩玉を使ったのか、それとも別の何かを使ったのかは分かりませんが。」
浦原は先に座布団に座ると各人にも座るよう手で促した。
「つまり今回は魂魄の中の境界を取り除くということが鍵となります。」
「なので調査のためにある方を呼んであります。そろそろ来る頃だと。」
「かつて崩玉で複数の境界を取り除いた人です。」
「複数の境界?」
一護は聞きなれない魂魄の中の境界という言葉が引っかかっていた。
「黒崎さんは死神、虚、滅却師、完現術のすべてが混ざり合っています。要するにもともと境界はなかったんです。」
「また平子さん達には崩玉を使い、死神と虚の境界を無くしました。」
浦原は以前まで崩玉は魂魄の中の境界を操ることのできる物だと思っていた。
しかし真の力は
自らの周囲に在るものの心を取り込み具現化する能力
であったのだ。
浦原はさらに説明を続ける。
「しかし中にはそれぞれの霊圧に枠組みがあり、境界線によって魂魄の中で区切られている人もいます。」
「1つの能力だけが開花し、他の能力が埋もれたままの可能性が。」
「おれの滅却師の能力みたいにか?」
「いえ、話を聞く限り黒崎さんは昔からありましたよ。」
「影の力や、月牙天衝も滅却師の霊圧を放つという点でも一致してますし。」
斬月から影の力や静血装の話は聞いていた。
しかし月牙天衝については言われてみればそうだと今更になって気づく。
「じゃあどういう、、、」
一護の言葉を遮るように鉄裁が戸から顔を出した。
「店長、お客様です。」
「着いたようですね。説明するより見たほうが早いかもしれません。」
「アタシはまた黒崎さんに謝らなければなりません。」
「だから一体誰なんだよ。」
一護はゆっくりと戸の方に振り返った。
その人物を見て一護は自身の目を疑う。
「なっ、、、、」
浦原は帽子を深く被り直し肩をすくめていた。
「か、夏梨、、、、?」
To be continued....
死神図鑑ゴ〜ジャス
ーークイズ メガネの中身はなんじゃろなーー
「やぁやぁみんな久しぶりだね。」
「石田雨竜復帰記念、まぁいつもの通りここは初めて見た感じで僕の正体を当ててくれ。」
ピンポーン(一護)
「服が白いから白玉団子。」
「黒崎!いきなりふざけるな!!」
ピンポーン(チャド)
「メガ、、」
ピンポーン(一護)
「服が白いから医者」
「そうなんだ、そうなんだけど、それじゃないんだ!」
ピンポーン(マユリ)
「外道」
「言われたーーー!先に言われたーーー!」
「ていうかなんでお前がいるんだ!そこは井上さんのほっこり回答だろ!」
ピンポーン(一護)
「服が白いからレンコン」
「黒崎!お前10年前と変わってないじゃないか!」
「完全にバカにしてるだろ!」
「銀嶺孔雀!!!」
ドカーーーーーーーン
〜fin〜